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金融型クラウドファンディングの失敗パターンは? 失敗事例と成功するための事例や注意点を紹介

この記事で解決できるお悩み
  • 金融型クラウドファンディングの基本的情報を知りたい
  • 金融型クラウドファンディングの運用事例を知りたい
  • どのように金融型クラウドファンディングを活用していけば良いかわからない

新たな資産運用先として注目を集めている「金融型クラウドファンディング」。株式や投資信託などの分散投資先としても活用可能な金融商品だ。

金融型クラウドファンディングに取り組む際は、過去の運用事例をチェックしておきたい。

本記事では、クラウドファンディングの種類別に過去に募集されたファンドの事例を紹介していく。

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目次

金融型クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは、大きく分けて「融資型」「ファンド型」「金融型」の3種類に分けられる。さらに、金融型については投資先やリターンの内容によって次の4種類がある。

種類概要
融資型プロジェクトを通じて、支援者から起案者へ資金を貸し付けるもの
支援者は貸付金額・期間に応じて利子が受け取れる
ファンド型ファンドへ出資するリターンとして配当金が受け取れる

起案者が営む事業の商品やサービスが付帯されることもある
不動産投資型投資家が出資した資金を元手に不動産投資を行う
不動産投資から得た収益は、分配金として投資家へ還元される
株式投資型未上場の企業へ出資し、その企業の株式を取得できるもの
株主優待や配当金が受けられる銘柄もある

同じクラウドファンディング型の金融商品であっても、どの種類に投資するかで得られるリターンやリスクの内容が異なる。

まずは、自分の投資意向を明確にしたうえで、どの種類が自分に適しているか考えてみよう。

購入型・寄付型クラウドファンディングとの違い

クラウドファンディングには、「購入型」や「寄付型」といった種類がある。

購入型は出資したリターンとしてモノやサービスを受け取れるものだ。一般的にクラウドファンディングと聞くと、この形を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

支援者はオンラインショッピングのような感覚で利用できることから、初めての人でも取り組みやすいメリットがある。

また、寄付型とは購入型のようなリターンがなく、支援者からの寄付で完結するものである。

災害復興や地域活性化、環境保護など社会貢献性の強いものが多く、寄付金控除を受けられる点も特徴だ。

一方、金融型は金融商品のひとつで、定期的に利子や配当金を受けられることが魅力だ。

ただし、他のクラウドファンディングと違って、投資した元本が割れるリスクがあるため、事前に投資リスクについてしっかりと理解しておくことが重要である。

金融型クラウドファンディングでの失敗例

金融型クラウドファンディングでの失敗例 資産運用ナビ

金融型クラウドファンディングはリスクが伴う金融商品であるため、中にはいくつかの失敗例も見られる。

投資する際は、あらかじめ失敗例から対策を学ぶことも重要だ。ここでは、6つの失敗例を紹介していこう。

想定利回りを下回る

利子や配当金を受け取る金融型クラウドファンディングでは、あらかじめ想定利回りが提示されている。

しかし、あくまで想定利回りであるため、実際に得る利回りはそれを下回ることもある。

たとえば、不動産投資型クラウドファンディングでは、投資先物件の家賃収入から分配金を出すが、物件に空室が続いたり、修繕費などのコストがかさんだりした場合は、当初提示された分配金を下回る可能性がある。

金融型クラウドファンディングに投資する際は、分配金が変動するリスクをしっかりと理解しておこう。

元本の返済が遅れる

融資型や不動産投資型、ファンド型のクラウドファンディングでは、あらかじめ運用期間が設定されており、運用期間の満了を迎えると投資した元本が償還される仕組みだ。

しかし、運用状況によっては元本の返済が遅れるリスクがある。

たとえば、融資型クラウドファンディングは支援者から起案者に資金を貸し付けるものだが、事前の想定よりもプロジェクトから収益を得られなかった場合、支援者に資金を返金できない可能性がある。

中には貸し倒れとなり元本が一切返ってこないケースもあるため、リスクの高さは十分理解して取り組むようにしよう。

金融商品取引業の登録がない

金融型クラウドファンディングを取り扱うプラットフォームの運営事業者は、金融商品取引業者として金融庁の認可を受ける必要がある。しかし、残念ながら中には詐欺を目的とした無認可のプラットフォームも存在するため、利用には十分注意したい。

