- 新NISAを用いた資産運用の基本戦略を理解したい
- 1,800万円の非課税枠を効率的に活用する方法が知りたい
- 新NISAのリスク管理と投資計画の立て方が知りたい
新NISAを有効活用するためには、制度の仕組みや特徴をしっかりと抑えて、効果的な運用戦略を立てることが重要だ。
新NISAの非課税枠1,800万円を活用するためには、つみたて投資枠と成長投資枠をうまく使い分ける必要がある。
また、新NISAで長期的に運用する上では、リスク管理にも注意しよう。
本記事では、新NISAの基本的な活用方法や、効果的な運用戦略の立て方、運用リスクへの対処方法などについて解説する。
新NISAの相談先としておすすめできる専門家についても紹介しているため、これから新NISAを活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてほしい。
新NISAで資産運用を始める前に押さえるべき制度の基本
効率良く資産形成を行う上で、新NISAの活用方法は非常に重要だ。
これまでのNISAと新NISAでは何が変わったのか、どのようなメリットがあるのかなどについて確認していこう。
新NISA制度の概要
通常、投資から生まれる利益に対しては20.315%の税金がかかる。
しかし、NISA口座を利用して投資を行えば、そこから生まれる売買益や配当などを非課税で受け取れる。
得られる利益が多くなるほど本来かかる税金も大きくなるため、節税メリットが大きくなるといえるだろう。
2024年から始まった新NISAの概要をまとめると、以下のようになる。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
非課税保有限度額 (総枠) | 1,800万円 (うち成長投資枠は1,200万円まで) | |
口座開設期間 | 恒久化 | 恒久化 |
投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託等 |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
これまでは、一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選んで投資する必要があったが、新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能となった。
毎月定期的に積立を行う部分と、それ以外のスポットで投資を行う部分と分けて考えられるため、さまざまな運用ニーズに対応しやすくなった。
また、非課税保有期間についても、これまでのNISAでは5年間または20年間と限定的であったが、新NISAでは無期限となったため、より長期目線での投資もしやすくなったといえる。
年間の投資枠および非課税保有限度額も大きく拡大したため、まとまった資金をNISAで有効活用したいというニーズにも対応できるというメリットもある。
簡単にいうと、新NISAでは、投資できる「量」と「時間」それぞれが大きく増えたということが主な変更ポイントとなる。
なぜ資産運用に新NISAを利用すると良いのか
資産運用で新NISAを利用する最大のメリットは、利益に対して税金がかからないという点だ。
本来、投資から生まれる利益に対しては20.315%の税金が必要となるが、NISAで運用した分についてはそこから生まれる利益が非課税となるため、運用がうまくいった際の手取りが大きくなりやすい。
例えば、1,000万円の運用資金を年率5%で運用したとする。
得られる利益は毎年約50万円だが、課税口座で運用した場合は約10万円の税金がかかる。
積立投資で運用を続ければ、元本が増えていくことでさらに利益幅は大きくなるが、それとともに税金の金額も大きくなってしまう。
数十年間運用を続けると、税金として支払うお金だけで数百万を超える可能性もあるだろう。
しかし、新NISAで投資をした場合は、今後そこから生まれる利益には課税されない。
効率良く資産を増やすという観点で、利益に対して課税されないというのは非常に大きなメリットだ。
老後に向けた資産形成手段として、新NISAとiDeCoが比較して語られることもあるが、資金の流動性という観点では、圧倒的に新NISAが有利だ。
iDeCoの場合は資金の引き出しに年齢制限がかかったり、掛金の拠出額の変更にも手間がかかったりする。
新NISAでは、いつでも好きなタイミングでお金を引き出せたり、簡単に投資金額を増やせたりするため、ライフイベントに応じて柔軟に使い方を変更できるという点も魅力的だ。
