- 400万円を効率的に運用する方法が知りたい
- リスクを管理しながら資産を増やす方法が知りたい
- 運用計画の立案方法と実行する際の注意点が知りたい
本記事では、資産運用の基本から、400万円で始める資産運用例を用いた具体的な運用戦略を解説する。
さらに資産運用を行ううえでのリスク管理方法についても説明する。
「ある程度の預金が貯まってから資産運用を始めたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてほしい。
資産運用の基本
ここでは、資産運用の概要や種類について解説する。
資産運用は継続することが重要だ。
資産運用のメリットとデメリットを把握できれば、資産運用への不安も減るだろう。
また運用目的と期間を明らかにして、自分のリスク許容度も認識しておけば、無理のない資産運用が行える。
資産運用の理解を深め、長期的な運用を目指したい。
資産運用とは
資産運用とは、自己資産(お金)を預金や投資などに分散させて、効率的に増やしていくことだ。
さまざまな運用先のなかで、収益性の高いものほど資産が損失する恐れがあり、反対に収益性が低いものほど損失が発生する恐れも低い。
下記に主要な資産運用の方法を述べる。
各運用方法のメリットとデメリットを理解したうえで、自分に合った方法を選択するようにしよう。
※なお、FXや暗号資産などについては対象外とした。
これらは相場の変動を利用し短期間で利益を目指す「投機」の性質が強いため、ギャンブル性が高く、長期的資産運用には向いていない。
資産運用を始める前に考えるべきこと(その1)目的を考える
資産の運用方法を検討する前に、まずは運用目的を明らかにしておく必要がある。
運用目的が明らかになれば、おのずと運用方法が絞り込まれる。
例えば、子どもの教育資金が目的であれば、自分が亡くなる可能性も考慮し、保険を中心とした資産運用を考えるべきだ。
また、FIREの準備資金を目的とする20〜30代の人であれば、損失の危険性はあるが、株式で運用してもよいかもしれない。
このように、運用目的によっては、堅実さが求められることもあれば、大胆な運用方法が許されることもあるのだ。
繰り返しになるが、まずは「何のための運用をはじめるのか」を明確にすることから始めよう。
資産運用を始める前に考えるべきこと(その2)リスク許容度を考える
自分のリスク許容度、つまり「どの程度なら運用が失敗しても耐えられるか」によっても運用方法は変わってくる。
リスク許容度が低い人には堅実な資産運用が向いており、許容度が高ければ損失の恐れがあっても、高い収益を目指す運用もできる。
先述した通り、資産運用は長期で行うことが重要となる。資産価値の変動があっても長く運用を続けるためにも、リスク許容度にあった運用法を選ぶようにしよう。
全国銀行協会が提供している「あなたのリスク許容度診断テスト」の結果を、参考にするのもよいだろう。
400万円の効率的な運用戦略を紹介
ここではリスク許容度に応じた運用戦略を紹介する。
その具体例として、400万円の資産を運用する方法を、リスク許容度ごとに紹介する。
また最適なポートフォリオを考えるうえでのポイントや、資産運用による収益と運用期間の関係性についても説明する。
資産を分散させる重要性
前述した各運用方法のどれかひとつだけに資産を集中させても、自己資産を効率的に増やすことはできない。
運用先ごとに、市況が変動するタイミングや振れ幅は異なるため、自己資産も分散させて運用しておくべきだ。
資産を分散しておけば、運用先の一部が下落しても資産損失は一部にとどまり、また他が上昇していれば資産が維持拡大することもあるからだ。
ただし分散した資産の構成、つまりポートフォリオは、人それぞれのリスク許容度によって変わってくる。
400万円の資産を運用するポートフォリオの考え方
ここではリスク許容度の高い人と低い人で、400万円の資産を運用する場合のポートフォリオの違いを紹介する。
リスク許容度の高い人 | リスク許容度の低い人 | |
---|---|---|
属性 | 年齢:20~30代 職業:会社員 収入:給与 性格:大胆 資産運用経験:あり | 年齢:60代以降 職業:無職(定年後) 収入:年金が中心 性格:慎重 資産運用経験:なし |
