- 資産運用の平均額を知りたい
- 適切な資産運用方法を知りたい
- 資産運用のポイントを把握したい
資産運用をこれから始めようと考えている人は、投資経験者がいくら資産運用をしているのか気になるのではないだろうか。
資産運用に回す資金をいくらに設定するかによって、最終的に資産がいくらになるのかが決まるため、重要なポイントである。
本記事では、資産運用の平均額や、どのような運用を行えば資産運用がプラスの成果になるのかについて解説をする。これから資産運用をする際の参考にしてほしい。
資産運用の平均額は?
資産運用の平均額を知る前に、資産運用の状況から平均額を割り出す方法を、年齢や収入に応じて確認する。
個人の資産運用状況の把握
資産運用の状況をもとに、資産運用の平均額を把握できる。資産運用状況を確認するには、バランスシートを用いる。
バランスシートは、3つの項目をを計算して確認すると良い。
- 資産(現金、投資資産、実物資産など)
- 負債(クレジットカード、ローンなど)
- 純資産(資産合計と負債の差)
この時に、純資産がマイナスではないことが重要となり、マイナスの場合は債務超過となる。こういった項目を確認しながら平均値を求めると資産運用の平均額が分かる。
では、年齢や収入に応じた資産運用の平均額はいくらになるのかを確認してみよう。
年齢や収入に応じた参考指標
金融広報中央委員会は「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」において、年齢と収入別に金融資産をどれくらいの割合で保有しているのかを調査した。
年齢別にみると、下表の通りの結果となった。
単位:万円 | 預貯金 | 金銭信託 | 生命保険 | 損害保険 | 個人年金 | 債券 | 株式 | 投資信託 | 財形貯蓄 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20歳代 | 191 | 5 | 35 | 2 | 22 | 2 | 51 | 26 | 4 | 2 |
30歳代 | 326 | 12 | 80 | 8 | 34 | 7 | 110 | 84 | 24 | 11 |
40歳代 | 489 | 15 | 139 | 17 | 69 | 27 | 205 | 96 | 63 | 13 |
50歳代 | 683 | 21 | 237 | 28 | 147 | 24 | 325 | 116 | 76 | 28 |
60歳代 | 1062 | 32 | 279 | 34 | 166 | 101 | 408 | 189 | 20 | 25 |
70歳代 | 1009 | 19 | 246 | 36 | 82 | 119 | 586 | 226 | 13 | 24 |
資産別に見ると、預貯金の割合がやはり全ての年代を通して最も割合としては多くなっている状況である。とはいえ、年齢が上がるにつれて株式の保有割合も増加している。
収入や生活の支出面でお金に余裕が生まれ始めるミドル世代で、将来の資産形成を考え始めているといえるだろう。
収入別でみると、下表の通りになった。
単位:万円 | 預貯金 | 金銭信託 | 生命保険 | 損害保険 | 個人年金 | 債券 | 株式 | 投資信託 | 財形貯蓄 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
収入はな い | 541 | 0 | 39 | 1 | 4 | 0 | 22 | 16 | 14 | 0 |
300万円未満 | 481 | 23 | 118 | 19 | 68 | 40 | 129 | 73 | 4 | 4 |
300~500万円未満 | 658 | 6 | 168 | 19 | 76 | 48 | 250 | 120 | 10 | 20 |
500~750万円未満 | 689 | 12 | 195 | 20 | 93 | 39 | 283 | 109 | 42 | 19 |
750~1,000万円未満 | 760 | 42 | 235 | 37 | 151 | 62 | 480 | 176 | 95 | 29 |
1,000~1,200万円未満 | 1,123 | 46 | 367 | 40 | 146 | 203 | 660 | 264 | 59 | 14 |
1,200万円以上 | 1,588 | 55 | 394 | 61 | 225 | 140 | 1,040 | 465 | 96 | 63 |
