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iDeCoはいつから始めるべき?最適なタイミングを徹底解説

この記事で解決できるお悩み
  • iDeCoをいつから始めればよいのか知りたい
  • iDeCoの節税効果を最大限にできるタイミングが知りたい
  • iDeCoとNISAのどちらを先に始めるべきか悩んでいる

iDeCoは、老後資金を準備するための私的年金制度だ。

iDeCoに興味がある人の中には「いつから始めればよいかわからない」「iDeCoの節税効果を最大限に活かす方法を知りたい」などと悩んでいる方もいるだろう。

今回の記事では、iDeCoの仕組みや始めるべき時期、最適なタイミングについての考え方を詳しく解説していく。

iDeCoとNISAのどちらを先に始めるべきかについても説明するため、非課税制度を活用したいと考えている方はぜひ参考にしてほしい。

目次

iDeCoはいつから始めるべきか?

iDeCoはいつから始めるべきなのだろうか。

ここでは、iDeCoの仕組みや始めるべき時期、年齢別の最適な開始タイミングなどについて解説していく。

iDeCoの仕組みと始めるべき時期

iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金のことで、老後に向けて自分で資金を準備するための私的年金制度だ。

掛金の拠出時・運用時・受取時の3つのタイミングで節税効果を得られるという特徴がある。

  • 拠出時
    • 掛金全額が所得控除の対象となる
  • 運用時
    • 運用益が全額非課税となる
  • 受取時
    • 年金で受け取る場合は公的年金等控除、一時金で受け取る場合は退職所得控除を受けられる

iDeCoの掛金は、国民年金の加入区分によって上限額が異なる。

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加入資格対象者拠出限度額
第1号被保険者・任意加入被保険者自営業者、フリーランス等月額6.8万円(年額81.6万円)
第2号被保険者会社に企業年金がない会社員月額2.3万円(年額27.6万円)
企業型DCのみに加入している会社員月額2.0万円(年額23万円)
DBと企業型DCに加入している会社員月額1.2万円(年額14.4万円)
DBのみに加入している会社員月額1.2万円(年額14.4万円)
公務員月額1.2万円(年額14.4万円)
第3号被保険者専業主婦(夫)月額2.3万円(年額27.6万円)
出典:iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等

最も掛金上限が高いのは自営業者やフリーランス等の第1号被保険者で、毎月68,000円までの拠出が可能だ。

最も掛金上限が低いのはDBに加入している会社員および公務員で、毎月12,000円までしか拠出できない。

自分の拠出上限を確認した上で、毎月どのくらい拠出できそうかを確認してみよう。

所得控除は毎年受けられるため、早めに加入した方がトータルの控除金額が大きくなる。

また、長期間運用を継続することで運用益が膨らみ、その分非課税効果も高まりやすくなる。

運用がうまくいって最終的な受取金額が増えれば、受取時の税制優遇効果も高くなるという点もメリットだ。

このように、なるべく早くiDeCoを始めた方が税制上の優遇効果が大きくなりやすい。

若いうちに始めるメリットとデメリット

iDeCoを若いうちに始めるメリット・デメリットを確認していこう。

先述の通り、若いうちからiDeCoを始めることで、拠出時・運用時・受取時それぞれの節税効果が高くなる。

また、若いうちにiDeCoを始めると、複利効果によって資産を大きく増やしやすくなる点もメリットだ。

複利効果とは、利益を投資元本に組み込んで再投資することで、利益が利益を生んで雪だるま式に資産が増えていく効果のことを指す。

iDeCoでは、運用益を元本に組み込んで投資を継続していくため、投資期間が長期にわたるほど複利効果も高まっていく。

一方、iDeCoを若いうちに始めるデメリットとしては、収入がそれほどない時期にiDeCoを始めると、iDeCoの掛金が家計を圧迫してしまうリスクがある。

iDeCoの掛金は、上限金額内であれば1,000円単位で自由に設定できるため、余裕を持って設定するのがおすすめだ。

年齢別の最適な開始タイミング

iDeCoを始める最適なタイミングは、年齢やライフステージ、家族構成などによって異なる。

20代〜30代の若い世代は、数千円程度の少額からでも無理のない範囲でiDeCoを始めてみると良いだろう。

iDeCoの節税効果ももちろん魅力的だが、若いうちから運用を始めることで、長期運用によって複利効果を最大限活かせるというメリットがある。

40代前後は、配偶者や子供を持つ人も多い年代となるため、当面の生活費と今後予定しているライフイベントに必要なお金をある程度蓄えてから、余剰資金を運用に回すようにしよう。

