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富裕層の資産内訳を解剖!消費や投資に対する考え方の違いとは?

この記事で解決できるお悩み
  • 富裕層の資産内訳がどうなっているのか知りたい
  • 富裕層の資産形成・運用の方法を参考にしたい

富裕層は、資産をどのように分配しているのか?気になっている人も多いだろう。そこで本記事では、富裕層の資産内訳を紹介していく。

富裕層の資産内訳を見ると、今後どのように資産形成・運用していくべきかが見えてくる。

本記事を参考にしながら、自身の資産形成・運用や、投資戦略などについて考えてみてほしい。

目次

そもそも「富裕層」とは?

そもそも「富裕層」とは? 資産運用ナビコラム

そもそも富裕層とは、どういった人を指すのだろうか。

富裕層とは年収によって決まるのではなく、「純金融資産保有額」で決まる。

ここでは、富裕層の定義や、富裕層の割合などを整理していく。

富裕層の定義

実は、富裕層についての明確な定義はない。そのため、野村総合研究所が提唱する「純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯」が、社会通念的な定義として用いられている。

岸田内閣が掲げている「異次元の子育て政策」では、世帯年収が850万円以上の世帯を「富裕世帯」と呼んだ。しかし、これも政府が掲げる定義ではなく、あくまで「異次元の子育て政策」の中での話に過ぎない。

そのため、現在最も浸透している富裕層の定義としては、先の「純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯」が当てはまる。

ちなみに純金融資産とは、金融資産の総額から住宅ローンなどの負債を差し引いたものを指す。預貯金、株式、債券、投資信託、生命保険、個人年金保険が純金融資産だ。不動産や貴金属などの資産は含まない。

また、純金融資産保有額が5億円を超える世帯は、「超富裕層」と呼ばれている。

富裕層・超富裕層の割合と資産総額

富裕層・超富裕層の割合と資産総額を、野村総合研究所の調査から紹介する。

まず、富裕層・超富裕層の割合は、世帯全体の2.75%だ。各世帯層の数と、資産額は以下のようになっている。

世帯数世帯数の割合資産額資産額の割合
超富裕層9.00.17%1056.43%
富裕層139.52.58%25915.87%
準富裕層325.46.01%25815.81%
アッパーマス層726.313.42%33220.34%
マス層4,213.577.83%67841.54%
出典:野村総合研究所「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

表を見るとわかる通り、富裕層・超富裕層の割合は全体の2.75%だが、資産額は全体の2割以上を占めている。

富裕層・超富裕層の数は、2005年の調査から大幅に増加しているのも、注目すべきポイントだ。2005年には86.5世帯だった富裕層・超富裕層は、2021年に148.5世帯に増えている。

その背景として、日本人の投資リテラシーが向上し、資産ポートフォリオを金融商品に分配する世帯が増えたものと考えられる。

富裕層のライフスタイル

富裕層以上の世帯では、ライフスタイルに大きな違いが生じることが多い。

まず、富裕層は日常生活において「ROI(費用対効果)」を強く意識している。

ROIとは、投じた費用に対して得られた利益のことだ。プライベートにおいては、消費したモノ・コトから得られる体験が、それに見合った金額かどうかを、常に意識している。

これが、「お金持ちはケチ」と言われる所以だ。しかし実際のところ、富裕層はケチではない。自身にとって価値があると判断したものには、費用を惜しまない。

たとえば、具体的なブランド名は避けるが、一つ20万円のブランドバッグを5つ購入するなら、100万円のブランドバッグを一つ購入する。後者の方がリセールバリューが高く、資産としての価値があるからだ。

富裕層のライフスタイルを真似てみると、消費に対する行動や意識が大きく変わる。資産形成・運用を目指すなら、富裕層に学ぶのは効率的な方法だと言える。

気になる富裕層の資産内訳を解説

気になる富裕層の資産内訳を解説 資産運用ナビコラム

続いて、富裕層の資産内訳を解説していく。2022年3月に公表された大和総研の資料を参考にした。

富裕層の資産は「不動産」が多め

大和総研の資料によれば、純資産総額が上位1%の世帯における、純資産に対する「住宅・宅地」の割合は半数以上になる。つまり、富裕層の資産は、金融商品よりも不動産の方が多い、ということだ。

