- ETF投資のデメリットを理解したい
- リスクを最小限に抑える方法を知りたい
- 専門的な情報に基づいた知識を身に付けたい
手軽に始められる分散投資として人気があるETFだが、魅力的な面ばかりではなく、当然ながらデメリットもある。
ETF投資を考えている人の中には、同時にETF投資のデメリットが気になっている人も多いだろう。
実際、ETFには2つのデメリットがあり、これらを知ることでETF投資のリスクを抑えることはできる。
この記事では、ETF投資の基本やリスク、そしてリスクを軽減するポイントについて具体的に解説する。
ぜひ本記事を参考にし、ETF投資のリスクを回避するためのノウハウを身につけよう。
ETF投資のデメリットとは
ETFは投資初心者にとっても取り組みやすい投資法であるが、デメリットもある。
まずはこの章で、主な3つのデメリットを理解することから始めよう。
銘柄が限定的である
ETFは、投資信託や国内株式に比べると銘柄が限られている。
投資先の選択肢が比較的少ない点はデメリットと言えるだろう。
例えば、国内で購入できる公募投資信託は約6,000本、国内の上場株式は約4,000銘柄となっている。
一方、東京証券取引所に上場しているETF銘柄はおよそ300銘柄であるため、投資信託や株式に比べて銘柄数はかなり少ない。
豊富な選択肢から投資先を選びたい方は、投資信託や国内株式への投資がおすすめだ。
流動性リスク
ETFは市場で取引されるため、需要と供給のバランスによって価格が成立する。
取引が少ないETFの場合、売買が成立しなかったり、希望通りの価格で取引できなかったりする可能性があるため注意が必要だ。
一般的には、売買高や売買代金が少ない銘柄は流動性が低く、思うような価格で取引できない可能性がある。
同じ指数を対象としたETFであっても売買高・売買代金の違いによって流動性に差が生まれる。
ETFを取引する場合は、事前に売買高や売買代金も確認しておくと良いだろう。
自動積立投資ができない場合がある
証券会社によっては、毎月一定額の株式を買い付ける「るいとう(株式累積投資)」にETF銘柄が組み込まれているケースがあるため自動積立ができる。
しかし対応している証券会社は対面型証券に限られ、利用できる銘柄も一部に限定されている。
このように、ETFはほとんどの証券会社で自動積立サービスが提供されていない。
毎回自分で売買手続きをしなければならない点もETFのデメリットだ。
また、分配金が自動で再投資できない点もデメリットのひとつだ。
投資信託のように「分配金なし」にして自動的に分配金を再投資してくれる仕組みがないため、受け取った分配金を自分で買い付けに回さなければならない。
積立投資や分配金の再投資を自分で手続きするのが面倒に感じる方にとっては、ETFはあまり向いていないと言えるだろう。
ETFのデメリットを軽減するポイント
続けてこの章では、ETFのデメリットを軽減するための4点のポイントについて解説する。
デメリットを軽減することで安定したETF投資を目指していこう。
市場の流動性への対策
ETFには市場の流動性を緩和するためにマーケットメイク制度が導入されている。
マーケットメイク制度とは、「マーケットメイカー」と呼ばれる専門の業者が買い注文と売り注文を出し続けて取引を成立しやすくする制度のことだ。
前述の通り、売買が少ないETF銘柄は取引が成立しなかったり、希望通りの価格で売買できなかったりするケースがある。
しかしマーケットメイカーが常に注文を出し続けることで取引が成立しやすくなり、流動性リスクが軽減できる。
米国ではマーケットメイク制度がすでに活用されており、日本でも制度の活用が進み始めている。
今後さらに制度が拡大していけばETFの流動性リスクの軽減が期待できるため、制度に注目しながらETFに投資しよう。
投資信託を組み入れる
ETFの銘柄は300ほどであるのに対し、投資信託の銘柄は6,000以上もある。
より多くの選択肢がある投資信託を活用することで分散投資を実行し、リスクを回避することができる。
また、ETFは需要と供給のバランスによって市場価格が決定されるため、当初想定していた価額と乖離した急激な値動きとなるケースがある。
1日に1回基準価額が決まる投資信託も
組み入れることで、急激な値動きによるリスクを回避することも視野に入れよう。
分散投資の実行
ETFを効果的に運用するポイントとして分散投資の実行が挙げられる。
投資先の地域やセクターを分散させることで、特定の市場・セクターに左右されるリスクを低減できるのだ。
例えば金融セクターは景気の悪化や金利の低下などが起きると、株価が下落しやすい。
金融セクターのETFに集中投資した場合、景気の悪化や金利低下によるダメージを大きく受けてしまう。
