- 30代の投資と貯蓄の割合が知りたい
- 30代における効果的な投資戦略を学びたい
- 30代から始める投資で取るべき運用手段を理解したい
日経平均株価が最高値を更新したことから、個人の間でも資産運用に関する意識が高まっている。
この記事では、30代の投資割合とその背景にある動因を解析し、30代における投資の必要性を解説する。
また、30代に適した投資戦略、そして30代から始める投資におすすめの方法について、具体的な情報を提供する。
これを読めば、30代のあなたが賢明な投資判断を下すための洞察を得ることができるはずだ。
おすすめの資産運用について、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
おすすめの資産運用について、分かりやすく解説されている。
30代はどのくらいの割合を投資に回すべき?
資産運用を始める際に考えておきたいのは、貯蓄と投資の割合についてである。
株式や投資信託などの金融商品は日々価格が変動する上、即時の現金化ができない。
そのため、ある程度の資金を預貯金などに確保しておくことが重要だ。
ここからは、30代における貯蓄と投資の割合や、30代が投資を行う目的・必要性について解説していく。
30代における貯蓄と投資の割合
貯蓄と投資の割合を考える際は、同世代のポートフォリオを参考にしたい。
金融広報中央委員会の「令和4年 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」では、金融商品の保有額について年代別の調査が行われている。
30代の調査結果は下記の通りだ。
種類別金融商品保有額(金融資産保有世帯)
金融商品の種類 | 金額(万円) |
---|---|
預貯金 | 326 |
金銭信託 | 12 |
生命保険 | 80 |
損害保険 | 8 |
個人年金保険 | 34 |
債券 | 7 |
株式 | 110 |
投資信託 | 84 |
財形貯蓄 | 24 |
その他金融商品 | 11 |
総額 | 697 |
上記金融商品のうち、貯蓄を「預貯金」、「生命保険」、「損害保険」、「個人年金保険」、「財形貯蓄」、投資を「金銭信託」、「債券」、「株式」、「投資信託」、「その他金融商品」に分けた場合、30代における貯蓄と投資の割合はおよそ7:3となる。
つまり、保有資産が1,000万円の場合、そのうち約300万円を投資に回す計算だ。
30代では、預貯金や生命保険、損害保険など「守りの資産」が多くを占めていることが分かる。
年代別の投資家割合について、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
年代別の投資家割合について、分かりやすく解説されている。
投資を行う30代の目的とは?
前述の金融広報中央委員会では、金融商品を保有する目的についての調査も行われている。
30代で最も多かった回答結果は下記の通りだ。
- 老後の生活資金
- 52.9%
- 子供の教育資金
- 50.7%
- 病気や不時の災害への備え
- 42.4%
最も多かったのは老後の生活資金で、若いうちからセカンドライフに向けた貯蓄に取り組んでいる人が多いことが分かる。
また、子供の教育資金も50%を超える結果となっている。
結婚や出産などのライフイベントを経験しやすい30代では、子供の教育資金の準備を投資の目的としている人も多いようだ。
30代における投資の必要性
30代から投資を始めるべき理由として、「時間を味方につけられる」という点が挙げられる。
たとえば、老後資金2,000万円を65歳までに準備する場合に、毎月必要な積立金額を考えてみよう。
仮に3%で運用するとして、50歳から投資を始めた場合は毎月約8万8,000円が必要だが、35歳から始めた場合は約3万円4,000円まで抑えられる。
30代から投資を始めることで長い運用期間を取れるので、余裕を持って貯蓄に取り組むことができる。
また、日本では低金利環境が続いていることも投資を始めるべき理由のひとつだ。
マイナス金利政策が導入されている日本では、預貯金の利息もほぼゼロに等しい状況である。
しかし、一方で物価は急激に上昇しており、実質お金の価値は目減りしているといえる。
物価の上昇から資産を守るためには、自ら投資に取り組んで物価上昇分をカバーする利回りを得ることが必要不可欠である。
30代の投資で気をつけたいポイント
30代から投資に取り組む際は、次の4つのポイントに注意したい。
- ライフイベントにかかる資金の見通しを立てる
- 家計の収支の管理を行う
- 生活防衛資金を確保する
- 投資を行う目的を明確にする
それぞれくわしく解説していこう。
ライフイベントにかかる資金の割合や見通しを立てる
30代では結婚や出産、マイホームの購入、子供の教育資金などまとまった資金が必要となるライフイベントを迎えることがある。
