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株先物市場とは

株先物市場は先物取引市場の中でも、株価指数を扱う先物市場を指す。

この記事では、そんな株先物市場についてわかりやすく解説する。

目次

株先物市場とは

株先物市場とは 資産運用ナビコラム

株先物市場とはどのような市場であるのか知るためには、はじめに先物市場について理解を深める必要がある。さらに詳しく見ていこう。

先物市場には二種類ある

先物市場は、主に以下の二種類の市場に分類される。

  • 商品先物市場
  • 金融先物市場

商品先物市場は、原油や金、トウモロコシなどの商品を投資対象として取引が行われる市場である。

投資対象とする商品によって、必要とされる証拠金が異なるものの、少額の証拠金で大きなリターンが狙えるという特徴がある。

一方、金融先物市場は金融商品を投資対象として取引が行われる市場である。

株価指数をはじめ、債券や金利、通貨などの先物を取引できるのだ。このうち、株先物市場は金融先物市場における株価指数の取引を指す。

株先物市場の種類

株先物市場は株価指数の先物取引を行う市場を指す。株先物市場における株価指数の種類には、次のようなものがある。

  • 国内株価指数
  • 海外株価指数
  • 配当指数
  • REIT指数
  • VI指数

そして、上記の株価指数ごとに先物市場が用意されているのである。それぞれの株価指数において用意される先物市場は、以下の通りだ。

国内株価指数
  • 日経225先物
  • 日経225mini
  • 日経平均トータルリターンインデックス先物
  • TOPIX先物
  • ミニTOPIX先物
  • JPX日経インデックス400先物
  • 東証マザーズ指数先物
  • TOPIX Core30先物
  • 東証銀行業株価指数先物
海外株価指数
  • NYダウ先物
  • 台湾加権先物
  • FTSE中国50先物

配当指数

  • 日経平均配当指数先物

REIT指数

  • 東証REIT先物指数

VI指数

  • 日経平均VI先物

代表的な株価指数ごとに、先物市場が用意されていることが分かるだろう。なお、株価指数を取り扱う先物取引の全ては、大阪証券取引所で行われる。

株先物取引市場の特徴

株先物取引市場の特徴 資産運用ナビコラム

株先物取引市場には、以下のような特徴がある。

決済期日がある

株先物市場には、限月と呼ばれる満期日が設定されており、現物株式のように無期限に保有し続けることができない。株先物取引市場それぞれにおいて、決済期日があるのだ。

例えば、決済期日が2022年12月と決められた株先物市場であれば、2022年12月限という銘柄として設定される。

したがって、同じ株先物市場であったとしても、各限月で別々の取引が行われるのである。

特に、決済期日までの期間が短い限月を期近、それ以降の限月を期先、そして、取引が最も活発に行われる限月を中心限月と呼び、取引される。

もし、取引を行う株先物市場が限月の月を迎えると、その月の第二週目の金曜日に算出されるSQ値によって自動的に決済される。

株先物取引市場における保有ポジションは、どんなに長くても、迎える限月のSQ算出日にて自動的に決済されるという特徴があるのだ。

値下がりでも利益が狙える

株先物市場はあらかじめ決められた契約をもとに、保有価格と転売価格の差額で最終決済を行う差金決済と呼ばれる仕組みである。

そのため、通常の現物株取引のように相場の値上がりを狙った「買い」からの取引に加えて、「売り」から取引を始められるという特徴があるのだ。

すなわち、相場の値下がりを予想して、売りから取引に入ることで、取引した株先物が下落して利益を得られるチャンスがあるということだ。

例えば、取引単位100倍の日経225ミニを20,000円で新規に売建を行い、200円値下がりして19,800円で売建玉の買い戻しを行うと、受け取る利益は+20,000円となる。

また、株先物市場では通常の信用取引のように、空売りできない銘柄はなく、逆日歩などのコストは発生しない。

金利などもかからないため、より効率的に値下がり益を狙いやすいといえるだろう。

証拠金を預け入れる

株先物取引では取引を行うために、証拠金を預け入れる必要がある。

なぜなら、株先物取引ではあらかじめ決められた証拠金を毎日再評価する形で、取引の担保とするからだ。株先物市場それぞれにおいて、必要とされる証拠金は異なる。

例えば、株先物取引のなかでも、日経225先物取引であれば、日経平均株価の1,000倍の取引、日経225ミニであれば日経平均株価の100倍の取引、東証マザーズ先物であれば東証マザーズ指数の1,000倍の取引までを、少額の証拠金をもとに行える。

証拠金を預け入れることで、少ない金額で大きな取引を行えるため、通常の株取引よりも、大きな利益が狙いやすいといえるだろう。

ただし、元本の何倍もの取引を行うことで、証拠金以上の損失を出す可能性がある。

そのため、リスク管理を徹底する必要があるだろう。

株先物市場における取引の流れ

株先物市場における取引の流れ 資産運用ナビコラム

株先物市場における取引の流れは、以下の通りである。

建玉を持つ

取引を行う株先物市場を決めたら、「買建」または「売建」にて建玉を持つことの検討に入る。

株先物市場がこれから値上がりすると予想するのであれば、「買建玉」の保有を、値下がりすると予想するのであれば、「売建玉」の保有を検討する。

建玉の取引単位は1枚からであり、必要な証拠金を用意することで、注文の発注が可能だ。

注文が約定すれば、建玉の保有は完了である。

転売・買戻しで決済する

建玉を保有したら、株先物市場の動向に合わせて保有建玉を決済するタイミングをはかる事になる。

株先物取引では限月におけるSQ算出日の前営業日までであれば、ご自身の好きなタイミングで建玉の決済が可能である。

転売であれば保有している買建玉を決済するということであり、取引時間中に売り注文を約定させることで、転売が完了する。

反対に、売建玉を保有しているのであれば、SQ算出日の前営業日までに買戻しを行うことで、決済が完了する。

SQ決済する

SQ算出日の前営業日までに、保有建玉を決済しなかった場合には各限月のSQ算出日にて、自動的に決済されることになる。

SQ値は株先物市場それぞれを構成する始値から算出されるため、取引する株先物市場によってSQ値段は異なる。

通常の決済と異なり、SQ決済は自動的に反対売買が行われるため、新たに取引注文の手続きをする必要はない。

以上で株先物市場における取引は完了だ。

わからないことはプロへ相談

わからないことはプロへ相談 資産運用ナビコラム

株先物市場とは、先物市場における金融先物市場の中でも株価指数を扱う先物取引の市場である。

多くは日経225先物やTOPIX先物、東証マザーズ先物がメジャーな株先物市場であり、決済期日が決まっていることや、売り建てから入れることなど、株先物市場ならではの特徴がある。

これらの特徴を踏まえた上で、株先物市場を取引に活用することで、少額の資金から利益を狙えるチャンスが増えるだろう。

もし、先物取引に対してわからないことがあり、正しい知識をつけたい場合は「資産運用ナビ」に相談をしてはいかがだろうか。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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