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【資産管理会社の基礎知識】資産管理会社で運用を行うメリットとは?

この記事で解決できるお悩み
  • 資産管理会社で運用を行う際のポイントを抑えたい
  • 資産管理の方法がわからない
  • 投資や資産管理に関する理解を深めたい

多額の資金を運用する場合、資産管理会社を通じて運用全般の管理を行うパターンもあるが、そもそもなぜ資産管理会社を設立するのか気になる人も多いのではないだろうか。

本記事では資産管理会社の概要や役割、自己資産を正しく管理するための方法について解説する。

目次

資産管理会社とは?

資産管理会社とは? 資産運用ナビコラム

資産管理会社とはどのようなものなのか、基本的な内容や役割、設立するために必要なことを解説する。

資産管理会社の概要

資産管理会社は株式や債券、不動産等の資産を保有する人が、それら資産の保有や運用、管理全般を目的として設立する法人のことである。

文字通り資産管理を行うための会社であるため、一般的な企業と異なり、資産管理以外の事業活動は行わないことが多い。

資産管理会社の役割

資産管理会社を設立する目的は、おもに節税や将来的な相続等の問題に対応するためである。

個人名義の場合は、資産運用から得られる利益等については「個人所得」として見なされることが多く、累進課税制度により最大45%の所得税が課される可能性がある。

一方で資産管理会社を設立して法人名義にすることで、資本金1億円以上の普通法人の場合は、実効税率23.20%まで軽減できる。

このように個人で直接受け取るのではなく、会社を通すことでさまざまなメリットを得られる可能性が高い。

資産管理会社を設立するために

資産管理会社を設立するためには、基本的に株式会社や合同会社等、通常の法人を立ち上げる場合と同様の手続きが必要である。

定款の作成や認証、設立登記手続きを行い、法人名義の口座開設を行う。税務署や年金事務所、都道府県税事務所、役所等に開業届や被保険者資格取得届など、新規設立に伴う届出書を提出する必要がある。

資産管理会社を活用するべきか?

資産管理会社を活用するべきか? 資産運用ナビコラム

いままで個人で運用していたものを資産管理会社を設立して活用すべきなのか迷うケースもあるだろう。

ここからは資産管理会社を活用するメリットや効果、注意点について解説する。

資産管理会社で運用を行うメリット

個人ではなく資産管理会社で運用するメリットとしては下記のような内容が挙げられる。

税金が軽減される可能性がある

資産運用で利益が出ると、個人の場合は所得税として申告する必要がある。運用益の種類によって税区分が変わることがあるが、所得税の場合は累進課税制度により最大45%課される。

所得割が一律10%の住民税と合算すると最大55%となり、事実上半分以上納税しなければならない。

一方で法人の場合は資本金1億円以上の普通法人だと約23%となる。所得税の最高税率が課されている場合は約22%軽減される計算となり、節税効果が大きい。

長期的な損益通算が可能

資産運用はリスクがつきもので、右肩上がりに利益が増えるとは限らない。順調に利益が出るときもあれば大きな損失が出ることもある。

青色申告書を提出した個人の場合も、最長3年間の欠損金の繰越控除が認められている。欠損金の繰越控除とは、その年に生じた損失を計上して翌年以降の利益と相殺できる制度で、長期的に節税できる。

資産管理会社の場合は最長10年間認められるため、長期的に損益通算が可能になるのは資産運用を行ううえで大きなメリットになるだろう。

相続資産の整理ができる

たとえば個人名義の不動産を2人の子供に相続させる場合、相続割合によって分割しなければならない。権利承継等に伴う登記移転費用もかかる。

贈与や相続手続きを行い、不動産の所有権が移転した後に不動産の処分をしようとしても、所有者の合意が必要となり手間がかかる。

一方で不動産等の所有権を全て資産管理会社に移転することで、複数の相続人に権利を分割する必要があったとしても、会社株式の分割で済む。名義変更を行う必要もないため、登記移転等にかかるコストも軽減できるメリットがある。

節税に関する効果と注意点

資産管理会社を設立すると節税効果が期待できるが注意点もある。それは一旦会社を設立すると維持管理にコストがかかり続けることだ。

仮に資産管理会社の決算が赤字になった場合、法人税はかからないが、法人住民税の均等割は決算内容にかかわらず納税する必要があるので要注意だ。

資本金の規模が1000万円以下かつ従業員数が50人以下の場合、市町村民税が5万円、都道府県民税が2万円、合計7万円発生する。資本金の規模や従業員数によって金額が異なるため、設立前には必ず確認しよう。

個人の場合と異なり会社決算の仕組みや手続きは複雑で、専門家ではない者が対応するのは容易ではない。制度等への認識違いや手続きの間違い等が発生してトラブルの原因になる可能性もある。

リスク回避のためにも、日常的に会計処理を行う担当者を置いて顧問税理士と契約するなど、専門家に任せるのが一般的だ。このような専門家に依頼する人件費も必要となる。

資産管理会社は一旦立ち上げると簡単に廃業することができない。清算手続きを踏む必要があり、コストはもちろん時間や手間もかかる。

個人運用の場合には発生しないコストや手間が増えることもあるため、資産管理会社を設立したほうが本当にメリットがあるのか、事前によく確認することをおすすめする。

分散投資の重要性

資産管理会社を設立して運用する場合も、個人運用のときと同様に分散投資をすることが重要である。また、資産運用のリスク軽減も欠かせない。投資に絶対はなくリスクが常に伴う以上、自身に合ったポートフォリオを構築して定期的に見直すことが重要である。

