- アメリカの金融政策が株価に与える影響を理解したい
- FRBとFOMCとは何か知りたい
- 株式投資における金利変動への対処法が知りたい
株式投資の情報収集をしていると、FRBやFOMCという言葉をよく聞く。
経済を見る上でこの2つの言葉は重要だと感じているが、具体的に何を指しているのか説明できない方は多いだろう。
この記事ではFRBとFOMCの概要について説明している。
またこの2つが株式市場にどのような影響を与えるかについても解説しているため、株式投資で成功したい方は参考にしてほしい。
株価に大きな影響を与えるFRBとFOMCとは
FRBとFOMCについて理解するために、以下の3つを解説する。
- FRBとFOMCの概要
- 株式市場に果たす役割
- 直近の金融政策を解説
FRBとFOMCの概要
FRBとは「Federal Reserve Board」の略で、日本語では「米連邦準備制度理事会」といい、米国の中央銀行に該当する。
FRBは議長と7名の理事で構成されている。
2024年5月時点の議長はパウエル氏だ。
2022年5月23日に2期目を開始し、任期は2026年5月15日までだ。
FRBの目的は、政策金利や通貨供給量をコントロールし、物価の安定と雇用の最大化をすることである。
FOMCはFRBの会合のことだ。
「Federal Reserve Board」の略称で、日本語では「米連邦準備理事会」という。
基本的に年8回開かれ、インフレ率や失業率、CPI(消費者物価指数)などの景気指標をもとに金融政策を決定する。
また政策金利(FF金利)の方針が発表される。
FOMCの動向を見る上で注目すべきなのは以下の3つだ。
- 声明文
- 記者会見
- 議事要旨
声明文では発表された政策金利の背景や今後の方向性が語られる。
また米国経済の現状をどのように見ているかがわかるため、今後どのような金融政策を行うのかのヒントを得られる。
声明文の発表後にはFRB議長の記者会見を開くのが一般的だ。
記者会見では声明文には記載されていない情報が出てくることもあり、市場関係者は注目している。
FOMCの3週間後には「FOMC議事要旨」が公表され、現在の政策金利に至った理由が記録されている。
これらは今後の金融政策を判断するための重要な資料とされている。
2024年のFOMCのスケジュールは下記を参照してほしい。
開催回 | 開催日 |
---|---|
第1回 | 1月30日・31日 |
第2回 | 3月19日・20日 |
第3回 | 4月30日・5月1日 |
第4回 | 6月11日・12日 |
第5回 | 7月30日・31日 |
第6回 | 9月17日・18日 |
第7回 | 11月6日・7日 |
第8回 | 12月17日・18日 |
株式市場に果たす役割
FOMCの動向は株式市場に非常に大きな影響を与える。
基本的に金利が上昇すると株価は下落し、金利が下落すると株価は上昇する。
詳しくは後述するが、金利は消費者や企業の借入コストに大きく関わる。
金利が上昇すると消費や設備投資が行われにくくなり、企業業績は低迷する可能性が高い。
金利動向1つで企業業績が大きく変動するケースもあるため、株式市場でもFRBやFOMCの動向は非常に注目されている。
直近の金融政策を解説
ここ数年FRBは高止まりするインフレを抑制するために、政策金利を引き上げてきた。
2024年は早期に利下げが行われると見込まれていた。
しかし経済指標が好調で、2%のインフレ目標には押さえ込めないと判断され、政策金利を据え置いている。
FRBのボウマン理事は「金利を現在の水準で据え置いていれば、いずれはインフレ率が減速する」と予想しており、年内に利下げが行われる可能性は低い。
FRBとFOMCのアメリカの金融政策が株価に与える影響
アメリカの金融政策が株価に与える影響について以下の3つを解説する。
- なぜアメリカの金利が変化することで日本経済に影響が出るのか
- アメリカの金融政策と株価変動の関係性
- FOMCによる株価変遷の歴史
なぜアメリカの金利が変化することで日本経済に影響が出るのか
アメリカは世界最大の経済大国であるため、金利動向は全世界に影響を与える。
たとえばFOMCによって金利が引き上げられ、アップルが設備計画を取りやめたとしよう。
アップルに製品を納品している会社は世界中にあるため、アメリカ以外の企業の業績が悪くなる恐れもある。
この他にもアメリカには世界的企業が数多くあり、FOMCの動向によって世界中の企業が影響を被るため、多くの投資家や市場関係者からFOMCの動向は注目されている。
日本は未だに金利が低いままであり、人々や企業は、アメリカの金利が高くなると金利が低い円を売って金利が高いドルを買う。
そのために円安ドル高がより進行することになる。
一方でアメリカの金利上昇が日本企業にとってはプラスになるケースも考えられる。
なぜなら金利上昇は円安につながりやすいためだ。
トヨタをはじめとした日本の大手企業は輸出によって稼いでいるケースが多い。輸出企業にとって円安はプラスになる。
アメリカの金融政策と株価変動の関係性
先述したようにFOMCでは政策金利を決定する。
政策金利が引き上げられると、金融機関の借入コストが上昇する。
そして消費者や企業の借入金利も基本的に上昇する傾向にある。
借入金利が上昇すると消費者は商品の購入を控え、企業は設備投資を取りやめるなど経済成長が、停滞する可能性が高くなる。
経済が停滞すると企業業績が悪化するケースもあり、株価の下落要因となる。
一方で景気が冷え込むと消費を促すため、借入金利を下落させる。
利下げを行うと消費者や企業の借入コストが下落するため、消費が活発になり、企業業績が上向く可能性は高い。
企業業績が上向くと株価の上昇要因となり、株式市場が活発になる。
このようにFRBがFOMCの動向は株式市場に大きな影響を与える。
FOMCによる株価変遷の歴史
FOMCによる株価変遷の歴史を説明するために、利上げ局面時のS&P500の動きを見ていく。
過去9回の利上げ局面を確認すると、利上げ開始から1か月または3か月は株価が9回中7回下落している。
6か月経過すると、上昇しているケースが多く、株価が下落したのは9回中2回だった。
FOMCが利下げすると短期的に株価は調整するが、長期で見ると株価は堅調に推移しやすいといえる。
FOMC会合後の株式投資における金利変動への対応策
