- 1,000万円で投資信託を始めたい
- 投資信託の判断基準が知りたい
- 投資信託を運用するポイントが知りたい
1,000万円で資産運用を始めるとき、ひとつの選択肢となるのが投資信託だ。
投資信託はNISA制度の対象となることに加えて、投資初心者でも取り組みやすい特徴を持っている。
資産形成において高い人気を集める投資信託は、そもそもいくらから購入できるのだろうか。
商品の仕組みを正しく理解した上で、自分の投資金額を判断することが大切だ。
本記事では、1,000万円の資産運用に投資信託がおすすめの理由や注意点、運用成果のシミュレーションについて紹介していく。
なぜ1,000万円を運用するなら投資信託がおすすめなのか
運用初心者に1000万円の投資信託がおすすめの理由として、下記の3点が挙げられる。
- プロに運用を任せられる
- 1つのファンドを通じて分散投資ができる
- 定期的に運用状況の報告が行われる
それぞれくわしく解説していこう。
プロに運用を任せられる
投資信託とは、投資家から集めた資金を1つにまとめて、プロに運用を任せる金融商品である。
ファンドという言葉もよく出てくるが、ファンドとは元々、「集めた資金で運用すること」であるが、投資信託のことをファンドと呼ぶことも多い。
初めて資産運用に取り組む人は、「どの銘柄に投資すればいいか分からない」「売買のタイミングが難しい」という不安を抱くことが多い。
1から投資のスキルを身につけるとなると、億劫に感じる人もいるだろう。
その点、投資信託では、投資先の選定や組入銘柄の売買などはすべてプロが行ってくれるため、投資家は手間がかからないメリットがある。
個人では投資が難しいような金融商品が組み入れられるのも、投資信託の魅力のひとつだ。
「手軽に資産運用に取り組みたい」「プロの力を借りて資産運用を行いたい」という人は、投資信託での運用を検討してみよう。
1つのファンドを通じて分散投資ができる
投資信託では、複数の銘柄を組み合わせて運用を行う。
たとえば、日経平均株価をベンチマークとするインデックスファンドの場合、日経平均に採用されている225社の株式を組み入れて運用を行っている。
仮に、個人で225社の株式に分散するとなると、1単元ずつ購入するだけでもかなりの資金が必要となる。
また、株式投資の場合は、投資先の企業が倒産や経営破綻をしてしまうと、投資した元本がゼロになることもあり得る。
その点、投資信託は複数の銘柄を組み入れて運用するため、投資した元本が一気にゼロになることは起こりにくい。
分散投資は資産運用の基本でもあるため、1つのファンドを通じて分散投資が行えるのは投資家にとって大きなメリットだ。
定期的に運用状況の報告が行われる
投資信託では、運用会社から毎月「月次レポート」が発行される。
月次レポートとは、ファンドの運用状況を投資家に報告するためのもので、主に次のような内容が記載されている。
- 基準価額
- 純資産総額の推移
- 分配金の実績
- 騰落率
- 組入銘柄数、上位組入銘柄・直近のマーケット環境
投資家は月次レポートを読むことで、ファンドの運用状況や値動きの要因を理解することができる。
保有している商品の運用状況を定期的に報告してもらえるのは、安心感にもつながるだろう。
月次レポートは運用会社や証券会社のホームページに掲載されているので、手軽に確認できるのも嬉しいポイントだ。
投資信託で1,000万円を運用したらどうなる?
