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【7361】株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス代表取締役社長 富永邦昭氏「お客様の経営課題に答えをつくる」

※本コラムは2022年12月20日に実施したIRインタビューをもとにしております。

他業界から転身し会社の第二創業のタイミングで代表に就任して以来、オーガニックな成長と積極的なM&Aの掛け合わせで成長を実現させてきました。代表取締役社長の富永邦昭氏に代表就任の経緯や成長を支える会社の強みを伺いました。

目次

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングスを一言で言うと

ITという手段を使って、お客様から見た様々な経営課題に対する答えをつくることができる会社です。

代表就任の経緯

当社の前身となります株式会社バンキング・システムズは1974年の創業でして、実は約50年も経つ老舗企業です。私は、2016年に持株会社を設立するにあたってCEOのオファーをいただき、同年11月に代表に就任いたしました。現在のヒューマンクリエイションホールディングスという社名の決定にも携わっています。

前職は化粧品会社におり、海外子会社等の経営に携わってはいたものの、IT 業界とは全く無縁の状態でした。しかし、様々な業界からオファーをいただく中で関心を持ちはじめ、IT市場の成長性を実感するようになりました。その中で当社を選択した理由は、経営の仕組みや従業員のモチベーション管理といったマネジメントによる会社の伸び代が非常に大きいと感じたからです。当時からコア人材を豊富に抱えていた一方で、業績は今ひとつ伸び悩んでいました。そこで、優秀な人材を活かす戦略や制度を整えることで企業成長を実現できると考えたのです。

まず念頭においたのは、社員一人一人に頑張る理由を提供するということです。採用や育成制度はもちろんのこと、「何のために頑張るのか、そして頑張ることでどんな良いことが起こるのか」を給与や人事制度を含めた社内の仕組みで明文化させました。これにより、社員本人もそして会社も成長することのできる体制を整えました。

上場についても、すでにオファーの際には企業成長の選択肢の一つとしてあったものの、上場を決めた最大の理由は社員のモチベーション向上です。上場会社のグループ企業になったという会社としての成果を見せることで、当グループの社員が「所詮派遣だから」「どうせ派遣だから」という考えを捨て、誇りを持って仕事ができるようになるのではないかと考えたのです。

就任当初から現在までを振り返りますと、事業会社の新設と積極的なM&Aの実施によって当社は成長を続けてきました。2019年の7月にアセットコンサルティングフォース社を新設したことで、現在の事業の柱の一つであるコンサルティング業務をカバーできるようになりました。また、元々コンサルティングから保守運用までを一気通貫で提供できる体制を5年以内に構築したいと考えていましたが、グループ6社のうち、4社は買収した会社でして、短期間でこのような数多くの買収が実現できたことは、成長ドライバーの一つになったと感じています。

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

事業内容について

現在は、コンサルティング・受託開発およびITエンジニア派遣の2本柱で事業を展開しています。また、最上流のコンサルティングから、納品後の保守運用までをワンストップで提供する一気通貫モデルが特徴となっています。

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

当社は、大手SIerが積極的に参入しない中小規模の受託案件を中心に扱い、圧倒的な競争優位性を発揮しています。やはり、IT企画から製造、保守運用をまとめてしますという提案ができる点はお客様にとっても安心材料であり、選ばれ続ける理由となっています。万が一トラブルが発生した際、工程ごとに別資本だったり、同業他社に分断されていると責任の所在が不明瞭となり対応にも時間がかかりますが、当社であればそのようなことはありません。また、発注するお客様にとって工程ごとに別の会社に発注するよりも、ワンストップ体制の当グループの方が相対的にコストを安く抑えられるというメリットもあります。

なお、直請けをしているのは3億円未満3000万円以上のゾーンですが、それ以上の大型案件についても大手SIerと共同して1.5次請けという形で取り組んでいます。案件規模が100億円クラスになりますと当社単体ではリスクが高いですし、大手SIerとエンドユーザーさんとの関係性を活用させていただき、ウィンウィンの関係を構築しています。

