- 「株式投資の利益にはどのような税金がかかるのか」
- 「どのようにして税金を支払えばよいのか、また節税対策はできるのか」
最近、将来のために資産形成をする必要性がささやかれている中、株式投資を始める人が増えている。
株式投資で利益を得たことがある人もいるだろうが、その際に利益に課せられる「税金」について気になる人も多いと思う。
上記のような疑問を持つ方のために、株式投資の税金について4項目で詳しく解説していく。
株式投資で得ることができる3つの利益
税金とは利益から必要経費を引いた金額に対して課せられるものである。
したがって税金について詳しく知るためには、まず株式投資をすることでどのような利益を得ることができるのか理解しておく必要がある。
株式に投資をして得ることができる利益は主に以下の3つである。
- 値上がり益
- 配当金
- 株主優待
値上がり益
値上がり益とは株式を安い価格で買って、高い価格で売るなど、株式を売り買いした時の価格差によって得ることができる利益であり、キャピタルゲインとも呼ばれる。
具体的には、100円で1000株購入した株式が110円まで値上がりした時に売却した場合、(110-100) × 1000株 = 10000円の値上がり益を得ることができる。
値上がり益は株式投資のメインとされる利益であり、この利益を得るために多数の株式投資家は企業の情報を調べたり、チャートを分析するのである。
配当金
企業は経済活動で得た利益を投資家に「配当金」という形で分配し、投資家は保有している株式の数量に応じて配当金を得ることができる。
配当金は別名「インカムゲイン」とも呼ばれている。
企業は売上から経費など経営にかかる費用を引いて残った利益の中から、内部留保など今後の企業活動にかかる費用を引いた額を配当として投資家に分配する。
企業が利益のうちどのくらいの割合を配当金とするかを配当性向といい、配当金を目的とした投資を行う場合は有効な指標である。
株主優待
株主優待とは、企業が株式を保有している投資家へ渡すお礼のようなものである。
一般的に、企業が販売している商品やサービスを体験することができるような券を株主優待として受け取ることができる。
株主優待を得るためには「権利確定日」まで株式を保有しておく必要があることには注意が必要である。
株式投資にかかる税金とは
株式投資で得ることができる利益について説明してきたが、3つの利益それぞれに税金が課せられる。
ここではそれぞれの税金について詳しく解説していく。
譲渡益課税
株式の値上がり益(キャピタルゲイン)に課せられる税金のことを「譲渡益課税」という。
譲渡益課税の税率は20.315%であり、その内訳は所得税が15.315%、住民税は5%である。
例えばさきほど100円で1000株購入した株式が110円まで値上がりした場合、10000円の値上がり益を得ることができると解説した。
その場合の譲渡益課税は、10000 × 20.315% = 2031円(小数点切り捨て)となり、税金を引いた7969円が利益として手元に残ることになる。
配当課税
配当金(インカムゲイン)に課せられる税金のことを「配当課税」という。
配当課税の税率は譲渡益課税と同じく20.315%であり、その内訳も同様である。
配当金を過去に受け取ったことがある方で「配当課税を払ったことがないけど大丈夫なのか」と思う方もいるのではないだろうか。
原則として配当金は源泉徴収の対象となっており、あらかじめ税金が引かれた上で利益の振込がされるため、確定申告をする必要がないのである。
確定申告をして配当課税を支払う場合、総合課税を選択すると配当控除と呼ばれる税金の控除を受けることができ、節税対策にもなるため覚えておくと役に立つだろう。
株主優待に関する税金
株主優待も投資による利益であるが、値上がり益や配当金と違って「雑所得」として扱われるため税金の仕組みが少し異なるのである。
雑所得とは給与所得や事業所得など、税務上で分類される所得のどれにも該当しない所得のことを指す。
税率に関しては、株主優待は総合課税の対象となるため他の所得と合計して課税対象となる所得が計算され、その金額に応じた累進課税が適用される。
株式の税金はどのようにして支払うのか
株式投資の利益に課せられる3つの税金について解説してきた。
税金の支払いに関してだが、原則として1/1から12/31までの期間で株式投資で20万円以上の利益を得た場合、確定申告を行う必要がある。
確定申告の期間は翌年の2/16から3/5の間であるため、忘れないように手続きを行わなければいけない。
しかし個人事業主や、株式投資による利益以外の収入がない人は、確定申告をしなければいけない基準が異なることには注意をするべきだ。
個人事業主は20万円以下であっても確定申告を行わなければならず、株式投資以外の収入がない人は38万円を超えると確定申告が必要となる。
また、株式取引をおこなっている証券口座の種類によって確定申告が必要であるかが変わってくる。
源泉徴収ありの特定口座を使っている場合は、投資利益から自動で税金がひかれるため申告の必要がないのである。
株式の投資で節税をする方法
株式投資では税金に対して税制優遇の措置が設けられているため、利用することで節税をすることができ、積極的に利用するべきである。
ここではどのような税制優遇措置があるのかについて詳しく解説していく。
損益通算や繰越控除をする
株式投資で損失が出た場合、損益通算や繰越控除をすることで課税対象となる利益を少なくすることができ、支払う税金を抑えることができる。
損益通算:利益が出ている口座と損失が出ている口座を相殺することができる
繰越控除:損失を3年間繰り越し、その3年の間で得た利益と損失を相殺することができる
損益通算では、先程解説した株式投資での3つの利益のうちならどれでも相殺をすることができる。
例えば、株式の売却で損失が出た場合、配当金の利益で相殺することができるのである。
また繰越控除をしている際には、繰越期間中1度でも確定申告を忘れてしまうと、繰越額が削除されてしまうことには注意が必要だ。
還付金を利用する
源泉徴収ありの特定口座を利用している場合、株式投資の利益が納税を義務とされる額(20万円)を下回っているのにも関わらず、税金が引かれることになる。
このような税金の過払い分は、確定申告を行うことで還付金として受け取ることができる。
NISA口座を活用する
NISA口座で運用している株式から得た投資利益は、投資枠の範囲内であれば非課税として扱われるため、税金を支払う義務がないのだ。
NISAに関しては以下の記事で詳しく解説をしているため参考にするとよい。
まとめ
株式投資をすることで得ることができる利益から、課せられる税金の種類、そして税制上の優遇措置まで詳しく解説してきた。
株式投資の税金に関しては、主に値上がり益にかかる譲渡益課税について考える必要があり、必要に応じて納税の手続きを行う必要がある。
納税の手続きが良くわからない人は、特定口座を利用することでその手間を省くことができる。
税金を支払うことができないと罰則が課されるため、株式投資で利益を得た場合、税金分は使い込まずにしっかりと確保しておくようにしなければならない。
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