- 株をどうやって買えばいいのか知りたい
- 株式投資に必要な考え方を理解したい
- 株を購入する時の注意点が知りたい
投資初心者に向けた失敗しない株の買い方を解説する。
NISAの利用範囲拡大により、株式に投資する人が増えている。
読者のなかには、周囲で投資をしている人のことが、気になることもあるだろう。
そこでこの記事では、証券口座の開設方法から、株式投資のポイントや注意点までを説明する。
これから投資を始めようと思っている人は、ぜひ参考にしてほしい。
なお、手順から効果的な戦略までを徹底的に解説した株のやり方についてはこちらで確認していただきたい。
株の買い方〜買う前に必要なこと
最初に「投資方針」の考え方について解説する。
株式投資で自分の大切な資産を確実に増やすためには、事前に投資方針を整理しておくべきだ。
投資方針を考えるうえでは、明確な目標の設定、そして目標を実現するための計画を検討することが必要になる。
株を買う目的を明確にする
あなたは、投資で増やしたお金を、何に使う予定だろうか?
老後資金や子どもの進学資金、マイホームの購入資金など、そのお金の使い道は人それぞれだ。
このようにお金は、食料品や衣服など生活に必要なものを購入するだけではなく、将来の夢やビジョンを実現するための手段でもある。
株式投資を始める前に、増やしたお金で、実現したい自分の夢やビジョンを明確化しておこう。
株を買う資金を確保する
次に、自分の収入からどのくらいの資金を、投資のために使えるかを考えてみよう。
投資資金は、収入から生活費を差し引いた余剰資金のなかから考えるべきだ。
生活レベルを落としてまで行う投資は、長続きはしない。
「投資したお金は初めからなかったもの」と割り切れれば、一時的に市況が急落しても、過度に心を痛めることも避けられる。
そのような余剰資金(投資資金)が、月々の収入やボーナスから、どのくらい捻出できそうか考えてみよう。
株式投資の目標額と期間を設定する
三番目には投資目的を達成するために、どのくらいの金額が、いつまでに必要かを考えよう。
投資目的が、子どもの進学資金作りのためであれば、大学入学時の入学金や授業料などが目標金額になる。
投資期間は、投資開始から子どもが大学進学するまでの期間になる。
ここで決めた内容を元に、投資によって目標とする利回りを、以下の計算式で算出する。
- 目標金額
- 投資期間が終了までに達成を目指す金額
- 目標運用益
- 株式投資で増やす金額(目指す利益)
- 計算式
目標金額 ― 投資元本
= 目標金額 ―(年間投資金額 × 投資期間<年>)
- 目標利回り
- 投資で得られた目標運用益の割合
- 計算式
- 目標運用益 ÷ 目標金額
上記の算出結果は、投資対象の判断基準になる。
算出した目標利回りに近い利回りが期待できる株式銘柄が、投資対象(投資銘柄)になるだろう。
株の買い方〜買う時に意識するべきこと
投資方針が決まったら、いよいよ実際に購入する銘柄を決めていこう。
以下では、銘柄の決定から投資の際に重要なポイントについてを解説する。
情報を収集し買う銘柄を判断する
ここからは投資対象の検討、つまり購入株式の銘柄選定になる。
各株式銘柄の株価推移から、自分の目標利回りに近いものを購入候補として、できる限り多くピックアップする。
購入候補が今後も同様の利回りが期待できるか、新聞やTVのニュースをはじめ、WEBメディアやSNSからも情報を収集する。
周囲に株式投資を行っている人がいれば、その人との意見交換により、新たな視点や考え方も得られるだろう。
そのうえで、以下のことを念頭に置き、購入銘柄を決定しよう。
- 運用益と損失の関係性を考える
- 利回りが高い銘柄は、価格変動の振れ幅が大きい傾向にある
- つまり大きな運用益が得られる可能性がある銘柄ほど、大きな損失を生む恐れもある
- 徹底的に情報の収集と分析を行う
- 「投資は自己責任」であるため、自分が納得して判断が下せるまで、情報の収集と分析を行う
株の長期・分散・積立投資を心がける
株式投資を実際に行ううえでは、長期・分散・積立投資を心がけよう。
長期・分散・積立投資を行えば、リスクを抑えた堅実な資産の運用ができるといわれている。
その理由として、長期・分散・積立投資がおよぼす、資産運用への効果を解説する。
長期投資の効果
配当金など投資で得た利益を、再度投資に回すことで、得られた利益が新たな利益を生む「複利効果」が期待できる。
分散投資の効果
一つの株式銘柄にのみ集中投資していると、自分の資産は、その銘柄の株価に依存することになる。
このため、さまざまな株式銘柄や業界、さらに株式以外の金融商品にも投資先を分散化させる。
その結果、一部で損失が生じても他が補うため、安定的に自己資産が増やせる。
積立投資の効果
一定の金額で継続的に積立投資を行っていれば、株式を購入した翌日に株価が下落しても、少額であるため損失は限定的になる。
