- 200万円を効率的に運用する方法が知りたい
- リスクを管理しながら資産を増やす方法が知りたい
- 運用計画の立案方法と実行する際の注意点が知りたい
昨今、資産運用を検討する人の割合は増加傾向にある。
始めるタイミングとして、ある一定の資産が貯まってからと考えている方もいるだろう。
そこで本記事では、200万円で始める資産運用を具体例に、運用の基本から具体的な戦略、さらにリスク管理の方法までを詳しく解説する。
また、おすすめの相談先についても紹介するので、これから運用を始めようと考えているあなたにぜひ役立ててほしい。
資産運用の基本
まずは、資産運用の基本について以下の3つのポイントに絞って解説する。
- 資産運用の基本とメリット
- 資産運用を始める前の準備
- 200万円で行える資産運用の種類
資産運用の基本とメリット
資産運用は「ためる」と「増やす」の2種類に分けられる。「ためる」とは主に普通預金・定期預金・積立定期預金が該当する。
一方で、増やすとは株式投資や債券投資をはじめとした「投資」のことを言う。
ここでは主に「投資」の観点で資産運用についてのメリットを解説する
資産運用のメリットはお金が増える可能性があることと、不労所得を得られることだ。
たとえば現金100万円を株式に変え、年利5%で運用できた場合、1年後には105万円に増える。
また、5%の配当金が受け取れる株式に100万円を投資すると、1年間で5万円(税引前)の配当金が受け取れる計算になる。
ただ、後述するように、資産運用では必ず資産が増えたり、不労所得を得られたりするわけではない。
保有する資産の価格は世界経済や相場の状況に左右され日々変動しており、成功するためには日々の勉強が欠かせない。
資産運用を始める前の準備
資産運用を始める前には以下の準備を行おう。
- 目標設定
- 生活防衛費の用意
- リスク許容度の把握
目標設定
資産運用では目標設定が非常に重要だ。目標によって、運用期間や資産運用に求める利回りが異なるためだ。
たとえば20歳の方が45年後の老後生活に向けて2,000万円を用意するケースと、30歳の方が15年後に子供の大学費用1,000万円を用意するケースでは、資産運用に求めるものが変わってくる。
金融商品ごとに得られる利回りの相場はおおよそ決まっているが、そもそも目標設定ができていないと自分に適した商品を選ぶことはできない。
具体的な商品の選定に入る前に、まずはなぜ資産運用をするのか、目標を明確にするようにしよう。
生活防衛費の用意
また、資産運用を始める前には生活防衛費を確保しよう。
生活防衛費とは、病気やかげなどで収入を得られなくなった際の生活を補填するお金だ。
生活防衛費がないと、資産運用で予測できないトラブルが生じたときに生活費を切り崩すことに成りかねない。
基本的に資産運用は長期で行うものだ。
そのため、何かしらのトラブルがあっても資産運用のお金は取り崩さないように準備しなければならない。
また、お金の余裕がないと資産運用で損失を抱えたときに冷静な判断ができなくなる恐れがある。
含み損を取り戻すためにリスクの高い取引をしたり、本来は行うべきではないタイミングで売買を実行してしまうリスクも高まる。
そのような事態を避けるためにも、必ず生活防衛費を準備してから資産運用に臨もう。
一般的に生活防衛費は生活費の半年〜1年分あれば十分といわれている。
つまり月に20万支出している方であれば、120万円から240万円必要だ。
ただあくまで目安のため、後述するリスク許容度に合わせて金額を決めてほしい。
リスク許容度の把握
資産運用を継続するにはリスク許容度の把握が欠かせない。
リスク許容度とは、個々人が耐えられる損失額のことだ。リスク許容度は主に以下の要素で決まる。
- 年齢
- 収入
- 貯蓄額
- 家族構成
- 投資経験
年齢が若く高収入で、投資経験のある方の方がリスクが高いと判断する。
一方で収入があまり高くなく、貯蓄や投資経験がない方はリスク許容度が低いとされる。
リスク許容度を超えた投資を行い、万が一損失を抱えてしまうと、以下のように日常生活や仕事で支障が出る恐れがある。
- 損失額が気になって眠れない
- 資産の値動きが気になって仕事が手につかない
資産運用を継続していれば、損失を抱えるタイミングは必ずといっていいほどやってくる。
損失を抱えたときに落ち着いているためには、リスク許容範囲で資産運用を行うことが大切だ。
200万円で行える資産運用の種類
