- 株のストップ高とは何か
- 株のストップ高がある理由と原因
- 株のストップ高の仕組みと値幅の拡大について
株のストップ高の仕組みを知ることで、株取引をより有利に進められる。この記事では、株のストップ高の仕組みについて解説していく。
株のストップ高とは
株のストップ高とは、株価が制限値幅の上限まで到達したことを指す。
制限値幅とは1日に取引される株価の変動幅を一定の範囲内に制限するための制度である。
前日の終値を基準価格として、その価格に応じた上下の値幅が設定される。具体的な基準価格の制限値幅それぞれの上限は、以下の通りである。
基準価格 | 制限値幅の上限 |
---|---|
100円未満 | 30円 |
200円未満 | 50円 |
500円未満 | 100円 |
700円未満 | 150円 |
1,000円未満 | 300円 |
1,500円未満 | 400円 |
2,000円未満 | 500円 |
3,000円未満 | 700円 |
5,000円未満 | 1,000円 |
7,000円未満 | 1,500円 |
10,000円未満 | 3,000円 |
制限値幅は基準価格から上下に、それぞれ約15%〜30%の間で設定される。
そのため、基準価格が高いほど、ストップ高に到達するまでの値幅は大きくなるのである。
では、具体例を見てみよう。
前日の終値が1,000円の株を取引する場合、ストップ高の値段は1,300円となる。なぜなら、基準価格が1,000円である銘柄の制限値幅は、上下に300円と定められているからだ。制限値幅の上限は1,300円であるため、その日の株価が1,300円以上で取引されることはないのである。
株のストップ高がある理由
株のストップ高は株価の急激な変動を抑える働きがある。
というのも、その日においてストップ高以上の値段で株価が取引されることはないからだ。
株価の上限を制限することで、相場の過熱感を抑えるとともに、株を空売りしている投資家たちが出す1日あたりの損失を、限定してくれるのである。
株がストップ高となる原因
株がストップ高となる原因には、以下のようなものがある。
- 上方修正の発表
- 株式公開買い付けの発表
- 株主還元策の拡充
- 資本業務提携の発表
- 新しい事業開始の発表
- 短期的な需給の歪み
上記のような原因のときに、株がストップ高になることが多い。
もちろん、これ以外にも様々な原因があるが、概ね企業にとってポジティブな材料である場合が多い。
株がストップ高になることで、投資家たちから評価されているのが分かるのと同時に、さらなる株価の上昇が期待できるのだ。
株のストップ高の仕組み
株がストップ高になると、注文板の状況は次のようになる。
売数量(株数) | 格(気配値) | 買数量(株数) |
2,600 | 成行 | 18,900 |
10,800 | 1,003 | |
1,003 | 特56,800 | |
1,002 | 12,500 | |
1,001 | 5,400 | |
1,000 | 2,000 | |
999 | 500 | |
998 | 1,000 |
制限値幅の上限である1,003円で株の値動きが止まっているのが分かる。
そして、買数量の1,003円の買い板に、特別買い気配を示す「特」が表示されている。
この「特」が付いている56,800株は1,003円の買いの指値注文と、買いの成行注文を合わせた合計数量であり、買数量が増えるほど数値は大きくなる。
ただし、買い注文を出したとしても、売数量が増えて買数量と同じにならない限り、取引時間内に株を買うことはできない。
もし、大引けまで売数量が増えて約定しないのであれば、ストップ高の比例配分という形で、株式が購入できる。
ただし、比例配分にはルールがあり、買い注文が必ず約定されるわけではないことに注意しよう。
ストップ高比例配分の仕組みは、次のようになっている。
はじめに、注文として出されている売り注文数の分だけ大引けで売買を成立させる。
そして、証券会社ごとに出されている買いの注文数に応じて、注文数の多い証券会社から少ない証券会社へ順番に、株式が1単位ずつ配分されるのである。
配分を受けた証券各社は、それぞれの会社が定める独自のルールに基づいて、買い注文を出した投資家ごとに株式を割り当てるのである。
一方、ストップ高となった保有株を売却する場合には、成行または指値にて売り注文を出しておくことで、大引けのタイミングで必ず約定される。
株がストップ高になると、株の買い手は、株式を新たに手に入れることが難しくなるのである。
結果として、前日にストップ高で買えなかった買い手が翌日の始値で買い注文を入れてくるため、買い気配で始まる可能性が高いのだ。
ストップ高までの値幅は拡大される
株が、2営業日連続でストップ高となり、なおかつ次のような条件を満たすことで、3営業日目に、株のストップ高に到達するまでの値幅が拡大される。
- ストップ高となり、ストップ配分が行われず売買高が0株
- 売買高が0株のまま午後立会終了を迎えて、午後立会終了時に限りストップ高で売買が成立し、かつ、ストップ高に買呼値の残数がある
上記の場合には、株のストップ高に到達するまでの値幅は4倍に拡大されるのだ。
例えば、前日の終値1,000円を基準価格として、翌日ストップ高になってからの株価の値動きは、次のようになる。
- 1営業日目(+300円)
ストップ高1,300円
- 2営業日目(+300円)
ストップ高1,600円
- 3営業日目(+1,200円)
ストップ高3,200円
基準価格1,000円の制限値幅は300円であるため、翌日1営業日目のストップ高は1,300円となる。
また、その翌日2営業日目のストップ高は、制限値幅の上限300円を加えた1,600円となる。
そして、制限値幅の上限が4倍に拡大される3営業日目には、基準価格1,500円以上の制限値幅が400円であることから、1,600円(400円×4倍)を加えた3,200円となるのである。
値幅制限が4倍に拡大されることで、上方向に値幅が取れるチャンスは増えるのだ。
ストップ高までの値幅が拡大された例
では実際に、ストップ高までの値幅が4倍に拡大された銘柄を見てみましょう。
リミックスポイント(3825)は、SBIホールディングスと暗号資産分野での資本業務提携を発表したことで、制限値幅の拡大措置が取られた。材料は5月12日の大引け後に発表され、13日と16日の2営業日の場中には値段が付かずのストップ高であった。そのため本来であれば、16日の基準値段が616円であることから、ストップ高の値段は100円高い716円となるはずだったが、値幅が4倍に拡大されたことで、ストップ高の値段は1,016円となったのである。
このような株のストップ高の仕組みがあることで、何日も値段が付かないような株価の異常な歪みを抑えることができるのだ。
わからないことはIFAへ
株のストップ高は、株価が前日の終値から算出された、制限値幅の上限に到達したことを意味する。
もし、株がストップ高に到達したときには、それ以上の値段で売買できないため、注意しよう。
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