- つみたて投資枠のデメリットを理解したい
- つみたて投資枠で損失が発生した場合の対処法が知りたい
- つみたて投資枠と成長投資枠を上手に活用するための方法が知りたい
新NISAのつみたて投資枠は、利益が非課税になるので注目されている。
しかし、新NISAを活用した資産運用にはさまざまなデメリットがあるため、把握しておくことが重要だ。
新NISAをフル活用するためも、今回の記事を読んでデメリットを理解していこう。
新NISAつみたて投資枠の隠れたデメリット
新NISAは優れた制度だが、隠れたデメリットも複数あるため、しっかりと把握していこう。
長期投資における市場変動の影響
保有している金融商品の価格は常に変動しているため、タイミングによっては価格が下がり、一時的に損失が発生する可能性があるのだ。
一般的には、長期投資は「市場変動に強い」と考えられているが、「絶対に損をしない」という訳ではないので注意しよう。
金融商品によって価格変動する理由は異なるので、一部の金融商品の価格が下落する原因について解説する。
価格が下落する原因
- 株式
- 金利上昇、業績の悪化、社会情勢 など
- 債券
- 金利上昇、インフレ、信用リスク など
投資信託の選択ミスとその影響
資産運用をする際に「個人に合った金融商品を選ぶ」というポイントは、非常に重要である。
なぜなら、投資目的・投資計画・リスク許容度・保有資産などさまざまなポイントが個人によって異なるためだ。
そのため、「友達に勧められた投資信託にしよう」という決め方をしてしまうのはおすすめできない。
しっかりと自分に合う金融商品かを見極めなければ、リスクが高すぎる商品/リターンが低すぎる商品を選んでしまい、投資目的を達成できないのだ。
リスク分散が不十分な場合の問題点
複数の金融商品を保有することでリスクを分散できるため、リスク分散が不十分になると損失が発生する可能性が高くなるのだ。
そのため、複数の金融商品、投資先(企業・国・業種)を保有し、自分のリスク許容度に合ったポートフォリオを組まなければならない。
では、どうして複数の金融商品や投資先に資産を分散させなければならないのだろうか。
例えば、日本が大好きなAさんは「日本企業を応援したい」という思いから、「国内株式100%の投資信託」を3種類保有していたとする。
しかし、災害が原因で日本の株価が大きく下落すると、Aさんの全ての投資信託がダメージを負うことになる。
そのようなリスクを避けるためには、国内株式の投資信託だけではなく、米国株式・インド株式・全世界株式などの投資信託を保有する必要があるだろう。
※ポートフォリオ:資産配分のこと
新NISAつみたて投資枠のデメリットに対する対応策
つみたて投資枠の元本割れリスクと対応策を解説していくので、新NISAのつみたて投資枠を使って資産形成をする方はぜひ参考にしてほしい。
元本割れにつながる要因の分析
つみたて投資枠で運用する場合、投資信託を選ぶことになる。
投資信託は、投資家から集めた資金で複数の金融商品を購入し、プロが運用するシステムだ。
資産運用の専門知識があるプロが運用していたとしても市場価格の変化により、元本割れしてしまう可能性がある。
また、投資信託のメリットでもある「プロが運用する」というポイントが、最悪の場合元本割れする要因の1つになる。
なぜなら、信託報酬(プロが運用・管理するための費用)は日々差し引かれており、運用業績が悪い投資信託であれば大きな負担になるためだ。
他にも、金利の変動により債券の価格が下落するため、投資信託に債券が組み込まれている投資信託の場合、影響が出てしまう。
市場は常に変化しており、予測できないような変動もあるため、元本割れする可能性はさまざまな要因があると言える。
元本割れを避けるための戦略
元本割れを避けるための戦略として、以下の3つの方法が挙げられる。
- 分散投資
- 積立投資
- 長期投資
分散投資
分散投資は、複数の資産を保有することでリスクを分散できる方法を指す。
上記「リスク分散が不十分な場合の問題」でも紹介した通り、国内株式の投資信託だけよりも、全世界株式の投資信託などを組み合わせる方が経済状況や社会情勢などに左右されにくい。
また、株式・債券・不動産などの金融商品が組み込まれたバランス型の投資信託であれば、株式市場が下落しても他の商品で資産を守れるケースもある。
このように、元本割れを避けるためには、分散投資は非常に重要なポイントだ。
積立投資
積立投資は、定期的に一定額の投資信託を購入し続けていく方法を指す。
一括投資よりも、購入するタイミングを分散させる積立投資の方がリスクを軽減できると考えられている。