ここでは投資資金200万円で行える資産運用を以下4つ解説する。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 不動産投資(REIT)
株式
資産運用と聞くとはじめに「株式投資」を思い浮かべる方も多いだろう。
企業の株式を個別に購入し、値上がり益や配当金を目的に投資する。
株式投資では、成長性の高い企業に集中投資すれば大きなリターンを得られる可能性がある。
また、投資する企業によっては配当金や株主優待を受け取ることもできる。
一方で投資先の企業が倒産すると、元本がほとんど戻ってこない恐れがある。
また金融市場や世界経済の状況によっては、短期間で大きく株価が動き、資産額の半分以上を失う可能性もある。
このように、株式投資で成功するためには個別企業の分析に加え、世界経済をはじめとしたマクロ的視点も必要になる。
そのため、投資初心者にとっては難易度の高い投資といえるだろう。
債券
債券とは国や地方自治体、企業などにお金を借りていることを証明する借用書のようなものだ。
発行体が破綻しなければ、満期まで持ち続けることで元本が100%戻ってくるほか、保有期間中には利息を得られる。
一般的に破綻する可能性の低い国や企業の債券は、リスクが低くリターンも小さい。
一方で相対的に信用力の低い国や企業が発行する債券は、リスクが高い分リターンも大きい。
また、債券は株式より値動きの幅が小さい。
これらの特徴を踏まえると、発行体の選別には注意を払うべきだが、初心者の方であっても比較的投資しやすい手法であると言えるだろう。
投資信託
投資信託は個々人から集めた資金を活用し、運用のプロが代わりに投資する商品だ。
投資先は商品によってさまざまで、以下のようなものがある。
- 日本株に投資する商品
- 米国株に投資する商品
- 世界株に投資する商品
- 株式と債券に半分ずつ投資する商品
- 株式・債券・不動産に投資する商品
投資信託は、少額で複数の投資対象に投資できるのが魅力だ。個別商品を購入しての分散投資には、一定以上の資産が必要になる。
しかし投資信託を活用すれば、最低100円からでも分散投資が可能であるため、投資資金が限られている投資初心者に最もおすすめの商品なのだ。
ただ投資信託は商品ごとに投資対象が異なるため、得られるリターンやリスクもまた変わってくる。購入の際には交付目論見書(投資信託の説明書)を読み込み、投資対象やリスクについて理解する必要がある。
不動産投資(REIT)
不動産投資は、賃貸用の物件を他人に貸し出すことで得られる「家賃収入」、または物件を売却したときに得られる「売却益」を目的に投資する。
しかし、まとまった資金が必要であるため200万円で現物不動産に投資をするのは現実的ではない。
そこでおすすめしたいのが、REITと呼ばれる「不動産投資信託」を活用することだ。
REITは複数の投資家から資金を集め、運用会社が代わりに不動産へ投資し、得られた家賃収益を配当として投資家に分配する仕組みだ。
投資家は少額から不動産に投資ができ、かつ不動産を管理する手間がかからないことも魅力だ。
一方で、市場の状況によっては株式と同様に元本割れするリスクがある。
また、投資する物件によっては、入居者が集まらず減配または分配金が出なくなるケースも想定される。
以上のことから、REITはこれから不動産投資を始めたい方、多額のお金を投資に回せない方におすすめの方法だ。
200万円の効率的な運用戦略を紹介
これまで解説してきた投資内容をもとに、200万円で行える効率的な運用戦略について解説する。
200万円の資金を最適に運用できるポートフォリオ
投資資金200万円の方におすすめするのは、リスク許容度にもよるが、株式を投資対象とする投資信託を活用したポートフォリオだ。
株式は一般的に値動きが激しく、相場状況によっては一時的に含み損を抱えることもあるだろう。
しかし、これまで解説してきた投資商品の中では株式が最も高いリターンを得られる可能性がある。
そのため、これから資産形成を行う方にとっては、株式を資産に組み入れることで、効率的な運用が期待できるだろう。
さらに、投資信託であれば数十社から数千社に分散投資できるため、1社ごとの株価の下落が資産全体に与える影響は少ない。
とはいえ、このポートフォリオには元本割れの恐れがあるため、実践するのは怖いと考える方もいるだろう。
そのような方には、株式と債券を50%ずつ保有できるバランスファンドに長期投資するのがおすすめだ。
金融庁の資料によると、毎月同額ずつ国内外の株式と債券を買い付けし、20年間の長期保有を行った場合、過去のデータでは元本割れしなかった。
