- 自分に最適なポートフォリオを作りたい
- ポートフォリオの比較基準を知って理想の形に近づけたい
- 理想のポートフォリオがどんなものなのか具体的に知りたい
「自分に適した運用ポートフォリオを知りたい」と考えている方は多いだろう。
将来に向けて効果的に資産を形成するためには、自分に合ったポートフォリオを組んで資産運用を続けることが重要となる。
ポートフォリオの管理を行い、見直していくことも忘れないでほしい。
今回の記事では、理想的なポートフォリオの設計方法や、目標との比較基準、運用スタイルごとの具体例について解説していく。
自分に合ったポートフォリオの構築法
まずは、自分に適したポートフォリオを、どのように構築すればよいか確認していこう。
運用目的・リスク許容度・余剰資金額を明確にする
最初に行うべきなのは、投資を行う目的や自分が許容できるリスク、余剰資金の金額を明確にすることだ。
最適な運用資産の振り分け方は人によって異なるため、まずは自分の現在の状況をしっかりと把握しておくことが重要となる。
まずは「老後資金の準備のため」「余剰資金を効率よく運用するため」「子どもの教育資金のため」といったように、「何のために投資を行うのか」を自分の中で意識しておこう。
投資目的を意識したら、自分のリスク許容度についても検討が必要だ。
リスク許容度とは、投資先の資産価格の変動をどこまで受け入れられるかを表す指標のことで、具体的には「投資資金の何%までなら損失を受け入れられるか」「どの程度のリスクの金融商品までなら投資できるか」といった許容ラインのことを示す。
リスク許容度が高い人ほど、ハイリスク・ハイリターンな運用戦略や金融商品で積極的な運用が可能だ。
年齢が若い人や金融資産・収入が多い人、扶養家族が少ない人ほどリスク許容度が高い傾向がある。
自分のリスク許容度を正しく理解して、それにあった投資先を検討することを意識しよう。
最後に、自分の余剰資金がどれだけあるかも確認しておこう。
今あるお金について、日常の生活費や緊急時に使う「使う資金」、将来のライフイベントなどで使う「備える資金」、使い道の決まっていない「余剰資金」の3つに分類すると、運用に回せる金額を算出できる。
これから運用を開始する場合は、使い道の決まっていない余剰資金での運用から開始するのがおすすめだ。
運用目標を決める
運用目的やリスク許容度、余剰資金の金額を確認したら、具体的な運用目標を決めていく。
「65歳までに3,000万円確保する」「子どもが大学進学するまでに1,000万円準備する」といったように、実現可能な範囲で運用期間と運用目標を決定しよう。
ここで重要なのは、運用目標はなるべく長期目線で設定することだ。
金融商品の価格は日々変動して、相場の状況によってはマイナスとなるタイミングも必ず存在する。
そのため、数ヶ月などの短期的な目線で見ると、あまり運用がうまくいっていないように見えるケースもあるだろう。
しかし、運用をコツコツ継続すると、数年〜数十年単位といった長期では右肩上がりの価格推移となっていることはたびたびある。
運用を始めてすぐに成果を期待するのではなく、あくまでも長い目線での目標に対してどのように運用が行われているかという視点で考えるようにしよう。
各種資産クラスの配分を決める
具体的な運用目標を設定したら、各資産クラスの配分を決めていく。
どんな資産に投資するかによって、予想されるリスク・リターンが変わってくるため、それぞれの資産の特徴について理解しておくことが重要だ。
代表的な運用資産には、下記のような種類が存在する。
- 預貯金
- 株式
- 投資信託
- 債券
- 不動産
- FX
- コモディティ
預貯金は、流動性や安全性が高いが、インフレリスクに弱く運用益はほぼ見込めない。
株式は、どの銘柄に投資するかによって運用成績が大きく変わるため、ハイリスク・ハイリターンな投資になりやすいという特徴がある。
投資信託は少額から分散投資が可能で、プロに運用を任せられるため、投資の初心者にも適している。
ただし、商品によって投資する銘柄が変わるため、中身をしっかりとチェックする必要があるだろう。
債券は、国や地方公共団体及び企業が資金調達のために発行する金融商品であり、定期的に決められた利息が受け取れ、償還時には全額返金される比較的安全な金融商品だが、発行体の信用度によってリスク・リターンが異なる点に注意が必要だ。
このほかにも、不動産やFX、コモディティ(商品)などさまざまな運用商品が存在するため、しっかりと内容を理解して自分の運用ニーズに適する商品を選ぶのが重要だ。
さらに、それぞれの資産への配分状況によってもリスク・リターンが異なる。
例えば、「預貯金80%:株式20%」という資産の分け方と、「株式80%:預貯金20%」という分け方を比較すると、後者の方がリスクは圧倒的に大きい。
それぞれの資産のリスクの違いを考慮した上で、配分比率についても検討していこう。
ポートフォリオの比較基準
理想の資産構成を設定したら、それに従って運用を行う。
ただし、運用状況や投資先によっては理想とするリスク・リターンから乖離してしまうことも考えられる。
適切に運用を続けるためには、自分の目標とする運用成果と、実際に運用中の資産の状況を定期的に比較するのが重要だ。
