- プライベートバンキングサービスの特徴やメリットを知りたい
- 富裕層向けの資産管理サービスに興味があるので具体的な内容やメリットを知りたい
- プライベートバンキングサービスを利用する際の注意点や選び方を理解したい
富裕層を中心に資産運用の提案や資産管理を行う「プライベートバンキング」。
近年では、日本国内の金融機関でもプライベートバンク業務の部署を設置するところも増加している。
本記事では、プライベートバンキングの概要やメリット、利用時の注意点について解説していく。
プライベートバンキングとは?
プライベートバンキングとは、一定以上の資産を持つ顧客に対して、資産運用の提案や資産管理のサポートを行う金融機関だ。
まずは、プライベートバンキングの概要や顧客層を学んでいこう。
プライベートバンキングの概要
銀行というと、通常の預金や融資業務を担う金融機関がイメージされるが、プライベートバンキングはそうした一般的な銀行とは大きく異なる金融機関だ。
プライベートバンキングはスイスが発祥の銀行形態で、富裕層顧客の資産管理や運用サポート、相続・贈与対策など幅広い業務を取り扱っている。
従来は、プライベートバンキング業務を専門に取り扱う金融機関が一般的だったが、最近では、日本国内の金融機関が1つの部署としてプライベートバンキング業務を取り扱うケースもみられる。
プライベートバンキングはいくらから利用できる?
プライベートバンキングの顧客層は富裕層が中心で、およそ資産1億円以上の人を対象にしていることが多い。
ただし、利用できる資産の目安は金融機関によって異なっており、国内の金融機関では数千万円の資産規模から利用できるケースもある。
利用を検討する際は、複数の金融機関の申し込み条件を比較してみよう。
プライベートバンキングにおける3つのメリット
プライベートバンキングには、主に次の3つのメリットがある。
- 自分に合った資産運用プランを提案してもらえる
- 専門性の高い担当者へ相談できる
- 長期にわたって信頼関係を築ける
それぞれくわしく解説していこう。
自分に合った資産運用プランを提案してもらえる
プライベートバンキングでは、資産の状況や投資経験、投資意向に沿った資産運用プランを提案してもらえる。
ただ金融商品を提案するだけでなく、顧客の家族構成や年齢など背景を踏まえたうえで提案してもらえるため、顧客は安心して提案を受けられるメリットがある。
また、市場が大きく変動した時も素早く対応策を提案してくれるので、自分の資産を丸ごと管理してもらえる安心感もある。
専門性の高い担当者へ相談できる
プライベートバンキングは、担当者の専門性が高いことも特徴だ。
プライベートバンキングで働く職員は、これまで国内外の金融機関で多くの経験を積んできており、豊富な知識と実体験のもとアドバイスをしてくれる。
売買のタイミングやリスクヘッジの手法など、専門家からくわしい助言がもらえるのは、資産運用に取り組むうえで大きなメリットだ。
また、プライベートバンキングは贈与・相続税対策や不動産、遺言作成など幅広いニーズに対応するべく、各専門家を紹介してくれるメリットもある。
資産に関することをワンストップで相談できるのは、忙しい富裕層にとって嬉しいポイントである。
長期にわたって信頼関係を築ける
プライベートバンキングは、担当者と長期にわたって信頼関係を築けることも特徴である。
一般的な金融機関ではおよそ3年周期で転勤があり、その都度担当者が変更される。
そのため、転勤の度に担当者との関係がリセットされてしまい、なかなか深い信頼関係が築きにくい側面がある。
その点、プライベートバンキングでは生涯担当制が採られており、1人の担当者に相談し続けることができる。
自分の資産背景をすべて理解してくれる人がいるのは、富裕層にとって非常に心強いといえるだろう。
中には、「2世代にわたって同じ担当者に相談している」というケースも少なくない。
プライベートバンキングにおける3つの注意点
さまざまなメリットがあるプライベートバンキングだが、利用時は次のような点に注意したい。
- 手数料が高い傾向にある
- 利用のハードルが高い
- 複雑な金融商品を提案されることが多い
それぞれくわしく解説していこう。
手数料が高い傾向にある
プライベートバンキングの多くでは、金融商品を売買する都度に手数料を支払う形でなく、資産の残高に応じて管理手数料を支払う形が一般的だ。
プライベートバンキングは、資産運用や資産管理の幅広いサービスが受けられる代わりに、その手数料が高額になる傾向にある。
