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【50代における資産形成の秘訣】安定した老後生活を過ごすための方法

50代は退職など大きなライフイベントが近づくタイミングであり、老後の生活を見据えたさまざまな準備を意識する方も多い。

2019年6月に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書をきっかけに世間で話題となった「老後2000万円問題」により、老後の生活費に不安を感じている人もいるだろう。

本記事では、50代で資産形成を始めるなら、どのような方法を取り入れるべきかを解説する。資産形成を効果的にやりたい方は参考にしてほしい。

目次

50代で資産形成を始める理由

50代から資産形成を始める理由は人によってさまざまだろう。ここでは、50代でも資産形成が必要になる理由を3つ解説する。

時間と共に働く能力が低下するリスク

50代になると、時間と共に働く能力が低下する人もいる。特に、病気や介護で働けなくなってしまった場合、定年退職よりも前に早期退職をする可能性もある。

給与収入が途絶えた場合、生活が苦しくなる可能性が高い。退職金を受け取って、当面の生活はやりくりできても、老後生活を乗り切る前に、退職金が枯渇する可能性もある。

こうしたリスクを避けるために、50代でも資産を増やしておく必要がある。

老後の生活費確保のため

50代で資産形成を始める理由は、老後の生活費を確保するためである。総務省統計局によると60歳の貯蓄は2458万円、負債は207万円であった。60代以降は、勤労収入を受け取らずに生活をおくるため、資産が乏しいと日々の生活に制限をかけてしまう。

この場合、最終的に資産が底をついてしまい、年金だけで生活せざるをえなくなる。できることなら余裕をもって生活をしたいので、60代までに資産をなるべく多く確保する必要がある。

家族や自身の将来への投資

子どもが結婚して家庭を持つケースや、将来的な資産の相続が発生した場合に子ども同士で争わないよう、先回りして準備をしておく必要もある。また、子どもの結婚資金や、孫への教育資金贈与、相続などにも、対策が必要となる。

総務省統計局の調査では、50代の貯蓄は1828万円に対し、負債額は620万円であった。負債額より貯蓄が大きいことから、手元に余剰資金があるといえる。

50代では、比較的収入面と負債の面で余裕が生まれやすいので、家族や自身の将来への投資を意識して、適切な資産管理を実施しておくことが重要となる。

効果的な資産形成方法を選ぶポイント

それでは、ここからは効果的な資産形成方法について確認していこう。資産形成を始める50代に、おすすめの方法を3つ紹介していく。

リスク許容度と目標を明確にする

まず、リスク許容度に合わせて目標を明確にしよう。リスク許容度は、自身の資産状況や性格から資産運用のマイナス局面をどこまで許容できるか判断するための材料となる。

下表にある項目から構成されており、それぞれの特徴に近い状態ほどリスク許容度が高い。

あくまでも指標なので、実際は専門的な知識をもつ第三者に客観的な視点でアドバイスをもらうと良いだろう。

項目特徴理由
年齢若い資産運用のリスク分を労働収入等で安定的にカバーできるため
年収高い資産運用のリスク分を収入等でカバーできるため
保有資産多い資産運用のリスク分を保有資産でカバーできるため
将来支出少ないライフイベントで支出する機会が少ないため
投資経験あり投資対象の有効性や将来的な見通しが立てられるため

「年齢」の側面で見ると、50代はリスク許容度としては低い傾向となる。しかし「年収」や「保有資産」が高ければ、リスク許容度は高くなる。最終的には、それぞれの項目を総合して判断するのが良い。

リスク許容度が把握出来たら、資産運用の目標を設定する。一般的に、資産運用の目標は、リスク許容度が高くなる場合、短期間で増加できる手法を選択できる。

一方、リスク許容度が低い場合は、長期投資などでリスクを最低限まで抑える必要がある。

しかし、50代の場合は、何歳まで運用を続けるかによるが、リスク許容度が低くても資産運用の期間は短く設定するケースもあるだろう。

どのような方法で準備するべきかは、資産運用のプロでもあるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談してみると良い。

分散投資を活用してリスクを抑える

分散投資は、50代が実施する効果的な資産運用の1つである。分散投資とは、複数の資産に分けて投資をして、リスクを分散させる方法を意味する。一般的に、投資リスクは常に潜んでいる。

1つの投資先に限定してしまうと、資産が目減りするリスクも1つに集中してしまうので、結果的に資産がマイナスになる可能性も高まる。分散投資であれば、複数の金融商品にわけて管理するので、市場や景気の悪化によるマイナス運用が分散される。

さらに、複数の資産のうち、プラスの運用効果が出ていれば、マイナスになった資産分の損失をカバーできる。求めるリターンの大きさによって分散する割合は検討する必要があるものの、適切な分散投資は、リスクを抑えつつ運用効果を高めてくれる方法である。