収入別にみると、やはり収入が多い世帯ほど株式や投資信託に回している資金の割合が高いといえる。
余剰資金や使い道のない預貯金を保有している状況なら、その資金をどう使うべきか、リサーチして検討している人が多い。
もし手元に余剰資金があり、資産運用をどのようにすればよいか分からない人は、まず専門家に相談してみると良い。
資産運用の目的と照らし合わせる
資産運用を始める際は、目的と目標を設定することが重要である。これにより、今後すすめるべき資産運用の方向性や道筋が、明確になる。
ベンチマークになる指標は、金融広報中央委員会が「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」で年代と収入別でまとめているので、そちらを参考にすると良い。
単位:万円 | 金融資産保有額 |
---|---|
20歳代 | 339 |
30歳代 | 697 |
40歳代 | 1,132 |
50歳代 | 1,684 |
60歳代 | 2,317 |
70歳代 | 2,360 |
収入別にみると下表の通りである。
単位:万円 | 金融資産保有額 |
---|---|
収入はない | 639 |
300万円未満 | 960 |
300~500万円未満 | 1,376 |
500~750万円未満 | 1,503 |
750~1,000万円未満 | 2,067 |
1,000~1,200万円未満 | 2,922 |
1,200万円以上 | 4,127 |
各年代と収入の平均額から、自分の現状を把握したうえで、今後の運用プランの見直しや改善を行うのが良いだろう。
資産運用の成功へのポイント
資産運用を成功させるには「限りなくリスクを最小限に抑える」ことが大切である。資産運用には常にリスクがひそんでいるので、リスクを適切に回避する方法を踏まえて資産運用すると良い。
どのようなリスク回避の方法があるか、代表的な考え方や方法について3つ紹介する。
- 自身のリスク許容度を見極める
- 長期的な視点で資産運用を行う
- 適切な資産分散を心掛ける
ポイントをそれぞれ確認してみよう。
自身のリスク許容度を見極める
資産運用を行う際、リスク許容度を見極めることは大変重要である。
リスク許容度は、自身の資産状況や性格から資産運用における資産額の変動幅をどこまで許容できるか判断するための材料となる。下表にある項目から構成されており、それぞれの特徴に近いとリスク許容度が高いと判断できる。
項目 | 特徴 | 理由 |
---|---|---|
年齢 | 若い | 資産運用のリスク分を労働収入等で安定的にカバーできるため |
年収 | 高い | 資産運用のリスク分を収入等でカバーできるため |
保有資産 | 多い | 資産運用のリスク分を保有資産でカバーできるため |
将来支出 | 少ない | ライフイベントで支出する機会が少ないため |
投資経験 | あり | 投資対象の有効性や将来的な見通しが立てられるため |
あくまでも指標なので、実際は専門的な知識をもつ第三者に客観的な視点でアドバイスをもらうと良いだろう。
長期的な視点で資産運用を行う
資産運用では、長期的な視点を持ち続けることが重要である。長い目で資産運用を行うことで、資産が目減りするリスクをコントロールしやすくなる。
例えば、短期で見たときに損失となる場合も、長期的な視点では利益が発生するほど資産運用が好調に推移する場合がある。
このように、市場の動向や景気によって短期的な視点で資産がマイナスになるリスクが発生しても、あえてリスクに目をつむり、長期的なリターンを目指すのも手である。
適切な資産分散を心掛ける
資産分散を行うことは、資産がマイナスになるリスクを回避するための効果的な手法である。
いわゆる「分散投資」と呼ばれるこの手法を活用することで、もし一部の金融商品がマイナスになっても、分散して投資した他の金融商品がマイナス分をカバーしてくれる可能性がある。
また、相互に損益を補完し合うことでより安定した利益を得られる可能性も高まり、結果的にリスク回避につながりやすい。
このように、投資先を分散させると資産が目減りするリスクを回避することができるので、適切な資産分散を心がけておくと良い。
平均額を超える資産運用の実践方法
資産運用で平均額を超えた成果を出したいと思った場合に、どのような運用方法を心掛ける必要があるのだろうか。そのためには心得ておきたい3つのポイントがある。以下に紹介する。
