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60代の資産運用におすすめのポートフォリオとは?効果的な構築の秘訣も解説

この記事で解決できるお悩み
  • 60代におすすめのポートフォリオが知りたい
  • 60代で資産運用する際の心構えが知りたい
  • 資産運用におけるポートフォリオの重要性が知りたい

60代の方が資産運用を行う際、過剰にリスクを取ると運用資産が減る危険性が高く、老後の生活費が不足する可能性がある。

大切な資産を守りながら運用するためにも、事前に適切なポートフォリオ(資産配分)を理解しておくことが重要だ。

本記事では、60代から始める資産運用の基本的なポイントや効果的なポートフォリオの作成方法、おすすめのポートフォリオについて解説していく。

年代別のおすすめのポートフォリオについて、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。

年代別のおすすめのポートフォリオについて、分かりやすく解説されている。

目次

ポートフォリオを組む60代が理解しておきたい資産運用の基本

従来は60歳になると定年退職をして、退職金や年金で生活するケースが一般的だったが、近年はそれだけでは老後資金が不足する可能性がある。

自分自身で生活資金を準備するためにも、資産運用を始めることを視野に入れておかなければならない。

ここでは、60代から始める資産運用の基本的なポイントを解説する。

ぜひ参考にしてセカンドライフに向けた資産準備を進めていこう。

運用目標の設定

まず、資産運用においてどの程度のリターンが必要となるのかを確認しておこう。

運用目標が明確になることで具体的な戦略も立てやすくなるためだ。

例えば、毎月の家計において3万円不足しているという場合、月3万円(年間36万円)のリターンが見込める投資手法を活用すれば良い。

また、5年後に旅行に行くための資金が100万円必要であれば、5年間で100万円を準備できるような投資手法を選ぶこととなる。

このように、資産運用で準備したい金額が明確になれば、具体的な投資金額や投資手法なども見えてくる。

まずは運用目標を設定して「いつまでにどのくらいの金額が必要となるのか」を把握しておこう。

自身のリスク許容度に応じた資産配分

運用目標が明確になったら、次は自身のリスク許容度に合わせた資産配分を検討していくこととなる。

リスク許容度とは、投資の収益がマイナスに振れたときにどの程度の損失まで許容できるかという度合いのことだ。

投資の世界において「リスク」とは、収益の振れ幅の大きさのことを指す。

つまりリスクが大きくなるほど収益はプラスにもマイナスにも大きく振れていき、期待リターンが大きくなる反面大きな損失を抱える危険性もあるということだ。

ある程度の損失を許容できる(リスク許容度が高い)場合、リスクが大きい資産を活用して大きなリターンを狙いに行くことができる。

一方でなるべく損失を抱えたくない(リスク許容度が低い)場合は、低リスクな資産で堅実にリターンを狙いに行く方が良いだろう。

このリスク許容度を無視して資産配分を決めてしまうと、想定外の損失を抱えたときに精神的に大きなダメージを受けたり、資金計画が崩れてしまったりする恐れがある。

自分自身のリスク許容度を把握し、適切な資産配分を検討することが大切だ。

弊社が60代投資家へ実施したアンケートにて保有資産における運用資産の割合を確認したところ、20%未満に抑えている回答者が最も多かった。

投資に回す金額が大きいと、その分下がった時の損失額も大きくなってしまう。若年層や中高年と比べて相対的に運用期間が短い60代は、運用資産の割合を増やし過ぎず、保有資産を減らさない運用を心がけることが重要なのだ。

