「金」といえば、高級なアクセサリーに使われる貴金属というイメージを持つ方も多いだろう。
しかし、金の価値はそれだけではない。投資商品としての側面もあるのだ。
株式や投資信託以外の投資先を探している方のために、金に投資する方法についてご紹介する。
金投資とは?人気の理由も解説
金投資とはその名の通り、金に投資をして利益を得るというものだ。金とは何なのか、そして金に投資する理由について見ていこう。
「金」とはどのようなもの?
金には価値が高い、貴重という印象がある。なぜ皆がそのようなイメージを持つのかを確認しておこう。
- 希少価値がある
- 金は希少だからこそ価値が高いといえる。2019年末時点の世界中の金の総量は約19万トンほどである。オリンピックで使用されるプール約4杯分の程度の量しかないのだ。
- また、調査によると、現時点で採掘されず地球上に残されている金は約5万4,000トン程度である。その全てを採掘できるとは限らないため、金の希少価値はますます増していくと考えられている。
- 実物資産である
- 株券、債券、投資信託などの金融資産でも資産運用はできるが、発行している企業が倒産した場合、その価値はゼロとなってしまう。また、FXなど為替への投資もできるが、国の情勢が悪くなった時、価値が大きく下がる懸念がある。値動きが激しい点も気を付けたい点といえるだろう。
- 反対に、金は実物資産であり、金そのものに価値がある。価格が下落することもあるが、価値がゼロになることはない。
「金」に投資する理由
では、金に投資する理由についても考えてみよう。
- 値動きが緩やか
- 株式等の金融資産と比べると、値動きが緩やかなのが金の特徴である。激しい値動きがあるものに投資したくないという場合に最適な投資先である。
- 有事に強い
- 昔から「有事の金」という言葉があるように、金は世界情勢などが悪化した場合でも金融資産に比べ、値下がり幅がそれほど大きくない。また、値下がりしたとしても、回復のスピードは金融資産よりも早いのが一般的だ。
金投資の方法とは
金投資の方法はさまざまだ。具体的に解説する。
金投資の方法
一言に「金投資」というが、以下のような方法があるため押さえておきたい。
投資方法 | 特徴 |
---|---|
金貨・金地金 | 実物保有も可能だが、自宅で保管する場合は盗難に注意する必要がある 預ける場合は購入代金以外にも保管料が必要 少量を買う場合は割高になる |
純金積立 | 数千円ほどの少額から投資を始めることできる 積立中は購入した会社で保管される 現物を受け取れる会社・受け取れない会社があるため注意が必要 購入代金以外に保管料が必要 |
金投資信託・金ETF | 証券市場で購入可能 投資信託の場合は実物の交換ができる場合もある |
金先物 | 将来の金価格を予想し取引する投資方法 実物保有は不可他の金投資と比較すると値動きが大きい |
投資方法によって、実物保有ができるもの、できないものに分かれる。
また、実物を手に入れたら自宅でも保管はできるが、盗難に気を付けなければならない。
安全な場所(購入した会社、銀行の貸金庫など)に保管を依頼する場合は保管料もかかる。
金への投資はどこで行う?
金投資の方法ごとに、どこで投資を行えばいいかを確認しておこう。
投資方法 | 投資できる場所 |
---|---|
金貨・金地金 | 宝飾店 貴金属メーカー 金地金商 |
純金積立 | 貴金属メーカー 金地金商 証券会社 商品先物業者 |
金投資信託・金ETF | 証券会社 銀行(金投資信託のみ) |
金先物 | 証券会社 商品先物業者 |
投資の方法によって、販売しているところも異なる。証券会社や商品先物業者を利用する場合は事前に口座の開設も必要だ。
また、金の現物を購入したい場合は、安全な保管場所についても考えておきたい。
なお、金の価格は、次の場所で確認できる。
- 金貨・金地金・純金積立:宝飾店・貴金属メーカーの店頭・ホームページ
- 金投資信託・金ETF:証券会社や銀行の店頭・ホームページ、新聞
- 金先物:証券会社や商品先物業者の店頭・ホームページ、新聞
投資をする前に、ある程度の値動きを把握しておきたい。
金投資のメリットとデメリット
金投資とは何か、そして金投資の方法を把握したところで、金投資のメリットとデメリットにも触れておきたい。
金投資のメリット
金投資のメリットは次のような点だ。
- インフレに強い
- 預貯金の場合、インフレになると資産価値が下落するという問題点がある。しかし、金の価格変動はそれほど大きくないため、インフレの影響を受けにくい
- 実質資産で安全性が高い
- 先にご紹介した通り、金は実質資産である。株や債券など金融資産とは異なり、経済状況に何があっても価値がゼロになることは考えにくい。また、金は腐食などの劣化もなく、劣化で資産価値が下がることもない。
- 世界中で取引ができる
- 例えば、日本国内の取引所だけに上場している株式の場合、日本以外の国では取引ができないため、換金性が高いとはいえない部分がある。しかし、金は世界中で取引されており、換金がしやすいというメリットがある。
金投資のデメリット
金投資のデメリットについても確認しておこう。
- 紛失や盗難の恐れがある
- 金地金や金貨などは実物を手元で保管することもできる。ただ、紛失リスク、盗難リスクがあるため注意が必要だ。
- 貸金庫に預ける、自宅で金庫を購入するなどの対策があるが、紛失・盗難のリスクを全て払しょくできるわけではない。手元で保管している間は無くさないように気を配っておかなければならない。
- 配当金・分配金にあたるものがない
- 金貨・金地金を購入、純金積立した場合、長期間保有していても、配当金・分配金にあたるものはない。売却時に金自体が値上がりしていない場合は利益が出ないため注意が必要である。
まとめ
金は希少価値が高く、実質資産として人気がある。また、投資対象としても、株式等の金融資産と比較して価格が下がりにくく、有事に強いという特徴がある。
また、投資する方法も「現物で保管する」「投資信託として保有する」など、さまざまな手段がある。
株式や投資信託以外の投資先を探しているのであれば、ぜひ注目したい投資先といえる。
しかし、現物保管をする際は、紛失・盗難リスクがあるため、安全な保管場所を準備しないといけないというデメリットもある。
また、株式等とは異なり、配当金・分配金がない点も注意したい部分だ。
最近、「よく分からないまま資産運用をして何百万円も損をした」という話をよく聞く。
そんな時は、「資産運用ナビ」に相談をしてはいかがだろうか。
プロの視点から資産運用の疑問を解決し、納得した上で資産運用を行おう。
現在、下記ボタンから申し込むと無料で資産運用の相談にのってくれる。