ハイテク株やエネルギー株、ヘルスケア株などに分散させておくことで、景気や金利の変動による影響を軽減させられる。
また、投資対象が日本に限定されてしまうと、日本国内の経済状況に左右されてしまう。
米国やヨーロッパ、アジア諸国などのさまざまな地域に分散投資を行い、特定の地域の経済状況に影響を受けにくいポートフォリオを構築すると良い。
手数料が低いETFを選ぶ
ETFは購入時と売却時、保有期間中に手数料が発生する。
また、海外ETFの場合は日本円と外貨を交換するための為替手数料も必要となる。
ETFを選ぶ際は手数料がなるべく安いものを選ぼう。
特に、保有期間中に支払う「信託報酬」が高いと、場合によっては得られるリターンよりも信託報酬の方が多くなってしまうケースもある。
せっかく運用で得られたリターンが、手数料によって相殺されてしまうというパターンだ。
同じ指数を対象にしたETFでも信託報酬に差があるケースも少なくない。
できる限り信託報酬が安いETFを選び、効率良くリターンを狙いに行こう。
ETF投資のデメリットであるリスクとその対策法
投資である以上、ETFにもリスクが存在する。
この章では、価格変動リスク、価格乖離リスク、そして上場廃止リスクの3つのリスクの内容とその対策について解説する。
価格変動リスク
ETFは、株式のように東京証券取引所などの市場で自由に売買ができる。
取引時間内であればリアルタイムで値動きをするため、思いもよらぬ価格変動をすることもある。
市場における需給バランスがETFの価格にもダイレクトに反映され、想定した価格で売買ができない可能性があることは認識しておこう。
また、元本は保証されていないため、元本割れを起こして損失が出るリスクもある。
ETFは、複数の銘柄を組み合わせた分散投資によるリスク分散の効果があるが、投資対象は経済情勢の影響を受けるため、基準価格の変動や分配金の減少などの影響を受けることがある。
価格変動リスクへの対策は、前述した分散投資が効果的だ。
値動きの特徴が異なる商品を組み合わせ、価格変動による影響を抑え込もう。
例えば、国内株式に投資するETFに加えて米国株式や債券などに投資するETFを組み込むことで価格変動の影響を小さく抑えられる。
投資対象地域や資産クラスが異なる商品を効果的に活用し、価格変動リスクの対策をしよう。
価格乖離リスク
ETFには「基準価額」と「市場価格」の2つの価格がある。この2つの価格に乖離が生じるリスクがある点を把握しておこう。
基準価額は、ETFに組み入れられている銘柄の時価評価額に配当金・分配金や信託報酬を加味して決定される価格のことだ。
一方、市場価格はマーケットの需給バランスによって決定する価格のことである。
需要と供給のバランスが偏っていたり、ETFの流動性が低かったりする場合、基準価額と市場価格に乖離が発生する場合がある。
さらに価格が急変動しているタイミングで取引を行うと、対象とする指数との連動性も低くなるケースがあるため注意が必要だ。
価格乖離リスクへの対策として「流動性・売買高のチェック」が挙げられる。
投資するETFの取引量を確認し、価格の乖離が起きないかどうかをチェックしておこう。
ETFは流動性が低い場合に価格の乖離が起こりやすくなるため、十分に取引されている商品を選ぶことがひとつのポイントとなる。
また、極端に売買が増えているタイミングでは急速に価格が変動してしまうため、売買高のチェックも重要だ。
一定以上の取引があり、かつ過去の売買高から見て急速に取引が増えていない銘柄を選ぶように心掛けよう。
上場廃止リスク
ETFは上場廃止基準に抵触してしまうと、上場廃止となって運用が終了するリスクがある。
上場廃止になると償還手続きに入るため、運用を継続したくても続けることができない点に注意が必要だ。
ETFが上場廃止になるのは、運用会社が資格を失ったり、連動対象としている指数が廃止されたりするなどのケースが挙げられる。
また、ETFの純資産総額の減少やコストの問題などで投資家の利益にならない場合、運用会社の判断で償還となるケースもある。
長期での運用を視野に入れている場合は途中で継続できなくなる可能性があるため、上場廃止リスクを頭に入れておこう。
上場廃止リスクに対処するためには、なるべく純資産総額が多い銘柄を選ぶことが重要だ。
純資産総額が少ない銘柄は上場廃止となる可能性が高く、運用を継続できない場合がある。
また、ETFの約款や目論見書には「繰上償還」となるケースについて記載されている。
どうなると繰上償還されるのかという点を事前に把握した上で投資先を選定しよう。
デメリットを考慮したETF投資の戦略を立てるなら誰に相談するべき?
