- iDeCoでどのように金融商品を選べばよいかわからない
- iDeCoを始める金融機関の選び方が知りたい
- iDeCoの商品選びを専門家に相談したい
iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後の備えとなる私的年金制度の一つだ。
税制上の優遇措置があり効率よく資産形成ができるため興味がある人も多いだろう。
iDeCoを利用する際に悩みとなるのが、金融商品と金融機関選びだ。
実はiDeCoは金融機関によって運用できる商品の数や種類に違いがある。
また運用商品を自分で選べるため自由度が高い反面、どのようにiDeCoを活用すれば良いか迷う人も多いだろう。
本記事ではiDeCoで老後資金をつくる際の成功を左右する金融商品と金融機関の選び方、そして専門家に相談する方法を解説する。
iDeCoでの金融商品の選び方
iDeCoは自分で投資対象を選べる自由度の高さが魅力だ。
元本確保型と呼ばれる定期預金や生命保険のような無リスク資産への投資、元本変動型と呼ばれる元本割れのリスクはあるものの運用次第で資産を増やせる投資信託への投資から選べる。
しかし自由度が高いため、金融商品選びで迷ってしまう人も多いだろう。
iDeCoで金融商品を選ぶための3つのポイントは以下の通り。
- リスクとリターンのバランスから選ぶ
- 分散投資を意識して選ぶ
- iDeCoの投資対象ごとの特徴を確認する
それぞれ詳しく確認してみよう。
リスクとリターンのバランスから選ぶ
iDeCoには大きく分けて2つの商品がある。
- 元本確保型
- 定期預金や保険などの無リスク商品
- 元本変動型
- 元本割れすることもあるが運用次第で増やせるリスクのある投資信託
まずリスクのない元本確保型か、リスクはあるがリターンも期待できる元本変動型かを決める必要がある。
原則、iDeCoでは元本変動型から商品を選ぶことをおすすめしたい。
iDeCoには各金融機関で必ずかかる毎月の手数料がある。そのため元本確保型では、手数料負けしてしまう上に非課税の恩恵を最大限に生かせないためだ。
元本変動型の投資信託ならばiDeCoで運用している間、非課税で入れ替えできるメリットや、受け取りの際の退職金控除や公的年金控除の恩恵が大きい。
しかし、元本変動型の中から投資信託なら何を選んでも良いというわけではない。
元本変動型の投資信託の中でもリスクの高い新興国株に投資する商品もあれば、比較的安定した先進国株に投資する商品もある。
つまり元本変動型の投資信託と言ってもリスクとリターンが高めのもの、低めのものなど違いがあるということだ。
リスク許容度と目標リターンに応じてバランスのとれた商品を選ぼう。
分散投資を意識して選ぶ
元本変動型の投資信託でポートフォリオを組む際には、分散投資を意識しよう。
分散投資をすることでリスクをおさえた安定運用ができるためだ。
iDeCoで選べる投資信託は、あらかじめ分散投資された商品のため、投資初心者でも過度なリスクをとることなく投資できるはずだ。
しかし分散投資でも、どのように分散するかを投資方針次第で調整したい。
例えば、リスクの高い新興国株だけで分散投資されていても、個別株よりリスクは抑えられるが新興国株が大きく下げる展開になれば下げは避けられない。
単に分散投資をするだけではなく、どのように分散投資をするかについても意識してほしい。
資産クラスを増やし債券や不動産、コモディティなども組み合わせれば、さまざまな状況で安定した運用ができるだろう。
しかし、分散させすぎると特定の資産クラスや国に有利な市況で資産を大きく増やせるチャンスが訪れてもリターンはのびない。
どのように分散すると自分の運用方針に沿った投資ができるかを考えて選ぼう。
iDeCoの投資対象ごとの特徴を確認する
iDeCoでは個別株や債券への投資はできないが、さまざまなタイプの投資信託や商品を選べる。
投資信託などを通じて、どのような投資対象を保有できるのか特徴も含めて確認しよう。
最低限、iDeCoを利用する際におさえておきたい投資対象の特徴は以下の通り。
代表的な投資対象 | リスク・リターンの目安 | 特徴 |
---|---|---|
米国株式 | 高 | 米国の経済成長の恩恵を受けられる 米国上場に上場する多くのグローバル企業が市場を牽引する強みもある インフレ対策も期待できる |
先進国株式 | 高 | 先進国の経済成長によるリターンの獲得、インフレ対策が期待できる |
新興国株式 | 高 | 新興国の経済成長によるリターンの獲得、インフレ対策が期待できる |
先進国債券 | 低 | 株式と比較し安定した価格推移が期待できる |
新興国債券 | 中 | 株式と比較し安定 先進国より高い金利で高いリターンを期待できる ただしリスクが少し高くなる |
不動産 | 中 | インフレ対策、株や債券などと異なる値動きで分散効果が期待できる |
貴金属 | 低 | インフレ対策、株や債券などと異なる値動きで分散投資できる |
保険 (例:予定利率保険) *元本確保型 | ほぼ無し | 元本保証された無リスクの商品 ただし保険は満期前に解約すると解約控除金が差し引かれてしまうことがある |