金融商品取引業者として認可を受けている場合は、ホームページにその旨がきちんと記載されているため、投資の際は必ずチェックするようにしよう。

また、金融庁のホームページでも金融商品取引業者が一覧で確認できるので、こちらも併せて確認しておくと安心だ。

金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」

事業者が経営破綻する

金融型クラウドファンディングでは、仲介役であるプラットフォームの運営事業者の破綻によって被るリスクも考慮しなければならない。

もしファンドの運用中に運営事業者が破綻した場合、元本がゼロになることもあるためだ。

金融型クラウドファンディングを利用する際は、投資先の企業だけでなく、プラットフォームの運営事業者の健全性についてもしっかりチェックするようにしよう。

中途解約ができない

融資型や不動産投資型、ファンド型のクラウドファンディングではあらかじめ投資期間が設定されており、原則中途解約ができない。

もし途中で資金が必要となることがあっても現金化することができないため、必ず余裕資金で取り組むことが大切だ。

中には運用期間が短いファンドもあるため、「中途解約できないことが不安」と感じる場合は短期ファンドからチャレンジしてみるとよいだろう。

自然災害による被災

不動産投資型クラウドファンディングに投資する際は、自然災害のリスクも考慮しておきたい。

もし自然災害によって投資先の物件が被災した場合、修繕に費用がかかるなど当初の運用プランに変更が生じる可能性がある。

どうしても自然災害のリスクをゼロにすることはできないものの、「事前にハザードマップを確認しておく」「投資先のエリアを分散する」といった対策を講じることがおすすめだ。

金融型クラウドファンディングの成功例紹介

金融型クラウドファンディングの成功例紹介 資産運用ナビ

金融型クラウドファンディングの大手サイト「Bankers」では、過去の運用実績をすべて公開している。2023年7月26日現在の運用実績の詳細は下記の通りだ。

運用総額
(累計)
258億1,318万円
運用中元本
(償還繰越金含む)
153億6,303万円
償還済み元本
(累計)
104億5,014万円
分配金総額1億9,536万円
平均運用期間
(実績)
約7.0ヶ月
正常償還率100%
出典:Bankers「ファンド実績」

Bankersでは約104億円を償還しており、正常償還率は100%となっている。その中には利回りが5%を超えるファンドもあり、ハイリターンでの運用に成功していることが分かる。

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ファンド名予定運用期間予定分配率(年利)分配実績(年利)
サービサー事業支援ファンド第1号約12ヶ月6.0%6.0%
サービサー事業支援ファンド第1-2号約12ヶ月5.5%5.5%
フィンテック決済サービス事業支援ファンド第2-2号約12ヶ月4.0%6.0%
フィンテック決済サービス事業支援ファンド第2-3号約12ヶ月4.0%6.57%
不動産開発事業支援ファンド第4号約6ヶ月3.67%6.2%
出典:Bankers「ファンド実績」

上記の成功例の中には、当初の想定利回りを上回る分配が行われたケースもある。

このようなファンドを見つけるためには、どのような点に注意すればよいのだろうか。次章でくわしく解説していこう。

金融型クラウドファンディングで成功するためのポイント

金融型クラウドファンディングで成功するためのポイント 資産運用ナビ

金融型クラウドファンディングへの投資で成功するためには、次のようなポイントに気を付けたい。

  • 少額投資から始める
  • 募集方式を確認する
  • リスクを検証する
  • 情報が少ないファンドは避ける
  • 運営事業者の財務状況を調べる
  • 金融商品取引業者の認可を確認する