新NISAで始める資産運用のポイント
新NISAで重要なのは、将来的に価格の上昇が期待できるものに投資をするということだ。
損失が出てしまっては非課税メリットを享受することができないし、他の課税口座との損益通算もできない。
そのため、新NISAで投資を始める場合は、安定的に利益が見込めて、長期的に投資を行いやすい金融商品を選ぶようにしよう。
特にこだわりがない場合は、資産運用の王道とも言われる「長期・積立・分散」投資が実践できる世界株式インデックスファンドがおすすめだ。
世界中の株式に投資ができるため、世界経済の成長を味方につけて資産を増やしつつ、複数の国や地域にリスクを分散して安定的な投資が期待できる。
指数に連動するインデックスファンドを選べば、アクティブファンドに比べて運用コストを抑えやすいため、長期の積立投資にも適しているだろう。
新NISAで始める資産運用の戦略とは?長期的な資産増加を実現しよう
新NISAの非課税枠を最大限活用するためには、2つの非課税枠の特徴を理解して、使い分けることが重要だ。
あらかじめ自分に合った投資計画を立てておくことで、戦略的に資産形成を図れるだろう。
新NISAで資産運用するならまずは投資計画の立案から
新NISAの非課税保有限度額については、成長投資枠が1,200万円で新NISA全体の限度額は1,800万円となっている。
それぞれの投資枠で投資できる金額が異なるため、あらかじめどちらの枠で何にいくら投資するのか決めておくことが重要だ。
新NISAでは枠の再利用も可能になったため、大きな支出が発生してNISAから資金を取り崩したとしても、再度投資を行えば枠が無駄にならない。
そのため、将来のライフイベントによっては、資金の一部を途中で引き出すことも念頭において資金計画を立ててみよう。
例えば、子供の教育資金のために数年後にお金を引き出す目的で資産運用を行う場合、その分については老後資金よりもリスクを抑えて運用する方が望ましい場合もある。
資金を使う目的や時期に合わせて、運用商品のリスクを変更することで、ライフプランに応じた資産運用をしやすくなるだろう。
新NISAでは長期的な資産運用を実践しよう
新NISAでは、ライフイベントに応じて資産を引き出すことが可能だが、基本的には長期投資を前提とした資産運用をおすすめする。
長期投資を実践することで、複利効果を得ながらリスクを抑えた運用をしやすくなるためだ。
複利効果とは、投資によって生まれた利益を再度元本に組み込んで運用を続けることで、雪だるま式に資産が増えていくという仕組みのことだ。
新NISAで長期投資を続ければ、この複利効果を生かして効率良く資産を増やしやすくなるだろう。
さらに、長期投資は短期投資のように値動きを気にしたり、売買タイミングを見計らったりする必要もない。
仕事や家事・育児で忙しい方にも手軽に取り組めるためおすすめだ。
新NISAで資産運用するなら2つの投資枠は使い分けよう
新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠という2つの非課税枠が設けられている。
つみたて投資枠では、金融庁の基準を満たす一定の投資信託が投資対象となり、成長投資枠ではほとんどの上場株式やETF、投資信託など幅広い銘柄が対象だ。
必ずしも2つの枠を使わなければいけないわけではないが、効果的に新NISAを活用するのであればうまく使い分けるのをおすすめする。
例えば、老後資産としてしっかりと積み立てていきたい資産はつみたて投資枠でインデックスファンドに投資を行い、リスクをとって高いリターンを狙いたい部分は成長投資枠で個別株に投資をするといった方法だ。
許容できるリスク別や資産の使い道別に投資枠を活用することで、より新NISAを効果的に活用できるだろう。
新NISAで始める資産運用のポイント
新NISAは、将来に向けた資産運用に有効な制度ではあるものの、投資におけるリスクは切り離せない。
ここでは、新NISAで考慮すべきリスクやその対処法について解説する。
新NISAで気を付けるべき投資のリスク
投資におけるリスクにはいくつかの種類があるが、ここでは代表的なリスクについて紹介する。
価格変動リスク | 株式や債券、投資信託などの価格が変動するリスク |
---|---|
信用リスク | 株式や債券の発行体の倒産や業績悪化などのリスク |
流動性リスク | 自分が希望するタイミングや価格で取引できないリスク |
金利変動リスク | 金利が変動することによって債券や投資信託の価格が変動するリスク |