前述の「富裕層の定義」では、「純金融資産総額が1億円以上5億円未満の世帯」が富裕層と定義されている。

不動産は純金融資産には含まれないため、野村総合研究所と大和総研のデータを合わせて考えると、富裕層は純金融資産総額のほぼ同額の不動産を所有している可能性が高い。

地域によって資産内訳に違いがある

資産内訳は、地域によって異なるという興味深いデータも出ている。

たとえば、富裕層が最も多い東京都における保有資産の内訳は、「住宅・宅地」といった不動産が70%を超えている。また、金融資産の割合が最も多いのは秋田県で、東京都は反対に金融資産の割合が70%を超えている。

これには地域ごとの不動産価格が大きく関わっており、東京都の不動産価格は全国的に見ても平均値がかなり高い。一方、秋田県の不動産価格の平均値は全国的に低いため、富裕層のポートフォリオは自然と金融資産に傾いているのだ。

不動産投資をするのが正解なのか?

富裕層が多い東京都では保有資産の割合として不動産が多いから、不動産投資を行うのが正解なのか?という疑問が生じるだろう。しかし、その問いに対しては、「No」と言える。

まず、不動産価格の平均値が高い東京都では、いわゆる「大地主」が多数存在している。彼らは多くの不動産を世襲的に保有しており、それによって大きな資産を築いている。

そのため現段階で富裕層ではない人が、資産を不動産に注ぎ込み、「家賃収入によって不労所得を得る」というのは、資産形成として非常にリスクが高いのだ。

そこで検討すべきが、金融資産への投資である。東京都の富裕層が投資をしていないかと言えば、そうではない。不動産価格の平均値が都道府県別に見て極めて高いため、ポートフォリオが自然と不動産に傾いてしまうのだ。

しかし前述のように、富裕層・超富裕層の世帯は、不動産とほぼ同額の金融資産を保有していると考えられる。そのため、東京都の富裕層もしっかりと投資によって資産形成・運用を行っていると言える。

富裕層が実践している投資戦略

富裕層が実践している投資戦略 資産運用ナビコラム

ここからは、富裕層が実践している投資戦略を紹介する。いずれも投資の基本であり、シンプルな戦略を愚直に行うことで、大きな資産を形成している富裕層は多い。

分散投資

分散投資とは、複数の資産に投資し、資産運用のリスクを抑える手法だ。

先ほど述べたように、例えば資産のすべてを不動産投資に集中するのは、非常にリスクが大きい。空室、地価下落、流動性の低さなど、警戒すべきリスクが少なくない。とはいえ、不動産投資は魅力的なオプションでもある。

そこで、少額からでも不動産に投資ができるREIT(不動産投資信託)で間接的に不動産に投資し、その他の金融商品にも投資をするなど、分散投資を意識してほしい。

リスクを抑えればリターンも少なくなるが、長期的な資産形成を考えれば、分散投資は必須の戦略だ。

投資信託

投資信託とは、投資家から集めた資金を一つの大きな資金として、さまざまな金融商品に投資をする業態のことだ。「ファンド」とも呼ばれている。

投資信託に投資するメリットは、「自然と分散投資になる」ことである。投資信託では株式や債券、不動産などを含めさまざまな資産に投資をするため、投資家は分散投資を考える必要はない。

また、投資のプロが考え抜いたポートフォリオによって資産運用を行うため、投資戦略にかける時間を短縮できる。効率性・安全性を考え、投資信託に資産を費やす富裕層は多い。

複利効果

複利とは、投資によって得られたリターンを元本に追加投資し、さらに大きなリターンを得るための投資戦略だ。逆に、元本を変えない投資戦略を「単利」と呼ぶ。

単利はリターンをすぐに現金化するためキャッシュが手元にくるが、複利ほどの大きなリターンは見込めない。

一括投資した場合に、複利で元本が2倍になるまでの期間を計算できる「72の法則」を使ってみると、金利6%の場合、元本が2倍になるまでに12年弱かかる。一方、単利で運用した場合、元本が2倍になるのは16年以上かかる。

