- 新NISA口座から資産を引き出す際の手順や適切なタイミングが知りたい
- 引き出し時の税制面の注意点を理解したい
- 新NISAでの効果的な運用戦略が知りたい
新NISA口座から保有資産を引き出す場合、どのような手順で進めればいいか分からない方も多いだろう。
今回の記事では、引き出し手順を中心に資産を引き出すタイミングの見極め方などを解説していくので、今後のために役立ててほしい。
新NISA口座からの資産引き出し手順
「新NISA口座から資産を引き出したいけど、どうしたらいいの?」
と悩んでいる方に向けて、分かりやすく引き出し手順を説明していく。
新NISA口座から資産を引き出す手順
新NISAで資産運用をしていると、「急にお金が必要になった」などのシーンに出くわすことがあるだろう。
運用中の投資信託などはいつでも売却できるため、現金が必要になっても安心だ。
具体的な基本手順は以下の通りのため、換金する際はぜひ参考にしながら作業を進めてほしい。
引き出し手順
- 保有資産を売却し、現金に換える
「全部売却」「一部売却(口数指定)」「一部売却(金額指定)」から売却方法を選べるので、必要な金額に合わせて換金しよう。
一般的には、1週間前後(土日祝日を含む)かかるケースがあるので注意してほしい。また、海外資産が含まれていると国内資産のみよりも日数がかかる。
詳細は、金融商品の詳細情報ページや金融機関の公式サイトなどに記載されているため、事前に確認しておくといいだろう。
- 出金指定口座への振込手続きをする
売却して得た代金は証券口座に入金されるので、登録しておいた銀行口座へ振り込むための手続きを行う。
※投資信託などを銀行で売却:銀行の普通口座に入金
- 現金が振り込まれたら、お金を引き出す
一般的には、翌営業日に入金されるケースが多いが、銀行と証券会社がグループ会社の場合は当日中に入金されることもある。
ポイント
証券カードを作成している方は、提携金融機関のATMからお金を引き出せるので、事前に確認しておくとスムーズに受け取れるだろう。
引き出しにかかる手数料
新NISAで運用中の資産を引き出す場合、手数料が発生するケースがある。
どのような手数料が発生するか把握し、資産を売却するタイミングを見極めるといいだろう。
基本的には、証券口座→銀行口座へ出金する際は手数料が無料に設定されている。
しかし、金融機関によって料金が発生する可能性があるため、確認しておくと安心だ。
以上が引き出し時に発生する手数料になるが、金融機関によって異なるケースがあるため、公式サイトなどから調べておくとスムーズに出金できるだろう。
新NISA口座の資産を引き出す際の注意点
新NISA口座にある資産を売却する場合、注意しなければならないポイントがある。
では、どのようなポイントを注意すべきか確認していこう。
タイミングを見極める
売却するタイミングをしっかりと見極めなければ、元本割れする可能性が高くなるので注意しよう。
引き出すタイミングで保有資産の価値が下がっているケースもあるため、慎重に判断する必要がある。
保有資産の価格が下落した焦りから「早く売らないと」と急いで売却するのではなく、情報収集や専門家に相談するなどの対処をするといい。
複利効果が発揮されにくくなる
複利効果とは、リターン(利益)を元本に組み入れて運用することを指し、複利効果で資産形成を効率的に進めていける。
長期運用であるほど複利効果を発揮できるため、引き出してしまうと運用結果に差が出る可能性がある。
そのため、何度も引き出すのではなく、「本当に今引き出すべきか?」を明確にしてから行動に移すと運用目的を達成できるだろう。
換金には時間がかかる
一般的には、新NISA口座から資産を引き出す場合、1週間前後(土日祝日を含む)の時間が必要になる。
海外資産などが含まれていると、より時間がかかるため、情報詳細ページなどを確認しておくと安心だ。
新NISA口座の資産引き出しにおけるポイント
新NISA制度について理解を深め、資産運用を効率的に進めていくためのポイントを解説していく。
非課税保有期間の無期限化と投資可能期間の恒久化について
2024年から制度内容が改定された新NISAは、旧NISAに比べると資産運用の環境が整ったと言える。
以下では、旧NISAと新NISA、新旧の違いについて紹介する。
旧NISA | 新NISA | |||
---|---|---|---|---|
枠の併用 | 一般NISAとつみたてNISAの併用不可 | 成長投資枠とつみたて投資枠の併用可能 | ||
非課税枠 (上限) | 一般NSIA600万円 | つみたてNISA800万円 | 1,800万円(成長投資枠1,200万円) | |
