- ジュニアNISA廃止後、子供のための投資をどうすべきかわからない
- ジュニアNISA以外の子供の資産を形成する方法を学びたい
- 長期的な投資の具体的な手法について知りたい
ジュニアNISAが2023年末に廃止されるが、将来の子供への投資戦略をどのように考えるべきだろうか。
将来の子供への投資をどう考えるかは、現在大変重要になっている。
そこで、本記事ではジュニアNISAの廃止の背景と影響や廃止後の子供の資産形成戦略を解説するとともに、将来の子供への投資を考える新たな視点について解説する。
ジュニアNISA廃止の背景と影響
2023年末をもって、ジュニアNISAが廃止される。
ジュニアNISAはなぜ廃止されるのか、その背景と影響について解説する。
ジュニアNISAとは何か
ジュニアNISAとは、ジュニアNISA口座を開設すれば、一定の金額の範囲内で株式や投資信託などの金融商品からの利益が非課税になる、日本在住で18歳未満の未成年者向けの制度である。
ジュニアNISAの役割と目的としては、子供に金融教育をすることができることが挙げられる。
というのは、ジュニアNISA口座を開設し、実際に株式や投資信託などの金融商品を運用することによって、投資の仕組みや金融に関する知識を学ぶことができるからだ。
さらに、運用した資金と利益は、子供の教育資金に充てることも可能。
なぜジュニアNISAは廃止されるのか
既に触れたようにジュニアNISAは、2023年末をもって廃止される。
ジュニアNISAが廃止される最も大きな原因は、一般NISA・つみたてNISAと比較して口座数がひときわ少ないからだ。
一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの口座数比較
一般NISA | 1,079万0929口座 |
つみたてNISA | 725万3236口座 |
ジュニアNISA | 97万1035口座 |
ジュニアNISAの口座数がひときわ少ないのは、未成年者が18歳になるまで引き出せないというのが理由の1つ。
というのは、子供の中学・高校の学費や習い事などの教育資金が必要なときに、お金を調達できないからだ。
ジュニアNISA廃止による今後の影響と対応策
ジュニアNISAが2023年末で廃止されることによりいくつかの変更点があるため、ジュニアNISAの口座保有者やこれからジュニアNISA口座を開設する人に影響がある。
そのため、対応策を講じることが必要になる。
ジュニアNISA廃止による主な変更点は、次の2点。
- 2024年以降、年齢問わずいつでも払出しできる
- 非課税期間(最長5年間)終了後も継続保有できる
2024年以降、年齢問わずいつでも払出しできる
ジュニアNISAが廃止されることになった理由の1つに、18歳になるまで払出しできないという制約があった。
それゆえ、子供の教育資金が必要なときに、引き出せないというデメリットがあったのだ。
しかし、ジュニアNISA廃止後の2024年以降、この制約がなくなるため、年齢問わずいつでも払出しできるようになる。
そのため、2016年の開始以来伸び悩んでいたジュニアNISA口座数は、2020年から2022年にかけて急増しで2.7倍にもなっている。いわば、ジュニアNISA廃止前の駆け込み需要と言えるだろう。
非課税期間(最長5年間)終了後も継続保有できる
このようにジュニアNISA廃止前に駆け込み需要が発生しているのは、2024年以降、非課税期間(最長5年間)後も非課税で継続保有できるというメリットがあるからだ。
ただし、非課税で継続保有するためには、2024年以降は非課税期間終了後、ロールオーバー専用の非課税枠へ移管する必要があるので注意が必要だ。
ジュニアNISA廃止後の子供の資産形成戦略
ジュニアNISA廃止後の子供の資産形成戦略として、どのような制度が考えられるだろうか。
ここでは、ジュニアNISA廃止後の資産形成戦略として、新NISA制度の活用とその他の資産形成方法などを比較検討するとともに、ターゲットとする投資期間とリターンの期待値について解説する。
新NISA制度活用の検討
ジュニアNISA廃止後の資産形成戦略として、新NISA制度を活用することが挙げられる。
というのは、NISAが見直され、2024年から新NISAが導入されるからだ。
しかし、旧NISAと同じく対象年齢が18歳以上のため、18歳に達しないと利用することはできない。
そのため、新NISAは子供の資産形成戦略として、廃止されるジュニアNISAの代わりに利用することはできない。
旧NISAと新NISAの違いを表にまとめると、次のとおり。
旧NISA | 新NISA | |||
つみたてNISA | 一般NISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 20年間 | 5年間 | 無期限化 | 無期限化 |
非課税保有限度額 | 800万円 | 600万円 | 1,800万円 | |
1,200万円(内数) | ||||
口座開設期間 | 2023年まで | 恒久化 |
その他資産形成方法との比較検討
新NISAについては、子供の資産形成戦略には使えない。