ここでは、比較の際にチェックすべき基準について解説していく。
期待リターンと運用実績との乖離状況
まずは、目標とするリターンをどの程度達成できているかをチェックする。
数ヶ月といった短期的な期間で見るのではなく、なるべく1年や3年といったようにある程度長いスパンで確認するようにしよう。
目標リターンが5%なのに、実際の運用リターンが3%程度である場合などは、あまり効果的な運用ができていないと考えられる。
理想のポートフォリオに近づける場合は、リスク資産の割合を上げる、投資先の銘柄を見直す、といったような対応が必要となるだろう。
許容できるリスク度合いとの整合性
自分のリスク許容度と運用パフォーマンスが合致しているかも重要だ。
結果としてリターンがほぼ期待通りとなっていた場合も、運用中の価格のブレがあまりにも大きい場合は、投資先の商品や銘柄を変更する必要があるだろう。
目標に対して実際の運用資産の想定リスクが大きい場合、大きな相場の変動が生じた際に許容できないほどの損失が発生する可能性がある。
「現時点では損失が発生していないから大丈夫」と安心するのではなく、これまでの運用状況や価格変動に問題がないかもチェックするのをおすすめする。
また、ハイリスクな資産構成であるにもかかわらず、期待したほどリターンを得られていない場合は、効率よく資産を運用できていない可能性がある。
運用コストが高すぎないか、リスク資産への配分が偏っていないか、といった点に注意しよう。
資産クラスの分散状況
運用を続けていると、徐々に運用中の資産配分比率は変わってくる。
例えば、投資開始時点では預貯金・株式・債券・不動産に25%ずつ均等に投資を行っていたとする。
株式相場が上昇して、債券相場が下落したとすると、必然的に配分比率もそれに準じて「現預金20%、株式40%、債券15%、不動産25%」といったように変動する。
ここでそのまま運用を継続すると、理想のリスク・リターンバランスからはどんどん乖離していってしまう。
そうならないために、定期的に資産クラスの分散状況をチェックして、大きく乖離している場合はリバランスを行って元の配分比率に戻すことが重要となる。
上記の例では、株式が値上がりして比率が高まった分を売却して、その分比率が低くなった債券を買い増すことで、理想的な比率に近づけられるだろう。
また、家計に余裕が出るなどして預貯金の比率が上がった場合も、その他のリスク資産に均等に投資を行うことで、安全資産とリスク資産の配分比率をキープしやすくなる。
理想的なポートフォリオの一例を紹介!自身のポートフォリオと比較してみよう
運用ニーズや投資スタイルごとに、おすすめの運用例を紹介する。
ここでは、株式と株式で運用する投資信託を「株式型」、債券と債券で運用する投資信託を「債券型」と記載する。
安定型運用
なるべくリスクを取らずに安定的に運用を行いたいという方は、債券を中心とした投資がおすすめだ。
具体的には、下記のように株式型30%債券型70%という比率でポートフォリオを組んでみよう。
債券の比率を高めることで、比較的穏やかな値動きとなりやすく、安定して投資を続けられるだろう。
将来に向けてしっかりと確保したいお金の運用方法としても活用できる。
タイプ | 資産クラス | 比率 |
---|---|---|
株式型 | 国内株 | 10% |
外国株 | 20% | |
債券型 | 国内債券 | 40% |
外国債券 | 30% |
バランス型運用
リスクとリターンをうまく調整してバランスよく運用したいという方は、国内株・外国株・国内債券・外国債券といった複数の資産にまんべんなく投資するのがおすすめだ。
下記は、日本の年金運用を担うGPIFの運用資産と同じ配分比率となっている。
複数の資産に分散して投資を行うことで、リスクを抑えつつ安定した運用成果が期待できる。
それぞれの資産に自分で投資して管理するのが面倒だという方は、GPIFと同じ比率で運用を行う投資信託などに投資すれば、手間をかけずに運用できるだろう。
タイプ | 資産クラス | 比率 |
---|---|---|
株式型 | 国内株 | 25% |
外国株 | 25% | |
債券型 | 国内債券 | 25% |
外国債券 | 25% |
リターン追求型運用
リスクをとって積極的にリターンを狙いたいという方は、株式型70%債券型30%という割合での運用がおすすめだ。
国内と海外の比率は、好みや運用ニーズによって調整すると良いだろう。
ただし、個別株への投資割合が高まると、その分大きな損失が生じるリスクも大きくなる点に注意が必要だ。
株式型の保有比率を上げたい場合は、投資信託やETFなど複数銘柄に投資できる商品の形で運用を行うのを推奨する。
人によっては、緊急時の資金を現金で確保しつつ、それ以外の余剰資金は全て株式型のインデックスファンドに投資するというスタイルの人もいる。
タイプ | 資産クラス | 比率 |
---|---|---|
株式型 | 国内株 | 20% |
外国株 | 50% | |
債券型 | 国内債券 | 10% |
外国債券 | 20% |
ポートフォリオに関する相談先はどこが良い?