- 知識を身につける
- 定期的な見直しと評価をする
- 専門家の意見を活用する
やみくもに資産運用をするだけでは、目標とする成果は得られない。それぞれのポイントについて確認していこう。
知識を身につける
まずは金融情勢や投資に関する知識を身につける必要がある。単純に情報を集めるだけでなく、インターネットやSNSなどの数ある情報から、有益な情報だけを収集できる力が問われている。
資産運用のプロは、金融市場の情勢や株価の動向を日々チェックしているだけでなく、さまざまな場面で流れてくるあらゆる情報のうち、信頼性の高い情報を選んで活かしている。
情報収集には、金融系のコラムや記事を読んで、知識を身につけるほか、これら専門家にアドバイスを求めるのも有効だろう。
定期的な見直しと評価
定期的に運用状況を見直してこれまでの運用手法を評価することも、資産運用を成功させるためには重要である。定期的に運用プロセスを見直せば、改善するべきか点が把握できるので、次にどうすればよいかも含めたPDCAサイクルを回しやすい。
資産運用は、1回投資をしたら終わりではない。継続的に見直しを続け、その都度方向性を修正しながら対応することが重要である。
目標と現状の運用成果を振り返って、運用方法が適切なのか評価を続けておくと良いだろう。
専門家の意見を活用する
平均額を超える資産運用の実践方法として、専門家の意見を活用するのも手である。
資産運用のプロであるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)では、資産運用における有益な情報提供の他にも、分析や改善方法までサポートしてくれるため、あなたの資産運用を成功へと導いてくれるだろう。
特に、資産運用したい額が多いケースや、専門性の高い投資を検討している場合、1人で対応するのは難易度が高い場合がある。アドバイザーがいることで、安心して資産運用ができるので、気軽に利用してみると良いだろう。
IFAに相談するメリット
資産運用のプロはIFA以外にも金融機関に属している方も含まれる。ここでは、その中でもIFAに相談することによるメリットを以下のポイントにて紹介する。
- 資産運用に関する専門的なアドバイス
- 個別のニーズに合わせた提案
- 目標達成の確率を高める
では、それぞれ確認していこう。
資産運用に関する専門的なアドバイス
IFAは資産運用のプロであり、知識も経験も豊富である。IFAでは投資商品によって異なる特徴や、最新の経済情勢などの動向もアドバイスしてくれる。
また、資産運用の分析に関しても自分に代わってアドバイスしてもらえる点もメリットと言える。
個別のニーズに合わせた提案
個別のニーズに合わせた提案を受けられることもメリットの一つである。
IFAは特定の金融機関に所属しないため、資産運用において中立的な視点でのアドバイスが期待できる。
投資信託協会が行ったアンケートによると、「金融機関から自社の利益になる金融商品を勧められている」と感じたことがある投資家は76%もいると分かった。
一方で、IFAは資産運用のアドバイスや情報を個別のニーズに合わせて提案してもらえる。また、原則転勤制度もないため、ライフステージに沿って変化するニーズにも長期的にアプローチしてくれる。
目標達成の確率を高める
IFAを利用すると、専門的な知識や経験から丁寧なアフターフォローと資産運用に対するフィードバックも受けられる。
これにより、改善点や今後の運用方法についてもフォローしてもらえるため、目標達成の確立を高めることができるだろう。継続的なメンテナンスをサポートしてほしい人は、相談してみると良い。
平均額を超える資産運用は、IFAに相談することが成功への道筋
資産運用を成功に導くため、まずは自身の資産運用状況を把握し、各年代の平均値と比べることで運用プランの見直しを行なってみよう。
その上で適宜改善策を講じ、自身にあった運用をすることが望ましいだろう。
また、より投資効果を高めるためには、リスク許容度の見極めや分散投資などによる適切なリスク回避も重要である。
「資産運用ナビ」を活用して、金融のプロであるIFAに依頼をすることで、上記のような資産運用の専門的なアドバイスを受けることができるはずだ。
あなたの資産状況やニーズを考慮しながら、安定した資産運用をサポートしてくれるため、ぜひ積極的に相談してほしい。