- 参考:金融庁「NISA早わかりガイドブック P3」(2023年12月調査)
これはあくまで過去のデータのため未来を保証するわけではないが、長期投資を行うと元本割れする可能性が低くなるとはいえるだろう。
効率的な運用を求めるならば株式100%をおすすめする。一方で元本割れが怖いという方は、債券を組み入れて保守的な運用を行うのもいいだろう。
株式と債券の組み入れ比率は、各々のリスク許容度で判断してほしい。
投資先を選定するポイント
株式の投資信託がいいといっても、どのようなポイントで選べばいいかわからない方もいるだろう。
ここでは、投資先を選定するポイントを以下3つ解説する。
過去の実績
はじめに購入を希望する投資信託の過去の実績を確認しよう。
投資信託によっては、発売から現在まで右肩下がりの商品もある。
右肩下がりを続けている投資信託は、保有していても利益を得られない可能性が高いため、購入するのは避けた方が良いだろう。
おすすめの投資信託は、上昇と下落を続けながらも、右肩上がりで価格が上昇している商品だ。
金融商品は市場動向によって価格の浮き沈みがあることは先述の通りだ。
ただ優れた投資信託であれば、下落を続けることはなく、どこかのタイミングでは上昇に転じている可能性が高い。
そのため、これから投資信託を購入しようと考えている方は、はじめに過去の実績を確認するようにしよう。
手数料
過去の実績を確認できたら、次に手数料をチェックしよう。投資信託の手数料には以下の3つがある。
手数料名 | 概要 |
---|---|
購入時手数料 | 投資信託の購入時にかかる手数料 無料の投資信託もある |
信託報酬 | 投資信託を保有している間かかる手数料 |
信託財産留保額 | 投資信託の解約時にかかる手数料無料の投資信託もある |
手数料は投資信託によって大きく異なる。投資対象が同じであっても、手数料が2倍以上異なるケースは珍しくない。
つまり投資家が得られるリターンは変わらずとも、手数料は2倍以上取られることもある。
そのため、同じものに投資している投資信託で迷うなら、手数料の安い商品を選ぶようにしたい。
純資産総額
純資産総額とは、簡単に説明すると投資信託の規模のことだ。
基本的に純資産総額が大きい商品を選ぶことをおすすめする。純資産総額が大きい投資信託には以下の特徴がある。
- 投資家の資金が定期的に流入している
- 解約する投資家が少ない
つまり、純資産額の大きい投資信託とは投資家からの人気が高いということだ。人気が高い商品は繰上償還される可能性が低い。
繰上償還とは、予定されていた運用期間よりも早期に運用会社が運用を停止することだ。
繰上償還されると、運用が止まってしまうため資産運用の効率が悪くなる。
効率的に運用するためには、純資産総額の大きい投資信託を選ぶようにしよう。
運用期間と目標リターンの設定方法
運用期間と目標リターンは、前述した資産運用の目的によって決まる。
まず、現在からお金を必要とする時期までが運用期間に当たる。
また、目標リターンは運用期間と投資資金による。
運用期間が長く、投資資金が多ければ、目標リターンは低めに設定できる。一方で、運用期間が短く投資資金が少なければ、目標リターンを上げる必要がある。
ただし投資商品によって大まかなリターンは決まっているため、あまりに高い目標は達成できない可能性が高い。
- 株式:年4%〜5%
- 債券:年1%〜3%
- 不動産投資(REIT):年3%〜4%
上記のリターンはあくまで目安なので、相場状況によって下振れたり上振れる可能性がある。
個別商品の運用リターンは投資家にコントロールできるものではない。
そのため、保守的に設定し、それでも目標金額に達成できるようにすると良いだろう。
利回りについて詳しく知りたい方は、下記の記事を確認してほしい。
資産運用におけるリスク管理の重要性
ここまで資産運用の基本から効果的な運用戦略を中心に解説してきたが、運用である以上はリスクが伴うことを忘れてはならない。
そこでこの章では以下3つのポイントから運用におけるリスク管理について解説する。
- 資産運用の2つのリスク
- 分散投資のメリットと実践方法
- 長期投資のメリットと定期的にポートフォリオを見直す重要性
資産運用の2つのリスク
資産運用には以下2つのリスクがある。
- 元本割れの恐れがある
- 投資先が破綻するリスクがある
元本割れの恐れがある
資産運用には元本割れがあるというのは先述した通りだ。
お金が必要な時期に元本割れしてしまうケースは十分に想定できる。