分散投資をすることで、仮に株式市場が大きく下落しても債券や不動産等が収益をカバーしてくれる可能性もある。

特定の投資不振を他の商品や運用手法が補填することで、ポートフォリオ全体のパフォーマンスの安定や向上につながる。

自分の資産を正しく管理するために

自分の資産を正しく管理するために 資産運用ナビコラム

いくら運用で成功していても自分の資産の全体像を把握しなければ意味がない。ここからは自分の資産を正しく管理するためには、どのようなポイントに注意する必要があるのか解説する。

資産を分類する

まずは自分自身が保有する資産を種類ごとに分類する必要がある。

  • 現金や預金:流動性が高い
  • 株式や債券:一般的な金融資産
  • 不動産:実物資産
  • 暗号資産:一般的には仮想通貨と呼ばれている
  • 貴金属や時計など

上記以外にもさまざまな分類方法がある。種類ごとにメリットデメリットがあるため、自分自身の資産にはどのようなリスクがあるのか、強い傾向があるのか把握しよう。

資産管理アプリとは

投資家が自身の資産を効率良く管理するための便利なアプリも存在する。「マネーフォワード ME」や「Zaim」「Moneytree」などが有名だ。

アプリによってできることは異なるが、資産推移やポートフォリオの分析などが簡単にできるデータ管理機能やレシート読み込み機能などが豊富にある。アプリを選ぶ際は特に下記2点の確認は重要だ。

機能のカスタマイズ性

アプリが提供する機能が自分自身のニーズに合っているか確認する必要がある。直感的に操作できるかといったユーザーインターフェースの部分も無視できない。

セキュリティ機能

個人情報を扱うため、セキュリティ保護機能は必須である。アプリが適切なセキュリティ対策を講じているか事前に必ず確認しよう。

専門家とともに資産管理を行う

自分の資産を正しく管理するためには、専門家の助言やサポートを受けることも非常に重要である。自身の資産のバランスや傾向、運用検討商品の詳細、ポートフォリオの内容や見直しの必要性など、確認しなければならないポイントは多い。

これらを一般投資家が全て自分自身で行うのは容易ではなく、時間や手間もかかる。資産管理の効率化のためにも専門家の力は積極的に活用しよう。

IFAと最適な資産管理

IFAと最適な資産管理 資産運用ナビコラム

専門家の活用を検討する際に候補の1つとして挙げられるのがIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)だ。

ここではIFAによる資産管理サポートの内容や資産管理会社との関係性について紹介する。

専門的な視点からの資産分析

中立的な立場で運用提案やアドバイスを行うIFAは、豊富な専門知識と経験等を背景に、投資家である顧客の利益向上のためのサポートを行う。

投資家の資産状況や目標を詳しく分析し、適切な資産管理プランを策定する。一般投資家だけでは把握できないような情報や分析力をもとに、顧客一人一人に合った投資戦略を構築できるのが強みだ。

IFAによる資産管理サポート

IFAは特定の金融機関に所属しないため、金融商品を選定する際も特定の会社の商品に依存する必要がない。さまざまな手段の中から顧客にとって何が最適なのか、何度も打ち合わせ等を重ねながら最適な投資戦略を構築する。

さらに、IFAは税理士や公認会計士、弁護士等の外部の専門家と連携することも少なくなく、IFAのみで解決するのが難しい場合でも総合的にフォローしてくれる。外部の専門家を1人ずつ探して契約するのは容易ではないため、時間や手間が省けるのは大きい。

ただ、投資家の投資経験や投資意向によって、最適なIFAの選択肢も異なる。自身の条件にあったIFAを見つけるには、「資産運用ナビ」などの検索プラットフォームの活用もおすすめである。

無料相談もできるので、長期的な資産形成のパートナーとなる、信頼できるIFAが見つかるはずだ。

IFAと資産管理会社との関係性

IFAは顧客の資産管理会社と連携して動くことも少なくない。資産管理会社を含む顧客の全体資産の最適化や、これまで個人名義で運用していたものを新たに資産管理会社に移行させたい場合など、複雑になりやすい手続きについてもアドバイス等を行ってくれる。

IFAとの協力により、投資家は専門家の知見と経験を活かしながら、最適な資産管理を実現することができるだろう。

まとめ

まとめ 資産運用ナビコラム

今回は資産管理会社で運用を行うことに関するメリットや資産管理方法についての基礎知識を解説した。資産管理会社を設立する必要があるのかの判断だけでなく、実際に設立を行う手続き、設立後の維持管理を行うのは容易ではない。

資産を正しく管理するためには専門的な知識が必要であるため、IFAに協力してもらうと良いだろう。IFAは専門的な視点から適格なアドバイスを提供してくれるため、正確な資産管理を行うことが可能となる。

また、投資戦略と同じように、あなたに最適なIFAも投資の経験値や目標、資産状況によって異なる。検索プラットフォーム「資産運用ナビ」などを活用し、自身の条件にあったアドバイザーを探すことも忘れないようにしよう。

資産管理に関する疑問や不安がある方は、気軽にIFAに相談してみてほしい。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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