守りの資産成長戦略

60代の資産運用において重要となるのが「積極的に資産を増やすこと」ではなく「資産を守りながら寿命を延ばしていくこと」である。

過剰にリスクを取ってリターンを狙いに行くのではなく、安定性の高い方法で堅実に資産を運用していくことが求められるのだ。

60代以降は退職して収入が減るケースも多く、蓄えてきた資産と公的年金が生活を支えることとなる。

その資産をリスクを取った運用で減らしてしまうと、生活の基盤を揺るがすことにもなりかねない。

しかし資産を一切投資に回さずに預貯金のみで運用してしまうと、すぐに底をついてしまう可能性がある。

堅実な投資法で資産を少しずつ増やしながら、寿命を延ばしていくような戦略が60代における資産運用では重要となるのだ。

具体的には個人向け国債や投資信託などの商品を活用すると、比較的低リスクで運用を行える。

「増やすこと」よりも「なるべく減らさないこと」を意識した戦略でポートフォリオ(資産配分)を構築しよう。

60代の資産運用に効果的なポートフォリオの作成方法

資産運用を始める際には、ポートフォリオを作成しておくことが大切だ。

ポートフォリオとは、どの資産にどの程度の比率で投資を行うかという資産配分のことを指す。

ここでは、資産運用におけるポートフォリオ構築のメリットや組み方の手順、定期的な見直しの重要性について解説を行う。

資産運用におけるポートフォリオ構築のメリット

資産運用においてポートフォリオを構築すべき理由は「リスク・リターンのバランスを調整できる」という点である。

自分のリスク許容度に合ったリスク・リターンのバランスで運用を行うためにポートフォリオを構築する必要があるのだ。

一般的に株式はリスクが高く、債券はリスクが低いとされている。

株式と債券を組み合わせて運用する場合、比率に応じて資産全体のリスクレベルは変化していく。

例えば「株式70%・債券30%」のポートフォリオと、「株式30%・債券70%」のポートフォリオでは前者の方がリスクは大きくなる。

リスクを取りたい人は株式の比率を高め、リスクを回避したい人は債券の比率を高めると良い。

このように、自分が望むリスク・リターンに合わせた運用を行える点がポートフォリオ構築のメリットだ。

ポートフォリオの組み方の手順

ポートフォリオを組む際の手順は以下の通りだ。

  1. 運用目標の設定
  2. リスク・リターンを考慮した資産配分の決定
  3. 具体的な商品の選定

まず、先ほども解説したように運用目標の設定から始める。

「いつまでにどのくらいの資産を準備したいのか」という点を明確にしておこう。

次に、自身のリスク許容度や目標リターンに合った資産配分を決定する。

60代以降で資産運用をする際は、債券や預貯金の比率を高めに設定しておくと良い。

最後に、具体的な商品の選定に進む。同じ種類の投資商品のなかでもリスク・リターンのバランスが銘柄によって異なる。

銘柄ごとのリスク・リターンも踏まえて最適な商品を選択しよう。

定期的な見直しとリバランスの重要性

「ポートフォリオを作成したら終わり」ではなく、運用を始めてからも定期的に見直しを行うことが大切だ。

状況によってはリバランス(資産の再配分)を行い、ポートフォリオのバランスを調整していく必要がある。

例えば「株式30%・債券70%」のポートフォリオを組んでいても、株式市場が上昇局面になって保有株式の価格が上昇すると比率は崩れる。

仮に「株式50%・債券50%」のバランスになった場合、当初に想定していたよりもリスクが大きくなってしまう。

上記のケースでは株式を一部売却して債券を追加購入すれば、比率はもとに戻せる。

定期的に資産の状況を見直し、崩れた資産配分をリバランスによって調整していこう。

60代の資産運用におすすめのポートフォリオ

次に、60代から資産運用を始める場合におすすめのポートフォリオについて解説していく。

ここで紹介する3つのポートフォリオはあくまで例であるため、参考にしながら自分に合った配分を考えよう。

なお、以下のポートフォリオは預貯金を考慮せず、投資商品のみで構成している点に注意が必要だ。

おすすめポートフォリオ①

1つ目のおすすめポートフォリオは「国内株式25%・外国株式25%・国内債券25%・外国債券25%」という配分だ。

このポートフォリオは、日本の年金を管理・運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が目指すものと一致している。

