- 50代におすすめの投資信託を中心とするポートフォリオが知りたい
- ポートフォリオを組む手順が知りたい
- 投資信託の運用を成功させたい
50代を境に資産運用の第一歩として、投資信託を検討する人も多い。
投資信託(ファンド)とは、投資家から集めた資金を一つにまとめた上で、運用の専門家が投資・運用するという仕組みの金融商品だ。
分散投資が強みの投資信託だが、複数の投資信託を組み合わせる場合どのような配分がよいのだろうか。
適切な資産配分を見極めたいものの、ポートフォリオの作成に悩むこともあるだろう。
この記事では、投資信託を軸としたポートフォリオ作りの手順やコツについて解説する。
50代は金融資本が潤沢にあり、資産運用の取り組み方次第で資産を拡大させる可能性が大きい世代である。
運用ニーズ別のポートフォリオ例も紹介するので、自分にあった運用バランスのヒントにしてほしい。
資産組み合わせの知識を身につけ、自分の目的やライフスタイルに合ったポートフォリオを作成し、投資信託での運用の効果を最大化しよう。
投資信託は何歳から始めたらよいかについての記事も、より詳しく知りたい方はチェックしてほしい。
ポートフォリオ作成前に知っておきたい!50代が投資信託を運用するポイント
投資信託の運用は専門家が行ってくれるものの、商品の選択や組み合わせは、自分自身で行う必要がある。
そのため、投資信託の知識やコツは知っておくべきだ。
まずは、50代が投資信託を成功させる上で重要なポイントを確認しよう。
分散投資が重要
投資信託では、2つの分散投資を意識してほしい。
1つ目は、投資種類や地域を分ける「資産分散」だ。
収益を上げる投資のためには、成長しそうな資産だけを選びたくなるが、常に収益を出し続ける資産というのは存在しない。
むしろ1つの運用商品に集中させると、損失時に資産全体に大きなダメージを及ぼしてしまう。
投資先は複数に分け、値下がりの影響を分散させることが重要となる。
リスク分散を検討するのが難しい場合は、バランス型の投資信託を選ぶと良い。
バランス型の投資信託は、投資種類や投資先が複数組み込まれており、1つの商品で自然と分散投資が叶う。
2つ目は購入のタイミングを分ける「時間分散」だ。
投資では相場観を持つことが重要であるが、買いや売りのタイミングを見計らうことは非常に難しい。
そこで、投資信託の強みである積立投資を活用し、購入のタイミング時期を分散させる。
定期的に一定の金額を買い付けることで、高値掴みを回避できる。
結果的に購入単価を平均化し、リスク軽減につながるのだ。
定年後を見越した長期目線で運用計画を立てるべき
運用のプロが介入し複数の投資先に分散されている投資信託は、リスクが抑えられている分、リターンもじっくりと積み上がるものが多い。
したがって短期的な利益を目指すのではなく、時間をかけて運用を行うことが大切だ。
値動きに一喜一憂し売買することは避け、5年10年の時間軸で資産が成長していく視点を持っておこう。
短期的には損失が出ることもある。
しかし、投資の基本的な考え方として、投資対象となる企業や国は成長を目指すことから将来的には値上がりする傾向がある。
なお、投資は定年で終わりと考える必要はない。
リタイア後の収入予想と将来かかる費用を明確にすれば、老後も一定額の運用を続けられる。
そのように考えると50代であっても15年、20年スパンの長期的な運用が可能だ。
リスク管理を徹底するべき
50代は資産を拡大させやすい一方で、マイナスを出してしまうと、収入増加で取り戻すことが難しい。
損失が、そのまま生活にはね返ってくるおそれもあり、過度なリスクを取らないよう管理を徹底しなければならない。
投資信託のリスク度合いは千差万別だ。その中から自身の資産状況やリスク許容度に応じて、適切に選ぶ必要がある。
膨大な銘柄の中から最適な商品を選択するには、ポートフォリオが重要な役割を果たす。
資産配分を決めると、適切なリターンとリスク度合いの商品を選びやすくなるという効果があり、安全に目標を達成しやすい投資が叶う。
リスク管理が重要な50代にとって、ポートフォリオは効果的な運用ができる大切なものだ。
その重要度を意識し、慎重に作成してほしい。
投資信託以外にも応用できる!50代が自分に合ったポートフォリオを作る方法
投資ニーズに適したポートフォリオの作成手順を見ていこう。
商品の決定まで3つのステップに分けて解説する。
リスク許容度や余剰資金額を元に運用方針を決める
リスク許容度とは、どの程度の損失なら受け入れるかといった度合いを表す。
年収・資産・家族構成などを元に設定していくが、投資の経験や不安度など心理的な面も考慮し、見積もっていく。
特に50代は労働収入が今後減少することから、正しく設定しないと、想定以上の損失発生時に生活に影響を及ぼしかねない。
リスクの解明度を上げて見極めてほしい。
次に、現在の貯蓄からどれくらい運用に回せるのかを把握する。
運用資金は、損失が出ても差支えがないよう生活資金と緊急資金を差し引いた余剰資金を用いる。
緊急資金は生活費の1年分、最低でも半年分確保しておきたい。
リスク許容度と投資可能額が明確になれば、次の運用方針を定めよう。
- 目標利回り
- 用いる投資手法
- 損失時の対応
- 資産バランスを見直すタイミング
資産クラスをバランスよく組み合わせる
続いて、組み入れる金融資産の種類と配分を調整しよう。