そのため、運用に回す金額によっては手数料分の運用益を得られないケースもある。
利用を検討する際は、複数の金融機関の手数料体系を比較して選ぶようにしよう。
口座開設のハードルが高い
プライベートバンキングで口座開設を行う際は、事前に保有資産額や顧客の属性などについて審査が行われる。
たとえ、十分な資産を持っていたとしても、必ずしも審査に通るわけではないことを理解しておこう。
また、金融機関によっては、紹介制を採用しているところもある。
その場合は、既存顧客からの紹介がなければ利用できないため、富裕層の間での人脈がカギとなる。
ただし、国内の金融機関が展開するプライベートバンキングサービスであれば、より多くの人が利用しやすいようにハードルが下げられていることもある。
利用条件は金融機関によって異なるため、こちらも手数料と併せて比較してみよう。
複雑な金融商品を提案されることがある
プライベートバンキングは多種多様な金融商品を取り扱っており、幅広い投資先を選定できることが特徴だ。
しかし、中には複雑な金融商品を勧められるケースもある。
「株式や債券など一般的な金融商品で運用したい」という人にとっては、ニーズが合わないと感じることもあるかもしれない。
もちろん、自分の投資意向に合わない金融商品を付き合いで購入する必要はない。
「自分には難しい」、「もっと低リスクの金融商品で運用したい」と感じたら、その旨を正直に担当者に伝えるようにしよう。
資産管理の相談はIFAもおすすめ
資産管理の相談は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ行うこともおすすめだ。
ここからは、IFAの概要やプライベートバンキングとの違いについて紹介していこう。
IFAとは?
IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーだ。
独立系という名称からも分かる通り、IFAは特定の金融機関に所属していないことが特徴である。
IFAが提供するサービスは、金融商品の提案・販売やライフプランニングのサポート、相続税対策など、プライベートバンキングと共通する点が多い。
日本ではまだ馴染みのない存在だが、金融先進国である欧米では資産運用の相談先として広く知られた存在だ。
また、IFAはプライベートバンキングと同じく生涯担当制が採られているため、1人の担当者と深い信頼関係を築ける点も共通している。
「担当者によって運用方針が変わる」と悩むこともないため、安心して相談することが可能だ。
プライベートバンキングとの違い
IFAとプライベートバンキングは多くの共通点があるが、大きな違いが「富裕層以外も利用しやすい」という点だ。
IFA法人には多くの種類があり、富裕層を中心としているところもあれば、運用初心者の若年層を中心としているところもある。
自分のニーズに合ったIFA法人を選べば、「申し込み時の審査で落とされる」という心配も少ない。
また、IFAは特定の金融機関に所属していないため、顧客の目線に立ったアドバイスをくれることも特徴だ。
プライベートバンキングももちろん顧客目線でのアドバイスをくれるが、企業利益を追求する立場である以上、完全にフラットな立場で助言することは難しい。
その点、IFAは営業ノルマや企業利益を追求する必要がないため、本当に顧客に必要なものだけを提案してくれる安心感がある。
「資産全体のことを相談したいけど、プライベートバンキングはハードルが高い」、「資産運用にプロの意見を取り入れたい」という人は、ぜひIFAへの相談を検討してみよう。
中には、オンラインでの面談に対応しているIFAもいるため、気軽に利用することも可能だ。
プロの力を借りて資産管理に取り組もう
より適切な資産管理に取り組むためには、プロの力を借りることも検討したい。
富裕層の相談先はプライベートバンキングが主流だったが、最近ではIFAへ相談する人も増えている。
IFAは金融機関から独立した存在であるため、より顧客に寄り添ったアドバイスをもらえることが特徴だ。
また、IFAは運用初心者や若年層も気軽に利用できる。
「資産運用ナビ」では、プライベートバンクに対応できる専門的知識と豊富な経験と実績を持つIFAが富裕層が抱える問題のパートナ―になり、効果的な資産形成や運営、管理に至るまでワンストップで支援してくれる。
ぜひ資産管理の新たな相談先としてIFAを検討してみよう。