- 株式型クラウドファンディングの基本的情報を知りたい
- 株式型クラウドファンディングのメリットとデメリットを知りたい
- 株式型クラウドファンディングは資産運用として活用できるのか知りたい
株式投資型クラウドファンディングは、未上場の企業の株式を取得できる金融商品だ。まだ日本では馴染みのない金融商品だが、税制上でのメリットもある。
本記事では、株式投資型クラウドファンディングの仕組みやメリット・デメリットについて解説していく。
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株式投資型クラウドファンディングとは?
株式投資型クラウドファンディングとは、未上場の企業へ出資し、リターンとしてその企業の株式を取得できるものだ。
日本では、設立から間もないベンチャー企業へ資金を供給することを目的に2015年から取り扱いがスタートしている。
クラウドファンディングというと、商品やサービスなどのリターンを受け取るものをイメージしがちだが、中には株式投資型クラウドファンディングのように金融商品に該当するものもある。
株式投資型クラウドファンディングは、日本証券業協会の統計によると2022年は77件が成立し、約8億8,700万円もの資金が投資された。
まだそれほど知名度のある金融商品ではないものの、募集件数や応募金額はおよそ右肩上がりに増加している状況だ。
株式投資型クラウドファンディングのメリット
株式投資型クラウドファンディングには、主に次の3つのメリットがある。
- 未上場の企業の株式を取得できる
- 株主優待や配当が受けられる
- エンジェル税制が適用される
それぞれ詳しく解説していこう。
未上場の企業の株式を取得できる
株式投資型クラウドファンディングの投資対象となるのは、株式市場に上場していない企業である。
一般的に「株式投資」というとすでに上場している企業の株式が対象となるが、株式投資型クラウドファンディングでは、未上場の企業の株式を取得することが可能だ。
そのため、投資の出口はIPOやM&Aなどで上場したタイミングでの売却が考えられる。
投資家は、成長性のある企業に早くから投資しておくことで、大きな利益を狙うことができる。
また、リターンだけでなく、新興企業やベンチャー企業を直接支援できる点も大きなメリットだ。
通常、未上場の企業は株式を取得することが難しいため、外部から支援する手段が限られてしまう。
その点、株式投資型クラウドファンディングでは直接金銭的に支援できるため、企業理念に共感する企業を後押しできる満足感が得られる。
株主優待や配当が受けられる
株式投資型クラウドファンディングで得た株式は、上場株式と同様に株主優待や配当金を受けられる権利がある。
成長性のある企業に投資できるだけでなく、その企業の商品やサービスを体験できるのは、投資家にとって嬉しいポイントだ。
下記は、過去に募集されたプロジェクトの株主優待の一例である。
- 投資先の企業が運営するスマートファーム施設にて、最新鋭の持続可能な農業モデル体験を優待価格で提供(株式会社MOVIMAS)
- 投資先企業の商品(消臭木やまな板)を提供(素朴屋株式会社)
- 発酵した玄米「酵素玄米」を提供(株式会社SmartDeli)
- 毎年12月ごろに「養殖アワビ」「養殖ノリ」「煮貝」セットを発送予定(A’Culture株式会社)
- 自分の名刺や自社パンフレットに、投資先企業のAR技術を登録できる(株式会社プラン)
配当金や株主優待の有無は銘柄によって異なるため、投資先を選定する際は詳細をチェックしておこう。
エンジェル税制が適用される
株式投資型クラウドファンディングでは、「エンジェル税制」が適用されるケースがある。
エンジェル税制とは、ベンチャー企業へ投資することによって税制の優遇を受けられる制度だ。
エンジェル税制には「優遇措置A」と「優遇措置B」があり、詳細は下記の通りである。
優遇内容 | 投資額の上限 | |
優遇措置A | 投資額を総所得から控除 | 総所得の40%もしくは1,000万円のいずれか低い方 |
優遇措置B | 投資額を株式譲渡益から控除 | なし |
エンジェル税制は、所得税や住民税、譲渡益にかかる税金を軽減できる制度であるため、ぜひ積極的に活用したい。
なお、株式投資型クラウドファンディングのすべてでエンジェル税制が適用されるわけではないので、投資の際はエンジェル税制適用の可否を確認しておこう。
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株式投資型クラウドファンディングのデメリット
さまざまなメリットのある株式投資型クラウドファンディングだが、一方で次のようなデメリットもある。
- 好きなタイミングで売買できない
- 上場株式への投資よりリスクが大きい
- 1社につき年間50万円までしか投資できない
それぞれ詳しく確認していこう。
好きなタイミングで売買できない
株式投資型クラウドファンディングで取得するのは未上場の株式であるため、株式市場で売買することができない。
一般的な株式投資では、株価の変動を見ながら値上がり益を狙うことも可能だが、未上場の場合は自分のタイミングで売買することは基本的に不可能だ。
もし売却して現金化したい場合は、自ら株式の買い手を探さなければならないため、上場株式への投資とは全く異なることを理解しておこう。
上場株式への投資よりリスクが大きい
企業が株式市場へ上場する際は、取引所によって決められた厳しい審査基準をクリアする必要がある。
たとえば、東京証券取引所のプライム市場では、「時価総額が250億円以上」「直近2年間の利益の額の総額が 25 億円以上であること」といった条件が定められている。
そのため、上場株式への投資は「一定水準の条件をクリアした銘柄だ」という安心感がある。
一方、未上場の企業では、公認会計士や監査法人による会計監査を受けていないことも多く、上場株式への投資と比較するとリスクが大きくなる。
万が一、投資先の企業が倒産すれば投資した資金がゼロになることもあるため、しっかりとリスクを理解しておくことが大切だ。
1社につき年間50万円までしか投資できない
未上場企業への投資は、「1社につき年間50万円以下」という規制がある。
もし「この企業を応援したいので、なるべく多く出資したい」と思っても、同年中は50万円を超えて投資することはできない。
上場企業の場合はそういった規制がないため、自分の投資意向の範囲内で自由に投資することができる。
多くの金額を投資する予定の人にとっては、年間50万円という制限が「物足りない」と感じることもあるかもしれない。
株式投資型クラウドファンディングの利用はプロへ相談を
株式投資型クラウドファンディングは大きなリターンを狙える一方、その分リスクも大きい金融商品だ。
適切なリスクを取りながら資産運用に取り組むためには、金融の専門家に相談することを検討したい。
最近では、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ資産運用の相談をする人が増えている。
IFAとは、特定の金融機関に所属しない金融アドバイザーのことである。
IFAは営業ノルマがないことから、真に顧客目線でアドバイスしてくれるメリットがある。
株式投資型クラウドファンディングの相談についても、しっかりと投資意向をヒアリングしたうえでアドバイスをくれるため、不安を解消したうえで資産運用に取り組むことが可能だ。
IFAはオンラインでも面談できるので、ぜひ一度気軽に相談してみよう。
株式投資型クラウドファンディングのまとめ
株式投資型クラウドファンディングは未上場の企業の株式を取得できる、比較的新しい金融商品だ。
日本ではまだ広く知られてはいないものの、募集件数や応募金額は年々順調に増加している。
しかし、上場株式への投資に比べてリスクが大きくなることから、投資する際はしっかりとリスクを理解しておくことが大切だ。
適切なリスクコントロールを行うためには、金融のプロであるIFAへ相談することも検討してみよう。
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