このように複利効果を狙う方が圧倒的に資産形成しやすく、短期間で大きな資産を生み出せるのだ。

IFAと一緒に富裕層式の資産形成・運用を目指す

IFAと一緒に富裕層式の資産形成・運用を目指す 資産運用ナビコラム

ここまで富裕層のライフスタイルや資産内訳などを解説したが、これらの情報だけで富裕層式の資産形成・運用を目指すのは難しい。具体的には、富裕層がどういった投資先に着目しているかや、その投資スタイルを細かく知る必要がある。

そこで活用して欲しいのが、投資アドバイスの専門家であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)だ。次のしょうでは、IFAの基本や、なぜ富裕層式の資産形成・運用が学べるかを解説する。

IFAとは?

IFAとは、「Independent Financial Advisor」の略だ。日本語では「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と訳されている。

IFAの役割は、「顧客の資産を増やすこと」だ。ごくシンプルな役割だが、IFAが担当する領域は広い。顧客の投資アドバイスに乗ることから、実際の資産運用まで委託されるケースもある。

また、節税や確定申告のサポートなど、資産形成・運用に関するあらゆることを、IFAに相談できるのだ。

「独立系」の名の通り、証券会社や銀行に所属していないため、特定の金融商品に縛られず、幅広い選択肢の中から顧客に合った投資戦略をアドバイスしてくれるのがIFAの特徴である。

IFAから富裕層式の投資戦略が学べる

IFAには、証券会社・金融機関の出身者が多い。そのため、多くのIFAは富裕層・超富裕層の資産形成・運用に関わってきたため、富裕層式の投資戦略を知っている。

証券会社・金融機関時代に投資ノウハウを体系的に学んでいるため、顧客に合わせた投資戦略を立案できるIFAが多いのも特徴だ。

富裕層の投資戦略を取り入れながら、自身の投資目的・目標に応じて、最適な投資アドバイスがもらえる。

そして、投資戦略と同じように、あなたに最適なIFAは投資の経験値や目標、資産状況によって異なる。

IFAに相談したいと思ったら、検索プラットフォーム「資産運用ナビ」などを活用し、自身の条件にあったアドバイザーを探すことも忘れないようにしよう。

IFAは投資初級者から上級者までおすすめ

IFAのようなアドバイザーは、富裕層が活用しているイメージがあるかもしれない。しかし、投資初心者から上級者まで、IFAを活用するメリットは非常に大きい。

投資初心者がIFAを活用するメリット

  • 知識ゼロから投資が始められる
  • 投資目的を一緒に考えてくれる
  • 最適な投資戦略を立案してくれる
  • リスク低減のやり方も教えてくれる
  • 投資ノウハウを吸収できる

投資上級者がIFAを活用するメリット

  • 専門家からセカンドオピニオンが得られる
  • 資産運用を委託して時間を削減できる
  • 投資だけでなく節税、贈与、相続も相談できる

実は、富裕層だからといって投資上級者というわけではない。資産形成・運用のほとんどをIFAに委託して、本業に割く時間を増やしている富裕層も多いのだ。

まとめ

富裕層の資産内訳を解剖!消費や投資に対する考え方の違いとは? 資産運用ナビコラム

本記事では、富裕層の割合や資産内訳、富裕層の投資戦略について解説した。富裕層がなぜ富裕層なのか、それは、消費と投資に対する意識が根本から違うからだ。

「価値を感じないものには一銭も投じない」

「価値を感じたもには投資を惜しまない」

この2つを意識するだけで、あなたの生活はガラリと変わるだろう。

さらに、富裕層の投資戦略や資産形成・運用について知りたい・学びたいという人は、IFAに相談するといいだろう。彼らには、これまで関わってきた富裕層の、投資戦略が詰まっている。

現在、検索プラットフォーム「資産運用ナビ」ではIFAへの無料相談を実施している。資産形成を始めたいが、何に投資をしたらいいのかわからない人は、無料相談でそのヒントを掴んでほしい。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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