ETFを始めたばかりの人は、銘柄選定をどうするかという問題や価格変動のリスクに対して何かと不安になることが多いだろう。
ETFは投資初心者向けの投資であるが、自分でリスクを回避しようとせず、専門家に相談してETFのリスクを最小限に抑えることが安定した取引をするための近道である。
ここでは、ETFの運用相談におすすめの「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」という専門家について紹介していく。
IFAとは
IFAは、既存の金融機関から独立した立場で顧客の資産運用をアドバイスする専門家のことだ。
市場の動向や経済状況などを分析し、状況に合った最適な金融商品の説明や販売仲介などを行う。
IFAは「金融商品仲介業者」として登録されており、金融商品を取り扱う証券会社と業務委託契約を結んでいる。
しかし販売方針などを証券会社から指示されているわけではなく、独立した立場を保っていることが特徴だ。
なお、IFAによっては複数の証券会社と業務委託契約を結んでいるケースもある。
豊富な商品ラインナップから最適な提案を受けられる点もIFAの特徴として挙げられる。
IFAとETF投資を行うメリット
IFAに相談してETF投資を行うメリットとして、以下のような点が挙げられる。
- 専門家の知見を活用できる
- 利益を最優先した提案を受けられる
- 長期間にわたってサポートを受けられる
IFAは銀行や証券会社から独立しているケースが多く、金融に関する知識・経験が豊富である。
そうした専門家による適切なアドバイスにより、最適な運用戦略を立てられる点は大きな魅力だ。
また、IFAには証券会社のようなノルマが課されていないため、顧客の利益を最優先した提案を受けられる。
ライフプランに寄り添い、最適なETFの提案を受けることができるだろう。
例えば、IFAは運用目的に応じて異なる性質を持ったETFを紹介する。
運用期間に余裕がある場合は中長期的なリターンを期待できる株式ETF、運用期間が短い場合は堅実なリターンを狙える債券ETFなど、状況に応じた商品を紹介してもらえる。
資産運用の成功についての最適解を紹介してもらえる点が大きな魅力だ。
さらにIFAは銀行・証券会社のような転勤制度もない。
ライフステージの変化に応じたさまざまな資産運用の相談に対応してもらえる点もIFAに相談するメリットだ。
IFAの選び方
一口に「IFA」と言っても、株式や投資信託、保険、相続・贈与など、それぞれのIFAで得意な領域は異なる。
ETF運用の相談ができるIFAをお探しの方には「資産運用ナビ」がおすすめだ。
「資産運用ナビ」は、投資家とIFAをマッチングするサービスである。
資産の状況や運用目的に合わせ、あなたにぴったりのアドバイザーを紹介する。
希望条件を入力すると、全国のデータベースから最適なアドバイザーを抽出して紹介。
アドバイザーの経歴や得意分野を確認した上で面談の申し込みができる。
IFAの相談は47都道府県どこでも可能で、何回でも相談の対応が可能だ。
WEBや好きな場所で面談できる上、相談費用が一切かからないため気軽に相談できる。
ETF投資や資産運用についてお悩みの方は「資産運用ナビ」で最適なアドバイザーを探し、運用相談をしてみてはいかがだろうか。
ETFの運用はデメリットを理解してからスタートしよう
本記事では、ETF投資のデメリットやリスクについて解説してきた。
ETF投資は銘柄が限定されている点や自動積立投資ができない点など、いくつかデメリットが存在している。
さらに価格変動リスクや価格乖離リスクなどもあり、初心者にとっては運用で不安な点も多いだろう。
そんな時は、投資の専門家であるIFAに相談することでETF投資やその他の金融商品に関するサポートが受けられる。
証券会社のようなノルマもIFAには課されていないため、自分が利益を上げるための最適な提案を受けられる点も魅力だ。
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ETF投資や資産運用についてお悩みの方は、ぜひ「資産運用ナビ」で信頼できるアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。