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「貯蓄から投資」へのスローガンから考える個人投資家の今後

個人投資家とは、自分のお金で投資する人だ。ただ、日本市場における個人投資家の割合は減ってきている。

この記事では、個人投資家が減っている原因と、今後どのようにすればいいのかについて解説する。

目次

個人投資家とは

個人投資家とは 資産運用ナビコラム

個人投資家とは、組織に属さず、個人の資産(お金)だけで投資活動を行う人のことだ。

これに対して、組織が投資活動を行う場合を「機関投資家」と呼ぶ。

機関投資家は、市場参加者の中で強い存在感を持ち、市場によっては価格を大きく動かすこともあるのだ。

ただ、個人投資家は制約を受けずに投資活動を行うことができる。

そして、取扱金額は様々で、個人でも数億円単位の資金を動かすケースもあるのだ。

専業投資家と兼業投資家

専業投資家と兼業投資家 資産運用ナビコラム

個人投資家というと、自宅にモニターを何台も置いているデイトレーダーをイメージする人が多いかもしれませんが、株主優待株に投資している人や積立投資している人も個人投資家だ。

個人投資家は大きく分けて、「専業投資家」と「兼業投資家」の2つに分けられる。

専業投資家とは、投資だけで生計を立てている人だ。

一方の兼業投資家は投資だけでなく、給与収入や事業収入なども合わせて生計を立てている人となる。

会社に縛られず、自分のペースで取引できる専業投資家に憧れる人も多いでしょう。

しかし、安定した収入を得るためには、相応の努力が必要です。また、生計を立てるためにきちんと取引ルールを決めなければいけない。

「日本証券業協会の個人投資家の証券投資に関する意識調査(2021年)」によると、個人投資家の金融資産保有額は、以下の通りだ。

100万円未満が13.9%、100万円以上300万円未満が13.2%、300万円以上500万円未満が12.3%、500万円以上1000万円未満が17.4%、1000万円以上3000万円未満が25.8%、3000万円以上が17.4%となっている。

金融資産保有額は、1,000万円未満が半数以上(56.8%)となった。

そして、平均保有額の推定は1,611万円となっている。

また、有価証券(株式・投資信託・公社債)の保有額(時価)は、以下の通りだ。

2021年において、10万円未満が9.2%、10万円以上50万円未満が10.7%、50万円以上100万円未満が12.8%、100万円以上300万円未満が19.1%、300万円以上500万円未満が12.0%、500万円以上1000万円未満が13.0%、1000万円以上3000万円未満が14.7%、3000万円以上5000万円未満が3.9%、5000万円未満が4.5%となっている。

株式や投資信託、公社債など有価証券の保有額は300万円未満が51.8%、1,000万円未満が76.8%を占めている。

そして、推計平均保有額は915万円だ。

そして、有価証券の保有状況は以下の通りだ。

株式は2020年の79.0%から2021年に76.0%と減少し、投資信託は2020年の55.3%~2021年に59.7%へと増加し、公社債は202年の13.8%~2021年の12.6%に減少している。

また、株式の保有率は76%、投資信託は59.7%、公社債は12.6%となっている。

家計の金融資産は2,000兆円を突破

家計の金融資産は2,000兆円を突破 資産運用ナビコラム

日本銀行が2022年3月に発表した2021年10-12月期の資金循環統計速報によると、2021年12月末の家計金融資産は前年同期比4.5%増の2,023兆円となり、初めて2000兆円の大台を突破した。

コロナ禍で個人消費の抑制が続き、現金・預金が積み上がったほか、年末のボーナス支給も追い風になったことが原因だ。

ただ、現預金の1,092兆円がもっとも多く、半分以上を占めている

株式の保有残高は212兆円、投資信託は94兆円、あわせても300兆円ほどしかありません。

米国の個人金融資産は114兆ドル(約1京2900兆円)で、その半分以上は株式や投資信託。

株価の上昇が米国民の資産と消費を押し上げているのだ。

日本の金融資産は約30年で2倍になりましたが、米国は6.7倍になっている。

米国の家計の資金はスタートアップ企業などにも向かいやすく、イノベーションの素地にもなっているのだ。

日本の個人株主比率は16%

日本では個人株主の比率が低下している。

東京証券取引所が7日に発表した2021年度の株主分布調査によると、個人が保有する株式の割合(金額ベース)は過去50年間で半減し、16.6%になった。

個人投資家の底上げが、日本の証券市場の課題となっているのだ。

「貯蓄から投資へ」が問われる中、少額投資非課税制度(NISA)の見直しなど、若者の投資を促す仕組みづくりが欠かせないでしょう。

「貯蓄から投資」のスローガンは達成なるか

「貯蓄から投資」のスローガンは達成なるか 資産運用ナビコラム

日本政府は以前から「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げている。

これは「間接金融から直接金融へ」とも言い換えることができる。

間接金融とは、お金の「借り手」と「貸し手」の間に第三者が存在する取引のことだ。

たとえば、企業が銀行融資によって資金を調達する取引を指す。

この場合、資金の出し手は銀行の預金者であり、企業は銀行を媒介として預金者から間接的に資金を借りることになるのだ。

企業は、資金を提供している預金者が誰であるかを知りませんし、預金者は、銀行が預金したお金を誰に貸しているのかわかりません。

また、銀行が資金を貸した先が倒産しても、銀行が倒産しない限り、預金者の資金の安全性は確保される。

このように、間接金融では、金融機関が預金者に代わってリスクを負担し、預金者自身がリスクを負担する必要はないのだ。

一方の「直接金融」とは、投資家が自らリスクを計算しながら企業などに出資し、資産を運用することだ。

株式や社債などに直接資金を提供することで、間接金融よりも高いリターンが期待できるというメリットがある。

投資が主流の米国では、投資でリスクを取る人が多いので、新産業や新進気鋭のベンチャー企業も多く誕生しているのだ。

政府が掲げる「貯蓄から投資へ」という政策は、まさにそうしたアメリカの考え方であり、直接金融の流れを増やして経済全体を活性化させようというものだ。

そのために、「NISA(少額投資非課税制度)」の開始など、証券税制の優遇措置が設けられている。

しかし、実際の家計を見ると、現金・預金は増え続け、銀行の金庫にあるお金は新しい産業の需要に応えられず、結果としてゼロ金利運用の継続により個人の資産形成には役立っていないのだ。

まとめ

まとめ 資産運用ナビコラム

バブル崩壊後、日本は長い間デフレ(物価の下落)の時代が続いた。

しかし、2022年になって円安が進み、モノやサービスの値段が上がるインフレの時代になっている。

銀行預金などの「貯蓄」では、インフレにより資産が目減りしてしまう恐れがある。

インフレヘッジとして株式での運用や、円安リスクに備えて海外資産の購入などが必要な時代になってきているのだ。

もちろん、投資には不確実性(リスク)が伴うので、時間分散や資産分散を組み合わせて、リスクを軽減させなければいけません。

また、NISA制度の拡充など、「貯蓄から投資」への流れを加速させるような仕組みも必要だと考えている。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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