- 運用をいくらから始めるべきか迷っている
- 投資予算を設定する方法が知りたい
- 効果的な資産運用を実践したい
新NISAやiDeCoといった資産運用がクローズアップされており、個人の家計資産も「貯蓄から投資」に踏み切る人が多くなっているだろう。
実際に、日銀が発表した「資金循環統計」では、9月末時点の金融資産額は、過去最大となった。
では、資産運用はいくらからスタートするべきなのか知りたい人もいるだろう。
今回は、資産運用を始める場合いくらから始めるべきか、予算の設定方法について確認する。
資産運用を始めるための最小予算とは
資産運用を始めるには、予算をどう設定するかが重要である。
予算設定に関する以下のポイントについて確認する。
- 運用を始めるのに必要な最低限の資金
- 予算設定の考え方
- 一括投資と分割投資の選択
それぞれ解説していこう。
運用を始めるのに必要な最低限の資金
資産運用をする場合に必要な最低資金は、投資の方法によって異なる。
基本的に、株式投資を始めたいのであれば、10万円から50万円ほどの初期費用が必要である。
株式投資は、原則として100株単位で購入する。
ただし、1株単位で購入できる証券会社もあるので、その場合10万円単位の元手がなくても投資できる。
投資信託は金融機関によって100円からでも購入できるため、少額からでもスタート可能だ。
あまり大きな金額を準備しなくても運用は始められる。
ただし、投資に回す資金はあくまでも余剰資金から出さないといけない。
投資に回す資金をいくらにするかは、予算の設定が必要である。
予算設定の考え方について確認する。
資産運用の予算設定の考え方
投資に回す資金を設定するには、手持ちの資産を「いつ」「どのような」目的で使うか、明確にしておく必要がある。
手元にある資産は、時間軸ごとに「短期」「中期」「長期」と分けると良い。
- 短期
- 10年未満
- 中期
- 20年未満
- 長期
- 20年以上
また、病気や転職など突発的な資金が必要なケースを想定して、生活費の半年分は貯金しておく必要がある。
半年分の生活費が確保できたら、余剰資金を活用して資産運用を始めると良い。
予算設定に重要な一括投資と分割投資の選択
資産運用をする場合、一括投資と分割投資のどちらですすめるか選ぶ必要がある。
ニッセイ基礎研究所が調査した一括投資と分割投資の検証結果では、ここ20年程度は投資対象がTOPIX、S&P500、MSCI-ACWI(オルカン)の配当込み指数への一括投資のリターンが高くなっている。
これはアメリカ経済が右肩上がりに上昇したためだ。そのため一括投資のメリットが大きくなった。
経済が停滞気味の場合は、一括投資が有利とは言えないかもしれない。
一方、分割投資はリターンとリスクの幅が小さくなるので、安定的な運用効果が期待できる。
一定のタイミングで同じ金額で購入し続ける「ドルコスト平均法」が、代表的な分割投資の方法である。
リターンを大きく取りたいか、安定的な運用をするかによって、投資の方法が変わる。
どちらの方法が良いかは、世界的な経済の動きや、個人の資産状況や世帯状況によって異なる。
資産運用の専門家にどちらが良いか相談してみると良いだろう。
予算を基に効果的な資産運用のため投資計画を立てよう
資産運用を効果的に行うためには、投資計画を定めて、計画に沿った準備が必要になる。
また、投資計画を実践していく中で、定期的に計画を見直す必要もあるだろう。
効果的な資産運用をするためには、以下のポイントに沿った投資計画の策定が重要である。
- 期待リターンと投資期間の設定
- 資産分散とリスク管理
- 定期的な見直しとリバランスの重要性
それぞれのポイントごとに解説していこう。
期待リターンと投資期間の設定
投資計画を策定する場合、目標とするリターンを達成するために、想定される利回りと投資期間がどうなるのか把握しておく必要がある。
金融庁の「資産運用シミュレーション」で、毎月の積立金額と想定利回り、目標金額を入力して、必要な積立期間を調べることができる。
毎月5万円の積み立てで、2,000万円を達成する場合の必要期間をそれぞれ確認してみよう。
- 想定利回り3%
- 23年2ヵ月
- 想定利回り5%
- 19年8ヵ月
- 想定利回り7%
- 17年3ヵ月
投資目標と想定利回りを想定したうえで、投資期間を逆算する。
資産分散とリスク管理
投資期間が定まったら、どの資産に投資をするか検討する必要がある。
その際に、異なる値動きをする資産を組み合わせながら投資をすると、リターンとリスクのブレが小さくなる。
そのため、安定的な資産運用が期待できる。
株式や債券だけでなく、リートなども組み合わせながらリスクコントロールすると良い。
株式の割合が増えると、リスクとリターンが高くなりやすい。
リスクとリターン | 株式 | REIT | 債券 |
---|---|---|---|
ハイリスクハイリターン | 70% | 20% | 10% |
