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50代がiDeCoをするなら?おすすめ商品と活用法を解説

この記事で解決できるお悩み
  • 50代に適したiDeCoの運用法が知りたい
  • 50代向けのiDeCoのおすすめ商品が知りたい
  • 50代からiDeCoを始めるべきか迷っている 

「50代からでも、iDeCoを始める意味やメリットはあるのだろうか?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないだろうか。

iDeCoとは、非課税で運用しながら年金を用意できる制度である。

iDeCoは、運用できる期間が長いほど有利になりやすいのは確かだ。

しかし、50代の方でもiDeCoを始める意義はある。興味を持っているのであれば、iDeCoを始めるとよいだろう。

こちらの記事では、50代からでもiDeCoをおすすめできる理由や、始める際の注意点などを解説する。

iDeCoを始めるべきか悩んでいる50代の方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてほしい。

目次

50代からiDeCoを始めるのはおすすめなのか

結論として、50代からiDeCoを始めるメリットはある。

始めるべきか悩んでいる方は、ぜひ始めるべきだろう。

以下で、50代からでもiDeCoがおすすめな理由を解説する。

50代からでもiDeCoがおすすめな理由

そもそも、iDeCoとは個人型確定拠出年金のことだ。

「年金」という言葉があるように、計画的に自分専用の年金を作れる制度となっている。

iDeCoは毎月、あるいは毎年掛金を拠出して運用管理機関が用意しているラインナップの中から、自分で運用商品を選択する。

運用益が非課税になるメリットがあるため、自分で貯蓄するよりも効率よく老後に向けた資産形成を行える。

さらに、iDeCoは掛金が全額所得控除になる。つまり、節税しながら老後に向けて資産形成を行えるのだ。

節税効果は所得税率が高いほど大きくなるため、一般的に高い年収を得ている50代の方にとってメリットが大きい。

現行法では、65歳までiDeCoで運用できる。現在50歳の方であれば15年程度の運用期間を確保できるため、中長期的にリスクを抑えながら資産を積み立てられる。

長期的な投資期間を確保できれば、複利効果を得られるため、50代の方でも効率よく資産形成に取り組めるだろう。

また、iDeCoは受給開始年齢に達したあと、一時金で受け取るか年金で受け取るか選択できる。

自分のライフスタイルに合わせて柔軟に受け取れるため、利便性の高い制度といえるだろう。

50代からiDeCoを始めた場合に期待できる資産成長イメージ

実際に50代からiDeCoを始めた場合、どのような資産成長のイメージが見込めるか気になる方もいるだろう。

以下で、2つの例を挙げて具体的な資産成長の結果を解説する。

10年間にわたって毎月5万円を積み立てた場合
  • 運用利回り
    • 年率3%
  • 総積立額
    • 600万円
  • 運用益
    • 約99万円
  • 最終的な資産額
    • 約699万円
15年間にわたって毎月3万円を積み立てた場合
  • 運用利回り
    • 年率4%
  • 積立期間
    • 15年間
  • 総積立額
    • 540万円
  • 運用益
    • 約198万円
  • 最終的な資産額
    • 約738万円

上記の例でも分かるように、50代からでも長期的に積み立てを行い、リスクを負って運用することで将来的に大きな資産成長が期待できる。

選択する運用商品によって期待できる利回りは異なるものの、相応のリスクを負えば年率3%~4%は十分に達成できる。

さらに、iDeCoには所得控除による節税メリットがあるため、実際のリターンはさらに増える。

「50代からiDeCoを始めても遅い」ということは全くなく、むしろ興味があれば1日でも早く始めるべきだろう。

50代からiDeCoを始める際の注意点

50代からiDeCoを始める際には、いくつか注意すべき点がある。

大切な資産を失わないためにも、自分自身のリスク許容度を見極めることは欠かせない。

リスク許容度とは、損失が発生したときに「どれだけ耐えられるか」という度合いだ。

50代は定年退職までの期間が限られており、20代や30代の人と比べると運用期間は短いため、リスク許容度を適切に見極める必要がある。

できるだけ大きなリターンを得たいからと言って、ハイリスクな運用商品への投資に偏ると、大きな損失を被る事態になりかねない。

そのため、株式や債券、不動産などをバランスよく購入して自分のリスク許容度に合った運用商品を選択することが重要だ。

特定の運用商品に集中投資するのではなく、リスク分散のために複数の運用商品に分散投資することも欠かせない。

分散投資はリスクを軽減する有用な手段であり、分散投資を行いリスクをコントロールすることで、安定的なリターンを期待できる。

定期的に運用状況を確認することも大切だ。iDeCoを始めたあとは運用状況を確認して、「いくら増えたのか」「このままの調子だと退職時にいくら運用できるか」を把握しよう。