為替変動リスク | 外国為替相場の変動によって為替レートが変動するリスク |
リスクとは価格の振れ幅のことで、リスクが大きいということは、大きな利益を得られる可能性もあれば、大きな損失が発生する可能性もあるということを表す。
リスクとリターンは表裏一体の関係にあるため、大きなリターンを得ようと思うとリスクも大きくなり、リスクを抑えて運用しようと思うと期待できるリターンも小さくなる。
リスクを管理するための方法としては、分散投資が有効だ。
幅広い資産に分散して投資を行うことで、一つの資産の価格の下落によって資産全体がダメージを受けるのを防ぎやすくなる。
手軽に分散投資を行いたいなら、複数の資産に投資を行う投資信託やETFへの投資が適しているだろう。
新NISAで投資手法とのバランスを取る方法
新NISAでは、積立投資と一括投資のバランスの取り方に迷うかもしれない。
つみたて投資枠では基本的に積立投資を行うこととなるが、成長投資枠はある程度自由に運用ができる。
基本的には、それほど深く考えずに「毎月積立を続けられる金額はつみたて投資枠で積立投資」、「ボーナスなどの余剰資金やこれまでの貯蓄は成長投資枠で一括投資」と使い分ければ良いだろう。
資産の○割は積立投資、などと明確に決めるよりは、長期投資を無理なく続けられる方が重要だ。
まずは、つみたて投資枠を基本として考えて、余ったお金は成長投資枠に回す、といった考え方がおすすめだ。
新NISAで始める資産運用には適切な資産配分が重要
新NISAを始める際は、おおまかでも良いのでポートフォリオを作ることを推奨する。
ポートフォリオとは、資産の組み合わせのことで、どんな資産にどのくらいの割合投資するかという資産計画を指す。
例えば、年金運用を行うGPIFの基本ポートフォリオは「国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%」と4つの資産に均等に投資を行う資産配分だ。
自分のリスク許容度に応じて、どんな資産に投資するかを決めておくことで、一定の基準に基づいて運用を続けやすくなるだろう。
また、資産運用を進めていくと、資産価格の変化によって資産配分が変わってくる。
そのため、定期的にポートフォリオをチェックして、元の資産配分になるようにリバランスを行うのも重要だ。
リバランスの方法は、価格が上がった資産を売却して価格が下がった資産に入れ替える方法や、価格が下がった資産のみを買い増すことで比率を上げる方法などがある。
新NISAで資産運用を始めるなら誰に相談するべき?
新NISAの適切な活用方法は、人によって異なる。
自分に最適な活用方法が知りたい場合は、専門家へ相談してみよう。
新NISAで始める資産運用における専門家の重要性
新NISAで運用できる金融商品は幅広いため、自分に適した運用商品を選ぶためには、資産運用の専門家に相談するのがおすすめだ。
正しい知識に基づくアドバイスを受けることで、初心者であっても資産運用を始めやすいだろう。
ただし、相談先によって選択できる商品や将来の運用成果に影響が出る可能性があるため、相談先選びは慎重に行おう。
特に、専門的な資格を保有しているかが重要だ。
例えば、FP資格は主にライフプラン作成に対するアドバイスを行うための資格であり、具体的な金融商品の提案や仲介は行えない。
そのため、新NISAの概要など基本的な説明にとどまってしまうケースもあるため、具体的に聞きたいことがある場合は注意しよう。
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会社都合の転勤などが発生しないため、長期的に信頼関係を築きやすいという点もメリットだ。
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新NISAで資産運用を始めよう
新NISAでは、非課税保有期間が無期限化され、投資可能金額も大幅に拡大した。
1,800万円の非課税枠を効果的に活用するためには、2つの投資枠の使い分けやリスク管理が重要だ。
リスクを抑えて安定的に資産運用を行う上では、長期・分散・積立投資の実践がポイントとなる。
自分のライフプランや金融資産、家計の状況に合わせて、効果的に新NISAを活用しよう。
具体的な銘柄選びやポートフォリオの設計方法がわからない場合は、専門家からのアドバイスを受けることを推奨する。
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