厚生年金保険料とは、厚生年金保険の加入者が支払う保険料である。
この記事では、厚生年金保険料とはどのようなものなのか、保険料の決まり方や支払いについて触れながらわかりやすく解説する。
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厚生年金保険料とは
厚生年金保険料とは、厚生年金保険の加入者が支払う保険料だ。原則として会社に勤める70歳未満の全てのサラリーマンや公務員などに加入義務が生まれる。
保険料は事業者と従業員が折半するかたちで納付されるが、給与から天引きされて支払われる従業員は、どのくらいの保険料を支払っているのか、計算方法や支払い期日について多くは知らないだろう。
厚生年金保険料は、厚生年金保険に加入する事業者と従業員が毎月支払う保険料なのだ。
厚生年金保険料の計算方法
厚生年金保険料は、会社から受け取る毎月の給与と賞与に対して、共通の保険料率を掛けて計算される。そして、計算から算出された保険料を半分で割ることで、事業者と加入者がそれぞれ支払うべき保険料が求められる。
計算方法としては、以下の通りである。
保険料の種類 | 計算方法 |
---|---|
毎月の給与に対する保険料 | 標準報酬月額×保険料率 |
賞与に対する保険料 | 標準賞与額×保険料率 |
上記の計算方法にて算出された保険料を半分で割ることで、事業者と従業員それぞれが支払うべき保険料が分かるだろう。
なお、保険料率は段階的に引き上げられていたが、平成29年を最後に、18.300%で固定されている。
標準報酬月額とは
標準報酬月額とは毎月の給与に対する保険料の算出に使われる数値である。具体的には、厚生年金保険の被保険者が受け取る給与をもとに等級を分けた上で算出される。
等級は1等級から32等級まであり、被保険者は自身の毎月受け取る給与がどの等級に当てはまるのか、確認する必要がある。例えば、1等級であれば月額88,000円、32等級であれば月額650,000円と定められている。
そのため、月給が100万円の方であれば等級の最大である32等級に当てはまり、それ以上の保険料を支払わなくてよい。
では、標準報酬月額から保険料を算出してみよう。
例えば、基本給と残業手当、通勤手当などを含めた税引き前の給与が月30万円であれば、標準報酬月額は30万円となる。そして、19等級に分けられる。毎月の保険料は以下のように計算される。
標準報酬月額30万円×18.300%=54,900円
54,900円÷2=27,450円
したがって、月給30万円の人が支払う保険料は、27,450円である。
また、標準報酬月額は、毎年改定される。改定のタイミングは毎年9月であり、4月から6月の報酬月額が基準となる。このような報酬月額の改定は「定時決定」と呼ばれるが、そのほかにも標準報酬月額には、次のような決め方がある。
- 随時改定
- 資格取得時の決定
- 育児休業等終了時の改定
- 保険者決定
「随時改定」とは被保険者の給与が大きく変動したことにより、年度の途中に標準報酬月額を変更することを指す。具体的には昇給や降給などにより、平均報酬に当てはまる標準報酬月額が、変動前と比べて2等級以上の差が生じたときに、変更が行われるのだ。
資格取得時の決定では、事業所が従業員を雇ったときに、就業規則に沿うかたちで報酬月額を届け出ることで、標準報酬月額が決まる仕組みである。というのも、従業員を雇ったときには事業主は報酬を支払っていないため、標準報酬月額の算出が難しいのだ。
また、育児休業等終了時の改定とは育児休業を終えたあとに、育児休業や短時間労働によって報酬が以前の標準報酬月額からかけ離れた金額になることで、報酬月額を改定することを指す。
最後に保険者決定とは、報酬月額を計算することが難しいときや賃金がカットされたり、休職給が低すぎるときなど、報酬の支払いが適切ではないときに、厚生労働大臣が代わりに標準報酬月額を決めることである。このように標準報酬月額が決まることで、厚生年金保険料が割り出せるのである。
標準賞与額とは
標準賞与額とは、税引き前の賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた数値である。年3回以下の回数で支給される賞与やボーナス、年末手当などが対象となり、150万円が上限だ。
標準賞与額には等級はなく、そのまま150万円で1,000円未満の端数を切り捨てた標準賞与額に、保険料率をかけた金額が保険料となる。
例えば、税引前の賞与が567,500円であるならば、標準賞与額は1,000円未満の端数を切り捨て、567,000円となる。そして、支払う保険料は次のような計算式で算出されるだろう。
567,000円×18.300%=103,761円
103,761円÷2=51,880円
したがって、税引前の賞与が567,500円の方が支払う保険料は、51,880円である。
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厚生年金保険料の支払いについて
厚生年金保険料の支払いについて言及すべき点は、以下の通りである。
保険料が免除される
厚生年金保険料は免除される期間がある。次のような期間に当てはまるときには、事業主が年金事務所に申し出ることによって、従業員と事業主の双方の保険料負担が免除される。
- 産前産後休業期間
- 育児休業等期間
産前産後休業期間とは生まれる前で42日、生まれた後で56日の間に妊娠または出産のために、労働を行わなかった期間をさす。また育児休業等期間とは、満3歳未満の子供を養育するための期間を指す。どちらの期間についても、厚生年金保険料を納めた期間として扱われるため、双方およびどちらかの期間に該当するときには、事業主に申し出ると良い。
社会保険料控除の対象となる
厚生年金保険料は社会保険料控除の対象となる。そのため、保険料を支払うことで課税される所得を減らし、所得税や住民税を減らせる。控除額に上限はないため、支払った厚生年金保険料の全額を所得から差し引ける。
社会保険料控除のやり方としては、給与所得者であれば特別な手続きは必要なく、年末調整に必要な書類として、給与所得者の保険料控除申告書を用意することで、保険料の控除ができる。厚生年金保険料を支払うことで、支払った分だけ税金を低く抑えられるのだ。
まとめ
厚生年金保険料とは、会社に勤める70歳未満のサラリーマンや公務員などが加入する厚生年金保険にかかる保険料である。
また、保険の悩みは多く、不安なケースは多いと思う。そんな時は、アドバイザーに相談をしてはいかがだろうか。プロの視点から保険に関する疑問を解決し、納得した上で行おう。
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