ただ先述した金融庁の資料によると、20年間の長期運用を行うと過去のデータでは元本割れしていない。
そのため資産運用は、長期で行うことをおすすめする。
投資先が破綻する恐れがある
資産運用では投資先が破綻する恐れがある。破綻してしまうと元本が一切返ってこないケースも考えられる。
一方、この記事でおすすめしている投資信託を活用する資産運用では、万が一投資先の1社が破綻したとしても、資産全体に与える影響を抑えることができる。
そのため、安全な投資対象を見極める自信がない方こそ、投資信託を活用した分散投資を実践してほしい。
分散投資のメリットと実践方法
分散投資のメリットは、ある投資先の価値が下落した際の資産全体に与えるダメージを抑えられることにある。
一般的に、分散投資を実践するためには個別に投資商品を購入する必要がある。
ただ、投資商品によっては最低投資金額が数十万円から数百万円するものもあり、分散投資にはある程度のまとまった資金が必要なのだ。
この点、繰り返しにはなるが、投資信託であれば、最低100円など少額な資金でも分散投資が実践できる。
投資資金が限られている方こそ、投資信託を活用して簡単に分散投資を実践してほしい。
長期投資のメリットと定期的にポートフォリオを見直す重要性
長期投資のメリットは、先述した通り元本割れのリスクが減ることだ。
また長期投資を実践する上で、ポートフォリオを定期的に見直すことは重要だ。
資産運用を継続していると、ライフスタイルや収入の変化などで、リスク許容度が変化することは珍しくない。
特に、定年後に収入が下がった方や、子供が生まれて出費が増えた方はリスク許容度が下がっている可能性が高い。
そのため、ポートフォリオの見直しをおすすめする。
一例としては、株式を多めに組み入れていた場合は、債券の割合を増やし安全性を高める方法が考えられる。
ポートフォリオは資産運用を成功させるために重要な要素だ。
定期的に見直し、自分にとって最適なポートフォリオを構築しよう。
資産運用は誰に相談するべきか?
資産運用のためにはリスク許容度の把握や、ポートフォリオの構築などを行う必要があり、投資初心者にはハードルが高い。
そこでおすすめするのが専門家に運用相談することだ。
ここでは以下の3つについて解説する。
- 運用相談を専門家にする必要性
- IFAの役割と相談するメリット
- IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用方法
運用相談を専門家にする必要性
自分に適したポートフォリオを構築するためには、収入や投資経験などさまざまなことを考慮しなければならない。
そのため、投資初心者が自分に適したポートフォリオを構築するのは非常に難しい。
この点、専門家であれば豊富な知識と相談者の悩みを解決してきた実績から、あなたに最適なポートフォリオを提案してくれる。
資産運用に不安や疑問を抱えているという方は、専門家の手を借りてみてはいかがだろうか。
IFAの役割と相談するメリット
専門家は主に以下の2種類が存在する。
- 企業型:企業に所属している
- 独立型:個人として活動している
この記事でおすすめするのは、独立型の専門家であるIFAだ。
IFAとは「独立系ファイナンシャルアドバイザー」といい、企業に所属していない資産運用の専門家だ。
IFAは企業に所属していないため、提案できる商品に制限がない。
また顧客に提案する商品も自由に選べるため、より顧客目線でのアドバイスを受けやすい。
さらに転勤がなく担当者の変更がないため、長期間の資産運用にずっと寄り添ってくれるパートナーになりうるのだ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用方法
自分に適したIFAと出会うのにおすすめの方法は「資産運用ナビ」を活用することだ。
「資産運用ナビ」は、簡単な条件を入力するだけで、あなたと相性の良いIFAが一覧表示される。
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まとめ
資産運用を始める際には、運用目的やリスク許容度をもとに、いくらを運用に回せるかを判断する必要がある。
資産運用におけるリスクを理解した上で、長期・分散投資を実践して効率的な運用を実現しよう。
自分に合った運用法を見つけ、定期的に見直すことでリスクを管理しよう。
適切なリスク管理には、専門家への相談がおすすめだ。
「資産運用ナビ」を利用してあなたに最適なアドバイザーを見つけよう。