突発的な支出によって生活費が圧迫されないように、計画的に掛金の拠出を行うのがおすすめだ。

50代以降であっても、節税効果を期待してiDeCoに加入することは可能だ。

受給開始年齢は60歳以降に繰り下げになるものの、その間も運用は継続できる。

老後資金づくりにラストスパートをかけるという意味でも、iDeCoを活用すると良いだろう。

iDeCoを始めるタイミングの決め方

iDeCoを始めるタイミングはどのように決めれば良いのだろうか。

年末調整の時期や、自分の年収・税率、家計の状況などを考慮しつつ、いつ始めるべきかを考えてみよう。

年末調整の時期から逆算して決める

iDeCoを申し込んだ年に所得控除を受けたい場合は、年末調整の時期から逆算して始めるタイミングを決めよう。

年末調整で所得控除の手続きを行う場合は、小規模企業共済掛金控除証明書を勤務先に提出する必要がある。

小規模企業共済掛金控除証明書の発送時期は、掛金の納付状況や払込方法によって異なる。

参考までに、2023年の発行スケジュールは下記の通りだ。

発送時期対象者
2023年10月24日毎月定額型の拠出で、2023年1月〜9月に掛金の払込実績がある方
月別指定の拠出で、2023年10月までに掛金の納付月と金額設定が完了している方
2023年11月24日毎月定額型の拠出で、2023年10月に掛金の初回引き落としがある方
月別指定の拠出で、2023年11月中に掛金の納付月と金額設定が完了している方
2023年12月22日毎月定額型の拠出で、2023年11月に掛金の初回引き落としがある方
月別指定の拠出で、2023年12月中に掛金の納付月と金額設定が完了している方
2024年1月24日毎月定額型の拠出で、2023年12月に掛金の初回引き落としがある方
出典:国民年金基金連合会 iDeCo加入者掛金に係る令和5年分の小規模企業共済等掛金払込証明書の発行時期と対象となる方

iDeCoは申し込みから運用開始までにある程度時間がかかるため、同じ年に所得控除を受けたいなら、なるべく早めに申し込み手続きを行うことをおすすめする。

遅くとも9月中には手続きを完了するようなイメージを持っておくと、その年の年末調整で所得控除をスムーズに受けられるだろう。

なお、年末調整の手続きに書類が間に合わなかった場合は、翌年の確定申告で所得控除の手続きを行う必要がある。

自分の年収や税率に応じて決める

自分の年収や税率などを確認した上で、iDeCoの加入タイミングを決めるのも一つの手だ。

会社経営者や個人事業主、ボーナスが毎年大きく変動しやすい人などは、ある程度収入が確定した段階でiDeCoに加入することで、所得控除を最大限活かしやすくなるというメリットがある。

特に、個人事業主は会社員等に比べて掛金の上限が高いため、どのくらいの掛金を設定するかはよく考える必要がある。

赤字になる年や利益が小さい年に多額の掛金を設定しても、所得控除の恩恵を受けにくい場合があるため注意しよう。

家計の状況に合わせて決める

家計の状況を考慮するのも重要だ。

住宅購入や子供の進学など、お金がかかるタイミングでは、無理にiDeCoを始めてしまうと家計を圧迫してしまう可能性がある。

ある程度今後収入や支出が見通せるタイミングで始めるのが良いだろう。

また、転職や退職の予定がある場合は、その後に申し込むようにしよう。

変更手続きを行うには手間も時間もかかるし、雇用形態が変わると掛金の上限も変わってくる。

収入が変わることによって適切な掛金の額も変わるため、転職または退職後に改めて申し込み手続きを行うのがおすすめだ。

iDeCoとNISAはいつ、どちらから始めるべきか?