資産運用に関する知識を身につける

金融情勢や投資に関する知識を身につけるのも、50代で資産運用を成功させるには必要である。単純に情報を集めるだけでなく、インターネットやSNSなどの数ある情報から、有益な情報だけを収集する力が求められる。

投資のプロは、金融市場の情勢や株価の動向を日々チェックしているだけでなく、さまざまな場面で流れてくる情報から、信頼できると感じた情報だけを選んで資産運用に活かしている。

金融系のコラムや記事を読むだけでなく、資産運用のプロでもあるIFAに相談するなどして、専門的な知識を身につけると良いだろう。

50代におすすめの資産形成手法

ここでは、50代におすすめの資産形成手法を解説する。

  • 積立投資信託を利用した分散投資
  • 不労所得を生み出す不動産投資
  • 年金・保険などのリスクヘッジ手段を活用

それぞれの手法について確認していこう。

積立投資信託を利用した分散投資

積立投資信託は、積立投資と投資信託を合わせた投資方法である。積立投資は、一定の期間で決まった投資額を同じ銘柄に投資し続ける方法を意味する。

積立投資のメリットは、シンプルな投資方法なので、投資初心者でも実践しやすい点と、長期で行えばリスクを最小限に抑えられる点である。

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を資産運用の専門家が投資・運用を行い、その利益を投資家へ還元する投資方法である。投資信託は、商品(=ファンド)にもよるがあらかじめ投資する銘柄や通貨は分散されている。

投資信託のファンド内の金融商品が、一部マイナス運用になっていても、分散して投資した他の部分がプラス運用になってカバーしてくれる可能性がある。相互に損益を補完し合える資産の構成割合になっていれば、より安定した利益を得る可能性も高まるだろう。

このように、積立投資と投資信託、分散投資を組み合わせて活用すれば、資産が目減りするリスクを回避できるので、50代の資産形成にはおすすめの手法である。

不労所得を生み出す不動産投資

不動産投資はアパートやマンションなどの不動産物件を購入し、その後物件を貸出して家賃収入を得る投資方法である。不動産投資は、原資となる資金が他の金融商品よりも必要な分、節税や相続対策のような資産を一気に整理したい場合に役立つ。

また、不動産投資は基本的に利益が家賃収入となるため、自分が働かずに所得を得られる。そのため、50代で体を動かして働くというリスクを回避できる点もメリットだろう。

ただし、不動産投資は災害による物件破損のリスクや、家賃の滞納によって投資した資金を回収できないリスクも伴う。空室リスクを考慮した評価とリスク管理は定期的に行う必要があるだろう。

年金・保険などのリスクヘッジ手段を活用

年金や保険などのリスクヘッジ手段として、養老保険がある。養老保険は、生死混合保険ともいわれ死亡保険と生存保険の保障が受けられる保険の1つである。

養老保険のメリットは、死亡保障を持ちながら満期保険金を将来の老後資金に充てられる点である。とはいえ、養老保険は昨今の金利情勢から、利回りが著しく低くなった。そのため、資産を増やす目的で準備する効果は薄れている。

一方で、生命保険は「みなし相続財産」として扱われるので、契約期間でなくなった保険金は相続税の非課税枠「法定相続人の人数×500万円」までが非課税となる。そのため、相続といった面にも利用できる。

養老保険の比較や検討を希望する場合は、IFAに相談すると良いだろう。

専門家への相談で更に資産形成を安定させる

ここからは資産形成の専門家であるIFAへ相談することで得られるメリットについて、それぞれ解説していく。

資産運用のプロによるアドバイス

IFAは資産運用のプロであり、知識も経験も豊富である。投資商品によって異なる特徴や、最新の経済情勢などの動向もアドバイスしてくれる。インターネットやSNSでも不確かな情報が多いので、IFAの経験や知識は頼りがいのある情報源となるだろう。

最適な運用方法を見つけるサポート

IFAに相談すると、最適な運用方法を提案してもらえる。投資家の目的や要望をヒアリングしたうえで、金融市場の情勢や動向から、自分に合った金融商品の提案が受けられる。

運用方法まで提案してくれるので、知識や経験がない人はもちろん、今の自分に合う投資方法が分からない人にもおすすめできる。

将来設計を明確にする助け

IFAを利用すると、アフターフォローも丁寧で、専門知識や経験に基づいたフィードバックも受けられる。

今後の改善方法も提案してもらえるので、継続的なメンテナンスをサポートしてほしい人は、相談してみると良い。

50代における資産形成の秘訣

50代における資産形成においては、将来の生活に対して、余剰資金をどのように効果的に活用するかを検討する必要がある。リスクを最小限に抑えながら資産形成を行い、老後生活に充てる資金や相続対策をどう準備するかもあわせて検討しておこう。

「資産運用ナビ」を活用し、どのような方法で準備すべきか、資産形成のプロであるIFAに相談することで、現在の自分に合った方法をアドバイスしてもらえるだろう。

積極的にIFAを活用してみてほしい。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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