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50代から始める資産運用とは?方法と注意点について解説

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老後のために資産を増やしたいと考え、50代で資産運用を始めようとしている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、50代から始める資産運用の方法と注意点について解説します。

目次

50代の資産運用

50代の仕事やお金の事情は人それぞれで、この年代を「50代」と一括りにして語ることは非常に困難です。たとえば、50代前半であれば、60歳や65歳の定年まであと10年程度あり、長期での資産運用を始めることも可能ですが、50代後半であれば、あと数年で老後を迎えてしまいます。

また、子どもが独立して教育費が不要になった家庭と、まだこれから教育費が必要な家庭とでは、家計の余裕がかなり違ってきます。

ただ、50代は定年後の暮らしについて考える最後のチャンスです。きちんとお金のことを考え、資産運用のことを考えなくてはいけません。

50代はお金の貯め時

50代は会社での地位も上がり、平均年収も生涯で最も高くなる時期です。プライベートでは、子育ても一段落し、マイホームのローン返済も終わりに近づいている人もいるでしょう。

つまり、お金を貯める時間が増えるわけで、50代は人生で最も資産形成が加速する「貯蓄期」でもあるのです。

それまで資産形成をしたことがなかったのに、50代から本格的に始めたという方もたくさんいます。これからの「人生100年時代」を考えたら、50代で資産運用を始めるのに遅すぎるということはありません。

50代の金融資産保有額の平均は1,825万円

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2人以上世帯)」(令和3年)によると、50代の金融資産保有額の平均値は1,825万円でした。

ただ、平均値は一部のお金持ちによってかなり大きくなってしまうので、より実態に近いのは中央値の「800万円」となります。

また金融資産を保有していない人も23.2%います。50代でも住宅ローンの支払いや子育てが終わっておらず、金融資産をつくる余裕がない世帯も多いのです。

しかし、50代は老後も迫っているので、早めに資産運用について考える必要があります。

資産運用とは

老後のためのお金を準備するために「資産運用」を行う必要がありますが、「資産運用」には2つの方法があります。”貯蓄 “と “投資 “です。

いろいろな考え方がありますが、一般的に「貯蓄」とはお金を貯めることで、銀行預金などが貯蓄にあたります。一方、「投資」とは、利益を期待してお金を出すことで、株式や投資信託などの購入が投資にあたります。

銀行などの金融機関の普通預金は、基本的に自由に引き出せるお金です。生活資金など、すぐに必要になりそうなお金は、自由に引き出せて流動性の高い「貯蓄」の形で持っておくことが大切です。

一方、老後資金や教育資金など、すぐには必要ではないけれど、将来のために増やしておきたいお金は、株式や投資信託などに投資して、長い時間をかけて少しずつ増やしていくことが望ましいとされています。

ただ、「投資」という形で持っている場合、それを取り出してお金として使うためには、投資した資産を売却して現金化するなど、一定の手続きが必要です。また、これらの投資の性質上、預貯金よりも値上がり益や利益分配などで利益を得る可能性が高いので、一般的にはある程度先回りして備えるのに向いているのです。

50代はより具体的に資産運用を考える

50代の人にとって、定年退職はそれほど遠い未来ではありません。いつから老後と考えるかは人それぞれですが、定年退職したときから老後が始まるとすればあと10年ほど、公的年金の受給開始を老後の始まりと考えれば10数年後にやってくることになります。

日本年金機構の「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」には、将来受け取れる年金額が記載されていますが、50代であれば、20代や30代よりも実際に受け取れる金額に近いと感じるのではないでしょうか。

また、老後をどのように過ごしたいかについても、30代、40代の頃に比べて、より具体的な計画が立てられます。「年に2回は海外旅行に行きたい」「俳句のサークル活動を楽しみたい」など、さまざまな要望がでてくるかもしれません。

老後が見えてくる50代になったら、老後の生活設計を立て、いくら必要なのか具体的に計算する必要があるのです。

50代からの資産運用でも税制優遇制度を利用する

投資の基本は「長期・積立・分散」です。60代以降を老後と考えると、50代では長期投資する必要はないと思うかもしれません。ただ、2020年の男性の平均寿命は81.64歳、女性は87.74歳となっています。

現在55歳としても25~30年は生きられると考えると20~30年といった長期での運用を考えるべきなのです。

投資信託で「長期・積立・分散」投資する

投資信託とは、多数の顧客(投資家)から集めた資金を一つのファンドにまとめ、専門の運用会社が国内外の株式や債券などに分散投資し、その運用成果を顧客に分配する金融商品です。

投資信託は、ネット証券を利用すれば100円といった少額から購入できる商品もあり、一つのファンドで世界中の株式や債券などに幅広く分散投資できるので、投資が初めての人にもオススメの金融商品です。

運用は投資の専門家であるファンドマネージャーが行うので、豊富なノウハウや経験が活かせます。

20代や30代といった若い世代であればリスク資産である株式の比率を高めてもいいのですが、50代では大きな失敗をすると損失を取り戻すのが難しいので、株式投資に比べ安定的な運用を行うことができる債券の比率を高め、株式の比率は50%を超えないようにするのがおすすめです。

つみたてNISAを利用する

「つみたてNISA」とは、2018年1月にスタートした少額投資非課税制度です。非課税投資枠は年間40万円で、投資期間が最長20年となります。毎月少額をコツコツと投資し、長期的な資産形成を目指す方に適した制度です。

長期の積立・分散投資に適した一定の基準を満たした投資信託やETF(上場投資信託)と投資可能な商品が限られているので、銘柄を決めやすいというメリットもあります。

「人生100年時代」を考えれば、50代からでも20年という期間は十分運用できます。ですから、投資信託での運用は「つみたてNISA」を利用するのがおすすめです。

ただ、非課税投資枠は年間40万円なので、月33,000円程度になります。それ以上の金額は通常の買い付けで運用する必要があります。

まとめ

人生100年時代を迎え、50代でも長期投資の必要性が高まっています。

ただ、定年が迫っているのでリスクを抑えながら、安定的な運用を心がけるようにしてください。

執筆者

安部瑞季のアバター 安部瑞季 株式会社Fan

大学卒業後、証券会社に入社。7年間で1,000名以上の資産コンサルティングを経験。相続、税制の相談や対応なども幅広く手掛ける。7期半連続、延べ10回、営業成績優秀者として社内表彰を受ける。
その後、中立な立場から資産運用アドバイスを行えるIFAに転身。投資家向け書籍への執筆協力等も行う。

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