iDeCoは運用だけでなく、受給することに大きな意味がある制度だ。

そのため、退職が近づいてきたら受け取り方法にも意識を向けよう。

50代におすすめのiDeCoの運用法

資産運用の経験が少ない50代の方には、「どのようにiDeCoで運用すればいいのかわからない」という方もいるのではないだろうか。

以下で、50代におすすめのiDeCo運用法について解説する。

実際に運用商品を選択する際の参考にしてみてほしい。

リスクを取りすぎないポートフォリオを組む

50代は定年退職が近づいている年齢なので、過度なリスクを取るのはおすすめしない。

安定的に運用することを主眼に置き、バランスの取れたポートフォリオを組むとよいだろう。

「バランスの取れたポートフォリオ」は個人の経済状況や投資経験によって異なるため一概には言えないが、株式に100%投資するのはリスクが大きすぎる可能性が高い。

そのため、必要に応じて「株式60%・債券40%」「株式・債券・不動産に3分割」など、バランスを意識することが大切だ。

また、50代後半で損失が発生する事態を避けたい場合は、元本確保型の定期預金を選択することも選択肢として考えよう。

リターンは期待できないが所得控除による節税効果は得られるため、iDeCoを行うメリットは十分にある。

安定型ファンドへシフトする

「どの商品を選べばよいのかわからない」という50代の方には、安定型ファンドをおすすめする。

安定型ファンドは、国内外の株式や債券など複数の資産に分散投資を行うため、自然とバランスのよい投資を行える。

一つの資産クラスに集中投資するよりも、リスク分散の効果が期待できるため、市場の急変動による大きな損失を回避できるメリットがある。

投資の経験がない方でも、リスクを抑えて安定的なリターンを期待できる点も安定型ファンドのメリットだ。

また、運用中も定期的にリバランスを行ってくれるため、資産配分の自動調整が可能だ。

自分自身でポートフォリオの構築とリバランスを行う手間を省き、リスクを抑えつつ安定的なリターンを期待できるため、安定的に老後資金を用意できるだろう。

資産配分の見直しを行う

実際に50代からiDeCoを始めたあとは、定期的に資産配分の見直しを行おう。

時間の経過とともに資産状況は変化するため、それに伴ってリスク許容度も変化する。

また、一般的に高齢になればなるほどリスク許容度は小さくなる。

iDeCoを始めた当初はある程度のリスクを取れる余裕があったとしても、見直しを通じて安全資産の保有比率を高めるとよいだろう。

定期的に資産配分を見直すことで、自分のリスク許容度に合った運用を継続できる。

また、金融市場は常に変動しており、経済情勢や政治的イベントなどによって大きく影響を受ける。

例えば、iDeCoを受け取ろうと考えている直前にリーマンショックのような経済ショックを受けると、その後の生活に影響が出かねないだろう。

そのため、退職とiDeCoの受け取りタイミングが近づいてきたら、運用している資産をすべて定期預金に移し替える方法が考えられる。

充実した老後生活を送るためにも、定期的な資産配分の見直しは欠かせない。

年に一回くらいを目安に、リスクを取りすぎていないか・安全資産に移し替える必要があるのかを検討しよう。

リスク管理を徹底する

50代からiDeCoを始めたら、リスク管理を徹底しよう。

50代の人は若い人よりも運用できる期間が限られている以上、過剰にリスクを負うべきではない。

もし大きなリスクを取って、運用で大きな損失を被ってしまうと、価格が回復するための時間が十分にない可能性が高くなる。

回復局面を逃してしまうと損失を抱えた状態で受け取りを迎えることになりかねない。

リスクを抑えたポートフォリオを組むことで、大きな損失を避けて安定的な資産形成を目指せる。

50代は資産形成の最終段階ともいえるため、リスクを取るよりも安定的なリターンを確保することが重要だ。

経済的に安心して老後生活を送るためにも、リスクを取りすぎないように注意しよう。

50代におすすめのiDeCo商品

具体的に、50代の方におすすめできるiDeCoの運用商品を紹介する。

いずれも大きなリスクを負わずに運用できるため、50代の方に向いている商品だ。

迷ったら以下の商品(類似した商品を含める)を選択するとよいだろう。

eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

eMAXIS Slim 先進国債券インデックスは、先進国の債券を投資対象としている。

「FTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)」という指数と連動する投資成果を目指している。

