- 投資と年末調整の関係がわからない
- 年末調整で投資に関する控除を受けたいが方法が知りたい
投資と年末調整と聞いて、その正確な関係値がわかるという方がどのくらいいるだろうか。
投資をしている場合、最も気になることの1つが投資により生じる収益に対して、どのくらいの税金がかかるのかということだろう。
本記事では、投資と年末調整の関係を明らかにするため、基本の知識や年末調整がどのようなケースで必要か、投資に関する控除の活用方法などについて解説するので参考にしてほしい。
投資と年末調整の基本知識
投資と年末調整の基本知識として、次のような3つの点が挙げられる。
- 投資の種類とその税金
- 年末調整とは何か
- 投資と年末調整の関係性
それぞれについて、解説する。
投資の種類とその税金
投資の種類としては、主に次のようなものが挙げられる。
- 株式
- 債券投資信託
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- 外貨預金
- FX(外国為替証拠金取引)
- 不動産投資
- 暗号資産(仮想通貨)など
投資に対する税金については、投資により生じた利益に税金がかかる。
具体的には、所得税と住民税がかかり、税率は次のようになる。
所得税15% + 住民税5% = 税率20%
ただし、現在の投資に対する税率は「20.315%」になっている。というのは、2037年12月末までは「復興特別所得税」がかかることになっているからである。
年末調整とは何か
年末調整とは、会社が従業員の毎月の給料から源泉徴収(天引き)した、1年間(1~12月)の「概算の所得税額」と「所得総額に対する所得税額」を比べて、過不足を精算する手続きのことである。
というのは、毎月の給料などから源泉徴収した所得税額はあくまで見込み額であることから、1年間の所得総額が確定した12月の時点で、正確な所得税額も確定するため調整する必要があるのだ。
一方、年末調整と似たような制度として、確定申告がある。
確定申告とは、1年間(1~12月)のすべての所得総額から所得税額を計算し、国(税務署)に確定申告書を提出する手続きのことである。
確定申告は、主に自営業の方や個人事業主、フリーランスの方がする手続きのことである。
投資と年末調整の関係性
投資と年末調整の関係性について、投資により生じた利益は、年末調整の対象ではない。
というのは、年末調整は給与所得者を対象とした制度だからである。
そのため、投資により生じた利益は、原則として、確定申告をする必要がある。
年末調整はどのようなケースで必要か
年末調整は、どのようなケースで必要になるのだろうか。
投資と年末調整の関係性で解説したとおり、投資により生じた利益は、年末調整の対象ではない。
というのは、年末調整は給与所得者を対象とした制度だからである。
そのため、投資に年末調整が必要なケースはない。
一方、投資により生じた所得(配当所得・譲渡所得)は、原則として、納税額を自分で計算して確定申告をする必要がある。
なお、配当所得とは、法人から受け取る株式の配当金や投資信託などの収益の分配などの所得のことである。また、譲渡所得とは、株式や不動産などの資産を譲渡する際に生じる所得のことである。
投資に関する控除の活用方法
投資に関する控除を活用すれば、税金を軽減することが可能である。
投資に関する控除の活用方法として、主に次の3つが挙げられる。
- NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)の活用
- 源泉徴収税額の控除
- 寄附金控除の活用
それぞれについて、解説する。
NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)の活用
NISA(ニーサ)とは、本来20%程度の税率がかかる投資による利益(金融商品から得た利益)が非課税になる制度のことで、「少額投資非課税制度」とも呼ばれる。
一方、iDeCo(イデコ)とは、掛金の拠出や運用を自分で行うことにより、その運用益を給付として受け取れる私的年金制度の1つで「個人型確定拠出年金」と呼ばれる。
国民年金や厚生年金のような公的年金ではないため、加入は任意となっている。
NISAとiDeCoを活用すれば、投資にかかる税金を軽減することができる。まとめると、次のとおりである。
NISAとiDeCoにかかる税金の軽減措置
NISA(少額投資非課税制度) | ・本来、20.315%の税率がかかる投資による収益が非課税 |
iDeCo(個人型確定拠出年金) | ・掛金が全額所得控除される ・本来、20.315%の税率がかかる投資による収益が非課税 ・受け取る年金額が控除される(退職所得控除・公的年金等控除) |
最後の「受け取る年金額が控除される」という部分は、確定拠出年金を受け取る方法により控除される所得控除が違ってくる。
具体的には、確定拠出年金を一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」がそれぞれ控除される。
源泉徴収税額の控除
法人から個人に支払われる配当金には、20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税率がかかる。この配当金からは、所得税などが源泉徴収されるため、基本的に確定申告は必要ない。
しかし、配当控除を受けるには、配当所得にかかる源泉徴収税額を確定申告する必要がある。
寄附金控除の活用
投資に関する控除として、寄附金控除の活用が挙げられる。
国や地方公共団体、公益社団法人、公益財団法人などに対する寄附金(特定寄付金)は、所得控除(寄附金控除)の対象になる。
そのため、寄附金控除を活用すれば、所得税を軽減することが可能だ。
IFAに相談して投資と年末調整をスムーズに進める
IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる資産運用の専門家のことである。
そのため、IFAに相談すれば、投資と年末調整についてもスムーズに進めてくれる。
そこで、ここではIFAについて、次の3点を解説する。
- IFAの役割とメリット
- 投資戦略の立案と節税対策
- IFAと連携して確定申告を行う
IFAの役割とメリット
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、内閣総理大臣の登録を受けた金融商品仲介業者であり、資産運用の専門家である。
IFAの役割として、銀行や証券会社に属さずに独立しているため、中立的な立場で資産運用のアドバイスや金融商品の仲介を行ってくれることが挙げられる。
そのため、個別の銀行や証券会社の金融商品だけでなく、あらゆる金融商品の中から顧客に合った商品を教えてくれるというメリットがある。
さらに、1度信頼関係を築くことができれば、長期間にわたって資産運用のアドバイスを受けられるというメリットもある。
というのは、銀行や証券会社に所属しているIFAの場合、2~3年で異動してしまうため、同じ担当者が長期間アドバイスをすることは困難だからである。
投資戦略の立案と節税対策
IFAは株式や投資信託などの運用商品を具体的に提案することが可能だ。
そのため、IFAに相談すれば、投資戦略の立案や節税対策についてもアドバイスをもらうことができる。
しかも、銀行や証券会社から独立した立場からアドバイスをもらえるため、幅広い金融商品の中から投資家のニーズに最適な金融商品を提案してくれる。
IFAと連携して確定申告を行う
年末調整は給与所得者を対象とした制度のため、投資により生じた収益は、年末調整の対象ではない。
投資による収益については、年末調整ではなく、確定申告により税金を納付する。
そのため、投資を始めたばかりの方などの確定申告をやったことがない方は、IFAに相談しながら、確定申告を進めることができる。
まとめ
この記事では、投資と年末調整の基本知識や控除の活用方法、注意点について解説した。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談することによって、投資と年末調整だけでなく、確定申告についてもアドバイスが受けられるので、スムーズに進めることができる。
さらに、IFAは投資戦略の立案や節税対策のサポートもしてくれるため、上手に資産運用することが可能になる。
当サイト「資産運用ナビ」では、信頼できるIFAを紹介できるため、ぜひこれを活用し資産運用について相談してほしい。