また、「ドルコスト平均法」の恩恵を受けられるため、購入単価が平準化されるお得なメリットもある。
長期投資
長期投資は上記「長期投資における市場変動の影響」で紹介した通り、運用期間が長いほど市場変動に強いので、リスクが軽減できる。
また、複利運用の投資信託であれば、リターンがさらにリターンを発生させ、効率的に資産形成を勧められる。
※複利運用:リターンを元本に組み込んで運用を継続する方法
短期間の市場変動に対する対処法
1日でも保有している投資信託の基準価額が下落すると、不安を感じてしまう方も多いだろう。
しかし、投資信託は長期運用でリターンを狙う金融商品のため、短期的な市場変動に一喜一憂しないようにするといい。
「どうしても気になって仕方ない…」という方は、下記「新NISAではじめる投資の相談先はどこがいい?」で紹介する専門家に相談することを推奨する。
正しい知識を元に相談者にとってベストな対処法を提案してくれるので、安心して資産運用を続けられるだろう。
新NISAつみたて投資枠のデメリットは投資枠の併用でカバーしよう
新NISAは、「つみたて投資枠」だけではなく、「成長投資枠」の利用も可能なので、両投資枠の特徴を比較し、効率的に新NISAを活用していこう。
両投資枠のリスクとリターンの比較
両投資枠のリスクとリターンを比較するためにも、どのような特徴があるのか、以下の表から把握しよう。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
対象年齢 | 18歳 | |
非課税保有期間 | 無期限 | |
非課税保有限度額 | 1,800万(枠の再利用可能) つみたて投資枠と成長投資枠の併用可能 ※成長投資枠は1,200万円まで | |
年間投資枠 | 120万/年 | 240万/年 |
対象金融商品 | 投資信託 (長期積立・分散投資) | 上場株式・投資信託など |
投資枠によって、非課税保有限度額・年間投資枠・対象金融商品が異なるのだ。
では、投資枠でリスクとリターンを比較した場合、どのようになるのだろうか。
リスク | リターン | |
---|---|---|
つみたて投資枠 | 小さい | 小さい |
成長投資枠 | 大きい | 大きい |
成長投資枠でも投資信託を購入できるが、上記では成長投資枠で株式投資をするとして仮定した。
リスクとリターンは比例するので、リスクが大きい商品は大きなリターンを得られ、リスクが小さい商品はリターンも小さくなる。
各投資枠の適切な利用方法
各投資枠を適切に利用するためには、いくつかのポイントを明確にする必要がある。
- 投資目的・投資計画
- リスク許容度・ポートフォリオ
投資目的・投資計画
投資目的を明確にしておくことで、どれくらいの期間を確保でき、毎月いくら投資すべきかなどを把握できる。
しかし、「みんな新NISAを利用しているから」という曖昧な理由で運用をはじめてしまうと、元本割れの可能性を高めてしまうため自分の投資目的を認識しよう。
投資目的が分かれば、下記の「リスク許容度やポートフォリオ」を活用し、投資計画を練っていけば各投資枠の利用方法が見えてくるだろう。
リスク許容度・ポートフォリオ
リスク許容度とは、損失に耐えられるラインのことを指し、年収・保有資産・家族構成などの条件からリスク許容度を決める。
リスク許容度の求め方を一部紹介するので、自分のリスク許容度を知る際の参考にしてほしい。
- 独身
- 高い
- 子どもがいる方
- 低い
- まとまった資産がある
- 高い
- 貯蓄が少ない
- 低い
- 心配性ですぐに不安になりやすい性格
- 低い など
リスク許容度を把握できると選ぶべき金融商品が分かるので、リターンが大きい商品や資産を守りやすい商品を使ってオリジナルのポートフォリオを組み立てていこう。
投資目的に応じた枠の選択基準
ここでは、投資目的に応じた枠の選択基準を一部紹介するので、自分の目的と合わせながら考えてみてはいかがだろうか。
つみたて投資枠
- 運用期間に余裕がある
- 可能な限りリスクを軽減させたい
- 投資に充てる時間がない
成長投資枠
- 短期間でリターンを得たい
- 株主優待を受けたい
- 応援したい企業がある
- 成長投資枠でも投資信託を購入できるので、年間120万円以上投資したい方は併用すると年間360万円まで投資可能
- 株式投資と投資信託を組み合わせれば、コツコツと資産形成をしながら株主優待を受けられるなどの楽しみ方ができる
新NISAつみたて投資枠のデメリットに対策するなら誰に相談するべき?