先進国は、一般的に経済や政情が安定しているため、デフォルト(発行体が破綻すること)のリスクが低い。

そのため、リスクを抑えて安定的に運用できる点が特徴だ。

日本は低金利の状況が続いているが、海外には日本よりも高金利の債券が多くある。

50代の方でも安全性を確保しつつ、預貯金以上のリターンを期待できるだろう。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は、日本だけでなく世界の株式と債券、不動産投資信託証券の計8資産に分散投資を行うインデックスファンドだ。

8資産に均等投資するため、シンプルでありながらもバランスを取って運用できる。

収益性が高い株式と不動産が含まれるため、相応のリターンも期待できる。

自分で投資対象となる株式や債券を選び、バランスを考えるのは非常に面倒だが、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を活用すれば手軽に分散投資を行える。

十分な運用期間がないもののそれなりのリターンは狙いたいと考えている50代の方にとって、好相性な商品と言えるだろう。

あおぞらDC定期(1年)

あおぞらDC定期(1年)は、元本確保型の商品だ。元本保証かつ預金保険制度の対象であり、安全性が非常に高い。

リスクがないため、リターンは期待できない。

しかし、50代後半の方であれば資産を増やすよりも守ることの重要性が高まるため、あおぞらDC定期(1年)は有効活用できるだろう。

運用による利益は期待できないが、掛金を拠出することによる節税メリットは受けられる。

「元本割れは絶対に避けたい」と考えている方は、あおぞらDC定期(1年)を選択して節税メリットを受けるとよいだろう。

50代はiDeCoの相談を誰にするべき?

投資の経験が乏しい50代の方は、誰かに相談したうえでiDeCoを始めるか決めたいと考えている方もいるだろう。

また、どのように手続きを進めればよいのか、自分に合っている金融商品はどれなのか相談したい場面もあるかもしれない。

運用や受け取り方法で失敗しないためにも、iDeCoの運用や商品選びで不安があれば専門家に相談するとよいだろう。

以下で、専門家に相談するメリットと信頼できる専門家の選び方を解説する。

なぜ専門家に相談するべきなのか

50代の方が資産運用をするにあたり、専門家に相談すべき理由として、計画的に老後資金を確保できる点が挙げられる。

50代は定年退職を意識する年代であり、老後資金を用意するためのラストスパートの時期といえる。

残りの現役期間で、いかに老後資金を確保するかが重要な課題となる。

資産運用の専門家に相談すれば、どのように老後資金を確保すべきかをアドバイスしてくれる。

運用で大きな損失を出してしまうと、定年退職までに挽回する時間的猶予がない。

しかし、資産運用の専門家はリスクをコントロールしながら安定的なリターンを追求する運用方法を提案してくれるだろう。

さらに、資産運用の専門家に相談すれば資産運用に関する情報や知識を効率よく得られる。

仕事が忙しい中で資産運用の勉強をするのは容易ではないが、専門家は必要な知識や情報を授けてくれる。

特に、資産運用の経験が少ない人ほど、専門家に相談するメリットは大きい。

専門家から有意義なアドバイスを得て、知見を活用することでより充実した老後の生活を送れるだろう。

IFAとは何か

資産運用の専門家は多くいるが、中でもIFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)に相談するのがおすすめだ。

IFAは、特定の金融機関に属さない独立した立場で、顧客の資産運用に関するアドバイスを提供する。

顧客の年齢や資産状況、リスク許容度などを踏まえて、最適な資産運用方針を策定してくれる。

顧客の個別事情に合わせて、オーダーメイドの運用方針を提案してくれる点が特徴だ。

さらに、IFAは膨大な金融商品の中から、顧客に適した商品を選定する。

金融機関に属していないため、特定の金融機関に偏ることなく顧客の利益を最優先に考えて商品を選んでくれる。

選定した金融商品を組み合わせて、顧客の状況に合わせて最適なポートフォリオを構築してくれるため、投資家は手間を掛けずに最適な投資を行える。

リスクとリターンのバランスを考慮しながら、効率のよい運用法を提案してくれる。

IFAは豊富な金融知識を持っているのはもちろん、特定の金融機関に偏らずに中立的な立場からアドバイスを提供できる点が魅力だ。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の紹介