それぞれ詳しく解説していこう。

少額投資から始める

金融型クラウドファンディングの最低投資金額はプラットフォームによって異なるが、中には1万円から投資できるところもある。

初めて金融型クラウドファンディングに取り組む際は、少額投資から始めてまずは商品性や投資の流れを掴むようにしよう。

利回りが高いファンドにはまとまった資金を投資したくなるかもしれないが、ファンドの運用状況によっては元本を割る可能性もある。

いきなり大きな損失を抱えてしまっては、その後資産運用に取り組む余裕も持てないかもしれない。

最初はいきなり高いリターンを狙うのではなく、金融型クラウドファンディングへの投資に慣れることを目的にしよう。

募集方式を確認する

金融型クラウドファンディングの募集方式には、「先着方式」と「抽選方式」の2種類がある。

募集方式が先着方式の場合は注意が必要だ。利回りが高いファンドなど人気のあるファンドの場合は、募集開始からすぐに募集金額の上限に達することがあるためだ。

中には、1分1秒で明暗が分かれるケースもあるため、投資したいファンドが決まったら募集方式と募集スケジュールを必ずチェックしておこう。

リスクを検証する

金融型クラウドファンディングには元本保証がないため、投資する前は必ずリスクを検証する必要がある。

たとえば、不動産投資型クラウドファンディングに投資する場合は、立地条件や耐震性なども運用に影響を与えるポイントだ。

もし立地が悪く空室が続けば、当初の想定利回りを下回ることも十分考えられる。

また、不動産の場合は災害によって修繕費が発生するケースもある。災害による損害は事前に想定ができないものの、建物の耐震性や周辺のハザードマップなどは必ず確認しておこう。

各ファンドが抱えるリスクについては、ファンドの紹介ページに記載されているため、きちんと目を通しておくことが大切だ。

情報が少ないファンドは避ける

投資に適したファンドかどうかを判断するためには、投資先企業の財務状況や運用手法、これまでの運用実績など、複数の情報を勘案して検討する必要がある。

しかし、中には悪意を持って必要な情報を公開していないケースもあるため注意が必要だ。

高利回りの魅力的なファンドがあっても、掲載されている情報が少なければ、意図的に情報を隠していることも考えられる。

そのようなファンドに投資してしまうと、元本が割れるだけでなく、投資した資金がゼロになる可能性もある。

投資先を選定する際は、掲載されている情報が少ないファンドを避けることが賢明だ。

運営事業者の財務状況を調べる

金融型クラウドファンディングには、仲介役となる運営事業者が倒産するリスクもある。

たとえば、融資型クラウドファンディングでは、投資家と貸付先企業の間を運営事業者が仲介してくれるが、万が一この運営事業者が倒産した場合は貸し付けた資金が返ってこない可能性がある。

融資型クラウドファンディングへ投資する際は、貸付先の企業だけでなく、運営事業者の財務状況を調べておくことも大切だ。

もし赤字決算が続いていたり、債務超過となっている場合は破綻リスクが高いといえる。

財務状況については「有価証券報告書」や「決算短信」などですぐに確認できるので、投資する前には必ず直近分の資料をチェックしておこう。

金融商品取引業者の認可を確認する

金融型クラウドファンディングは金融商品に該当するため、プラットフォームを運営する事業者は金融庁から「金融商品取引業者」の認可を受ける必要がある。

しかし、中には少数ながら詐欺を目的とした無認可のプラットフォームもあるため注意したい。

認可を受けている事業者は、公式サイトにその旨が記載されているので、必ず認可があることを確認しておこう。

また、認可を受けている事業者は、金融庁のホームページで確認することも可能だ。

金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」

こちらも併せて目を通しておくようにしよう。

【種類別】金融型クラウドファンディングでの運用事例

【種類別】金融型クラウドファンディングでの運用事例 資産運用ナビ

「金融型クラウドファンディング」といっても、どのような金融商品かピンとこない人も多いかもしれない。

金融型クラウドファンディングへ投資をする際は、実際に募集された過去のファンドの事例を見て商品性を理解することが大切だ。

ここからは、金融型クラウドファンディングの運用事例を商品別に紹介していこう。

融資型クラウドファンディングの運用事例

ファンド名サービサー事業支援ファンド第1-6号
プラットフォームBankers
利回り4.0%
最低投資金額1万円
募集金額2,000万円
運用期間6ヶ月

上記ファンドはBankersで募集されたもので、債権回収会社(サービサー)への融資を目的に立ち上げられたファンドだ。

利回りは4%と特別高いわけではないものの、1万円から気軽に投資できる点は魅力のひとつである。また、運用期間も6ヶ月と短期運用のファンドであるため、「株式投資の待機資金を一時運用する」など幅広く活用することも可能だ。

なお、本ファンドは既に運用期間を終了しており、無事に投資家へ元本が償還されている。

融資型クラウドファンディングの運用事例

ファンド名五常・アンド・カンパニー マイクロファイナンスファンド#1
プラットフォームfunds
利回り2.5%
最低投資金額1円
募集金額2億円
運用期間約12ヶ月