その他の資産形成方法としては、ジュニアNISA廃止後の経過措置を利用するという方法がある。
というのは、ジュニアNISAは2023年末で廃止されるが、廃止後の2024年以降も既に保有している株式や投資信託を非課税で運用できるからだ。
ターゲットとする投資期間とリターンの期待値
ターゲットとする投資期間とリターンの期待値とは、投資のターゲットとする株式や投資信託、国債などの期間収益率と期待収益率のことである。
期間収益率とは、「一定の期間にある資産を運用した場合の収益割合」のこと。
期待収益率とは、「ある資産を運用した場合の期待できる収益(リターン)の割合」のこと。
期間収益率や期待収益率は、株式や投資信託、国債など資産によって違っており、期間収益率は投資の評価に利用される。
一方、期待収益率を利用すると、投資する資産のリターンの高低がわかる。
例えば、株式はリターンが高く、リスクも高い(ハイリスク・ハイリターン)金融商品であるのに対し、国債はリターンが低く、リスクも低い(ローリスク・ローリターン)の金融商品として知られている。
子供の将来を考える投資戦略の具体例
子供の将来を考えたときの投資戦略として、どのような戦略が挙げられるだろうか。
ここでは、いくつかの投資戦略の具体例を紹介する。
インデックスファンドを利用した投資戦略
子供の将来を考えたときの投資戦略として、インデックスファンドを利用した投資戦略が挙げられる。
インデックスファンドとは、市場全体の値動きを表す株価指数(日経平均株価やNYダウなど)に連動した運用をすることにより成果を目指す投資信託のこと。
インデックスファンドは、運用コストが低く、値動きがわかりやすいなどのメリットがある。
そのため、初心者向けのファンドと言われているため、子供の将来を考えたときの投資戦略としては最適。
株式への直接投資のメリットとデメリット
株式への直接投資も子供の将来を考えたときの投資戦略として、利用できる。
しかし、株式投資にはメリットだけでなく、デメリットもあるのでそれぞれ紹介する。
株式投資の主なメリット・デメリットは、次のとおり。
メリット | デメリット |
・売買差益(キャピタルゲイン)が見込める ・配当金(インカムゲイン)が見込める ・株主優待を受けられる | ・元本が保証されない ・株式投資にはある程度の資金が必要 |
株式を保有すると、売買による値上がり益(キャピタルゲイン)が得られる見込みがあるだけでなく、会社の利益が配当金(インカムゲイン)として分配されることがある。
一方で、元本が保証されないというリスクがあり、株式投資するには、数十万円以上の資金が必要になる。
債券や不動産投資という選択肢
子供の将来を考えたときの投資戦略として、債券や不動産投資という選択肢もある。
債券や不動産投資は、株式投資と比べると、リスクが低く安定した利益を得られる傾向があるというメリットがある。
債券とは、国や地方自治体、企業などが投資家から資金調達を目的として発行している有価証券のこと。
一方、不動産投資は、不動産を購入して賃貸することによって家賃収入を得ることを目的とした投資のこと。
ただし、不動産投資については、頭金のほか、銀行からローンを利用したほうが有利に進められる。
プロの意見を求めてみる
ジュニアNISA廃止後、将来の子供への投資を考える場合、プロの意見を求めるのも重要な選択肢の1つ。
というのは、新たな視点を得られる可能性があるからだ。
ここでは、IFAの活用について解説する。
IFAとは何か
IFA (Independent Financial Advisor)とは、独立系ファイナンシャルアドバイザーのことである。
IFAの役割は、資産運用についてアドバイスすることで、一般的な金融アドバイザーと違うところは、銀行や証券会社に所属しておらず、独立していること。
そのため、特定の金融商品を勧めることなく、すべての金融商品の中から顧客に最適な金融商品を提案してくれることがメリットになる。
IFAが投資戦略を練る上での貢献
将来の子供への投資戦略を練る場合、IFAに投資戦略の立案を依頼することで、自身の情報に基づいて専門的な投資戦略を提案してくれる。
投資戦略だけでなく、どの金融商品を利用することがいいのかなどのアドバイスも得られる。
IFAを選ぶポイントとは
IFAに相談する際は、信頼関係を構築することが重要。そのためには、自分に合ったIFAを選ぶ必要がある。
IFAを選ぶ主なポイントとしては、次のような点が挙げられる。
- 出身金融機関
- 金融商品に精通している
- 手数料とサポート内容
銀行や証券会社、保険会社などのうち、IFAがどの金融機関出身かは重要なポイントである。
というのは、出身金融機関によって得意分野がわかるからだ。
まとめ
本記事では、ジュニアNISAの廃止背景とそれに伴う投資戦略を解説した。
ジュニアNISA廃止後の子供への投資戦略に迷っている人は、IFAに相談することで新たな視点を得られる可能性がある。
IFAに投資戦略の立案を依頼することで、専門的かつ個別の情報に基づいた投資ができる。
「資産運用ナビ」を利用すれば、信頼できるIFAとつながることができ、ジュニアNISAや子供の資産形成に関するさまざまな疑問や悩みを解決することができるだろう。