一方で株価が下落しているときも積立投資を継続していれば、株価が上昇した際には、株価下落時に購入した株式は運用益を生む。
長期積立投資の例として、平均利回り5%の株式銘柄を毎月1万円の投資を20年間続けると、資産は4,110,337円に拡大する。
株の買い方〜実際の手順
株式を購入するためには、証券口座の開設が必要になるが、口座開設にはさまざまな方法がある。
ここでは、もっとも簡単な証券口座の開設方法を紹介する。
また株式を購入したくとも、常に株価が変動するなかで、売り手との間で金額の合意ができなければ株式は購入できない。
このため株式の注文にも、さまざまな注文の出し方があるため、それらを個別に解説していく。
口座開設の手順
証券会社で、株式を売買できる証券口座を開設するには、以下の方法がある。
- インターネット経由で口座を開設する
- (1)パソコンを使う方法
- (2)スマートフォンを使う方法
- コールセンターに連絡して必要書類を入手し、記入後に証券会社に返送する
- 証券会社の店舗で、窓口担当者の指示に従って、口座開設の手続きを行う
このなかで必要書類が少なく、いつでも手続きができる上記①-(2)での、証券口座の開設手順を紹介する。
証券口座の開設手順:スマートフォンを使った方法
- 申込者の情報を入力(住所・メールアドレスなど)
- 開設口座の種別を設定(NISA口座 or 特定口座)
- 自分のマイナンバーカードを撮影し提出
- 自分の顔写真を撮影し提出
- 審査期間は即日~3営業日ほどかかる
- 審査が完了したら、申込者に審査完了メールが届く
※反社会的勢力、証券会社、投資信託委託会社などに所属していなければ審査は通過する。ただしNISA口座は、他の証券会社にNISA口座を持っている場合には開設できない。
- インサイダー登録、金融機関の入金口座の設定など
- 金融機関の入金口座から証券口座へ投資資金を入金する
- ここまで完了すれば、株式が購入できる状態になる
株式注文の出し方
株式を購入する際には、下記のいずれかの取引方法を選択するが、ここでは「現物取引」を選択する。
次に購入する銘柄を検索して、注文の詳細(購入株数・価格・発注方法など)を入力する。
さまざまな発注方法があるので、以下を参照しよう。
- 指値
- 価格を指定して発注する方法
- 成行(なりゆき)
- 価格は指定せずに、その時点で、売り手側が提示している「最も安い価格の売り注文」に発注する方法
- 本日中
- 当日のみ有効な発注の方法
- 今週中
- 今週中のみ有効な発注の方法
- 寄付(よりつき)
- その日最初の取引だけに有効な発注の方法。「寄付注文」とも呼ぶ
- 取引時間は午前・午後に分かれており、午後最初の取引にのみ有効な注文を「後場寄り(または後場寄り注文)」と呼ぶ
- 取引時間中(ザラバ中)に入力すると、「出来ず」となり、買い注文は失効する
- 引け
- 午前・午後の最終取引にだけ有効な発注の方法。「引け注文」とも呼ぶ
- 当日最終取引にのみ有効な発注の方法を「大引け(または大引け注文)」とも呼ぶ。ただし大引けは、午前のザラバ中には選択できない
- 不成(ふなり)
- 指値で注文するが、売買が成立しなかった場合には、午前・午後の最終取引での成行注文とする発注の方法
- 午前中に発注すれば午前の最終株価で、午後に発注すれば午後の最終株価で、成行注文として扱われる
- 大引不成(おおびけふなり)
- 指値で注文するが、当日中に売買が成立しなかった場合には、自動的に当日の最終取引での成行注文とする発注の方法
株式の購入単位
株価とは1株当たりの株式価格であるが、一般的に株式は100株単位で売買される。
例えばトヨタ自動車の株式を購入する場合には、361,900円必要になる。
361,900円=36,190円(株価;2024年4月5日時点)×100株(売買単位)
このルールは国によって異なり、米国株の場合で1株から購入可能だ(ただし日本円は米ドルに換える必要がある)。
25,712円=$169.58(株価)×151.62円/$(米ドル為替レート)
- 株価、為替レートともに2024年4月6日時点の金額
- 出典:Yahoo!ファイナンス「アップル:株価・株式情報」
なお証券会社によっては単元未満株(S株)売買といって、日本株でも1株から購入できる場合がある。
ただしリアルタイムで売買できない場合や手数料がかかる場合も多く、対象銘柄も限られているので気をつけよう。
株式取引が可能な時間帯
日本株の売買は、国内の証券取引所で行われるため、取引は以下の時間内に限られる。
- 取引可能時間
- 9:00~11:30、12:30~15:00
- 注文受付時間
- 8:00~11:30、12:05~15:00
- 休業日