一般的に株式と債券は相関性が低く、どちらか一方が下落局面にあるときにもう一方が上昇しやすいという傾向が見られる。

株式と債券で補い合いながら運用できることが特徴のポートフォリオだ。

また、国内と海外の資産をそれぞれ保有しており、投資対象の地域が分散されていることも特徴として挙げられる。

リスク分散効果が高く、安定した収益を期待できる点が魅力となっている。

自分に合ったポートフォリオが分からないという方は、年金を運用するGPIFのポートフォリオを参考にしてみるところから始めてみると良いだろう。

おすすめポートフォリオ②

2つ目のおすすめポートフォリオは「国内株式10%・外国株式10%・国内債券60%・外国債券20%」という配分だ。

国内債券の比率を高め、運用における価格変動リスクを抑え込んだポートフォリオとなっている。

繰り返しとなるが、60代以降の資産運用では守りながら資産の寿命を維持していく戦略が重要だ。

債券は価格変動が小さく、大きな損失を抱える危険性が低い投資先であるため、比率を高めることで運用の安全性を高めることができる。

国内債券だけで運用してしまうと収益性が低くなってしまうが、上記の配分であれば期待リターンが大きい株式や相対的に金利が高い外国債券も含まれている。

ある程度の収益も確保できるポートフォリオとなっているのだ。

なるべく資産を減らさずに堅実な運用を行いたい方は、国内債券の比率を高めたポートフォリオを検討してみよう。

おすすめポートフォリオ③

3つ目のおすすめポートフォリオは「国内株式20%・外国株式10%・国内債券40%・外国債券10%・REIT20%」という配分だ。

国内外の株式・債券にREIT(不動産投資信託)を加えることで、よりポートフォリオを多様化させている。

REITは、不動産運用のプロに資金を預けて運用を任せ、家賃収入や物件の売却益などのリターンを分配してもらう仕組みの商品だ。

不動産価格は金融市場の影響を受けにくいため、株式や債券が下落傾向にあっても価値を維持できる可能性がある。リスクヘッジとして活用できる投資先だ。

また、定期的に分配金が支払われるため、老後の収入源を確保できる点も大きな魅力である。

ポートフォリオの一部にREITを組み込んでおくことで、リスクを抑えながら定期収入を得ることができるのだ。

ポートフォリオを多様化させたい方は、REITを組み込んだポートフォリオの構築を検討してみると良いだろう。

60代の資産運用におすすめのポートフォリオは誰に相談するべき?

ここまで60代の資産運用におすすめのポートフォリオを紹介してきたが、本当に自分に合ったポートフォリオを見つけ出すことは容易ではない。

これから資産運用を始めようという方は、資産運用の専門家に相談して投資に関するアドバイスをもらうことをおすすめする。

ここでは、専門家に相談すべき理由やおすすめの相談先「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」のメリットなどを紹介していく。

60代が取り組む資産運用における専門家の重要性

本記事でも紹介してきた通り、資産運用を始める際にはやるべきことがたくさんある。

運用目標の設定やリスク許容度の把握、それらを考慮した資産配分の決定や具体的な商品選びなどをすべて自分で行わなければならない。

しかし、これまで投資をしたことがない人にとってはハードルが高く感じてしまうことだろう。

資産運用の専門家に相談すれば、あなたの運用目的や現在の資産状況を踏まえて的確なアドバイスを提供してもらえる。

リスク許容度にマッチした資産配分を決定したり、具体的な商品を選んで適切なポートフォリオを構築してもらえたりと、丁寧なサポートを受けることが可能だ。

特に、これまで資産運用について考えてこなかった60代の方は「何から始めれば良いか分からない」というケースも多いだろう。

資産運用の専門家に相談し、ベストな投資プランで資産運用を始めよう。

IFAが60代の投資家に与えるメリット

資産運用の専門家への相談は「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の利用がおすすめだ。

IFAとは、既存の金融機関から独立した立場で顧客の運用プランを作成したり、具体的な商品を提案・仲介したりする専門家である。

IFAは金融機関と業務提携契約を結び、提携先の銀行や証券会社の商品を仲介する役割を担う。

自社の商品を提案するわけではないため、無理な勧誘や手数料が高い商品の提案などがなく、中立な目線からの投資助言を受けられる点が大きな魅力だ。

また、IFAは同じ担当者が長期的にサポートしてくれることも特徴として挙げられる。

転勤や異動といった制度が原則としてなく、長期的な信頼関係を築きながらアドバイスを提供してくれる。

特に、60代になると資産の運用だけでなく、将来的な資産承継に向けて相続・贈与の問題を考え始めるケースも少なくない。

IFAはそうした悩み・不安にも対応し、状況に応じて外部の税理士などと連携しながら課題解決に導く。

お金の悩みについて総合的に相談できる専門家をお探しであれば、IFAの活用をおすすめする。

「資産運用ナビ」の特徴

IFAへの相談を検討しているのであれば、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用がおすすめだ。

相談先を探す投資家とIFAをマッチングさせるサービスとなっており、無料で最適なアドバイザーを見つけ出せることが特徴である。

「資産運用ナビ」では、あなたが希望する条件をフォームに入力するだけで全国のデータベースから最適なIFAの紹介を行う。

運用目的や資産状況、性格との相性が良いアドバイザーを抽出するため、安心して相談を行うことができるだろう。

紹介されたIFAについてはプロフィールを確認でき、事前に経歴や得意分野を把握した上で相談するかどうかを判断できる。

プロフィールに納得が行けば、そのまま面談を申し込むことも可能だ。

スムーズにIFAとマッチングできる点が魅力となっている。

IFAの紹介料や相談料は無料、相談は全国47都道府県どこでも対応可能だ。

「60代からのベストな運用方法を知りたい」「専門家に相談したい」とお悩みの方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用して信頼できるアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。