ポートフォリオ例 (資産400万円) | 預金:40万円(10%) 株式:240万円(60%) 債券:120万円(30%) | 預金:120万円(30%) 株式:40万円(10%) 債券:240万円(60%) |
積極運用型 | 安全性重視型 |
例えば年齢が若い方は、働ける期間が長いために労働収入で損失をカバーできる可能性がある。
また、一時的に資産価値が下落しても長期目線で運用することで回復してプラスに転じることも考えられる。
そのため、上記のようなリスク許容度の高い人は、多少のリスクをとっても株式など高い収益性を目指すポートフォリオにしてもよいだろう。
一方で許容度の低い人は、安定資産である預金や債券の割合が大きいポートフォリオにし、収益性よりも資産保全を目指すべきだ。
運用方法を選ぶ基準
ポートフォリオ内の各運用方法は、その収益性と損失の可能性を考慮して選ばなければならない。
市場動向の影響により価格の変動が激しい株式は、収益性が高い反面、損失リスクも高い。
一方で預金や国内債券は、資産が損失する危険性はないが、収益性は低い。
このように各運用方法がもつ「収益性」と「損失の危険性」には、相関関係があることを忘れてはいけない。
この相関関係を理解したうえで、自分のリスク許容度に応じた運用方法を選ぶべきだ。
運用期間と収益の関係性
国の経済活動状況を表す指標であるGDP(国内総生産)の全世界総額の推移をまとめると、以下のグラフになる。
このグラフでは、2008年に谷間が見えるが、これはリーマンショックがあった時期だ。
1960年〜2019年までの間、このような経済危機が多くあったが、世界のGDP(経済成長)は約60倍に成長している。
資産運用では経済成長に投資するため、運用期間が長期になれば、世界経済の成長推移と同様に下落しても回復し再び成長する。
運用期間と収益目標の設定方法
20〜30代の人は、これから長期ににわたり資産運用ができるため、高いリターンを狙った運用目標を設定しても実現できる可能性が高い。
一方、定年があと数年後に迫り、定年後の収入は年金が中心になる人の場合、資産運用できる期間は前者と比較して長くはない。
そのような人は、運用目標を下げて安全性を重視した運用を考えるべきだ。
このように、基本的に運用に充てられる期間が長いほどリスク許容度は高く、収益を狙った運用を実践できる。
ただ、先述した通り、「何のために運用するのか」という目的と合わせて検討することも忘れないようにしよう。
資産運用におけるリスク管理の重要性
ここでは資産運用におけるリスク管理の具体的な方法を解説する。
資産運用の分野で使われる「リスク」とは、危険性を意味することではなく、資産価値の振れ幅をさす。
つまりリスクの高い資産運用とは、資産価値が不安定な運用方法のことだ。
資産運用のリスクを管理するには、リスクの実態を把握して、適切な対策を実施しなければならない。
資産運用のリスクとは
資産運用におけるリスクとしては、以下の5つがあげられる。
- 価格変動リスク
- 企業の業績や、国内外の政治・経済情勢など、さまざまな影響を受けて資産価値が変動するリスク。
- 信用リスク
- 企業や国が債務不履行に陥るリスク。
株式や社債では企業倒産、国債では国の財政が破綻すれば、元本が戻らない恐れもある。
- 企業や国が債務不履行に陥るリスク。
- カントリーリスク
- 投資先の国や地域が政治的・経済的に不安定になったときに発生するリスク。
このリスクが生じると、投資先やその地の企業への市場評価が急落する。革命などでの政権交代や内戦・テロなどによる政治的不安、ハイパーインフレなどによる経済的不安が原因になる。
- 投資先の国や地域が政治的・経済的に不安定になったときに発生するリスク。
- 為替変動リスク
- 為替変動により、日本円と外国通貨を交換する際の損益リスク。
- 金利変動リスク
- 金利変動により資産価値が変動するリスク。
債券では、金利が上がれば債券価格は下落し、反対に金利が下がれば債券価格は上昇する。また、信用力の高い国が金利を引き上げた場合、その国の債券購入のために投資家の資金が流入し、為替変動リスクを誘発する場合もある。
- 金利変動により資産価値が変動するリスク。
市況が変動した場合のリスク管理
債券価格が上昇して、先のシミュレーションで用いた「リスク許容度の高い人」がもつ資産のうち債券の割合が10%増えたとする。
