- シーゲルの投資手法について
- 米国高配当株投資のメリット・デメリットについて
- シーゲルの投資手法で気を付けるべきポイント
ジェレミー・シーゲルを知っているだろうか。
株式投資をしている人ならかなりの人が知っている名著「株式投資の未来」という本を執筆した経済学者である。
彼の投資手法は、「株式投資」「株式投資の未来」といった書籍で紹介されており、一般人でも勉強すれば真似することができる。シーゲルの投資手法は、おもに高配当株投資と呼ばれるものだ。
本記事では、米国高配当株投資のメリット・デメリット、シーゲルの投資手法で気を付けるべきポイントを解説していく。
学者の提唱する投資手法を実践して、着実に資産形成を進めていきたいという方はぜひ最後まで読んでみてほしい。
シーゲルの投資手法
前提として、シーゲルは投資で高い収益を得られる商品は株式だと考えている。
ただ、闇雲に株を購入すれば誰でも利益が出るというわけではない。
シーゲルは、株式投資で利益を出すために3つのポイントを挙げている。
- 長期投資を前提にする
- 高い配当金が出る企業に投資
- 配当金を再投資
これらを一つずつ解説していこう。
長期投資を前提にする
シーゲルの投資手法は長期投資が前提なので、短期間に大きな株価の変動が起きにくい企業を投資対象にしている。
不景気の時に大きく業績が下がる景気敏感株は、ポートフォリオには組み込まれていない。
長期投資を前提に行う株を購入するという考え方は、「投資の神様」ウォーレン・バフェットと同じ考え方である。
株式投資の世界において、長期投資は鉄則と言えるだろう。
業績や株価が下がっても長期保有を続けるためには、自分で価値があると判断して購入した株でないと難しい。
人からおすすめを聞いて購入しただけでは、暴落時に狼狽売りをして損をする可能性が高くなる。
まずは、長期投資がいかに大切かを理解して、どんな相場でも焦らず株を保有し続けられるだけの知識とメンタルを身に付ける必要があるだろう。
高い配当金が出る企業に投資
シーゲルが投資先を選ぶ基準には、配当金の高さも含まれている。
この高い配当金を重視した投資法を、高配当株投資と呼ぶ。
配当金を再投資
配当金をもらえると、欲しいものを買ったりおいしいものを食べに行ったりしたくなるだろう。
だが、シーゲルの投資手法では、配当金は再投資に回される。
配当金再投資とは、もらった配当金で再び株を購入することだ。
配当金再投資によって投資効率は何倍にも膨らむ。
最速で資産を増やしていきたいなら、配当金再投資は絶対に欠かせない。
米国高配当株投資のメリット・デメリット
シーゲルの投資手法である米国高配当株投資のメリット・デメリットを紹介していく。
配当金を受け取れる
配当金を受け取れることは、高配当株投資の大きな魅力の一つだろう。
配当金は株を保有しているだけで手元にお金が入ってくる不労所得だ。
保有している株の3%を配当金としてもらえると生活は非常に楽になる。
株主優待で生活している人がいるように、配当金で生活している人もいる。
何もしていなくても収入がある状態を作れるのは高配当株投資のメリットだ。
長期保有することで利益が見込める
長期保有し続ければ、毎年配当金が入ってくる。長期保有が目的なので短期的な暴落に気を病む必要はない。
問題なく長期間保有できる企業に投資しよう。
何でも値動きを確認したり売買する手間がかからなかったりするので、誰でも取り組みやすい投資だ。
減配する可能性がある
配当金は常に一定というわけではない。業績に合わせて増えたり減ったりする。
購入時は高い配当だった企業が減配するのは十分あり得るだろう。
だから、その時の配当金だけを見て投資するのではなく、後で紹介する業績を確認する必要があるのだ。
シーゲルの投資手法で気を付けるべきポイント
シーゲル流の高配当株投資について解説してきた。
高配当株投資を始める前にしっておくべきポイントがあるので、紹介していこう。
投資先を分散する
1つ目の気を付けるべきポイントは、投資先を分散させることだ。
複数企業に分散して投資していれば、暴落が来た時に致命傷を避けられる。
もし、投資先が数社に集中していた場合、1社の業績が大きく悪化したときに資産は大きく目減りしてしまう。
投資の世界では何が起きるかわからない。不測の事態に備えてできる対策をしておくことは非常に重要だ。
財務・業績を確認する
財務と業績の確認は欠かせない。業績とは企業の成績のことだ。業績が伸びていないと減配したり、株価自体が下がってしまったりする。
現状の配当が高かったとしても、継続するのは業績次第だ。
配当金の支払い余力を保てるだけの安定した業績を残しているのか必ず確認しておこう。
また、財務の確認も欠かせない。財務の確認は企業が公表している決算書で確認できる。
貸借対照表と損益計算書と呼ばれるものが公表されているのだが、ここに企業の財務状況が詳しく書かれている。
「借金がどれだけ多いのか」「今年の利益は何円なのか」「今すぐに借金を返せるのか」など入手できる情報は多い。
始めは決算書をどうやって見れば良いか分からないだろうが、本やネット記事、動画などで勉強すれば十分理解できる。
見方の一例について紹介しておこう。
借金:1000万円
現金:1億円
借金:200万円
現金:200万円
企業①と②を比較すると、どちらの会社の財務が健全だと言えるだろうか。借金の額は②の方が少ない。
だが、借金を返済してしまうと手元の現金が全てなくなってしまう。現金が必要だからお金を借りている状態だ。
一方、①の借金額は②よりも5倍多い1000万円だが、現金を1億円も保有している。
つまり、借金を返そうと思えばいつでも返せる状態なのだ。
想定されることとして、手元の現金を多めに保有しておきたい場合や銀行との付き合いなどがある。
優良な会社に対して、銀行は安い金利でお金を貸してくれるから大きなダメージはない。
それ以上に取引があることで、ビジネスマッチングやM&Aの手伝いをしてもらえるなど企業にとっても銀行からお金を借りることに旨味があるのだ。
借金が多い=財務状態が良くないというわけではないことは理解していただけただろうか。
表面上の数値だけではなく、判断できないこともある。財務諸表の見方を学んで投資に活かしていこう。
配当性向が高すぎる会社は避ける
配当性向は、1株当たりの配当額を1株当たり当期純利益で除して求められる数字だ。
当期純利益の中から、どれだけ配当金に回したかを示している。配当性向が高いということは、利益の多くを配当金に回していることになる。
利益の多くを配当金にしていると聞くと、良い印象を持つかもしれないが、そうとも言い切れない。
企業は当期純利益の一部を事業投資に回している。Amazonが配当金を1円も出さずに事業投資につぎ込んでいるのは有名な話だろう。
配当性向が高すぎるということは事業投資にお金を回していない。
つまり、将来的に成長していく可能性が見込めないのだ。
短期的に見れば配当性向が高いのは魅力的に映るが、長期的にはうまみがない。
高配当と継続的な事業投資は両立するものなので、配当性向が高すぎる会社には注意しよう。
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