国民年金基金とiDeCo (個人型確定拠出年金)はどちらも自らの判断で加入する私的年金制度だ。2階建て構造と言われる日本の年金制度の中で以下に位置する。
- 1階部分:国民年金
- 2階部分:厚生年金
- 3階部分:国民年金基金、iDeCoなど
どちらも「将来もらえる金額に+ αで年金額を増やしたい」という方が加入する制度となっている。ただ、どちらの方に加入すれば良いのか迷ってしまう人も多いのではないだろうか。
そこで今回は国民年金基金とiDeCoのどちらに加入すべきか、メリットとデメリットを踏まえて解説していく。
- 将来の年金額をなるべく増やしたい人
- 国民年金基金とiDeCoどちらがいいか迷っている人、
- そもそも制度について知りたい人
上記のような方に向けてにぴったりの内容となっている。将来に向け老後資金を準備するために私的年金制度の利用も視野に入れている方は、ぜひ最後までご覧いただきたい。
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国民年金基金とは
国民年金基金は、自営業者や企業に属さないフリーランスなどが加入できる、任意の私的年金制度だ。受給額は掛け金に応じて変動し、現在の予定利率は1.5%となっている。
国民年金基金には国民年金第1号被保険者であれば誰でも加入できる「地域型国民年金基金」と事業や業種が限定された「職能型国民年金基金」の2種類が存在している。どちらも老後の年金額を増やす手段として用いられている。
メリット
国民年金基金のメリットは、主に以下の4つが挙げられる。
- 年金額が確定している
- 終身年金である
- 60歳以降も加入できる
- 社会保険料控除が適用できる
それぞれ紹介していく。
年金額が確定している
国民年金基金は掛け金の支払いで受給額が変動するが、加入時に掛け金を一旦決めてしまえば将来の給付額が確定する。そのため老後資金をシミュレーションしやすいというメリットを持つ。
将来の見通しが立てやすいので、資金計画を前もってしっかりと立てておきたい方におすすめだ。
終身年金である
国民年金基金は、65歳から一生涯受け取れる終身年金が基本となる。受け取り方としては終身型の2種類と確定年金型の5種類の合計7種類から自分の希望に合わせて選べる。
自分のライフスタイルに合わせやすい上に、種類によっては受給開始前に亡くなったとしても遺族一時金が支給される。
60歳以降も加入できる
国民年金に任意加入していれば、国民年金基金にも60歳以降に加入することが可能だ。通常、年金は60歳までしか加入できないが、将来の年金額を増やすために保険料の納付時期を増やして将来受け取る年金額をアップさせられる。
そのため受給タイミングでもう少し受給額を増やしたいという方は「さらに保険料納付しておこう」など個人での細かな年金額の調整も可能なのだ。
社会保険料控除が適用できる
国民年金基金の掛け金は社会保険料控除に適用でき、確定申告をする時に所得税や住民税を節税することが可能だ。さらに国民年金基金で支払っている家族の分も適用できるので、かなり有効な税金対策となる。
デメリット
国民年金基金の主なデメリットは、以下の2つが挙げられる。
- インフレリスク
- 途中解約できない
それぞれ紹介していく。
インフレリスク
国民年金基金は年金額が確定しているというメリットを紹介したが、一方でインフレリスクもあるので注意が必要だ。確定給付型なのでインフレで物価が上がると、相対的に日本円の価値が下がり年金の価値も下落してしまう。
途中解約できない
国民年金基金は一度加入して掛け金を支払い始めると、途中で解約することは基本的に不可能だ。購入単位は1口、2口という単位で数えられ、1口までは減らせるものの必ず1口は支払い続けることになる。
収入減少などやむを得ない理由で支払いが難しくなった場合は納付を中断できるものの、将来受け取れる年金額は減額してしまう。申し込む前には「本当に払い続けられるか」という長期的な目線でシミュレーションを行った上で加入するようにしよう。
iDeCoとは
iDeCoは個人型確定拠出年金といわれ、国民年金基金と同様に任意加入できる私的年金制度だ。確定拠出年金制度の一種で、個人型であるiDeCoと企業型確定拠出年金の2種類が存在している。
企業型は企業に運用してもらうのに対し、iDeCoは自らで運用商品と掛け金を決め、60歳以降に受け取れるようになっている。iDeCoを契約している方が亡くなってしまった場合、死亡一時金として遺族に年金が支給される。