60代のポートフォリオは定期的なメンテナンスが必須

本記事では、60代から始める資産運用の基本的なポイントやポートフォリオの作成手順、おすすめのポートフォリオについて解説してきた。

また、ポートフォリオは一度作ったらそのままではいけない。定期的な見直しやリバランスが必要だ。

具体的なポートフォリオを記事内で紹介したが、あくまで一例であって個人によって最適解は異なる。

自分に合う運用方法を知りたいのであれば、専門家に相談することをおすすめする。

なかでも、IFAは中立な立場であなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれるため、安心して相談できるだろう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」では、無料であなたに最適なIFAの紹介を行っている。

信頼できる相談先をお探しの方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用して自分に合うアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。

60代の資産運用ポートフォリオに関するQ&A

60代から始める資産運用で気を付けるべきポイントは何ですか?

60代の資産運用では「資産を増やすこと」よりも「資産を守りながら寿命を延ばしていくこと」が重要となる。

安全性が高い方法で運用を行いながら、資産を長持ちさせる運用戦略を立てよう。

60代の貯金の理想額はどれくらいですか?

以前話題となった「老後2,000万円問題」を踏まえると、夫婦で2,000万円ほどの貯金があると安心した老後生活を送れるだろう。

ただし、2,000万円に満たない場合でも資産を運用しながら取り崩していけば不足分をカバーできる可能性は十分にある。

家計の支出や受給できる年金額等を踏まえて投資計画を立てていこう。

なぜ資産運用においてポートフォリオが重要なのですか?

自分のリスク許容度に合ったバランスで資産運用を行えるためだ。

投資する資産の比率を調整し、自分に合ったリスク・リターンのバランスでポートフォリオを構築しよう。

60代から始める資産運用の注意点は何ですか?

過剰なリスクを取ってしまわないように注意しておこう。

積極的に資産を増やそうとしてリスクを取ってしまうと、運用に失敗したときに資産が大きく減ってしまう可能性がある。

60代は収入が減少しているケースが多く、資産の減少が生活に影響を与えるリスクがあるため、堅実な運用を心掛けることが大切だ。

60代のポートフォリオにおける理想的な年間リターンはどれくらいですか?

退職の時期がせまった60代は積極的な運用ではなく、リスクを抑えた保守的な運用を目指す年代の方が多いだろう。

そのため、積極的にリターンを狙う必要はないが年間3%〜5%のリターンが理想とされるだろう。60代は増やす意識よりも、資産を守るといった意識をもち運用することが大事である。

60代はポートフォリオをどのくらいの頻度でリバランスするべきですか?また、必ず見直しをするべきタイミングはありますか?

ポートフォリオのリバランスは最低でも1年に1度は行うべきだ。

そのなかで必ず見直しをするべきタイミングは退職をしたとき、退職金を受け取ったときである。

退職をしたあとは収入源が年金のみになるため、今一度リスク管理を徹底することがおすすめだ。

その一方で退職金というまとまった金額が入る時期でもある。

退職金を受け取った際には、現在の支出、近い将来使う予定のある貯蓄、手元に残すべき老後資金を計算し、どれくらいの金額を資産運用にあてるか把握したうえでポートフォリオの見直しをしよう。

IFAは60代のポートフォリオ構築において具体的にどのようなサービスを提供してくれますか?

60代は退職、退職金の受け取り、老後資金などポートフォリオ構築がそれまで以上に複雑になるだろう。

IFAに相談することで、現時点での資産や退職金を最大限に活用する運用方法のアドバイスを受けられるだろう。

また、どれくらいの資産を手元に残す必要があるのか、どのような投資先を選べばいいのかなど、中立的な立場で提案してもらえるので、IFAに相談することをおすすめする。

60代の資産運用を支援するIFAの選び方について詳しく知りたいです。

60代の資産運用において、IFAの選び方は重要だ。

60代は退職を迎え、本格的に老後資金の確保に取り組む必要がある。

また大切な退職金を用いて資産運用を考えているなら、なおさら信頼できるIFAを見つけることが責務だ。

投資に関する深い知識と経験があることはもちろん、現在の資金や今後の老後資金、求める運用スタイルに沿った提案をしてくれるIFAを選ぶといいだろう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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