預金 (例:DC定期預金 )*元本確保型 | ほぼ無し | 元本保証された無リスクの商品 |
投資対象にはそれぞれ特徴やリスク・リターンの目安がある。投資信託を選ぶ際には、その投資信託がどのような資産に投資しているのかを事前に調べよう。
iDeCoを始める金融機関の選び方
iDeCoを始める際に重要なのが金融機関選びだ。
実はiDeCoは金融機関によって手数料や選べる商品の種類や数、サポート体制などに違いがある。
一人ひとつの口座しか持てないため慎重に選びたい。
金融機関の変更はできるが手続きが煩雑な上、手数料もかかる。口座を選ぶ際には複数の金融機関を比較して納得ができてから開設の手続きに入ろう。
金融機関選びで注目したいのは以下の3つのポイントだ。
- 手数料
- サポート体制
- 取り扱い商品の種類・数
それぞれ解説する。
手数料
iDeCoには主に以下のような手数料がかかる。
- 加入時・移管時の手数料(税込)
- 2,829円
- 国民年金基金連合に支払う料金
- 105円/月
- 信託銀行
- 66円/月
これらの手数料はiDeCoに加入する際にどの口座でもかかる費用だ。
しかし、金融機関によっては、運営管理手数料が上乗せされているところもある。
また、別の金融機関に移管する際に手数料を取るところと取らないところがある。
どこの口座でも共通してかかる手数料以外に、どのような手数料が上乗せされているのかを確認しておくと良いだろう。
サポート体制
iDeCoは制度が複雑で分かりづらいところも多いのではないだろうか。
そのため、サポート体制についても確認しておくと良い。
例えばコールセンターで相談できるのか、対面でも相談可能なのかなど困ったときに相談できる窓口の有無や営業時間は口座選びの際に調べておきたい。
また、iDeCoの運用状況を確認できるレポート機能、サイトの使いやすさなどストレスなく運用できるシステムかどうかも重要だ。
取り扱い商品の種類と数
金融機関によって取り扱っている商品の種類・数は異なる。
そろえている商品が充実していない金融機関を選んでしまうと、運用する際に魅力的な商品がなく投資ができなかったり、ポートフォリオを組んで分散投資する際にもできることの幅が狭まったりする。
また取り扱っている商品の信託報酬についても確認したい。
例えば同じような米国株インデックスに投資する商品でも信託報酬の違いがある。
長期投資をする際には必ずかかる信託報酬は無視できないコストになるため気をつけたい。
取り扱い商品の種類と数については各金融機関それぞれ、20〜30前後のところが多いので口座開設前に必ず確認しよう。
なぜiDeCoでは商品選びが重要なのか
iDeCoは公的年金や確定給付年金とは異なり、自分で商品を選べる自由度の高さが魅力だ。
選び方次第で積極的な運用もできれば保守的な運用もできる。商品選びに成功すれば資産形成は大いに捗るだろう。
しかし、自由度の高さはiDeCoのメリットであると同時にデメリットにもなる。
適切な商品選びができなければリスク許容度や投資方針に合わない投資をしてしまうことになりかねない。
大切な老後資金の掛け金を失ってしまうリスクもある。iDeCoで資産運用を成功できるかどうかは商品選びにかかっている。
- 自分に合った商品を選ぶべき理由
- 属性別の具体例
- 運用商品を定期的に見直すべき理由
以上3つの観点からiDeCoにおける商品選びの重要性を確認しよう。
自分に合った商品を選ぶべき理由
資産運用には絶対的な正解が存在しない。例えば、リスク許容度の高い若い世代ならば株式を中心とした積極的な運用が推奨されることが多い。
しかし、雇用形態が不安定な自営業者ならば事業ではリスクをとり、資産運用では逆に債券などにも投資をして手堅い資産運用をした方が良いこともあるだろう。
もちろん同じ立場でもリスクをどこまで許容できるか次第で選ぶ商品は変わる。人の数だけ資産運用のやり方があると言っても過言ではない。
立場や考え方に応じた老後の資産形成ができることがiDeCoの良さだ。
自分に合った商品を選べるかどうかでiDeCoで老後資産を築けるかどうかが決まるので、商品選びにはこだわってほしい。
属性別の具体例
属性別にどのような商品を選ぶとよいか具体例を挙げて解説する。
自営業やビジネスをしている人は事業でリスクを取る代わりに、資産運用を安定的にするとバランスが取れ、会社員や公務員のように雇用が安定している場合は資産運用でリスクを取る余裕があるだろう。
年齢に関しては一般的に若い方がリスク許容度は高く、年代が上がるほどリスクを抑えた運用が原則だ。この観点から
属性別の具体例を考えてみよう。
属性例 | 商品例 |
---|---|
20代 自営業 | eMAXIS Slim 全世界株式SBI全世界式インデックス・ファンド |
30代 会社員 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)楽天・S&P500インデックスファンド |