いざ資金が必要となったときに慌てずに済むように、前もってライフイベントにかかる資金の見通しを立てておきたい。
特に、マイホームの購入や子供の教育資金は「人生の3大資金」ともいわれている。
仮に4,000万円の自宅に対して20%の頭金を入れる場合、800万円を準備しておく必要がある。
大きなライフイベントは収支バランスを崩すきっかけにもなりかねないため、あらかじめ貯蓄計画を立てて取り組むことが重要だ。
家計の収支の管理を行う
投資に取り組む際は、家計の収支の管理をしっかりと行う必要がある。
収支が明確になっていないと、「どれくらいの金額を投資に回せるか」ということが分からないためだ。
これまで「これまで何となく家計をやりくりしていた」という人は、まず毎月の「入ってくるお金」と「出ていくお金」を可視化してみよう。
最近では家計を管理できるアプリなどもあるので、ぜひ活用してみるとよいだろう。
毎月の収支が分かれば、その中から投資に回す金額を検討するステップに進む。
株式や投資信託などの金融商品は元本が割れる可能性があるため、必ず余裕資金で取り組まなければならない。
リスクを抑えて運用するためには、最初からいきなりまとまった金額を投資するのではなく、少額投資から始めてみて、慣れてきたら投資金額を増やすようにすることがおすすめだ。
生活防衛資金を確保する
投資に取り組む際は、生活防衛資金を確保することも意識したい。
生活防衛資金とは、病気やケガなど急な出費などに対応するための臨時資金である。
株式や投資信託は日々価格が変動することに加えて、すぐに現金化できない特徴がある。
そのため、全資産を投資に回していると、急な出費が生じたときに対応できない可能性がある。
万が一病気やケガなどで大きな出費が生じたり、収入が減少したりした際は、生活防衛資金で対応できるように備えておこう。
また、生活防衛資金の目安は「およそ生活費の半年分」といわれている。
仮に生活費が月20万円の場合、120万円ほどとなる計算だ。
投資を始める際は、まず手元に生活防衛資金を確保しておくことを心がけたい。
投資を行う目的を明確にする
投資を行う際に重要なのが、「なぜ投資に取り組むのか」という目的を明確にすることだ。
投資の目的を明確にすることは、リスク許容度を明確にすることにもつながる。
たとえば、「30年かけて老後資金を貯めたい」という人は、十分な投資期間があることからある程度リスクをとっても問題ないといえる。
しかし、「5年後にマイホームの購入を控えている」という場合、高リスク商品ばかりで運用するのは好ましくない。
もし投資の目的がはっきりとしていなければ、どれくらいのリスクをとればよいか分からず、適切なポートフォリオを組むこともできない。
リスクを適切にコントロールするためには、なんとなく投資を始めるのではなく、はじめに投資を行う目的を明確にしておくことが重要だ。
30代から始める投資におすすめの方法
30代からいざ投資を始めようと思っても、「自分には何が向いているのか分からない」と悩む人も多いだろう。
金融商品には株式や投資信託、債券などさまざまな種類があり、リスクとリターンも大きく異なる。
ここからは、投資意向別のおすすめの運用方法を紹介していこう。
投資信託でコツコツ積立投資
投資信託とは、投資家から集めたお金をプロの投資家が運用する金融商品である。
株式や債券、REITなど複数の金融商品を組み合わせて運用するため、1つのファンドに投資するだけで分散投資の効果が得られる点が大きな特徴だ。
投資信託は一括でまとめて購入することもできるが、毎月一定の金額をコツコツと買い付けていく方法もある。
この積立投資には、「投資のタイミングを考えなくてよい」というメリットがある。
積立投資は月に1回など、あらかじめ決まったタイミングで自動で買い付けてくれるため、自ら購入手続きを行う必要がない。
マーケットを見ながら買い時を探らなくてよいので、仕事や家庭に忙しい30代でも手間を掛けずに投資が行える。
また、非課税制度のNISAでも購入できるため、非課税の恩恵を受けながら投資することも可能だ。
弊社が30代投資家を対象に実施したアンケートでも、「おすすめの資産クラス」としては投資信託が圧倒的人気を博していた。特に30代から資産運用を始める方は、投資信託を中心にポートフォリオを構成するのがおすすめだといえるだろう。
株式投資でインカムゲインを狙う
株式投資には、売買によって利益を得る「キャピタルゲイン」と、配当金によって利益を得る「インカムゲイン」の2種類がある。
「老後に向けて不労所得を作りたい」という人は、配当銘柄によってインカムゲイン狙いの投資を行うこともひとつの方法だ。
たとえば、毎年100万ずつ利回り3%の配当銘柄を購入する場合、最初は年間3万円(税引前)の配当金だが、30年続けていれば年間90万円(税引前)の配当金になる。
