- 長期的な投資信託の成果について知りたい
- 投資信託のリターンについて理解したい
- 投資信託のリスクを把握したい
投資信託とは、NISAの投資対象となっていることから、初心者でも取り組みやすい金融商品だ。
しかし、投資信託には多くの種類があり、「結局どれくらい増えるんだろう?」と疑問に思っている人も少なくない。
そこで本記事では、投資信託のリターンをファンドの種類別に比較していく。
【種類別】投資信託で資産はどれくらい増える?
投資信託で得られるリターンは、ファンドの投資先によって大きく異なる。
ここでは、「海外・国内株式」、「海外・国内債券」、「バランスファンド」に分けてリターンを確認していこう。
海外株式
まずは、海外株式に投資する投資信託のリターンについてだ。
ファンド名 | リターン | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 設定来 | |
eMAXISSlim全世界株式 (オール・カントリー) | 19.45 | 21.20 | 14.59 |
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド (毎月分配型) | -5.66 | 14.18 | 5.67 |
インベスコ世界厳選株式オープン <為替ヘッジなし>(毎月決算型) | 30.39 | 25.66 | 5.45 |
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド (為替ヘッジなし) | 27.57 | 8.19 | 17.17 |
フィデリティ・世界割安成長株投信 Bコース (為替ヘッジなし) | 19.43 | 24.55 | 30.40 |
海外株式では、昨今の円安進行を受けて、為替差益によるリターンを得ているファンドが多い。
中には、直近1年で30%ものリターンを記録しているファンドもあり、効率的に利益を得られたことが分かる。
ただし、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」は電気やガスなどの公益株を中心に投資するファンドであるため、ウクライナ危機によるエネルギー安全保障問題の影響を受けており、足元は不安定な状況が続いている。
この通り、海外株式では大きなリターンが期待できる一方、市況によっては損失を被ることも当然考えられる。
国内株式
次に、国内株式に投資するファンドのリターンについてだ。
ファンド名 | リターン | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 設定来 | |
フィデリティ・日本成長株・ファンド | 19.41 | 10.18 | 5.07 |
インデックスファンド225 | 23.69 | 14.36 | – |
ニッセイ日経225インデックスファンド | 23.99 | 14.64 | 7.59 |
日経225ノーロードオープン | 23.63 | 14.00 | 4.09 |
スパークス・新・国際優良日本株ファンド | 26.01 | 9.43 | 12.03 |
国内株式ファンドでは、日経平均株価の上昇を受けて概ね好調なリターンが得られている。
しかし、ここで注視したいのが、日経平均株価をベンチマークとするインデックスファンドのリターンについてだ。
上記表では同じ日経平均株価をベンチマークとするファンドが3種類含まれているが、それぞれ得られるリターンが異なっている。
これは、ファンドによって運用コストや売買のタイミングが異なるためだ。
インデックスファンドに投資する際は、同じベンチマークのものでもファンドによって得られるリターンが異なることを理解しておこう。
海外債券
次に、海外債券に投資するファンドのリターンについてである。
ファンド名 | リターン | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 設定来 | |
グローバル・ソブリン・オープン (毎月決算型) | 1.87 | 2.16 | – |
野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース | -1.94 | -3.04 | -0.15 |
マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンド (年1回決算型) | -4.32 | -1.84 | -1.37 |
三菱UFJ/マッコーリーグローバル・インフラ債券ファンド <為替ヘッジなし>(毎月決算型) | 2.85 | 4.25 | 6.44 |
三菱UFJグローバル・ボンド・オープン (毎月決算型) | -0.87 | 0.90 | 4.23 |
債券ファンドは、株式ファンドに比べてリターンが小さくなる傾向にある。
上記表では直近3年のリターンでも最大4.25%のリターンとなっており、株式ファンドに比べると利益が限定的であることが分かる。
しかし、これは裏を返せば「値動きが安定している」ということにもつながる。
「リスクを抑えて運用したい」という人は、株式ファンドより債券ファンドの方が向いているだろう。
国内債券
国内債券については、海外債券よりもさらにリターンが小さい状況だ。
ファンド名 | リターン | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 設定来 | |
ダイワ日本国債ファンド (毎月分配型) | -1.76 | -.1.16 | 1.05 |
三井住友・日本債券インデックス・ファンド | -2.31 | -1.95 | 0.97 |
DLIBJ公社債オープン (中期コース) | -2.51 | -1.71 | 1.17 |
ニッセイ日本インカムオープン | -0.77 | -0.44 | 0.63 |
明治安田日本債券ファンド | -4.04 | -2.93 | 1.02 |
国内では長らく低金利環境が続いていることから、思うようなリターンを得ることが難しい。
直近3年のリターンでもマイナス圏のファンドが多く、金融緩和政策が転換しない限りは現在のような投資環境が続くことが想定される。
バランスファンド
最後に、バランスファンドのリターンを見てみよう。
ファンド名 | リターン | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 設定来 | |