- 土曜日・日曜日、国民の祝日・休日、12月31日~1月3日
ただしSBI証券や楽天証券など一部の証券会社では、PTS(私設取引システム)により、23:59まで株式の売買が可能だ。
PTS取引では、証券会社を通じてPTS運営会社に取り次ぎPTS運営会社が取引を成立させるが、注意すべき点もある。
- 日中の取引に比べると取引参加者が少ないため、売買が成立しにくい
- 指値注文しかできない
- 夜間の株価と日中の株価に、乖離が大きい場合もある
なお外国株の取引可能な時間帯も、その国の証券取引所ごとに定められている。
しかし日本とは、現地時間と時差があり、祝日も国ごとに違うので注意しよう。
株の買い方〜買う時の注意点
株式投資を行う人のなかには、自分の資産が思うように拡大できず、悩んでいる人も少なくない。
そのような状況に陥らないために、株式投資での注意点を解説する。
購入決定は自分の判断をもとに行う
周囲に勧められるままに、株を買わない。
また自分で考えに考えたうえで判断したのであれば、どのような結果になっても失敗はない。
仮に購入した株式銘柄が元本割れしたとしても、その事実を受け止め、判断過程を振り返れば次の投資への経験(糧)になる。
しかし周囲に言われるがまま買った銘柄が、元本割れしたら、多くの人は勧めてくれた人を失敗の原因とするだろう。
「投資は自己責任」とも言われているが、自分で徹底的に調べて、考えに考えたうえで判断した株式銘柄を購入しよう。
株式投資にともなうコストを考慮する
株式投資では、証券会社の売買手数料や税金というコストが、資産形成を阻害する要因にもなる。
しかしSBI証券や楽天証券など一部のネット証券では、一定の条件を満たすと、売買手数料が無料になる。
また株式売却時には、運用益の20.315%の税金がかかるが、NISAやiDeCoを利用すれば非課税になる。
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)には制約もあるが、内容を確認のうえ、利用を検討すべきだ。
株で損失が生じた場合の対処法を理解する
もし所有している株式銘柄の株価が急落しても、慌てる必要はない。
その株式を発行している企業の経営状況や、これまでの株価の推移を見て、株価の下落が一過性なものか否かを判断しよう。
株価の下落が一過性なものであるならば、その銘柄を敢えて買い足せば、株価が戻ったときには大きな運用益が得られる。
ただし買い足しは段階的に少額で行い、株価が戻る気配がなければ、そのときは所有している株式の売却も検討すべきだ。
また「この金額まで株価が下がったら、この銘柄は売却する」というマイルールも作っておき、状況によっては実行しよう。
株の買い方や手順が知りたいなら誰に相談するべき?
ここでは、株式投資における専門家の重要性について解説する。
これまで株式投資の方法や必要な情報を紹介してきたが、自分で行うとなると不安を感じる人もいるだろう。
そのような場合には、株式投資の専門家に相談すべきだ。
ここでは、株式投資の専門家であるIFAについて解説する。
さらに自分に合ったIFAを探すための手段として、IFA検索サービス「資産運用ナビ」についても紹介する。
IFAの役割とメリット
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは、さまざまな専門知識と豊富な投資経験を持つ、株式投資の専門家だ。
金融機関に所属していないため、IFAは相談相手の利益を最優先に考えて、中立的な立場で助言や提案をしてくれる。
またIFAは相談相手のライフプランをヒアリングしたうえで、その人にあったアドバイスをしてくれる。
IFAに相談することで、投資を行ううえでの貴重な情報が得られるだろう。
「資産運用ナビ」という選択
IFAは全国各地にいるが、自分に最適なIFAを見つけることは、難しいと言われている。
しかしIFA検索サービス「資産運用ナビ」を使えば、自分にあったIFAと出会えるはずだ。
簡単な質問に回答すると、「資産運用ナビ」から候補者が紹介される。
面談は無料のため、候補者のなかで自分にあいそうなIFAがいれば、直接話を聞いてみよう。
きっと最適なIFAに出会えるはずだ。
株の買い方に迷ったらIFAに相談しよう
この記事では、株式購入前に知っておくべきポイント、株式購入までの流れや最低購入額などを解説した。
また株式購入時の注意点も述べてきたが、実際に自分が行うとなると、疑問や不安も生まれるだろう。
そのような場合には、投資の専門家からアドバイスを受けることをおすすめする。
なかでもIFAは、中立的な立場から、自分に最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれる。
「資産運用ナビ」は、自分にあったIFAを見つける手助けをしてくれるので、ぜひ使ってみよう。