- プライベートバンクが何かわからない
- 一般的な金融機関とプライベートバンクの違いを知りたい
- プライベートバンクの役割と期待できるサービス内容を理解したい
特に運用資金が豊富にある場合、プライベートバンクの活用を検討するケースも多いだろう。
今回はプライベートバンクの概要、銀行等の一般的な金融機関との違い、投資方針等について解説する。
プライベートバンクとは何か
プライベートバンクについて、名前を見聞きする機会はあっても詳しい仕組み等はよく分からないということも多いだろう。
ここではプライベートバンクの概要や一般的な銀行等との違いを解説する。
プライベートバンクの本質
プライベートバンクとは数千万円や数億円以上の資産を保有する富裕層を対象に、資産管理や資産運用といった総合的なサービスを提供する金融機関を指す。
スイス発祥の銀行形態で、主に富裕層の資産増大や防衛の役割を担っている。
オーダーメイドで富裕層一人一人に合ったサービスや金融商品を提供するのが特徴で、一般的な株式や債券、投資信託等の商品と異なり、プライベートエクイティファンドなどの市場に広く流通していない仕組みを活用することもある。
プライベートバンクと一般的な金融機関との違い
一般的に広く利用されている銀行等の金融機関とはどのような違いがあるのだろうか。
一般的な金融機関は、主にマスリテール層と呼ばれる顧客を対象にサービスを展開している。
口座を保有する顧客から資金を預かり、株式や債券等を運用して収益の一部を利息として還元する。
国内の金融機関の場合、普通預金の利率は0.001%に設定されていることが多いが、これは銀行が顧客に支払う手数料である。
一方でプライベートバンクの顧客対象は富裕層で、プライベートバンカーと呼ばれる専門家が顧客につき、資産運用のサポートを行う。
運用だけでなく資産や事業の承継、時計やコイン等の現物資産の売買、税務面のサポート等も行う機会がある。
サービス内容は幅広く、高級ホテルのコンシェルジュサービスのようなものをイメージすると分かりやすいかもしれない。
プライベートバンクの対象顧客
プライベートバンクの対象顧客は富裕層で、預入金額も数億円、数十億円規模になることも多い。
野村総合研究所が定義する階層区分では、純金融資産保有額が5億円以上の世帯は「超富裕層」とされている。
2021年のデータでは超富裕層は9万世帯いるが、主にこれに該当する顧客が対象になるといえる。
世界的には王族や貴族などが対象となることも少なくない。
プライベートバンクの運用戦略
プライベートバンクは資産運用に対して、どのような方針をとるのだろうか。
強みや資産保全の考え方について紹介する。
プライベートバンクの投資方針
プライベートバンクは顧客の資産状況や年齢、家族構成、投資目標や出口戦略等を細かくヒアリングしたうえで、オーダーメイドでポートフォリオを構築するなど資産運用全般のサポートを行う。
運用手法や金融商品ごとに担当者が分かれていることもあり、こちらが希望する内容や投資目的等に応じて、最適な担当者に相談することも可能だ。
プライベートバンクの強み
一般的な金融機関でもポートフォリオを構築できるが、プライベートバンクの場合は、さまざまな視点から総合的に分析やサポートを受けて自分自身に合った資産運用を行うことができる。
具体的には投資リスクだけでなく、運用者自身の年齢や資産状況、本人を取り巻く環境(家族構成、将来的な相続等の可能性)も考慮してくれる。
専門のプライベートバンカーとは本人だけでなく、子供や孫など世代を超えて関係を構築することもある。
単なるコンサルタントと顧客の関係にとどまらず、公私共に信頼関係を深めるパターンも少なくないと考えられる。
世代を超えて一族の資産形成ができるのはプライベートバンクの大きな強みといえるだろう。
リスク管理と資産保全
投資にはリスクがつきものだが、場合によっては資産50億円や100億円以上も運用するため、リスク管理や資産保全は必須だ。
プライベートバンクや担当者によっては得意不得意もあるため、自身の運用方針と合致するか確認する必要がある。
こちらの方針とプライベートバンクの得意分野や考え方にミスマッチがあると、本来必要ない金融商品を推奨される、投資目標に沿わないポートフォリオを組み立てられるといったデメリットが発生する。
プライベートバンクを活用するための具体的なステップ