新NISAではじめる投資の相談先を紹介するので、悩んでいる方は資産運用の専門家にアドバイスをもらおう。
投資相談の重要性と適切な相談先の選択
新NISAを活用して投資をしていると、
「この金融商品でいいのかな?」
「投資信託の価格が下落したけど、どうしたらいいの…」
と悩んでしまう方も少なくない。
このような問題に対して、「とりあえず、この金融商品にしよう」「これ以上価格が下がったら不安だから売却しよう」と対処してしまうと、損失が発生する可能性がある。
そのため、投資の悩みは「正しい知識」を元に冷静に対処する必要があるのだ。
しかし、投資の知識が浅い方や勉強する時間がない方にはハードルが高いだろう。
だが、資産運用の専門家に相談できる環境を整えておけば、リスクとストレスを軽減させながら運用を継続できる。
新NSIAについて相談できる専門家は以下の通りのため、今後のために参考にしてほしい。
- 銀行
- 証券会社
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
- 大手対面証券会社は、対面取引・電話取引・ネット取引によって手数料が大きく変わる
- FPは、相談時に費用が発生する
- IFPは、基本的に相談は無料だが、取引時に手数料が発生する
- 金融機関で相談する場合、会社の運営方針に沿った提案内容になる可能性がある(ノルマなど)
- 金融商品取引業者の登録がないFPは、一般的に具体的な提案ができない
IFAの役割と利用するメリット
IFAは、金融機関から独立しているため、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれており、相談者に寄り添ったサポートが可能な専門家だ。
業務委託契約ができる証券会社の数に制限がないので、幅広い金融商品の中から相談者に合った商品の提案ができるメリットがある。
また、保険・不動産・贈与・相続などのお金の悩みを解決できるIFAもいるため、お金に関するよきパートナーとして長期的にサポートを受けられるのだ。※保有資格によって範囲は異なる
新NISAを活用して投資をはじめたい方、より自分に合った金融商品を知りたい方、まとまった資産を使って運用したい方などに向いている専門だと言えるだろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と効果
IFA検索サービスの中でも、「最短ルートで優秀なIFAに出会いたい」と考えている方には「資産運用ナビ」をおすすめする。
相談者が不快に感じるような営業をされる心配もないので、「手数料が高い商品を勧められたらどうしよう…」と不安に感じている方はぜひ「資産運用ナビ」を活用してほしい。
検索・面談・相談は無料でできるので、気持ちのいいやり取りができるIFAと出会えるだろう。
資産運用は専門知識が必要になる分野のため、1人で悩まずに気軽に「資産運用ナビ」を活用して相談してほしい。
新NISAつみたて投資枠のデメリットは長期・分散・積立投資で対策しよう
新NISAのつみたて投資枠には、市場の変動・投資信託の選択ミス・リスク分散の不十分さが原因で資産に影響が出るデメリットがある。
しかし、分散投資・積立投資・長期投資を意識することでリスクを軽減できるので、ぜひ活用してほしい。
各投資枠を活用するためには、投資目的・投資計画・リスク許容度・自分に合ったポートフォリオを把握して選んでいくといいだろう。
新NISAで不明点があれば、中理的な立場からサポートができるIFAに相談することを推奨する。
「資産運用ナビ」では、検索・面談・相談が無料でできるので、優秀なIFAを最短で探したい方はぜひ利用してほしい。