投資額 (年間) | 一般NISA120万円 | つみたてNISA40万円 | 成長投資枠 240万円 | つみたて投資枠 120万円 |
非課税 保有期間 | 一般NISA5年間 | つみたてNISA20年間 | 恒久化 | |
改定ポイント | 成長投資枠とつみたて投資枠:併用不可→併用可 非課税枠(合計):600万円/800万円→1,800万円(成長投資枠1,200万円) 非課税枠(年間):120万円/40万円→240万円/120万円 非課税期間:最大5年/20年→恒久化 |
旧NISAでは非課税保有期間に上限があったが、新NISA非課税保有期間が無期限化されたので、将来のための資産形成を行いやすくなった。
旧NISAでは25歳が老後資金準備のために積立投資をはじめた場合、20年間で45歳までが非課税の対象であった。
仮に、引き続き公的年金を受給できる65歳まで積立投資をすると考えると、後の20年間で得たリターンは課税される。
通常、投資では利益に「20.315%」の税金が発生するが、新NISAを使えば最大1,800万円から得た利益分が非課税になる。
以下の表では、どれくらい税金を支払わなければならないのか具体的な数字と共に紹介するので参考にしてほしい。
新NISAを活用 | NISAを活用しない | |
---|---|---|
利益(所得) | 1,000万円 | |
課税額 | 0円 | 税率20.315%→203万1500円 ※内訳 所得税15% 復興特別税0.315% |
受取金額 | 1,000万円 | 796万8,500円 |
新NISAを活用すれば、期間関係なく最大1,800万円から得た利益は非課税になるので、ぜひ活用してみてはいかがだろうか。
なお、新NISAの始め方についてはこちらの記事でも解説しているので、さらに詳しく知りたいという方はぜひチェックしてほしい。
非課税保有限度額の再利用について
新NISAは、非課税枠の再利用が可能になったため、ポートフォリオのリバランスなどを行いやすいのだ。
例えば、非課税枠いっぱいの1,800万円まで保有していても、200万円分売却すれば翌年に元本部分の金額の非課税枠が復活する。
しかし、仮に500万円分売却したケースでも、年間投資額以上の金額は投資できないため注意しなければならない。
新NISA口座からの最適な引き出しのタイミングはいつなのか
新NISA口座から引き出す最適なタイミングは、「お金が必要になったとき」である。
結婚・マイホーム購入・マイカー購入・旅行・病気やケガをしたなど、現金が必要になったタイミングで引き出すのが理想的だ。
無理をしながら資産運用を継続するのではなく、必要なタイミングで引き出し、運用目的を達成する方が豊かな生活につながるだろう。
預貯金のようにすぐに現金に換えられないが、1週間程度で現金を受け取れるので、お金を使う予定に合わせて計画的に引き出しておこう。
他には、利益確定のための売却も考えられる。
目標金額まで到達したため、一旦利益確定をし、空いた枠を他の銘柄との入れ替えもできる。
新NISA口座からの資産引き出しに悩んだら?新NISAの有効活用戦略
新NISA口座で資産を売却するか悩んだ場合、現状確認や運用目的を再確認するといいだろう。
では、具体的な方法を解説していくのでぜひ試してほしい。
運用目的と現在のパフォーマンス(運用成績)の確認
「売却した方がいいかな?」と悩んだ場合、まずは運用目的と現在のパフォーマンス(運用成績)の確認をするといい。
価格の下落などのマイナスポイントだけで決めるのではなく、「どうして資産運用をはじめたのか」という理由に視点を戻せば、売却すべきかどうかが分かる。
また、「現在のパフォーマンス(運用実績)がどうか」についてもしっかりと確認しておかなければならない。
これ以上投資を続けてもリターン(利益)を望めない場合は、保有資産を売却するタイミングだと言えるだろう。
引き出しを検討する前に知っておきたい長期的な目線の重要性
積立投資をしている場合、どのようなメリットがあるのかを再度確認し、慎重に決めるといいだろう。
例えば、「老後資金を準備したい」という理由から資産運用をはじめたAさん(30歳)の投資信託の基準価額が下落してしまい、売却すべきか悩んでいたとする。
「基準価額が下落した」という現実だけ見れば売却したくなるが、積立投資は長期運用が前提になっており、公的年金を受給できる65歳まで35年あるため売却するタイミングではないかもしれない。
このように、「資産の価格が下落=売却するタイミング」とは限らないため、冷静に判断することが重要である。
分散投資とリバランスの効果
資産運用で理想的な結果を手に入れる手段の1つとして、分散投資が挙げられる。