ここからはプライベートバンクを実際に活用するために具体的な流れを解説する。
特に依頼を検討している場合は参考にしてみて欲しい。
最低預入金額
最低預入金額は数億円、低い場合でも数千万円以上となることが多い。
一般的な金融機関の場合は数万円、商品によっては数千円規模でも運用できるケースが多い点を考えると、その差は歴然である。
たとえば世界最大手のプライベートバンクであるUBSグループの場合、2億円相当額以上の預入が必要となる。
世界的には大手プライベートバンクになるほど金額が上がり、50億円やそれ以上となることも少なくない。
プライベートバンクとの関係構築
プライベートバンクに資産運用を依頼する場合は、自身の運用目的を必ず確認しよう。
これを疎かにしてしまうと、投資戦略に沿わない運用や金融商品の購入を勧められるおそれがある。
プライベートバンクとのミスマッチを防止するためにも下記のポイントは必ず確認しよう。
- 運用目的や投資目標、出口戦略
- プライベートバンクやバンカーの得意分野や実績
- プライベートバンカーが持つ専門知識や経験内容
長期的な視点での投資
プライベートバンクを活用した資産運用では、長期視点は必須である。
なぜなら本人だけでなく配偶者や子供、孫など一族で資産形成を行うパターンが多いからだ。
本人や家族等のライフステージや考え方はもちろん、市場動向や政治経済等の情勢は常に変化する。
そのため、その時の状況によって臨機応変に対応することが求められる。
IFAと投資の成功を
資産運用の専門家にはプライベートバンクの他にもIFAと呼ばれる者が存在する。
IFAとプライベートバンクはどう違うのか、IFAに依頼するメリットを解説する。
IFAとプライベートバンクの違い
プライベートバンクが特定の金融機関によるサービスである一方で、独立系のファイナンシャルアドバイザーのIFAは、中立的な立場で顧客の資産運用や保全サポート等を行っている。
IFAは特定の金融機関に属さないため商品の縛りも受ける必要がなく、客観的に顧客に合った投資戦略を構築することができるのが強みだ。
プライベートバンクが富裕層のみを対象としている一方で、IFAはアッパーマス層やマス層も対象としているのも特徴である。
IFAと協力するメリット
中立的な立場でサポートを行うIFAと協力するメリットは次のような内容が挙げられる。
戦略の構築や分析にかかる時間や手間を省ける
市場動向や金融業界、政治経済情勢等の詳しい分析をするには膨大な時間や手間が発生する。
これらをIFAに任せられるのは大きなメリットだ。
特定の金融機関の方針や商品に左右されない
一般的な銀行や証券会社、プライベートバンクの場合は、どうしても会社の方針や取り扱う金融商品に縛られる部分もある。
IFAの場合はそれがなく、それぞれの顧客に沿った形で幅広くアドバイスできる。
IFAと一緒に投資計画を立てる
自身に合った投資計画を立てる際は、投資目的や目標、資産規模、ライフステージ、家族構成、市場動向等、考える内容が多い。
また、一度構築すれば終わるわけではなく、状況が変わるごとに見直さなければならない。
これらを投資家が全て担うのは困難かつ非効率になりがちだ。
そのため、中立的な立場の専門家であるIFAとともに計画を立てることをおすすめする。
ただ、投資戦略と同じように、あなたに最適なIFAも投資の経験値や目標、資産状況によって異なる。
検索プラットフォーム「資産運用ナビ」などを活用し、自身の条件にあったアドバイザーを探すことも忘れないようにしよう。
まとめ
今回はプライベートバンクと一般的な金融機関・IFAとの違い、プライベートバンクにおける運用の特徴について解説した。
富裕層向けの資産運用には専門的な知識が必要不可欠であり、専門家とともに運用を進める必要がある。
IFAはお金の専門家であり、プライベートバンクに関する情報はもちろん、資産運用に対する様々なアドバイスを提供してくれる。
また、投資家の投資経験や投資意向によって、最適なIFAの選択肢も異なる。
自身の条件にあったIFAを見つけるには、「資産運用ナビ」などの検索プラットフォームの活用もおすすめである。
無料相談もできるので、長期的な資産形成のパートナーとなる、信頼できるIFAが見つかるはずだ。
プライベートバンクを活用するか迷っている、運用に対する不安がある方は、以下のボタンから気軽に「資産運用ナビ」に相談してみてほしい。