非常に頼れる相談相手であるIFAだが、自分に合ったIFAをどのように見つければよいのか分からない方もいるだろう。

そこでおすすめなのが、「資産運用ナビ」の活用だ。

「資産運用ナビ」では、年齢や住所などの簡単な情報を入力するだけで、自分に合っているIFAを探してくれる。

資産状況・運用目的・性格の相性を鑑みてマッチするIFAを探してくれるため、頼れる相談相手をスムーズに見つけられる。

もちろん、iDeCoやNISAなどの制度面にも精通しているため、不明点や疑問点があれば何でも質問するとよいだろう。

IFAとの相談は、全国47都道府県どこでも対応しており、オンライン相談も可能だ。

相談は無料で行えるため、IFAを探したい場合はぜひ気軽に利用してみてほしい。

50代からでもiDeCoを始めのは有意義である

50代の方は20代や30代の方と比べると運用期間が短くなるとはいえ、それでもiDeCoを行うメリットはある。

iDeCoには、運用益が非課税になるメリットだけでなく、拠出した掛金が非課税になるメリットもあるからだ。

つまり、積極的にリスクを取らずに運用しても、節税のメリットは得られる。

収入の高い人ほど節税効果は大きくなるため、有効活用すべきだろう。

50代の方がiDeCoで運用する際には、リスクを取りすぎないことに意識を向ける必要がある。

こちらの記事で紹介したeMAXIS Slim 先進国債券インデックスやeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、安定性が高く50代の方でも安心して保有できる商品だ。

iDeCoを始めるときや具体的な運用方法、商品選びで迷っている方は専門家に相談するとよいだろう。

例えば、IFAは中立的な立場から最適なアドバイスを授けてくれるため、非常に頼れる存在だ。

「資産運用ナビ」を利用すれば、自分に合ったIFAを見つけられる。

IFAと長期的に信頼関係を築き、iDeCoだけでなく資産運用全般の悩みを解消しよう。

50代のiDeCoに関するQ&A

iDeCoをやっている50代の割合はどのくらいですか?

50代でiDeCoをやっている人に関する資料はない。ただし、大手ネット証券の一つであるマネックス証券では、加入者のうち20%が50代に入ってからiDeCoを始めている。(2019年3月27日現在)

50代でも多くの方がiDeCoを始めていることから、老後資金作りの方法で悩んでいる方はiDeCoを有効活用すべきだろう。

50代から月2万円でiDeCoを始めた場合、どの程度の節税が期待できますか?

年収500万円の方の場合、月2万円をiDeCoに拠出すると所得税と住民税を合わせて年間4万8,000円の節税ができる。10年間拠出した場合、合計で48万円の節税メリットとなる。

年収700万円の方の場合、月2万円をiDeCoに拠出すると所得税と住民税を合わせて年間7万2,000円の節税ができる。このように、年収が高い人ほどiDeCoを通じて得られる節税効果は大きい。

50代はiDeCoとNISAのどちらから始めた方がいいですか?

年金づくりに特化して資産形成を行いたい場合は、iDeCoを先に始めるとよいだろう。

iDeCoは早く始めるほど、節税効果を得られるメリットもある。

一方で、子どもの進学資金や住宅ローンの繰り上げ返済など、まとまった支出が見込まれる場合はNISAのほうが向いている。

NISAにはiDeCoのような引き出し制限がないため、柔軟に資金を引き出せる。

50代がiDeCoで失敗するのはどんな時ですか?

リスク資産へ掛金を拠出したあとに不況に見舞われ、元本割れした状態で資産をすべて元本確保型商品に移すのが典型的な失敗例だ。

元本割れした後に元本確保型商品へ資産を移すと、その後の回復局面での資産の成長を逃してしまう。

元本割れすると心理的に焦ってしまうが、慌てずに長期的な視野を持って資産運用に臨もう。

50代に適切なiDeCoの積立額はいくらですか?

50代の方にとって、適切なiDeCoの積立額は異なる。資産状況に余裕があれば、上限額まで拠出するとよいだろう。

なお、会社員の方はiDeCoの上限額は以下のようになっている。

  • 企業年金や企業型DCに加入されていない会社員の方
    • 23,000円/月
  • 企業型DCのみに加入している会社員の方
    • 20,000円/月

自分にとって無理のない範囲で、拠出する掛金を決めよう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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