分散投資とは、複数の金融商品や銘柄に投資することでリスクを軽減させられる方法のことを指す。
どうして分散投資が重要かを分かりやすく解説していくので、以下の表を確認してほしい。
保有資産 | ||||
---|---|---|---|---|
Aさん | 現金 | 株式 | ||
Bさん | 現金 | 株式 | 債券 | 不動産 |
Aさんの場合、株価が下落すると資産の半分にダメージを負う。しかし、Bさんのケースでは4分の1のダメージで済むのだ。
分散投資は金融商品の種類にとどまらず、銘柄や投資先も分散するとよりリスクを軽減できる。
保有資産 | ||||
---|---|---|---|---|
株式 | 国内株式A社 | 先進国株式B社 | 先進国株式C社 | 新興国株式D社 |
このように、銘柄や投資先を分けていれば社会情勢や政治などに影響されにくくなり、新興国の成長の恩恵にあやかれるのだ。
しかし、分散投資を行う場合は定期的に見直しとリバランスをしなければならない。
なぜなら、リスクが高い/リターン(利益)を得にくいポートフォリオになるためだ。
そのため、ポートフォリオのバランスが崩れたタイミングで資産を売却し、リバランスを行うと豊かな結果につなげられる。
※ポートフォリオ:資産の組み合わせ
新NISAで引き出しのタイミングに迷ったら誰に相談するべき?
新NISAを活用して資産運用をすると、「引き出しのタイミングはいつがいいかな」など不明点が出てくるだろう。
ここでは、資産運用の疑問を解決する専門家について解説していく。
新NISA投資の複雑さと専門家相談の必要性
新NISAのスタートで国民が資産運用がしやすい環境が整ったが、新NISA制度は複雑なため理解しにくい方も多い。
また、資産運用自体が専門知識が必要になる分野のため、専門知識が浅い方や資産運用について学ぶ時間を確保しにくい方にはハードルが高く感じるだろう。
だからこそ、資産運用の専門家に相談する手段をおすすめしたい。
では、どのような相談先があるのだろうか。
資産運用の相談先
- 証券会社
- 銀行
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
以上のような専門家がおり、資産運用について相談できる。
しかし、一部のFPは金融商品の取り扱いができず、一般的な説明しか聞けないため注意しよう。
IFAの役割とそのメリット
資産運用の専門家の中でも、特に相談者ファーストで資産運用の相談に寄り添ってくれるのは「IFA」だと言えるだろう。
証券会社や銀行でも、相談者に合った金融商品の提案やサポートを行ってくれる。
だが、取り扱いがある商品からしか紹介できず、ノルマに反映させられる内容を提案されるケースもゼロではない。
「自分に合った金融商品を多くの選択肢から選んでほしい」「ノルマなど関係なく提案してほしい」などの希望がある方は、IFAに相談する方が相談者に合っているケースが多い。
また、IFAは転勤がないので、長期的に相談できるのもメリットである。
お金に関する問題はデリケートなため、担当者がすぐに変わってしまうよりも、長期的に関係を築ける方が信頼できるだろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の紹介とその効果
IFAによって資産運用の得意分野は異なり、相談者が希望している金融商品に対して深い知識を持ち合わせたIFAを見つけることが重要だ。
しかし、長期的な関係を築くためにも、考え方などの相性のよさも妥協できないポイントである。
自分が望む条件に合ったIFAと最短60秒でマッチングする方法は、「資産運用ナビ」を活用することだ。
「資産運用ナビ」の公式サイトから必要な情報を入力すれば。条件に合ったアドバイザーを無料で検索できる。
また、「資産運用ナビ」には、しつこい勧誘など不快に感じる営業をするIFAはいないため、安心して相談可能だ。
通勤時間などを利用し、自分に合ったIFAを探してみてはいかがだろうか。
新NISA口座からの資産引き出しは専門家と行おう
今回の記事では、新NISA口座から資産を引き出す手順と注意点を中心に解説した。
新NISAで運用できる金融商品の中にはすぐに引き出すことが不向きの商品があるので、資産を売却するタイミングは慎重に見極めなければならない。
売却するか悩んだ方は運用実績などを改めて確認し、売却すべきかを判断していこう。
資産を引き出すか悩んでいる方は、資産運用の専門家に相談することでベストな回答を得られる。
特にIFAは、相談者に寄り添ったサポートが可能なので、新NISAに関する不明点などは相談してみるといいだろう。
「資産運用ナビ」を活用すれば、無料で条件に合ったIFAを見つけられるので、気軽に活用してほしい。