経営課題の解決を考える際、多様な選択肢がある中でもIT投資は切り離すことのできない投資分野であると認識しております。また、今後は国内の労働人口が減少していくため、企業側もIT投資をしなければオペレーションが回らないという危機感を持っています。そのため、市場の見通しとしては、現在の旺盛な需要が当面継続すると見ています。

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

また、需要が高まる一方で、「このIT投資をすることで何人分の人件費が削減できたのか」「お客様を何人増やせるのか」といった定量的な効果を、提案段階から精査されるのが当然になってきています。この提案能力に関しても、当社のワンストップの強みが発揮されていると感じています。

もちろん提供するサービスのクオリティにも評価をいただいていますが、これは社員の育成や人事制度を発端とする好循環サイクルに起因しています。一気通貫モデルを整えているからこそ、当社のエンジニアは徐々に上位工程に移り、多様な経験を積むことができるのです。通常、例えば基本設計での一定の経験を持っていると同じ工程をひたすら担当することが多いのですが、当社は未経験であっても上位工程にトライさせますし、何よりもそのための環境が整っています。

また、会社としても挑戦した先の成果ではなく、未経験の工程への挑戦そのものを人事評価の対象としています。また、上位工程に進むとプロジェクトを俯瞰する立場にもなりますので、技術者としての力量だけではなくマネジメント力も身につけることができるようになります。

このような仕組みを通じ、エンジニアがスキルアップを続けることで案件単価や業務範囲が拡大し、それが当社の成長へと繋がり、また新たな優秀な人材の確保へとつながっているのです。高度人材不足で採用も困難な中、当社の好循環サイクルはエンジニアから見ても選ばれ続ける理由となっています。

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

まずは先ほども申し上げたボリュームニッチな中間市場を徹底的に攻め、今後3年〜5年後にはコンサルティング・受託分野の割合を20%まで引き上げます。お客様からご要望をいただく段階では、ニーズは非常にふわっとした状態のものが多いです。その中で、「答え」が何なのかを見抜き期待以上のご提案をすること、そしてその効果を定量的に示すことでこれからも圧倒的なポジションを築いてまいります。

ただ、こだわりすぎると利益を圧迫してしまいますし、何よりお客様にとっても逆に使いづらいものになってしまいかねません。そのためこのバランスは受託側の腕の見せ所でもあります。受託開発の品質と人材派遣におけるフレキシビリティを軸に、引き続き長期的にお取引を続けていくことのできる関係性を構築していきたいと思います。

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

そして、この自社のオーガニックな成長に加え、同時並行でM&Aも進めていきます。一気通貫のモデルや拠点の拡充という目的でももちろん検討していきますが、優先順位としては周辺領域を事業買収により拡大させていくことを先に考えています。IT 関連業務を外注する企業は周辺領域でも非常に多いと感じていますし、その開発および派遣による内製化を通じて、当社は二重に利益を獲得することができるでしょう。

中長期ビジョンの中で2025年からの3年間を2ndステージと位置付けておりますが、事業買収を通じた新規事業領域は、この辺りから具体的に進めますので、ぜひその展開に注目していただきたいと思います。

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

投資家の皆様へメッセージ

株式へ投資をする際、取りわけ個人投資家の方々はどうしても株価のチャートに目がいってしまうと思います。ですが、当社の魅力は派遣・受託に特化する企業と比較した際の高水準の利益率と利益の絶対額に現れています。そして、すでに高い利益率を維持しながら、今後もコンサルティング・受託開発およびITエンジニア派遣の2本立てで収益性のさらなる向上を実現していきます。当社の最大の特徴でもありますワンストップの体制により、お客様から選ばれやすい環境も継続しておりますし、社内にも人材育成を起点とする好循環サイクルが出来上がっています。投資家の皆様におかれましては、ぜひ中長期目線で投資をしていただけますと幸いです。

株式会社ヒューマンクリエイションホールディングス

本社所在地:東京都千代田区霞が関3丁目2番1号 霞が関コモンゲート西館24階

設立:2016年10月3日

資本金:194百万円(2023年1月アクセス時)

上場市場:東証グロース(2021年3月16日上場)

証券コード:7361

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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