資産運用を始める上で、自分に適したポートフォリオの作り方を詳しく知りたいという場合は、専門家への相談がおすすめだ。
ここでは、専門家への相談をおすすめする理由や、最適な相談先について紹介する。
ポートフォリオに関する悩みを専門家へ相談する重要性
適切な運用先の選定や配分比率の決定を行うためには、さまざまな運用商品の仕組みや特徴、リスク・リターンを詳しく理解する必要がある。
特に、投資信託などは銘柄によって運用戦略や運用内容がまったく違うため、目論見書等から中身の違いをしっかりと把握しなくてはならない。
投資経験のある方にとっては問題ないかもしれないが、投資の初心者やあまり金融に慣れていない方にとってはやや難しく感じられるかもしれない。
資産運用のプロフェッショナルに相談すれば、自分の余剰資金やリスク許容度を把握した上で、具体的な配分比率設計のサポートを行ってくれる。
豊富な知識や経験に基づくアドバイスも期待できるため、資産運用に関する疑問や不安なことがある方も、安心して投資を始められるだろう。
IFAの役割とメリット
投資について相談する先としておすすめなのが、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)だ。
IFAは、銀行や証券会社といった金融機関から独立して資産運用に関する業務を行う専門家だ。
会社の営業方針や販売ノルマに影響されずに顧客に対して助言や商品提案を行えるため、中立的な立場からのサポートが期待できるというメリットがある。
IFAの多くは金融機関出身者であるため、豊富な知見に基づくバックアップが受けられるのも大きな魅力だ。
会社都合の転勤や異動も原則として発生しないため、長期的に信頼関係を築きながら資産運用を任せられるというメリットもある。
自分の資産運用にしっかりと向き合ってほしいという希望をお持ちの方は、IFAへの相談を検討してみよう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と利用推奨
IFAへの相談を検討する際は、自分に合ったアドバイザー選びが重要となる。
しかし、具体的にどのようなアドバイザーが自分に向いているか判断が難しいと悩む方も多いだろう。
そのような方におすすめしたいのが、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用だ。
「資産運用ナビ」は、年齢や住まい、運用に対する考え方などを入力するだけで、全国のIFAデータベースから最適なアドバイザーを自動的に検索・抽出してくれる。
興味のある方は、ぜひ「資産運用ナビ」を活用して、自分にぴったりのアドバイザーを見つけてほしい。
運用中のポートフォリオと目安の資産構成は定期的に比較しよう
自分に合うポートフォリオを組むためには、運用目的やリスク許容度、余剰資金を確認した上で、具体的な運用目標を決定することが求められる。
運用目標に従って資産クラスのリスク・リターンのバランスを見ながら、最適な配分比率を検討していこう。
理想とする資産構成と運用中の資産構成を比較する際は、実際のリスク・リターンなどの運用状況や資産の分散状況をチェックすることが重要だ。
理想的な配分比率と大きく乖離している場合は、リバランスや配分比率の見直しを行い、理想的なリスク・リターンに近づけていこう。
今回の記事では、投資スタイルや運用ニーズごとの理想的な運用例についても紹介した。
ただし、これらはあくまで一例であり、投資の最適解は人によって異なる点に注意しよう。
資産運用について不安や疑問に感じることがある場合は、専門家から助言を受けるのをおすすめする。
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