リスクとリターンの関係は、次の順に大きくなっている。
- 投資対象商品
- 預貯金<債券<株式
- 投資対象地域
- 国内<先進国<新興国
運用方針で定めたリスク・リターンの大きさと、目標利回りに応じて選択してほしい。
また、資産の組み合わせは互いの損失を補い合えるよう、値動きが異なるものを選びたい。
例えば、株式と債券、国内投資と海外投資などの組み合わせが考えられる。
各資産の割合は、リスクとリターンの度合いに応じて調整する。
過度にリスクを取りたくないなら債券の配分を多めにし、利益を追求するなら株式の配分を多くする。
もしくは、投資先を国内中心にして安定的な運用をする、国外を増やし積極的に成果を目指すことも考えられる。
なお、これから投資する資産だけではなく、現在保有している資産とのバランスも考慮することも大切だ。
具体的な金融商品を選ぶ
最後に、資産ごとに対象となるファンドを選び、当てはめていく。
ファンドの特徴については、商品資料や目論見書に記載されている。
同じ資産クラス同士で比較し、慎重に検討していこう。
ファンドの確認事項は、次の通りだ。
- 投資対象
- 投資種類と投資先それぞれの配分を見る
- 投資方針
- インデックス運用かアクティブ運用かなどを確認する
- 過去の運用実績
- 過去の値動きの実績をもとに平均リターンとリスクの割合を算出する
- 純資産額
- 運用規模が大きく、安定的に長期運用できそうか確認する
- 手数料
- 信託報酬は保有している限り発生するため、長く運用すると大きなコストになりかねないため注意する
出来上がったポートフォリオは、自身のリスク許容度と目標利回りから離れていないか最終確認を行いたい。
なお、弊社が投資信託を運用している50代を対象に実施したアンケートでは、おすすめの投資信託として「インデックスファンド」が圧倒的な支持を得ていた。
投資先に悩んだ際は、運用実績が安定しており、低コストで投資できるインデックスファンドを選ぶのもおすすめだ。
50代におすすめの投資信託を活用したポートフォリオ
50代に適したポートフォリオ例を運用ニーズ別に紹介する。
3つのポートフォリオはあくまで例であるため、参考にしながら自分に合った配分を考えてほしい。
リスクを抑えた安定運用
運用ニーズ | 元本割れは避けたい、損失をできるだけ抑えたい |
---|---|
目標利回り | 3%未満 |
- 債券ファンド(国内債券)
- 60%
- バランスファンド(資産均等型)
- 40%
ローリスク・ローリターンでも、長期的な物価上昇を考えると利回り2〜3%を目指すのが理想的だ。
株式などと比べて値動きが小さく、安定的に資産を形成できる債券多めのポートフォリオとした。
ただ、債券だけでは目標利回りに届かない可能性が高いため、バランスファンドも組み入れている。
バランスファンドとは、国内外の株式や債券、RIET(不動産)、金など複数の資産や投資先をバランス良く組み合わせた商品だ。
1つのファンドで分散投資ができ、リスクを軽減できることから、安定した運用を望む場合に活用したい。
リスクとリターンのバランス重視
運用ニーズ | 大きな損失はしたくないが、ある程度のリターンも狙いたい |
---|---|
目標利回り | 3~5% |
- インデックスファンド(日本株式)
- 30%
- インデックスファンド(外国株式)
- 30%
- バランスファンド(資産均等型)
- 20%
- バランスファンド(全世界投資型)
- 20%
インデックスファンドは、日経平均株価やアメリカの株式市場を示すS&P500のような経済指数と同じ値動きを目指し運用される。
比較的安定している国内インデックスファンドと成長性の高い外国インデックスファンドを組み合わせてバランスを取れたポートフォリオとした。
インデックスファンドは、運用時の調査費用や人件費を抑えられ、手数料が安く設定されているため長期運用にも向いている。
また、値動きが投資先の企業や経済情報と関連することが多く、新聞やニュース、インターネットなどで情報収集がしやすい。
マーケットの良い・悪いを体感しながら投資感覚を養うこともできる。
その他にも、分散投資のためにバランスファンドを取り入れた。
積極運用によるリターン追求
運用ニーズ | 大きな利益を狙いたい、本格的に投資をしたい |
---|---|
目標利回り | 5%以上 |
- アクティブ型ファンド(成長株式)
- 40%
- アクティブ型ファンド(テーマ型)
- 30%
- インデックスファンド(国内株式)
- 15%
- インデックスファンド(外国株式)
- 15%
経済指標を上回る成果を目指すアクティブ型ファンドを主軸とし、積極的な運用を行う組み合わせとした。
アクティブ型ファンドは、通貨変動を活用した「通貨選択型」や、成長性に期待する「新興国型」などが選択肢となる。
ITやSDGsなどのテーマファンドも大きな成長性を秘めているため、自身が興味をもった見込みのある分野に投資するのも良いだろう。
どちらもダイナミックな運用で経験を積みながら、資産が増える楽しみを味わえる。
ただし、すべてをハイリスク銘柄にするのではなく、ミドルリスクの商品も組み合わせてリスク低減を図っておきたい。
投資信託を活用した50代におすすめのポートフォリオが知りたいなら誰に相談するべき?