本ファンドは、新興国で小口金融サービスを展開する企業への融資を目的に立ち上げられたものである。募集金額2億円の大型ファンドであったが、満額の資金調達に成功している。

金融型クラウドファンディングの魅力のひとつとして、投資を通じて社会貢献ができることが挙げられる。

本ファンドの借り手企業は新興国で小口金融サービスを展開しており、金融インフラが整っていない新興国にとっては重要な生活の支えとなっている。

「出資した資金を社会のために役立ててほしい」という思いがある人は、貸付先企業の事業内容から投資先を選定するのもよいだろう。

不動産投資型クラウドファンディングの運用事例

ファンド名RENOSY キャピタル重視型 第12号ファンド
プラットフォームRENOSYクラウドファンディング
利回り6.4%
最低投資金額1万円
募集金額1,840万円
運用期間3ヶ月

本ファンドは、東京都新宿区のワンルーム物件への投資を目的に立ち上げられたファンドである。投資期間は3ヶ月と短いものの、利回り6.4%は魅力的な水準だ。

また、現物の不動産投資の場合は、金融機関での借入によって資金調達を行うことが一般的だが、クラウドファンディングでは1万円から取り組めることもメリットである。

本ファンドも最低投資金額が1万円となっているため、不動産投資の経験がない人でも気軽に取り組みやすい。

現物の不動産投資の勉強として、クラウドファンディングから始めてみるのもよいだろう。

ファンド型クラウドファンディングの運用事例

ファンド名家具の循環型社会づくり応援ファンド
プラットフォームSony Bank GATE
利回り3.0%
最低投資金額5万円
募集金額5,000万円
運用期間8ヶ月

本ファンドは、家具のサブスクリプションサービスを展開する企業への出資を目的としている。

ファンド型クラウドファンディングでは、金銭的なリターンとは別に自社製品やサービスを受けられることも魅力だ。

本ファンドでは、出資口数に応じて自社サービスであるサブスクサービスの割引クーポンが付帯されていた。

「株主優待のような楽しみが欲しい」という人は、ファンド型クラウドファンディングへの投資を検討してみよう。

株式投資型クラウドファンディングの運用事例

株式投資型クラウドファンディングでは、これまでの金融型クラウドファンディングと違って運用期間が定められていない。

一般的には、IPOによって株式市場で売買できるようになるか、M&Aによって株式を買収されるかを待つこととなる。

最終的にどれくらいのリターンを得られるかは銘柄によって異なるが、株式投資型クラウドファンディングのプラットフォーム「FUNDINNO」では、次のような成功事例が紹介されている。

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企業名投資回収方法回収までの期間リターン
株式会社ハーバルアイ
(旧社名株式会社漢方生薬研究所)
事業会社による一部買付1年5ヶ月1.5倍
株式会社nommoc事業会社による一部買付1年9ヶ月1.5倍
社名非公開ファンドからの買付1年3ヶ月1.2倍
社名非公開ファンドからの買付2年11ヶ月1.3倍
社名非公開自社による買取4年7ヶ月1.57倍
出典:FUNDINNO「数字でわかるFUNDINNO」

中には、約1年半で1.5倍のリターンを得られた例もあり、事業の成長性によっては大きなリターンを狙うことが可能だ。

もちろんすぐに売却やIPOが決まるわけではないが、その間も株主優待や配当金が受け取れる銘柄もあるため、保有中も投資の楽しみを感じられるメリットがある。

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金融型クラウドファンディングの活用はプロへ相談を

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金融型クラウドファンディングにはさまざまな種類があり、得られるリターンやリスクの内容も多種多様だ。

中には少額から投資できるものもあるため、初心者でも気軽に取り組みやすいメリットがある。

しかし、商品によっては高リスクのものもあるため、投資の際はきちんとリスクの検証を行いたい。
中には、ハイリスクの商品もあるため、投資リスクについてはしっかりと理解しておくことが大切だ。

自分の投資意向に合った商品を選定するためには、金融のプロに相談することもおすすめだ。

株式投資や投資信託の分散投資先にもなるため、ぜひポートフォリオに加えることを検討してみよう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
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・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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