資産運用を始める中で、しっかり「分析」することは、運用成績を良くするために重要だ。
中でも、分析手法として使われることが多いのが、以下2つだ。
- テクニカル分析
- ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析は「何に」投資するのかを見極める分析手法であるのに対し、テクニカル分析は「いつ」投資すべきなのかを見極める手法だ。
つまり投資タイミングを見る上での分析手法である。
今回の記事では、テクニカル分析について詳細に解説していく。
この記事を読めばテクニカル分析の基本的なことが理解でき、自分の投資スタイルに応じて適切なテクニカル分析を選べるようになる。
テクニカル分析の概要とメリット・デメリット
テクニカル分析とは、過去の値動きをグラフ化したチャートをもとに、将来の価格変動を予測する分析手法だ。
- いつ取引に参加するか
- いつ手仕舞うか
といった、投資において重要である「売買タイミング」を見極めるのに有効な手段だ。
テクニカル分析には以下のメリットがある。
- 投資や経済に対する知識がなくてもいい
- チャートやテクニカル分析指標に注目すればいい
- 無料で分析ツールが使える
テクニカル分析の手法を学習しチャートやテクニカル分析のパターンを理解すれば、難しい経済知識がなくても利益を出すことができる。
しかもテクニカル分析ツールは証券会社各社が無料で使えるよう用意してくれるので、取っかかりやすい手法といえる。
一方、下記のデメリットもあるので、注意が必要だ。
- 過去の値動きパターンが、将来の値動きに必ずしも一致するわけではない
- シグナルに「ダマシ」が発生する可能性がある
- リーマンショックなど、突発的な出来事には対応できない
過去の値動きや相場パターンを基に将来の価格を予測するため、必ずしも想定通りの値動きを約束するものではない。
「買い」シグナルが出ていたとしても、その後想定通り価格が上昇しなかったり、反対に下落する、といった「ダマシ」の可能性が存在する。
またリーマンショックや戦争などの突発的な出来事が生じた際は、テクニカル分析が機能しない。
このように、テクニカル分析は売買タイミングを見極めるうえで有効な手法ではあるが、メリット・デメリットがある。
テクニカル分析だけでなくファンダメンタル分析も同時に活用することで、投資の精度を高められる。
順張りと逆張りについて
テクニカル分析を駆使するにあたって、自分自身の投資判断のスタイルを考える必要がある。
以下2つが、投資タイミングに関わるスタイルだ。
- 順張り(トレンドフォロー)
- 逆張り(リターンリバーサル)
順張りでは、価格の上昇あるいは下落など、どちらかに明確な方向性が出ている場合に、そのトレンドに乗る戦略だ。
一方逆張りは、トレンドの反転を狙ったり、ある価格帯で値動きが横ばいになっているタイミングでトレードをしかける方法だ。
相場の値動きは突き詰めると
- 上昇トレンド
- 下降トレンド
- 横ばい(ボックス相場)
の3パターンとなる。1と2の場合は明確にトレンドが発生しているので、どちらかの方向に乗ることで利益を生み出せる。
一方、相場ではある価格帯の中で値動きするケース(ボックス相場)もある。
たとえば1000円〜1500円の間で価格推移する株があるとしよう。この場合、この価格帯の下限付近で買い、上限付近で売れば利益を積み重ねられる。
このように、今の相場がトレンド発生中なのかボックス相場なのか見極めることで、順張りすべきなのか逆張りすべきなのかがわかる。
つまり、テクニカル分析において重要なのは、今の相場がトレンド相場なのか横ばい(ボックス相場)なのかを見極めることだ。
順張り(トレンドフォロー)・逆張り(リターン・リバーサル)戦略に使えるテクニカル分析
今の相場がトレンド相場なのか横ばい(ボックス相場)なのか見極めるために、
- 支持線
- 抵抗線
という考え方を理解したい。
支持線とは、直近の値動きの「安値」を結んだ線のことを指す。
抵抗線とは、直近の値動きの「高値」を結んだ線のことを指す。
支持線あるいは抵抗線近辺で値動きする際、
- 支持線を下回る→下降トレンドの発生
- 抵抗線を上回る→上昇トレンドの発生
と判断できる。支持線・抵抗線付近で反発したら、横ばい(ボックス相場)と判断できる。
このようにチャートからもトレンド相場なのかボックス相場なのかを判断できる。チャート分析以外にも、順張りや逆張りの際に役立つ分析指標がある。
順張り(トレンドフォロー)においては、下記の指標が有効だ。
MACD
MACDとは「移動平均収束拡散手法」のことを指し、移動平均線よりも精度の高い分析手法だ。
移動平均線は過去の価格の平均値をグラフ化した線であり、今後の値動きの方向性をはかるのにうってつけの指標だ。
MACDは
- MACD
- シグナル
の2本の線で成り立つ。2つの線が下記のように交差すると、トレンドが発生したかがわかる。
MACDがシグナルを下から上へ突き抜ける | 上昇トレンド |
MACDがシグナルを上から下へ突き抜ける | 下降トレンド |
交差するタイミングが売買タイミングである。このように、MACDはトレンドが発生しているか、いつ売買すればいいかを見極められるので、順張り投資に向いている。しかし、横ばい相場には不向きな方法でもある。
逆張りにおいては、下記の指標が有効だ。
RSI
RSIとは「相対力指数」のことで、一定期間内において「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断する指標だ。
一般的な売買タイミングは下記だ。
30%以下 | 売られすぎ=買いサイン |
70%以上 | 買われすぎ=売りサイン |
横ばい相場においては、値動き幅の下限付近にて買いサインが出た際に買い、上限付近で売りサインの時に売る、という売買タイミングの見極めに役立つ。
しかしトレンド発生時は、
- 上昇トレンド時→70%以上近辺に貼りつき
- 下落トレンド時→30%以下に貼りつき
となり、売買タイミングの見極めができなくなる。
横ばい相場時には大きな威力を発揮する一方、トレンド相場には弱い指標だ。
まとめ
今回の記事ではテクニカル分析について詳細に解説した。テクニカル分析は売買タイミングをはかる手法であり、特別な経済知識は不要で使えるメリットがある。
また、資産運用をやってみたいが、どの様にして運用して良いか悩んでいないだろうか。
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