もちろん株式投資のリスクは考慮する必要はあるが、「公的年金だけでは生活が不安」という場合はひとつの選択肢になるだろう。
また、2024年から改正された新NISAでは、株式投資は「成長投資枠」の対象となる。
成長投資枠は年間240万円の非課税があり、最大1,200万円まで非課税で投資できる。
NISAで買い付けると配当金も非課税となるため、ぜひNISAを活用することも検討してみよう。
iDeCoで老後資金の確保
年金への備えには、iDeCoを活用することもおすすめだ。
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」と呼ばれる私的年金制度である。
毎月決まった金額の掛金を金融商品で運用し、その運用成果を将来年金として受け取ることが特徴だ。
公的年金とは別に自ら年金を準備できるため、老後の収入を増やしたい人に向いている制度である。
また、iDeCoは掛金を全額所得控除できる点も大きな特徴だ。
たとえば、iDeCoに毎月2万円拠出する場合、年間24万円が所得から控除される。
現在納めている所得税や住民税の負担が軽減されるので、資産形成をしながら税負担の軽減が行える2つのメリットがある。
なお、iDeCoには掛金の上限が定められており、国民年金の加入区分によって異なる。
国民年金の加入区分 | 月額限度額 | |
---|---|---|
第1号被保険者(自営業者) | 6万8,000円 | |
第2号被保険者 (会社員・公務員) | 企業年金がない会社員 | 2万3,000円 |
企業型DCに加入している会社員 | 2万円 | |
・DBと企業型DCに加入している会社員 ・DBのみに加入している会社員・公務員 | 1万2,000円 | |
30代の投資相談は誰にするべき?
現在はインターネットで投資に関する情報を収集することもできるが、より適切な資産運用に取り組むためには、金融のプロへ相談することがおすすめだ。
ここからは、金融のプロへ相談するメリットや、おすすめの相談先について紹介していこう。
投資の相談をプロにするメリット
投資について金融のプロへ相談するメリットとして、「客観的なアドバイスを得られる」という点が挙げられる。
投資に取り組む際は、ポートフォリオの構築や金融商品の選定など多くのステップを踏む必要があるが、その過程で「本当にこの判断でよいのだろうか」と不安を感じることも少なくない。
その点、金融のプロに相談すれば客観的なアドバイスをもらいながら投資判断を下せるので、分からない点や疑問点もクリアにしながら投資に取り組める。
より適切な投資に取り組むためにも、ぜひ金融のプロへ相談することを検討してみよう。
IFAは中立的なアドバイスをくれる存在
投資の相談先として特におすすめなのが「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」である。IFAは、特定の金融機関に所属していないことが特徴の金融アドバイザーだ。
金融機関の職員ではないため、営業ノルマを抱えておらず、本当に相談者に必要なものだけを提案してくれる安心感がある。
「投資のことを相談したいけど、営業トークに付き合うのが億劫だ」という人はぜひ検討したい相談先だ。
また、IFAは転勤がないことも特徴である。金融機関のように転勤の度に担当者が変わることがないため、今後何十年と投資に取り組むなかで同じ担当者に相談し続けられるメリットがある。
「中立的なアドバイスがほしい」、「長く付き合える相談先を探している」という人は、IFAへの相談がおすすめだ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用方法
IFA検索サービスの「資産運用ナビ」では、全国各地のIFAとマッチングできるサービスを提供している。
投資意向や投資経験などに基づいて、相性の良いIFAを紹介してくれるサービスだ。
また、マッチングしたIFAの経歴や得意分野を事前に確認できるので、安心して面談を行うことができる。
面談はオンラインでも対応しているため、ぜひ一度気軽に相談してみよう。
30代の投資割合はIFAに相談しよう
収支に余裕が生まれ始める30代では、積極的に資産運用に取り組むことを検討したい。
しかし、その際は貯蓄と投資の割合に注意し、生活防衛資金を確保しておくことも大切だ。
資産運用に関する疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けることがおすすめである。
特にIFAは、中立的な立場からアドバイスを提供してくれるメリットがある。
ぜひIFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、生涯のパートナーとなるIFAを探してみよう。