ミドルリスクミドルリターン | 50% | 30% | 20% |
ローリスクローリターン | 40% | 20% | 40% |
分散する割合は、自身のリスク許容度や想定利回りなどを考慮しながら決めると良い。
定期的な見直しとリバランスの重要性
投資目標の変化や、市場の変動、運用成果に応じてポートフォリオを見直す必要がある。
当初は積極的にリスクを取りながら高いリターンを期待して資産運用をしていても、運用成果がマイナスになっている場合など、このまま継続していくべきか検討するべきだ。
運用資産を早めに現金化したい場合は、原則としてリスクは低めで運用をする。
分散している金融資産の割合を変更する必要があるかは、専門家に相談して決めると良いだろう。
資産運用で考慮すべき重要な要素
資産運用は、投資目標を策定して資産を分散してからも、定期的に見直す必要があるだろう。
実際に、資産運用でどのような点を考慮する必要があるのか確認する。
- リスク許容度と投資目的の明確化
- 資産クラス別のリスク・リターン値
- 市場環境と経済動向が運用資産に与える影響
資産運用をする場合の参考にしてほしい。
リスク許容度と投資目的の明確化
リスク許容度は、許容できる投資リスクの度合を意味する。
個人の資産状況や世帯状況といった客観的な項目と、本人の性格や価値観などでリスク許容度は決まる。
リスク許容度が高いと、より高いリターンを見込んだ投資ができる。
リスク許容度に見合った資産運用をしないと、途中の運用がマイナスになった場合に、投資を継続できずに途中で資産を売却してしまう可能性がある。
また、精神面や生活面にも影響が出ることもあるので、自分の許容度に見合う投資をすると良い。
リスク許容度は、一般的に次の要素で検討する。
要素 | リスク許容度 |
---|---|
年齢 | 年齢が低いとリスク許容度が高め |
年収 | 年収が多いとリスク許容度が高め |
保有資産 | 保有資産が多いとリスク許容度が高め |
将来の必要な支出 | 将来支出が少ないとリスク許容度が高め |
資産運用の経験 | 投資経験が豊富だとリスク許容度が高め |
性格 | 積極的な性格はリスク許容度が高め |
リスク許容度のタイプは、主に以下のパターンに分かれる。
- 安全性重視タイプ
- 安全性の高い金融商品割合を90%
- ・安定成長タイプ
- 安全性の高い金融商品割合を70%
- バランス運用タイプ
- 収益性と安全性の金融商品割合を50%ずつ
- 積極運用タイプ
- 収益性の高い金融商品を重視
次に考慮しておくべきポイントは、投資する目的を明確にする必要がある。
どのような資金を投資によって準備するか、ライフイベントと結びつけて検討する。
- 教育資金
- 住宅ローンの繰り上げ返済資金
- 老後生活資金
どのような目的で投資するのか、前もって明確化しておくと良い。
資産クラス別のリスク・リターン値
毎年、資産クラスごとにリターンの状況は異なる。
JPモルガンアセットマネジメントが、資産クラス別のリターンを調査しているので、資産クラスのリターンを確認する。資産クラスは、以下の通りである。
2019年から2022年までのリターンを確認する。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
先進国株式 | 27.1% | 10.7% | 36.4% | -6.3% |
日本株式 | 18.1% | 7.4% | 12.7% | -2.5% |
新興国株式 | 17.7% | 12.8% | 9.0% | -8.5% |
米国REIT | 27.4% | -9.8% | 57.5% | -14.5% |
J-REIT | 25.6% | -13.4% | 20.0% | -4.8% |
バランス型 | 16.8% | 5.0% | 21.3% | -6.8% |
先進国国債 | 4.9% | 4.7% | 3.7% | -6.9% |
新興国国債 | 13.9% | 0.1% | 9.5% | -6.3% |
米国 ハイ・イールド | 13.3% | 0.8% | 17.4% | 1.2% |
欧州 ハイ・イールド | 7.7% | 6.5% | 7.2% | -5.0% |
毎年のリターンは異なるが、バランス型のリターンは、資産を分散した効果により、中程度のリスクとリターンとなっている。
どの金融商品に預けるべきかは、リスク許容度や投資目標によっても異なる。
専門家にも相談してどのような資産に預けるべきか、決めると良いだろう。
市場環境と経済動向が運用資産に与える影響
景気サイクルは、以下の4つのステージに分かれている。
- 回復期
- 好況期
- 後退期
- 不況期
回復期や好況期は株式や不動産の指数が上昇するが、後退期や不況期は反対に指数が下がる。
一方、債券については後退期や不況期に指数が上昇するが、好況期や回復期には指数が下がる。
資産運用の予算設定に迷ったら誰に相談するべき?