iDeCoと似た非課税投資制度に「NISA(少額投資非課税制度)」がある。

iDeCoとNISAのどちらから始めるべきか悩んでいる方もいるのではないだろうか。

iDeCoとNISAはそれぞれ異なる特性を持つ制度なので、まずはそれぞれの制度の違いや特徴を知り、自分の運用目的やライフプランにどちらが合っているかを検討する必要がある。

ここでは、iDeCoとNISAの違いや、どのタイミングでどちらを選ぶべきか、二つの制度を併用するポイントについて解説する。

iDeCoとNISAの違い

iDeCoは老後資金のための制度であり、公的年金に上乗せされる私的年金制度だ。

節税効果が大きい点がメリットとなるが、原則60歳以降でないと運用資金を引き出せない点に注意しよう。

一方、NISAは運用益を非課税で受け取れるという制度で、短期から中長期の資産運用に向いている。

iDeCoに比べて資金の引き出しを自由に行いやすいという点はメリットだが、iDeCoほどの節税効果は得られない点はデメリットと言える。

iDeCoとNISAの違いを簡単にまとめると、下記の通りだ。

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 iDeCoNISA
投資対象商品投資信託
定期預金
保険商品
【つみたて投資枠】
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 
【成長投資枠】
上場株式、投資信託等
対象年齢原則20歳以上65歳未満の国民年金加入者18歳以上
運用(拠出)上限額年間144,000円〜816,000円1,800万円
引き出し可能期間原則60歳以降原則いつでも可能
税制優遇掛金が全額所得控除の対象
運用益が非課税
受取時に公的年金等控除または退職所得控除の対象
運用益が非課税となる

いつ、どちらを選ぶべきなのか

iDeCoとNISAはそれぞれメリット・デメリットがある。

自分の資産運用の目的やライフプランに応じて、どちらを先に始めるべきかを考えよう。

特に、以下の3つのポイントに注目するのが大事だ。

  • 公的年金の加入状況
  • 所得控除の必要性
  • 資産運用の目的

自営業者のように、国民年金のみに加入している人はiDeCoの掛金上限が手厚いため、iDeCoを活用することで効果的に老後の資産を形成できる。

所得控除を活用して、節税対策を行いたいという方も、iDeCoが向いているだろう。

逆に、公的年金が手厚くiDeCoの加入上限が低い会社員や公務員、所得控除がそれほど必要ない人などは、NISAから始めてみるのが良いかもしれない。

また、資産運用の目的によっても選ぶべき制度が変わる。

iDeCoは原則60歳以降でないと引き出せないため、それまでに使う予定のあるお金の運用先としてはあまり適していない。

数年後など比較的近い将来に向けた資産運用を行う場合は、NISAの方が適しているだろう。

併用する場合のポイント

iDeCoとNISAを併用する場合は、資金の目的に合わせて使い分けることを意識しよう。

老後に向けてコツコツ貯める資金はiDeCo、老後を迎える前に使う予定のあるお金やある程度流動性を持たせたい資金についてはNISA、といったようにお金の置き場を使い分けることで、いざという時にも家計を圧迫せずに無理なく資産運用を続けられるだろう。

iDeCoはNISAに比べて拠出金額の変更等に手間がかかるため、確実に回せる分はiDeCoに拠出しつつ、ボーナスなどで余裕が出た分はNISAに回す、といった使い分けもおすすめだ。

iDeCoをいつから始めるべきかで迷ったら誰に相談するべき?

iDeCoを始めるタイミングやその運用方法について迷ったら、資産運用の専門家に相談するのがおすすめだ。

ここでは、専門家に相談するべき理由や、iDeCoについて相談できるおすすめの相談先を紹介していく。

なぜ専門家に相談するべきなのか

iDeCoを始めるべきタイミングや、NISAとiDeCoのどちらを先に始めるべきかは、個人の状況や運用に対する考え方によって変わってくるケースがある。

自分にとって最適な運用戦略を組み立てるためには、正しい知識に基づく商品選定や制度の活用が重要だ。

資産運用の専門家に相談することで、自分1人では判断に迷ってしまうことや、制度についてよくわからないことも、丁寧に教えてもらえるため、自分にとって最適な運用計画を立てやすくなるだろう。