投資信託で1,000万円を運用する場合、どれくらいの運用成果が得られるのだろうか。
下記表は、利回り・運用期間別の運用成果を示したものだ。
1000万円を運用した場合の成果
運用期間/利回り | 1% | 3% | 5% |
---|---|---|---|
5年 | 1,051万101円 | 1,159万2,741円 | 1,276万2,816円 |
10年 | 1,104万6,221円 | 1,343万9,164円 | 1,628万8,946円 |
15年 | 1,160万9,690円 | 1,557万9,674円 | 2,078万9,282円 |
20年 | 1,220万1,900円 | 1,806万1,112円 | 2,653万2,977円 |
25年 | 1,282万4,320円 | 2,093万7,779円 | 3,386万3,549円 |
資産運用では、運用期間が長くなるほど複利効果を得やすいメリットがある。
複利効果とは、運用で得た利益を再度運用に回すことで、効果的に資産を増やす仕組みのことだ。
特に、1,000万円というまとまった資金の場合、より複利効果を得やすいことが分かる。
利回り1%はかなり保守的な運用の水準だが、それでも5年で約50万円の利益が得られるのは運用メリットが大きいといえる。
1,000万円で投資信託を運用するのにおすすめの戦略
投資信託で1,000万円を運用するときは、次の3つのポイントに注意したい。
- 分散投資を徹底する
- 投資のタイミングを分散する方法もある
- 一括投資の場合は非課税枠を超過する
それぞれくわしく解説していこう。
分散投資を徹底する
投資信託は1つのファンドを通じて複数の銘柄に投資できるが、それで分散投資が徹底できているわけではない。
たとえば、米国の株価指数であるS&P500をベンチマークとするインデックスファンドに投資する場合、米国の500社に分散投資することができる。
しかし、保有資産がこの1本のみになっていると、ポートフォリオが米国株式100%で構成されてしまう。
バランスの良いポートフォリオを構築するためには、その他に債券や国内株式なども一緒に併せ持つ必要がある。
なお、「ポートフォリオの組み方が分からない」という場合は、投資信託のバランスファンドへ投資する方法もある。
バランスファンドとは、債券や株式、REITなどを組み合わせて投資するファンドだ。
1つのファンドの中に異なる資産クラスが組み入れられているため、複数のファンドへ投資しなくても分散投資を行うことが可能である。
投資のタイミングを分散する方法もある
分散投資では資産クラスの分散だけでなく、投資するタイミングを分散することも重要だ。
1,000万円をまとめて投資する場合、そのタイミングによって損益が大きく左右される。
もし高値掴みをしてしまうと、長い間含み損を抱えることにもなりかねない。
高値掴みをするリスクを低減するためには、投資のタイミングを複数回に分けることがおすすめだ。
たとえば、「200万円ずつ5回に分けて投資する」という方法でもいいだろう。
よりリスクを分散するためには、購入するタイミングを複数回に分散することを意識してみよう。
一括投資の場合は非課税枠を超過する
投資信託はNISA制度の対象となっているが、非課税枠には下記の通り上限額がある。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間非課税枠 | 120万円 | 240万円 |
生涯投資枠 | 1,800万円 (内、成長投資枠は1,200万円まで) |
仮に一括投資する場合は成長投資枠での買付となるが、年間240万円までが非課税の対象となる。
したがって、残りの760万円については課税口座での買付となる。
もし、1,000万円全額を非課税口座で投資したい場合は、数年に分けて非課税枠を利用する必要がある。
「成長投資枠で5年に分けて投資する」「つみたて投資枠と成長投資枠を併用しながら3年に分けて投資する」など、自分に合った投資方法を探してみよう。
1,000万円で運用する投資信託を見つけるポイント
現在、国内の公募投資信託には約6,000本もの種類がある。
その中から、自分の投資意向に合うファンドを探すのは容易なことではない。
購入する投資信託を探すときは、次の4つのポイントを比較するようにしたい。
- 投資対象
- 運用方法
- 運用コスト
- 運用実績
それぞれくわしく解説していこう。
投資対象
投資信託には、主に次のような投資対象がある。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 国内REIT
- 先進国REIT
- 新興国REIT
投資対象によって、得られるリターンやリスクの大きさが異なる。
たとえば、「あまり大きなリスクを負いたくない」という人は、国内債券や先進国債券を中心に投資するのがよいだろう。