資産運用で予算を設定する方法や、実際にどのような資産で投資をするかは、専門的な知識が必要になる。
特に知識が必要なのは、銘柄選びやベンチマークとする指標の考え方、コストの妥当性などである。
また、世帯や資産の状況によっても投資の予算や目標設定も異なるだろう。
そのため、投資経験がない人には、自身で投資を始めるうえで分からないことが多い。
そこで、今回は資産運用の専門家であるIFAに相談するメリットについて解説する。
資産運用における専門家の価値
投資目標や予算の設定など、特に初心者はどのような方法で投資を始めると良いか判断がつかない。
そのため、目標とする運用成果を達成させるためには、資産運用に関する知識や経験が豊富な専門家であるIFAに相談すると良い。
IFAのメリットと選び方
IFAに相談すると、それぞれの状況に合った適切なポートフォリオや投資額をいくらにするべきか相談できるメリットがある。
予算設定だけでなく、自分に合う資産や具体的な投資手法についても、アドバイスが受けられる。
さらに、IFAは幅広い投資商品の中から自分に最適な金融商品を紹介してもらえる点もメリットだ。
ファンドの騰落率や、各種コストの面から、おすすめの金融商品を紹介してくれる点もメリットといえるだろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」
最適なIFAを見つけるためにも、IFA検索プラットフォームを経由して、自身の相談内容を得意分野としているアドバイザーを見つけると良いだろう。
「資産運用ナビ」は、投資が初めての人でも安心して利用できる無料のIFA検索プラットフォームなので、気軽に利用してみてほしい。
予算の設定や投資計画の策定だけでなく、おすすめの投資方法など、資産運用に関する総合的なアドバイスが受けられるだろう。
また、投資目標の変化や、市場の変動、運用成果に応じてポートフォリオは見直す必要がある。
IFAは、アフターフォローも継続的に実施している。
当初は積極的にリスクを取りながら高いリターンを期待して資産運用をしていても、運用成果がマイナスになっている場合など、このまま継続していくべきか検討する必要がある。
分散している金融資産の割合を変更する必要があるかも含めて、IFAに相談して決めると良い。
資産運用は適切な予算を設定してからスタートしよう
投資計画を策定する場合、目標とするリターンを達成するために、想定される利回りと投資期間がどうなるのか把握しておく必要がある。
投資期間が定まったら、どの資産に投資をするか検討する必要がある。
その際に、異なる値動きをする資産を組み合わせながら投資をすると、リターンとリスクのブレが小さくなる。
そのため、安定的な資産運用が期待できる。株式や債券だけでなく、リートなども組み合わせながらリスクコントロールすると良い。
株式の割合が増えると、リスクとリターンが高くなりやすい。
分散する割合は、自身のリスク許容度や想定利回りなどを考慮しながら決めると良い。
リスク許容度は、許容できる投資リスクの度合いを意味する。
個人の資産状況や世帯状況といった客観的な項目と、本人の性格や価値観などでリスク許容度を検討する。
資産運用に関する疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けると良い。
特にIFAは、中立的な立場からあなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれる。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、あなたに合ったIFAをみつけると良い。