株式投資における金利変動への対応策について以下3つを解説する。
- 金利変動の予測の立て方
- 金利変動に応じたポートフォリオの調整
- 金融政策の変動に伴う値動きが異なる投資手法を組み合わせる
金利変動の予測の立て方
金利変動は複数の経済指標を確認することで予測はできる。
ここでは次の経済指標について解説する。
- CPI(消費者物価指数)
- 米雇用統計
- 米ISM(非)製造業景況指数
CPIは消費者が購入するものやサービスの価格変動を示す指数だ。
アメリカでは労務省が毎月中旬ごろに公表している。
CPIはインフレを測定する重要な指標であり、金融政策を決定する上で非常に重要とされる。
CPIが市場予想を上回ればインフレは加熱しているとされ、利上げが検討される。
一方でCPIが市場予想を下回るとインフレは落ち着いているまたは、デフレ傾向にあると判断され、利下げが行われるケースもある。
米雇用統計とはアメリカの雇用統計を調査した経済指標のことだ。
毎月米労働省が発表している。
主に発表する内容は以下の通りだ。
- 失業率
- 非農業部門雇用者数
- 週平均労働時間
- 平均時給
など
特に失業率と非農業部門雇用者数の動向は注目される。
米ISM(非)製造業景況指数は、全米供給管理協会が発表している指標で、米国の景況感を示すのに活用されている。
300社以上の非製造業の購買担当役員にアンケートを実施して指数を算出する。
指数が50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退と判断される。景気の先行指標として注目する市場関係者は多い。
金利予測を立てるためには、これら複数の経済指標を確認し、景気が拡大しているのか後退しているのかチェックする。
景気が拡大していれば利上げ、後退していれば利下げの可能性が高くなる。
金利変動に応じたポートフォリオの調整
金利が変動すると株式や債券もはじめとした金融商品の価格に影響を与える。
つまり金利が変動するとポートフォリオ内の資産比率が変わってしまう。
適切なポートフォリオにするためには、金利変動に応じて調整する必要がある。
調整には2つの方法がある。
1つ目は、保有比率が下がった金融資産を買い増す方法だ。
2つ目は保有比率が上昇した金融資産を売却する方法だ。
これら2つの方法を組み合わせてポートフォリオの調整を行う。
金融政策の変動に伴う値動きが異なる投資手法を組み合わせる
金利変動に対応するためには、値動きが異なる投資手法を組み合わせるのがおすすめだ。
株式は金利上昇に弱いといっても、すべてのセクターに悪い影響を及ぼすわけではない。
銀行や保険などの金融セクターは、金利上昇によって株価が上昇することもある。
貸出金利の上昇は金融機関の収益改善につながるためだ。
一方で貸出金利の下落は金融機関の収益を圧迫するため株価は下落しやすい。
また債券は金利上昇によって価格は下落するが、利回りは上昇する。
金利上昇のときに債券に投資すると、高利回りの利息を得られる。
債券金利が下落すれば債券価格が上昇するため、値上がり益をも狙える。
金融政策の変動時に値動きが異なる金融資産を保有すると、保有資産のリスクヘッジにつながる。
株式投資を活用した資産運用の相談先はどこがいい?
株式投資は金利変動の影響を大きく受けるため、投資判断が難しくなる。
判断に迷うときは専門家に力を借りるのがおすすめだ。
ここでは株式投資を活用した資産運用の相談先について以下3つを解説する。
- 株式投資を活用した資産運用における専門家の重要性
- IFAの役割とメリット
- IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と利用推奨
株式投資を活用した資産運用における専門家の重要性
金利が変動すると株式市場は大きく変化するため、専門家のアドバイスをもとに投資するのが望ましい。
株式であってもセクターごとに金利変動の影響が異なることは先述の通りだ。
そのため投資初心者が、金利変動を考慮した株式投資の運動戦略を考えることは非常に難しい。
投資の専門家であれば、銘柄やセクターごとの相場を把握しているため、適切な投資のアドバイスをしてくれる。
また長期的な金利動向や携帯動向を考慮した上で助言をしてくれる。
そのため長期投資をしている方にとっても非常に参考になる。
金利変動ごとの株式投資の投資戦略が知りたいという方は、資産運用の専門家の力を借りよう。
IFAの役割とメリット
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この記事でおすすめする投資の専門家はIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)だ。
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組織に属していないため営業ノルマや商品ノルマがなく、顧客に寄り添ったアドバイスをしてくれるのが特徴だ。
またIFAは銀行や証券会社などの金融機関出身者が多く、金融知識や経済知識は問題ない。
また定期的な転勤や人事異動がないため、長期的な関係を築きやすいこともメリットだ。
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IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と利用推奨
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FRBの方向性とFOMC後の金融政策への対策を知る
この記事ではFRBやFOMCの概要やアメリカの金融政策が株価に与える影響について解説した。
また株式投資における金利変動をへの対応策、株式投資を活用した資産運用の相談先についても説明している
金利変動が株式市場に与える影響は非常に複雑だ。
そのため株式投資を活用した資産運用について疑問や不安があれば、専門家の力を借りるのがおすすめである。
専門家の中でもIFAは、中立的な立場からあなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれる。
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