反対に「積極的にリスクを取ってリターンを追求したい」という人は、先進国株式や新興国株式を多めに組み入れる方法がある。
まずは、自分のリスク許容度を明確にしたうえで、それに見合う投資先を選定するようにしよう。
運用方法
投資信託には、主に下記2種類の運用方法がある。
インデックス運用 | 目標とする指数(ベンチマーク)に連動する運用を目指す |
---|---|
アクティブ運用 | 目標とする指数を上回る運用を目指す ベンチマークを設定しないファンドもある |
インデックス運用ではベンチマークに採用されている銘柄を組み入れて運用するため、銘柄選定などの手間がかからず、運用コストが安いメリットがある。
ただし、運用成果についてはベンチマーク以上のリターンを期待することはできない。
一方、アクティブ運用の場合、ファンドマネージャーの腕によっては大きなリターンを狙うことも可能だ。
しかし、その分運用コストが高くなりやすい点は注意する必要がある。
インデックス運用とアクティブ運用にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、よく特徴を理解したうえで投資先を選定するようにしよう。
運用コスト
投資信託には、主に次の3つのコストがかかる。
- 購入時手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
特に注意したいのが信託報酬についてである。
信託報酬とはファンドの運用・管理に対して発生するコストで、ファンドを保有する限りかかり続けるコストである。
信託報酬はファンドごとに設定されているため、同じ指数をベンチマークとするファンド同士であっても、信託報酬が異なることがある。
投資先を選定するときは類似するファンドをいくつか比較して、どれくらいの手数料がかかるか必ずチェックするようにしよう。
運用実績
投資信託を選定するときは、運用実績についても必ず確認しておきたい。
特にアクティブファンドの場合は、過去のリーマンショックやコロナショックなど、大きな変動要因が起きた前後は注視したい。
基準価額がすぐに回復している場合や、それほど大きく値下がりしていない場合は、ファンドマネージャーの手腕が優れている可能性がある。
また、ファンドの純資産総額も確認したいポイントだ。純資産総額とは、ファンドの規模を示す指標のひとつである。
純資産総額が大きいファンドはより多くの資金が集まっており、安定した運用が行える環境が整っているといえる。
反対に、純資産総額が小さいファンドは、市況によっては繰り上げ償還などが行われる可能性がある。
投資信託を選定するときは、なるべく純資産総額が大きいファンドを選ぶようにしよう。
1,000万円で投資信託を運用するなら誰に相談するべき?
投資信託での運用に取り組む際は、金融のプロであるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談することがおすすめだ。
ここからは、IFAへ相談するメリットや、相談先の探し方について紹介していこう。
投資信託の運用はIFAに相談しよう
近年、新たな資産運用の相談先としてIFAが注目されている。
IFAとは金融アドバイザーで、特定の金融機関に所属していないことが特徴だ。
IFAへ相談するメリットとして、「顧客目線に立ったアドバイスをくれる」という点が挙げられる。
IFAは金融機関から独立した存在であるため、金融機関の営業方針や営業ノルマに影響されずにアドバイスを行うことができる。
顧客の投資意向や投資経験などをしっかりとヒアリングしたうえで、それに見合う投資信託を紹介してくれるので、投資経験が浅い人でも安心だ。
「プロの意見を聞いてみたい」
「自分でファンドを選定する自信がない」
という人は、IFAへ相談することを検討してみよう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」が便利
IFAはそれぞれメインの顧客層や得意な相談分野、取扱商品が異なる。
自分のニーズに合ったIFAを探すためには、IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用することがおすすめだ。
「資産運用ナビ」は、いくつかの質問に答えるだけで相性の良いIFAを紹介してもらうことができる。
面談前にはIFAの経歴や得意分野も確認できるので、安心して面談に進むことが可能だ。
検索サービスは無料で利用できるので、ぜひ気軽に活用してみよう。
1,000万円で投資信託を運用しよう
1,000万円を投資信託で運用する際は、自分の投資意向に合ったファンドを選定することが重要だ。
まずは投資意向やリスク許容度を明確にしたうえで、投資先を探すようにしよう。
また、投資先の選定に悩むときは金融のプロであるIFAへ相談することもおすすめだ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、相性の良いIFAを探してみよう。