IFAとは何か

とはいえ、iDeCoやNISAについての相談を誰にすべきか迷う人もいるだろう。

中立的な立場から資産運用についてのアドバイスを求める人は、IFAの利用がおすすめだ。

IFAは、特定の金融機関に所属せずに資産運用に関するアドバイスや金融商品の提案・仲介を行うプロフェッショナルだ。

会社の営業方針や販売ノルマに左右されずに、顧客目線での助言が期待できるというメリットがある。

会社都合の転勤や異動も原則として発生しないため、老後資金の準備を見据えた長期的な資産運用についても相談しやすい。

資産運用に関する疑問や不安について、その都度相談できるパートナーのような存在になってくれるだろう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の紹介

IFAを資産運用に活用する際は、自分に適したアドバイザー選びが重要となる。

自分にぴったりのアドバイザーの選び方がわからないという方は、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用がおすすめだ。

年齢や住まい、金融資産などを入力するだけで、自分に適したアドバイザーが自動的に検索される。

表示されたアドバイザーの実績や経歴はプロフィールページから確認できるため、面談に進む前に自分でもどんなアドバイザーかをしっかりと確認できる。

「資産運用ナビ」の利用料やアドバイザーへの相談料は無料となっているため、ぜひ気軽に利用してみてほしい。

自分のライフプランを考慮してiDeCoをいつから始めるべきか見極めよう

iDeCoは、掛金の拠出・運用・受取のそれぞれについて税制優遇を受けられる私的年金制度であり、早くから始めた方が高い節税効果を期待できる。

ただし、iDeCoを始める最適なタイミングは人によって異なるため、自分の年収や金融資産、ライフプランなどに合わせて始めるようにしよう。

また、非課税での投資をさらに積極的に行いたい場合は、NISAとiDeCoを併用するのもおすすめだ。

年齢や職業などによって、NISAとiDeCoのどちらから始めるべきかが異なるため、迷う場合は資産運用の専門家に相談してみよう。

特にIFAは、中立的な立場からNISAやiDeCoでの資産運用に関するアドバイスを提供してくれるというメリットがある。

長期的に信頼関係を築きながら資産運用について相談したいという方にもおすすめだ。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用すれば、自分にぴったりのアドバイザーを手軽に見つけられるだろう。

いつからiDeCoを始めるかに関するQ&A

iDeCoはいつから始めればよいですか?

iDeCoは、長期運用を行うほど複利効果によって資産を増やしやすくなる。

また、iDeCoの節税効果も長期で運用するほど大きくなるため、なるべく早く運用を開始するのがおすすめだ。

iDeCoを50歳から始めた場合、節税効果は期待できますか?

iDeCoを50歳から始めた場合も、節税効果は期待できる。

iDeCoは、掛金の拠出時・運用時・受取時にそれぞれ税制優遇を受けられるため、年齢にかかわらず一定の節税効果が見込める。

もちろん、若いうちから始めた場合に比べると節税効果は小さくなるが、それでも老後に向けて効率的に資産を形成したいという方は、iDeCoを活用するのをおすすめする。

iDeCoとNISAは、それぞれ何歳から始められますか?

iDeCoは、原則として20歳から始められる。また、加入上限は65歳未満となっている。

一方、新NISAは18歳以上から口座開設が可能となっている。

以前は17歳以下でも利用できるジュニアNISA制度があったが、新NISAの開始に伴い廃止された。

iDeCoを始めるなら何月からが良いですか?

iDeCoを始めた年に年末調整で所得控除を受けたいなら、8月〜9月までを目安にiDeCoに申し込むのをおすすめする。

iDeCoへの加入には時間がかかり、年末調整の手続きに必要な小規模企業共済掛金控除証明書の発送にも期限が設けられているためだ。

節税効果を最大限活かすためには、なるべく早めに加入するのをおすすめする。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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