- 投資信託のスイッチングとは何か
- スイッチングのメリットとデメリットは何か
- どのような時にスイッチングを行うべきか
今投資している投資信託から新しいものに変更したい、という方もいるだろう。
そのような場合、一旦現在の商品を売却・換金して、新しい商品を買い付けるという方法以外にも「スイッチング」という手段がある。
スイッチングとは何か、そしてどのように行うのかについて解説する。
投資信託のスイッチングとは?
投資信託のスイッチングとは、現在保有する投資信託から新しい投資信託に乗り換えることである。
スイッチング先の新しい投資信託は金融機関がいくつか指定していることが多く、どの投資信託に乗り換えてもよいというわけではない。
スイッチングと通常の売買の違い
スイッチングが通常の「投資信託の売却、その後売却金で新しい投資信託を買い付け」という取引と違う理由は以下のとおりである。
- スイッチング先の投資信託はある程度選択肢が決められている
- スイッチングの場合はどの投資信託を買ってもいいというわけではなく、金融機関が指定する銘柄の中から選択することになる
- 売却と買付がセットになっている
- 通常の投資信託乗り換えの場合、現在の投資信託の売却で1注文、新しい投資信託の買付で1注文、と売買で2注文を発注することになる。しかし、スイッチングでは売買は1セットとされており1注文扱いとなる
- 手数料が低めに設定、もしくは無料となっていることが多い
- 投資信託の売買時は手数料がかかることが一般的だ。しかし、スイッチングでは手数料が通常の売買よりも低めに設定、もしくは無料となっていることが多い。ただし、投資信託解約時に投資家が支払う「信託財産留保額」は原則必要だ。
スイッチングはどのような時に使う?
保有する投資信託の売り、そして新しい商品の買いがセットになっているスイッチングはどのような時に使うのだろうか?
- 為替ヘッジをかけたい/外したい
- 投資信託の中には外国株や外国の債券が組み込まれているものがある。これらの投資信託は為替の動きによっては損失が出る場合もある。そこで、投資信託の為替差損をなるべく回避するために「為替ヘッジ」というものがある。なお、全く同じ組入銘柄の投資信託であっても、為替ヘッジの有無で別の商品という扱いになることを覚えておきたい。
- スイッチングでは、投資信託の為替ヘッジをかけたり外したりすることができる。為替ヘッジあり、為替ヘッジなしという2つの商品をスイッチングするのだ。
- 為替差損が出そうだという場合は「為替ヘッジあり」にスイッチング、反対に為替差益が出そうであれば「為替ヘッジなし」にスイッチングするという使い方をする。
- しかし、外国株等で運用する投資信託の中には「為替ヘッジがない」、「為替ヘッジ有、もしくは無のどちらかしかない」という商品もある。この場合、スイッチングはできない。
- 投資の方針が変わった場合の見直し
- 積立で投資信託を購入していると、途中で投資方針を変更したい場合が出てくるかもしれない。例えば、積立を始めたばかりの頃は「リスクをなるべく取りたくない」と思っていたが、途中から「リスクはあるかもしれないが、積極的に運用して利益を得たい」という考えに変わる、などだ。スイッチングならば、投資方針が変わった時でも積立商品の変更ができる。
- このスイッチングを有効活用できるのが、個人型確定拠出年金「iDeCo」[tajiri5] での投資の時である。iDeCoとは、投資家が金融機関にて「iDeCo専用口座」を申し込み、積立方式で原則60歳までお金を定期的に払い込んでいくというものである。
- 運用先は金融機関が選定する投資信託や定期預金などから投資家が選ぶ。60歳以降になれば運用実績に応じて年金形式でお金が戻ってくるという仕組みである。
- ちなみに、iDeCoは老後資金のための投資となるため、専用口座からは60歳まで基本的に現金の引き出しができない。途中で経済状況や自分の投資方針が変わり、「この投資信託はもう止めたい」と思っても売却、換金はできない。
- そこで、役に立つのがスイッチングである。 iDeCo専用口座内で不要な投資信託を売却、その後、新しい投資方針に合う投資信託を買い付けるスイッチングを行うのだ。
- また、iDeCo専用口座内で利益が出ている投資信託を売却して利益を確定、その後新たな投資信託を買い付けたいという場合にもスイッチングは使える。
投資信託におけるスイッチングのメリットとデメリットとは
スイッチングを行うメリット・デメリットも確認しよう。
スイッチングのメリット
スイッチングのメリットには次のようなものがある。
- 投資信託乗り換えが可能
- 先ほど、iDeCo専用口座内のスイッチングでもご紹介したが、運用方針が変わった時などに乗り換えができるというメリットがある。また、為替ヘッジ有無の切り替えもスイッチングで可能となる。
- 利益確定ができる
- スイッチングで現在利益が出ている投資信託を手放し、新たな投資信託を購入することもできる。利益を確定させるためにスイッチングを利用するという方法もある。
- 通常の売買より手数料が低い、もしくは無料
- 投資信託の売買時は、売り、買いどちらでも手数料がかかるのが一般的だ。しかしスイッチングでは手数料が低く抑えられるか無料となっており、投資家の負担も軽減される。
スイッチングのデメリット・注意点
スイッチングのデメリットは以下の通りだ。
- スイッチングできる商品の選択肢が少ない
- スイッチングできる商品の選択肢はあらかじめ決められているため、どの投資信託から選んでも構わない、というわけではない。そのため、自分が希望する投資信託を買えない可能性もある。
- 手続きに時間がかかる
- 通常の投資信託取引とは異なり、スイッチングの手続きには時間がかかる。スイッチングの申込をしたのはいいが、買付のベストタイミングを逃してしまい、予想より高値での買付になった、ということもあるため注意が必要である。
- ネット注文できない場合がある
- 多くの金融機関では、株や投資信託の売買注文をネット上から行えるようになっている。しかし、スイッチングだけは電話注文という場合も多い。
投資信託のスイッチングに関する疑問やわからないことはプロへ相談
投資信託のスイッチングとは、商品乗り換えの際に利用されている。
通常の売買との大黄な違いは、「売りと買いで1注文とされること」「乗り換え先の投資信託は決められた選択肢から選ぶこと」などが挙げられる。
スイッチングは通常の売買より手数料を低く設定しているというメリットがあるが、手続きに時間がかかる、ネット注文ができない金融機関がある、などの注意点もいくつかある。
まずは自分が取引する金融機関でスイッチングの手続き方法について確認し、その後、利用するかどうかを検討してみてはいかがだろうか。
また、これに限らず、投資信託を購入してみたものの、どの様に運用して良いか悩んでいないだろうか。
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