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ヘッジファンドについて知ろう!メリット・デメリットを徹底解説

この記事で解決できるお悩み
  • ヘッジファンド投資のメリット・デメリットを理解したい 
  • ヘッジファンド投資を成功させたい
  • ヘッジファンドを選ぶ基準が知りたい

投資信託とは、投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめて、運用のプロが株や債券などに投資を行う仕組みの金融商品のことだ。

富裕層の運用先として知られる「ヘッジファンド」「聞いたことはあるけど、どんな商品なのか知らない」という人も多いかもしれない。

本記事では、ヘッジファンドの概要やメリット・デメリット、相談先について解説する。

また投資信託のメリット・デメリットについても併せて読み進めてほしい。

目次

ヘッジファンドの基礎知識

ヘッジファンドの基礎知識 資産運用ナビ

ヘッジファンドとは、私募の投資信託の一種である。

一定額以上の資産を持つ富裕層をターゲットとしていることが特徴で、株式や債券、コモディティの現物取引だけでなく信用取引や先物取引も用いて運用している。

そのため、ヘッジファンドは市場の上昇局面だけでなく、下降局面でも利益を追求できるメリットがある。

リスクヘッジしながら積極的なリターンも追求することが大きな魅力だ。

「株式や債券を組み合わせて運用する」と聞くと、「投資信託と何が違うのだろう」と疑問を感じる人もいるだろう。

一般の投資信託とヘッジファンドで大きく異なるのは、募集方法についてである。

一般の投資信託とは公募によって投資家を募っており、基本的に証券口座があれば誰でも購入することができる。

一方、ヘッジファンドは私募によって投資家を募るため、クローズドな環境下においてのみ購入することが可能だ。

また、最低投資金額についても異なる。

一般の投資信託はワンコインから購入することができるが、ヘッジファンドは500〜1,000万円程度が最低投資金額とされていることが多い。

つまりヘッジファンドは誰でも購入できるわけではなく、一定の資産を持つ富裕層のみが購入できる金融商品といえる。

ヘッジファンドが購入できる場所

ヘッジファンドが購入できる場所として、次のような例が挙げられる。

  • 証券会社
  • プライベートバンク
  • IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)

