- ヘッジファンドとは何か
- ヘッジファンドによるリスクに注意する方法
- ヘッジファンドに投資するときの注意点
ヘッジファンドはリスクを減らして運用を行うのが基本です。
ただ、積極的にリスクを取っているヘッジファンドもあるので注意が必要です。
この記事では、ヘッジファンドにはどのようなリスクがあるのか、どのような点に注意して投資すればいいのかについて解説します。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンドとは、さまざまな取引手法を駆使して、相場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としたファンドのことです。
ヘッジとは直訳すると「避ける」という意味で、相場が下落したときに資産の損失を避けるために使われます。
一般の投資信託には運用方法に制約があり、相場が上昇したときだけ利益をだすものがほとんどです。
一方、ヘッジファンドは、先物取引や信用取引の空売りなどを積極的に活用することで、比較的自由な運用が可能であり、市場の上下動に関係なく利益を上げることができます。
つまり、ヘッジファンドの基本は、リスクをコントロールしながら積極的に運用することなのです。
ヘッジファンドは絶対収益を追求する
ヘッジファンドと通常の投資信託の最大の違いは、リターン目標がヘッジファンドは「絶対リターン」、投資信託は「相対リターン」であることです。
投資信託は、ベンチマークを上回るリターンを目標に運用されます。
たとえば、日本株に投資する投資信託は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)をベンチマークとします。
そして、ファンドマネージャーは、投資信託のパフォーマンスがベンチマークを上回ることを目標に運用を行うのです。
これに対し、ヘッジファンドは一般的にベンチマークとの比較ではなく、絶対的なプラスのリターンを求めます。
ヘッジファンドのファンドマネージャーは、どのような市場環境でも資産を増やすことを期待されているのです。
これを達成するために、ヘッジファンドは空売り、先物、オプション、裁定取引、レバレッジなどを利用し、積極的にリスクを取りにいきます。
ヘッジファンドのリスク
「絶対リターン」を目指すヘッジファンドですが、投資するときは以下のリスクに注意する必要があります。
流動性リスク
一部のヘッジファンドは、流動性のない証券に投資していることがあります。
たとえば、非上場株式の場合、実際の取引価格が入手できないため、ファンドマネージャーが恣意的に時価を決定する可能性があるのです。
このため、ファンドマネージャーはシャープレシオ(ファンドのパフォーマンスを評価する指標)を高めるために、月次リターンを意図的に操作する恐れがあります。
このように操作されたリターンは、ポートフォリオと市場との間の相関を低下させる可能性があるのです。
また、流動性の低い証券は上場証券であっても、ポートフォリオの月末価格での追跡が困難な場合があります。
そのようなデータを用いた分析は信頼性に欠けているのです。
ヘッジファンドはレバレッジをかけた投資を行い、利益を追求します。
うまくいけば大きなリターンを得ることができますが、一方で投資元本を大きく割り込むこともあります。
最悪の場合、経営難に陥った企業が倒産するのと同じように、ヘッジファンド自体が破綻に追い込まれることもあるのです。
コストが高い
通常の投資信託は、信託報酬などの手数料が低い傾向にあります。
一方、ヘッジファンドはさまざまな手法を使って利益を追求するため、手数料が高くなります。
ヘッジファンドの主なコストは、運用管理費用と運用報酬です。運用管理費用は、運用資産に関わるコストをカバーするものです。
運用報酬は、運用成績のプラスに応じて支払われるもので、運用会社にとっては成功報酬となります。
運用管理費用は通常の投資信託と変わらないケースが多いものの、成功報酬は利益(リターン)の20%程度であることが多く、成功報酬のコストがかかるのです。
情報開示が不十分
月次レポートなどで内容が開示される投資信託とは異なり、ヘッジファンドは内容を開示しません。
投資しているファンドやその投資比率も見ることができず、投資家にも知らされないのです。
ヘッジファンドの中には銘柄を一部公開しているものもありますが、投資信託に比べると判断材料が少ないのが現状です。
ヘッジファンドの「運用リスク」と「ビジネスリスク」
ヘッジファンドに限らず、ファンドのリスクは大きく分けて「運用リスク」と「ビジネスリスク」の2つに分類されます。
運用リスクとは、ファンドマネージャーの腕の善し悪しのことです。
もう一つの「ビジネスリスク」は、ファンドマネージャーを取り巻く様々な関係者の信用リスクと、ファンドの仕組みに内在するリスク。
ファンドにはプライムブローカーやカストディアン(有価証券の保管・管理を行う金融機関)、弁護士、監査法人などさまざまな関係者が存在しますが、適切なプレーヤーに委託しているかどうかを確認することが重要です。
たとえば、投資家の資金がファンド運営会社の運転資金と分離された上で、カストディアンによって適切に管理されているかどうか、スキームを十分に確認する必要があるのです。
元本割れリスク
ヘッジファンドは、市場環境や投資方針によって元本割れのリスクがあります。
ヘッジファンドは元本保証の金融商品ではないため、一時的に元本割れを起こす可能性は十分にあるのです。
しかし、元本が完全に保証された資産運用ができるのは、定期預金だけです。
ただ、定期預金の金利はゆうちょ銀行の定期貯金で0.002%しかなく、資産防衛の手段として定期預金を利用することはあっても、資産を増やす手段として定期預金を利用することは難しいでしょう。
したがって、資産運用に関しては、元本割れしない確実性を考えるよりも、元本割れするリスクが低く、元本割れが一時的で、長期的に運用すれば利益がでる可能性の高い金融商品を選択することが大切です。
ヘッジファンドの場合、これまでの長期運用実績を確認することで、相場の下落で一時的にマイナスになっても、長期的にプラスになりそうな銘柄を判断することができます。
ヘッジファンドに投資するときの注意点
ヘッジファンドに投資するときは、以下の2点に注意しましょう。
ファンドマネージャーの運用方針を確認する
ヘッジファンドを選ぶ際には、ファンドの投資方針を確認することが重要です。
ヘッジファンドは、ファンド運用会社によって投資方針が異なります。
レバレッジを最大限に効かせて利益を獲得するファンドもあれば、安全性を重視するファンドもあります。
事前にヘッジファンドの投資方針、投資戦略、リスク管理などを確認し、自分が取れるリスク許容度を知っておくことが、思わぬ損失を防ぐために重要です。
また、投資助言会社などのアドバイザーに相談することをおすすめします。
余裕資金で投資する
ヘッジファンドのリスクを軽減するために、余裕資金の範囲内で運用する必要があります。
ヘッジファンドは流動性リスクがあり、すぐに換金できないので、生活資金をヘッジファンドに投資するのは避けるようにしてください。
また、ヘッジファンドは必ず儲かるというものではなく、生活資金で投資すると生活が破綻する可能性があるので注意が必要です。
ヘッジファンドへの投資はプロへ相談しよう
ヘッジファンドはリスクを管理(ヘッジ)して運用を行うというのがメインですが、積極的にリスクを取ってハイリスク・ハイリターンのファンドもあります。
必ず運用方針を確認し、余裕資金で投資するようにしましょう。
もし、ヘッジファンドを始めてみよう、少し気になっていると思った方はまずは、「資産運用ナビ」に相談をしてはいかがだろうか。
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