この場合、当初設定したポートフォリオに比べてリスクを抑えた運用となっており、このままでは期待した収益を得られない可能性がある。
そのため、価格の上昇した債券を一部売却し、株式を買い増しすることで元の配分に戻す必要があるのだ。
当初の ポートフォリオ | 債券市場の影響で変化した ポートフォリオ | ポートフォリオ | 修正すべき
---|---|---|
資産総額:400万円 株式:60%(240万円) 債券:30%(120万円) | 資産総額:480万円 株式:50%(240万円) 債券:40%(192万円) | 資産総額:480万円 株式:60%(288万円) 債券:30%(144万円) |
債券を売却し、株式を買い増す。 |
また株式価格が上昇して、「リスク許容度の低い人」がもつ資産のうち株式割合が増えたとする。
この場合、先ほどとは反対に変化後のポートフォリオでは、リスク許容度が当初よりも高くなっている。
そのため、株式の売却と債券の買い増しを行い、ポートフォリオを適正化する必要があるのだ。
当初の ポートフォリオ | 株式市場の影響で変化した ポートフォリオ | ポートフォリオ | 修正すべき
---|---|---|
資産総額:400万円 株式:10%(40万円) 債券:60%(240万円) | 資産総額:480万円 株式:20%(96万円) 債券:50%(240万円) | 資産総額:480万円 株式:10%(48万円) 債券:60%(288万円) |
株式を売却し、債券を買い増す。 |
このように、市況の変化に合わせてポートフォリオの調整を行うことで、資産運用のリスクを適切に管理することができる。
ライフステージに応じたポートフォリオの見直し
ポートフォリオを見直す場合は、外部からの要因だけとは限らない。
例えば独身者が結婚・出産により家族が増えれば、生活費の支出も増えるために、経済的余裕が減りリスク許容度も低くなる。
逆に、夫婦が共働きをすれば、家計への収入も増えるため、リスク許容度も高くなる。
自分のライフステージの変化にともなうリスク許容度の変化により、ポートフォリオを見直す必要が生じることもある。
資産運用は誰に相談するべきか?
本記事の内容を実践しようと思っても、資産運用の経験や知識に不安があると、一歩踏み出すことに躊躇してしまうかもしれない。
そのようなときには、資産運用の専門家であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談すれば、不安は解消するだろう。
IFAとは、ライフプランのアドバイスから、金融商品の提案まで行う資産運用の専門家だ。
そのIFAを探す手段として、資産運用相談サービス「資産運用ナビ」についても紹介する。
IFAに相談するメリット
IFAは、金融業界での長い業務経験と、豊富な資産運用の知識をもっている。
特定の金融機関に所属していないため、顧客利益を第一に考えた提案を行ってくれる。
客観的視点で、あなたのリスク許容度を明らかにし、最適なポートフォリオを提案してくれるだろう。
また、IFAには転勤がなく長期的にサポートしてくれるため、ポートフォリオの調整や、ライフステージに応じた提案も行ってくれる。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」とは
資産運用の専門家であるIFAは、全国各地におり、それぞれ専門分野をもっている。
また長期運用を前提に支援してもらう場合には、将来的にIFAとの付き合いも長くなるので、IFAとの相性も重要になるだろう。
資産運用相談サービス「資産運用ナビ」を利用すれば、さまざまなIFAと出会え、自分に最適なIFAを探せる。
このサービスの利用もIFAとの面談も、ともに無料なため、多くのIFAの中から信頼できる相談先を見つけることができるはずだ。
資産運用のアドバイザー探しは 「資産運用ナビ」で
資産運用を始める際には、運用目的や期間、自分のリスク許容度を明確にしておく必要がある。
それらを踏まえたうえで、自分に適したポートフォリオを定め、効率的に資産を運用したい。
しかし最適なポートフォリオを考え、定期的に見直すには専門家の助言も必要になる。
「資産運用ナビ」を使えば、全国各地にいる資産運用の専門家であるIFAと出会え、よりよい助言を与えてくれるはずだ。
これから資産運用を始めようとお考えの方や、信頼できる相談先をお探しの方は、ぜひ使ってみてほしい。