メリット
iDeCoのメリットは、主に以下の4つが挙げられる。
- 加入対象者が多い
- 自分で運用できる
- 運用益が非課税
- 所得税、住民税を節税できる
それぞれ解説していく。
加入対象者が多い
iDeCoは入れ子に加入できる対象者はかなり幅広くなっている。
加入対象者
- 自営業などの第1号被保険者
- 正社員などの第2号被保険者
- 専業主婦などの第3号被保険者
- 60歳以上の任意加入被保険者
このようにほとんどの方が加入できる。さらに掛け金と運用商品、運用する管理機関を選べば終了するので、始めやすいというメリットもある。
自分で運用できる
iDeCoは個人型の私的年金なので自分で運用商品を選べる。さらに掛け金を調整したり商品を変更したりできるので、自由度が高いというメリットを持っている。株式や投資信託へ投資しつつ年金を準備することが可能だ。
そのため長期運用が可能なので利益を積み上げやすく、パフォーマンス次第では一定額で受け取るよりもプラスで年金額を増やせるという強みもある。
運用益が非課税
iDeCoで運用した商品で発生した利益は非課税となる。
通常、資産運用で利益を出した場合は、20.315%の税金を支払わなければならない。しかしiDeCoでその商品を運用すれば、課税されないので税金分を受け取って効率的に運用に回すことが可能だ。
以下のように非課税か否かで、資産運用の成功度合いは変わるといっても過言ではないだろう。
課税の有無で差がつく
- 課税されない → 税金分を投資へ回すことで資産増加スピードが加速、配当益が増加
- 課税される → 税金分の利益が減少、求められる運用成績が上がる
所得税、住民税を節税できる
iDeCoを年金として受け取るケースは公的年金等控除、一時金として受け取るケースは退職所得控除に分類でき、確定申告時に節税が可能だ。課税される所得を少なくでき、所得税と住民税を抑えることができる。
ただし国民年金基金と異なり対象が自分1人なので、家族の分も節税できる国民年金基金と比べて節税効果は少々劣る。
デメリット
iDeCoのデメリットは、主に以下の2つが挙げられる。
- 元本割れがある
- 途中解約できない
それぞれ紹介していく。
元本割れがある
iDeCoでは元本割れが発生する。
自分で運用できるのでパフォーマンスが良ければ掛け金以上の年金を受け取ることができる。しかし思うように運用成績が上がらずに損をし続けてしまうと、受給額が掛け金以下になってしまう。
そのため運用の際には商品を選ぶ知識やリスクヘッジを行う工夫などが必須となるので注意しておこう。
途中解約できない
iDeCoは途中解約できず60歳までは引き出すことができない。一時的に支払いを停止することができるが、収入減少などの場合に限られる。
支払い額の変更は可能なので、自分の資金に無理のない範囲で運用することをおすすめする。
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国民年金基金とiDeCoはどっちがいい?
国民年金基金とiDeCoどちらが良いかは、目的とする運用でおすすめできる人は以下のように変わってくる。
それぞれ適している人
- iDeCo:自由度の高い運用、時間を長めに設定できる人
- 国民年金基金:確実性、安全性を優先したい自営業者やフリーランス
どちらも以下のような共通点がある。
共通点
- 課税所得を少なくでき、所得税・住民税を抑えられる
- 一度始めると途中でストップできない
- 月々6万8,000円、年間81万6,000円までかけられる
そのため「目的とする運用がパフォーマンス重視か確実性なのか」「自分が自営業なのか否か」によって加入判断するのが望ましい。ただ正社員や公務員は必然的にiDeCoとなるので、注意しておこう。
どちらも加入するのも手
それぞれ国民年金基金とiDeCoにおすすめな人を紹介してきたが、どちらが良いか判断に迷ってしまう方も少なくない。その場合は、どちらも加入してみるのも1つの手だ。
掛け金の合計が月6万8,000円以内に抑えれば両方利用することができる。それぞれメリットとデメリットがあるので自分の将来設計、マネープランに応じて選んでいってみてはいかがだろうか。
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