以前は証券会社やプライベートバンクを通じて購入することが一般的であったが、最近ではIFAへの相談でヘッジファンドへの投資を決める投資家も多い。

IFAについては本記事でくわしく後述しているため、そちらも併せて参考にしていただきたい。

ヘッジファンドのメリット

ヘッジファンドのメリット 資産運用ナビ

ヘッジファンドへ投資するメリットとして、次の3点が挙げられる。

ヘッジファンド投資のメリット
  • リスク管理が行える
  • 高いリターンが狙える
  • 投資戦略の種類が豊富

それぞれくわしく解説していこう。

リスク管理が行える

ヘッジファンドは専門家に運用を任せるため、適切なリスク管理が行えるメリットがある。

自ら資産運用に取り組む場合、金融市場の動きを注視しながら資産配分や売買のタイミングについて考える必要がある。

しかし、投資経験が浅い人や取引に時間が割けない人にとっては、適切に投資判断を下せないこともあるだろう。

その点、ヘッジファンドは投資のプロによって運用が行われるため、リスク管理を任せながら資産運用に取り組むことが可能だ。

高いリターンが狙える

ヘッジファンドは、一般の投資信託に比べて高いリターンが狙えることも特徴だ。

ヘッジファンドでは先述の通り、現物取引だけでなく先物取引や信用取引を取り入れて運用する。

そのため、積極的にリスクを取りながらリターンを追求することが可能である。

また、ヘッジファンドは先物取引を取り入れることで、下降局面でもリターンを狙うことができる。

通常の投資信託では現物取引をメインに運用するため、基本的には上昇局面でしかリターンを狙えない。

その点、ヘッジファンドは相場変動に合わせて先物取引を組み入れることで、下落局面でもプラス運用を行えるメリットがある。

投資戦略の種類が豊富

ヘッジファンドは、通常の投資信託に比べて組み入れる商品の種類が多い。

そのため、さまざまな投資意向に合わせて、自分に適した投資戦略が行えるメリットがある。

たとえば、「市場変動による価格変動を抑えたい」という意向がある人には、ロング・ショート戦略などが有効だ。

ロング・ショート戦略は、買いと空売りを同時に用いることで、市場変動が起きた際も安定的に利益を狙える特徴がある。

ヘッジファンドは組み入れる商品の幅が広いため、より多くの投資意向に寄り添うことが可能だ。

「公募ファンドにはなかなか好みの商品がない」という場合は、ヘッジファンドへの投資を検討してみよう。

ヘッジファンドのデメリット

ヘッジファンドのデメリット 資産運用ナビ

さまざまなメリットがあるヘッジファンドだが、一方で次のようなデメリットも存在する。

  • 運用コストが高い傾向にある
  • 流動性が低い
  • まとまった資金が必要

それぞれくわしく解説していこう。

運用コストが高い傾向にある

ヘッジファンドは、一般的に「管理手数料」と「成功報酬」の2種類の手数料がかかる。

管理手数料とはファンドの運用や管理にかかる費用で、投資信託でいうところの信託報酬のようなコストである。

一方、成功報酬とは運用成果に対して徴収される手数料だ。

ヘッジファンドにかかる手数料はファンドの種類によっても異なるが、管理手数料が2%、成功報酬は20%程度とされることが多い。

それに加えて、購入手数料や解約手数料が発生するケースもある。

一般の投資信託では成功報酬が発生するものは稀であるうえ、購入手数料や信託報酬も低コストであることが多い。

ヘッジファンドで運用する際は、保有にかかるコストをしっかりと理解しておくことが大切だ。

流動性が低い

ヘッジファンドに投資する際は、流動性についても理解しておきたい。

株式や投資信託は好きなタイミングで売却することができ、現金化した資金も数日後に口座へ入金される。

しかし、ヘッジファンドは売買の機会が制限されているため、「市場の動向を見ながら売却のタイミングをうかがう」という取引を行いにくい。

なかには、解約が行える期間を限定しているファンドや、入金までタイムラグが発生するファンドも少なくない。

ヘッジファンドを購入する際は、自由に売買できる金融商品ではないことをあらかじめ留意しておこう。

まとまった資金が必要

ヘッジファンドは、投資家から私募で募った資金をもとに運用することから、最低投資金額が比較的高く設定されている。

具体的な金額はファンドによって異なるものの、500万〜1,000万円程度とされていることが多い。

通常の投資信託の場合は、ワンコインで購入できる証券会社もあり、少額投資から気軽に投資することが可能だ。

その点と比較すると、ヘッジファンドは投資のハードルが高いといえるだろう。

ヘッジファンドを購入する際は、「まとまった資金が一定期間拘束される」ということを踏まえたうえで投資する必要がある。

ヘッジファンドのメリットとデメリットを考慮した投資戦略

ヘッジファンドのメリットとデメリットを考慮した戦略 資産運用ナビ

ここまで説明したヘッジファンドのメリット・デメリットを基に、ヘッジファンド投資で実践するべき戦略として以下3点について解説していく。

  • 余剰資金額の範囲で行う
  • 自分の投資意向に適したファンドを選ぶ
  • 長期をかけて運用する

それぞれくわしく確認していこう。

余剰資金額の範囲でヘッジファンドを運用する

ヘッジファンドは売買の機会が限られていることから、一定期間資金が拘束される特徴がある。

「資金が必要になったので一部を売却したい」という要望があっても、タイミングによってはすぐに手続きができないことも少なくない。

そのため、ヘッジファンドに投資する資金は、当面使う予定のない余剰資金である必要がある。

まずは自分の資産を「使う予定があるお金」と「使う予定がないお金」に色分けしたうえで、さらにその中で「高いリスクを取って運用できるお金」を可視化してみよう。

自分の投資意向に適したヘッジファンドを選ぶ

ヘッジファンドは組み入れられる金融商品の種類が多いことから、ファンドの種類や運用方針も多種多様だ。

より適切な資産運用に取り組むためには、自分の投資意向に適したファンドを選ぶ必要がある。

複数のファンドを比較したうえで、運用戦略や投資対象が自分の投資意向と近いものをえらぶようにしよう。

また、ヘッジファンドでは過去の運用実績を確認することも重要だ。

特に、リーマンショックやコロナショックなど大きな市場変動が起きた際にどれくらい下落しているか、回復するまでにどれくらいの時間がかかっているかということをチェックしておこう。

ヘッジファンドは長い期間運用する

ヘッジファンドは、市場の変動に左右されずに安定した利益を得ることを目指す金融商品である。

そのため、長期投資に適した特徴を持っている。

また、ヘッジファンドは解約の45日前までに手続きを申し出る「45日ルール」があることから、短期売買には適していないといえる。

ヘッジファンドによる資産運用に取り組む際は、長い期間をかけてじっくりと資産を育てるようなイメージを持つようにしよう。

メリット・デメリットを踏まえたヘッジファンドの戦略を立てるなら誰に相談するべき?