投資のソムリエ | -2.85 | -3.90 | 1.09 |
セゾン・グローバルバランスファンド | 10.31 | 11.54 | 4.79 |
東京海上・円資産バランスファンド (毎月決算型) | -1.54 | -0.48 | 2.29 |
のむラップ・ファンド (普通型) | 7.68 | 9.69 | 6.93 |
スマート・ファイブ(毎月決算型) | 3.32 | 2.13 | 3.25 |
バランスファンドは10%前後のリターンを得られるものもあれば、含み損が出ているファンドもある。
ファンドによってこれほどリターンが異なるのは、各ファンドで資産の組み入れ比率が異なる点や、運用成果がファンドマネージャーの腕にかかっている点が主な要因だ。
バランスファンドは1つのファンドで複数の金融商品に分散投資できるメリットがあるが、ファンドを選定する際は複数のファンドを比較して、過去のリターンをチェックしておくことが重要だ。
投資信託でどれくらい増えるか期待する前に注意したいこと
投資信託を購入する際は、いくつか注意したいポイントがある。
あらかじめ確認しておこう。
リターンは過去の実績
投資信託には数多くの種類があり、投資先を選定する際はリターンがひとつの指標となる。
しかし、リターンはあくまで過去の実績であり、「今後も同様のリターンが得られる」と保証しているものではない。
たとえば、直近3年で10%のリターンを記録しているファンドに投資する際、同様のリターンが得られることを期待してしまうと、運用計画にもズレが生じてしまう。
運用計画では、想定利回りのもと資産の推移を計画するが、その想定利回りは少し低めに見積もっておくと安心だ。
含み損が出ることは避けられない
過去のリターンを見ると、利益を得ることばかりイメージしてしまうかもしれないが、毎日価格が上下する投資信託では含み損が出ることは避けられない。
「損失を負う可能性がある」ということをしっかり理解しておかなければ、実際に運用を始めたときに「もっと利益を得られると思ったのに」というギャップを感じかねない。
投資信託で資産運用に取り組む際は、リターンばかり追求するのではなく、含み損が発生するリスクについても十分留意しておこう。
投資信託の運用相談は誰にするべきか
投資信託で得られるリターンは、ファンドの種類によってさまざまだ。
ファンドを選ぶときは、自分のリスク許容度や運用計画に応じて、適切なファンドを選ぶことを心がけよう。
また、ファンド選びは資産運用のプロであるIFAへ相談することもおすすめだ。
IFAとは金融アドバイザーの一種で、特定の金融機関に所属していないことが特徴だ。
IFAは、相談者の目線に立って適切なアドバイスをくれる存在であるため、ぜひ気軽に相談してみよう。
IFAの役割とメリット
前述の通り、投資信託の運用に関して相談したいのであればIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の活用がおすすめだ。
IFAとは、銀行や証券会社から独立した立場で顧客の資産運用をアドバイスしたり、サポートしたりする専門家である。
IFAは顧客からの相談を受け、希望のライフプランや資産状況などをヒアリングした上で運用プランを作成する。
そして目標リターンを達成するために最適な金融商品を提案・仲介し、顧客の資産運用を成功に導くことが大きな役割だ。
こうしたサポートは証券会社等の金融機関に在籍するアドバイザーからも受けられるが、IFAが大きく違うのは「金融機関から独立している」という点である。
会社の方針や営業ノルマが設定されることがなく、中立な立場から顧客にアドバイスを行える点がIFAの最大の強みだ。
また、IFAには原則として転勤制度がないため、長期的に関係性を築ける点もメリットとして挙げられる。
特に、老後資金の準備は長期間にわたって運用していくことになるため、継続的なサポートが重要となる。
IFAは定期的なフォローにより、顧客のライフステージの変化や投資先の市場環境の変化などに合わせた資産配分の見直しにも対応可能だ。
このように、従来の金融機関に在籍するアドバイザーに比べて寄り添ったサポートをしてくれる点がIFAの大きなメリットとなっている。
相談先としてIFAに魅力を感じる方は、ぜひ一度相談してみてはいかがだろうか。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法
信頼できるIFAをお探しの方は「資産運用ナビ」を活用しよう。
「資産運用ナビ」とは、IFAを探す投資家とアドバイザーをマッチングさせるサービスのことだ。
「資産運用ナビ」では、あなたの資産状況や運用目的、性格などを総合的に診断した上で、全国のアドバイザーから最適な相談先を抽出・紹介している。
たった60秒、希望の条件を入力するだけでIFAを知り尽くした「資産運用ナビ」が最適なアドバイザーを自動で診断する。
また、紹介されたアドバイザーについてはプロフィールを確認した上で面談への申し込みが可能だ。
アドバイザーの経歴や実績、得意分野、メインとしている顧客層などを事前に確認し、納得した上で面談に進める点も安心して利用できる材料のひとつと言えるだろう。
アドバイザーとの面談はWEBにも対応しているため、地方にお住まいの方でも気軽に相談できる。
全国47都道府県各地のアドバイザーがあなたの状況や考えを丁寧にヒアリングし、最適な運用プランを提案する。
さらに、サービスの利用に関して費用がかかるのは金融取引が発生したときのみで、相談料は原則としてかからない。
アドバイザーの提案に納得できるまでじっくり相談できる点も「資産運用ナビ」の大きな魅力だ。
「老後資金の準備を始めたい」「相談先を探している」という方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を活用してアドバイザーを探してみよう。
投資信託は長期運用で大きく増やそう
本記事では、投資信託の基本的な概念やリターンについての理解、長期的な投資戦略について説明した。
また投資信託の種類や運用方法、市場環境などを把握し、バランス良く運用する必要があることも伝えた。
投資信託はプロが運用してくれる商品ではあるが、場合によっては含み損を抱えることもある。
投資信託に関する疑問点や運用方法に迷ったら、IFAに相談すると良いだろう。
投資信託はどれくらい増えるのかに関するQ&A