分散投資のポートフォリオ作りに悩んだ時は、資産運用のアドバイザーを活用する方法もある。
ここでは運用の専門家を頼る意義や、相談先として検討したいIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)について解説する。
投資信託を活用した資産運用における専門家の重要性
世の中には投資に関する情報があふれているが、その中から自分にとって適切な情報を選び取るのは難しい。
情報収集が自己流であれば、最適な選択ができているのか確証も持ちにくいだろう。
また、投資信託には複数の資産が組み込まれていることから、各資産の市場を理解し値動きを追う必要が出てくる。
日々忙しく仕事や生活の雑務をこなしながら、投資信託を組み合わせ、定期的なチェックや分析を行うのは、なかなか大変だ。
運用に不安を感じる、投資にあまり時間を割けない場合、専門家の力を頼ると良い。
資産運用のプロは、ポートフォリオ構築から商品選定、その後の管理まで、個人が取り組むのに困難な作業を代行しサポートしてくれる。
投資信託の運用に対する不安を解消し、効果的な計画とともに始めることができる。
IFAの役割とメリット
IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)は、専門的な金融知識を身につけた資産管理のプロだ。
銀行や証券会社での経験を活かし、顧客資産のコンサルティングや助言を行っている。
特定の金融機関に所属していないため、営業ノルマや販売企画のしがらみなどがない。
無理な勧誘や会社都合の商品提案などがなく、中立的な目線からの投資助言を行っている。
ポートフォリオの作成についても、客観的な分析を得意としている。
自己判断では気付きにくい本当のリスク許容度を探りながら最適なバランスを作成できる。
運用開始後のフォローも手厚い。
IFAは、一般的な金融機関とは異なり異動や転勤がなく、同じ担当者が対応する。
長きに渡って信頼関係を築き、個々の事情を熟知してもらえるのは、投資信託の運用だけではなく、子どもの独立や定年など今後のライフステージの変化においても心強い。
IFAは、50代の資産管理を支える最適なパートナーであると言える。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法
IFAを選ぶ際は、今後の資産管理を考え、退職金運用や不動産購入、相続など、幅広い領域に対応できる相談実績が多いIFAが良いだろう。
「資産運用ナビ」はあなたに最適な担当者を検索できるプラットフォームだ。
希望条件を入力するだけで、全国のデータベースから最適な担当者が提案される。
経歴や投資方針、得意領域などのプロフィールを確認し、気になれば、相談依頼ができる仕組みだ。
IFAとの初回相談は無料で、相性の良いIFAが見つかるまで妥協せずに探すこともできる。
資産運用のパートナー探しのツールとして、活用してみてはいかがだろうか。
50代はポートフォリオに投資信託を取り入れよう
本記事では、50代の最適なポートフォリオの作り方について投資信託を中心に解説した。
ポートフォリオは、投資を成功へと導く羅針盤のような存在だ。
疑問や不安は妥協せず解消し、納得のいくものを作り上げてほしい。
投資信託をメインとしたポートフォリオの一例も紹介し、具体的な運用例も紹介したが、その最適解は個人により異なる。
ポートフォリオ作りに悩んだときは、専門家からアドバイスを受けることを推奨する。
特にIFAは、中立的な立場から最適なアドバイスを提供してくれる。
運用開始後のサポートも手厚く頼れる存在だ。
投資信託の運用をきっかけに、あなたの味方になり守ってくれるお金の相談相手を持ってみてはいかがだろうか。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、自身の投資とポートフォリオについてIFAと共に考える時間を設けてみてほしい。