メリット・デメリットを踏まえたヘッジファンドの戦略を立てるなら誰に相談するべき? 資産運用ナビ

ヘッジファンドは限られた投資家のみが購入できる金融商品であることから、投資の際に「情報が少ない」と悩むことも少なくない。

適切にヘッジファンドへの投資に取り組むためには、金融のプロへ相談することがおすすめだ。

ここからは、おすすめの相談先について紹介していこう。

ヘッジファンドの活用はプロへの相談が必須

ヘッジファンドは証券会社やプライベートバンク、IFAなどを通じて購入手続きを行う。

一般の投資信託のように、「ネット証券で自分で買い付ける」ということができないので、プロへの相談は必要不可欠となっている。

また、ヘッジファンドは複雑な運用手法を取り入れているものも多く、きちんとプロからリスクについて説明を受ける必要がある。

自分の投資意向に合ったファンドを見つけるためには、しっかりとヒアリングを実施したうえで商品を提案してくれる相談先を選ぶようにしよう。

IFAはヘッジファンド投資の心強い味方

ヘッジファンドの相談先としておすすめなのが「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」だ。

IFAは、特定の金融機関に所属しないことが特徴の金融アドバイザーである。

IFAは金融機関から切り離された存在であるため、顧客の立場に立った中立的なアドバイスを行ってくれるメリットがある。

たとえば、ヘッジファンドの相談をする際、「手数料が高い商品を勧められるのでは」と不安を感じることがあるかもしれない。

金融機関も顧客の意向を優先した営業活動を行っているが、利害関係が発生する以上、完全に利益相反を防ぐことは難しいといえる。

その点、IFAは金融機関の職員ではないため、会社の営業方針や手数料にとらわれずに商品を勧めてくれる安心感がある。

ヘッジファンドのような複雑な金融商品を購入する際は、中立的な立場でアドバイスをくれるIFAへの相談がおすすめだ。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用しよう

現在、IFAの需要増加を受けて、全国各地にIFA法人が増加している。

IFAにはそれぞれ得意分野や取扱商品、メインとする顧客層があり、自分に合った相談先を探す必要がある。

IFAを探す際は、IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用することがおすすめだ。

「資産運用ナビ」では、簡単な質問に答えるだけで相性の良いIFAを紹介してもらえる。

検索サービスは無料で利用できるので、ぜひ気軽に活用してみよう。

ヘッジファンドのメリットとデメリットを理解しよう

ヘッジファンドのメリットとデメリットを理解しよう 資産運用ナビ

ヘッジファンドはプロに運用を任せられることや、リスク管理を行いながらリターンを追求できるメリットがある。

コストが高いことやまとまった資金が必要になる点には注意が必要だが、「手間を掛けずに運用を行いたい」と考えている人には便利な金融商品だ。

また、ヘッジファンドへの投資はIFAへ相談することも検討したい。

ぜひIFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、自分に合った相談先を探してみよう。

ヘッジファンドのメリットデメリットに関するQ&A

ヘッジファンド投資はどのような人に向いていますか?

ヘッジファンド投資はプロに運用を任せられることから、投資に手間をかけたくない人に向いている。

また、先物取引を用いて運用することから、「下落局面でも積極的にリターンを狙いたい」という人にもおすすめだ。

投資信託と比較したヘッジファンドのメリットは何ですか?

ヘッジファンドは、市況が悪く株価や債券などの価格が下がっている局面においてもリターンを狙えるという点で、投資信託よりも利益を出せる可能性が高いのが大きなメリットである。

また、ヘッジファンドは、投資信託よりもさまざまな投資スタンス・手法をとっており、自身の投資性向に合わせて商品を選定できる。

自分によりフィットした金融商品を探せるという意味においてもメリットがあるだろう。

ヘッジファンドのメリットを生かす運用戦略にはどのようなものがありますか?

ヘッジファンドは積極的にリターンを狙いに行くため、いわば攻めの銘柄だ。

そのため、残りの資産は守りを固める方向で運用を考えるとよいだろう。

海外商品よりも国内商品を選んだり、株式よりも債券を選んだりして、安定性の高い金融商品への資産配分を厚めにするのがおすすめだ。

そうすれば、着実なリターンを狙いつつ、ヘッジファンドへの投資でさらなる収益を期待できるだろう。

ヘッジファンドのデメリットの一つである流動性リスクを評価する方法を教えてください。

まずは資金を拘束される期間の長さに着目しよう。拘束期間が長くなるほど、流動性リスクは高まるため注意が必要である。

また、引き出す際の申請期間が短かったり頻度が少なかったりする際も、流動性リスクが高まる。

ほかにも、ヘッジファンドが何に投資しているかを見ることで、投資対象の流動性からも評価できるだろう。

間接的にではあるが、安定的なパフォーマンスを出せているかどうかも、流動性リスクを評価する材料になるはずだ。

ヘッジファンドの運用において、市場の下落時にどのように対処すればデメリットを抑えることができますか?

信用取引の買いと空売りを同時に行うことで、市場の下落局面においても収益を狙うことはできる。

ただし、株式投資に慣れている人でなければ対処するのは難しいため、下落時であろうとポジションを維持することが、長期的には大きなリターンを獲得できるケースも多い。

市場の動きを見て慌てて対処すると、却って傷口を広げてしまう可能性もある。

状況を冷静に判断したうえで、投資の目的を達成するためにホールドするという選択肢も持っておこう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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