40代 自営業 | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)iFree 年金バランス |
50代 会社員 | たわらノーロード先進国債券SBI-PIMCO 世界債券アクティブファンド(DC) |
例えば、20代の自営業ならば年代的にはリスク許容度は高くしたいが、会社員よりも本業が景気などに左右されやすいことから全世界の株式に分散投資できる商品が候補として考えられるだろう。
成長性の高い国に集中投資した商品に比べるとリターンが劣ったとしても安定性では勝るはずだ。
30代の会社員で雇用が安定していれば、少しリスクを取って成長性の高い米国経済の恩恵を強く受けられるS&P500に連動した商品を選ぶのも手だ。
40代の自営業なら少しリスク許容度を下げて株式以外の資産クラスにも投資できる、バランス型ファンドも選択肢に入るだろう
50代の会社員でリスク許容度をできるかぎり抑えたいなら、安定性をより重視して債券を中心したファンドに投資するのも選択肢となる。
ここに挙げた選び方は一例に過ぎないが参考にしてみてほしい。
運用商品を定期的に見直すべき理由
ライフステージとライフイベント次第で投資家に適した商品は変わる。
また、運用を続けているとポートフォリオの配分が歪になるためリバランスも必要になる。
またiDeCoに関しては自営業者、会社員、3号被保険者など立場次第で掛けられる金額も変わってくるだろう。
転職などが当たり前の時代ではiDeCoで投資できる条件も変わってしまうはずだ。
運用商品を定期的に見直さなければ実態に合わない運用を続けてしまうことになる。
そのため定期的に商品を見直してポートフォリオを状況に適した形に組みかえていこう。
iDeCoの商品選びに迷ったら誰に相談するべき?
iDeCoは年金の中では自由度の高さと税制上のメリットが魅力だが、商品選びが難しい。
そこで、おすすめなのが専門家に相談することだ。専門家に相談するべき理由、相談するのに最適な専門家、そして専門家の探し方について解説する。
iDeCoに困ったときの専門家選びに役立ててほしい。
なぜ専門家に相談するべきなのか
iDeCoは自由度が高いからこそ商品選びや組み合わせが難しい。
投資方針やリスク許容度に合った商品を専門的な知識と経験なしに選ぶのは決して簡単なことではない。
また長い人生の中、ライフステージの変化やライフイベント次第でポートフォリオを上手く組み直す必要もある。
専門家の力を借りずに自分の判断だけで運用を続けてしまうと、せっかくのiDeCoを最大限まで活かせないのではないだろうか。
しかし、専門家に相談すれば知見と経験に基づいた運用でiDeCoを活用できる。
しかも個別具体的なあなたに適した提案が聞けるため資産運用を合った形で進められるはずだ。
IFAとは何か
IFAとは独立系ファイナンシャルアドバイザーのことだ。金融商品仲介業者と呼ばれることもある。
特定の証券会社や銀行、保険会社などの金融機関に所属しないため、営業方針に縛られない中立な提案ができるところに強みがある。
専門家に相談するならIFAがおすすめだ。
特定の金融機関のアドバイザーに相談してしまうとiDeCoならば、特定の金融機関のiDeCo口座開設をすすめられてしまうだろう。
しかしIFAならばiDeCoの金融機関選びから、投資家に合った提案を期待できる。
iDeCoは金融機関によって取り扱い商品も異なるため、特に中立なアドバイスをしてくれる専門家が望ましい。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の紹介
IFAを探すならIFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用をおすすめする。
投資家とIFAのマッチングを無料でできるオンラインのサービスで使い方はとても簡単だ。
保有している資産額や年代、悩んでいる内容などを入力するだけで、あなたにおすすめのIFAのプロフィール一覧が共有される。
そして気になるIFAがいれば、オンライン面談または対面で相談ができる仕組みだ。
もちろんiDeCoや老後の資産運用についても相談もできる。
もしIFAとの相性が合わなくても別のIFAに無料相談できるため納得できるアドバイザーが見つかるはずだ。
iDeCoの選び方に迷ったらIFAがおすすめ
iDeCoは金融機関も金融商品も自由に選べることがメリットだ。
金融商品を選ぶ際には自分の状況やリスク許容度と目標リターンに応じた選択をするべきだ。
金融機関を選ぶ際には手数料やサービス、商品の種類・数などを観点に考える必要がある。
しかし、自由度が高いからこそ迷いやすいという問題点もある。
迷ったときにおすすめなのがIFAに相談することだ。
中立な立場から専門的な知見をもとにiDeCoの金融商品と金融機関を選ぶ手助けをしてくれるはずだ。
しかも自分に合った個別具体的なアドバイスを期待できる。IFAを探すなら「資産運用ナビ」を活用してほしい。
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