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老後資金を外貨預金で持つリスクとは?円に戻すときの損と外貨で持ってよい金額

円安のニュースを見て、老後資金を円だけで持っていてよいのか迷ったことはありませんか?

銀行で米ドル預金の金利を案内されると、円の預金よりずっと高く見えます。退職金の預け先を探している時期なら、なおさら気になるでしょう。しかし、外貨にした直後に円高になれば、預けたお金が減ってしまいます。すでに外貨を持っている方は、いつ円に戻せばよいのか決められずにいるかもしれません。

迷いが消えないのは、外貨の金利や為替の動きだけを見て決めようとしているためです。年金も生活費も円で払う以上、外貨の値打ちは「円に戻したときにいくら受け取れるか」で決まります。10年以内に円で使うお金は円で持ち、外貨は使う予定が遠いお金の一部にとどめるのが基本です。

この記事では、実際の金利と手数料で、外貨預金を円に戻したときの受取額を試算しました。あわせて、外貨で持ってよい額と円に戻す時期の決め方を紹介します。外貨で持つ額を決めるときの参考にしてください。

この記事でわかること
  • 円に戻したときに受け取れる金額の計算方法
  • 外貨預金と外国債券で守られる範囲の違い
  • 投資信託を含めた外貨の割合の数え方
  • 外貨を円に戻す時期の決め方

※本記事の金利・手数料は2026年9月24日時点、制度は2026年9月時点のものです。

海外の資産に投資する投資信託の選び方は、60代の投資信託の選び方で紹介しています。

目次

老後資金を外貨預金で持つリスクは円に戻すときに減ること

老後資金を外貨預金で持つときに気をつけたいのは、円に戻す時点で円高になっていると、受け取る円が預けたときより減ってしまうことです。外貨で持つかどうかは、そのお金を円で使う時期から決めましょう。

年金も生活費も円で払うため外貨はいずれ円に戻す

老後の支出は、食費も医療費も介護の費用も、ほとんどが円での支払いです。米ドルでいくら持っていても、使うときには円に替えることになります。

たとえば1ドル160円のときに1万ドルを持っていれば、円では160万円です。これが1ドル140円になると、同じ1万ドルでも140万円になってしまいます。外貨の残高は変わらないのに、円で使える金額は20万円減る計算です。

一方で、海外旅行や海外に住む家族への送金のように、外貨のまま使う予定があるお金は事情が違います。円に戻さずに使えるため、為替の動きの影響を受けずに済みます。

円だけで持つ場合も物価の上昇で目減りする

かといって、円だけで持っていれば安心ともいえません。物価が上がれば、同じ金額で買えるものは減ってしまいます。円安が進めば輸入品の値段が上がり、暮らしの費用も上がってしまいます。

ただし、円安や物価の上昇への備えは外貨預金に限りません。海外の株式に投資する投資信託を持っていれば、その分はすでに外貨の資産です。外貨預金を増やす前に、今の資産の中にどれだけ外貨が含まれているかを確かめましょう。

10年以内に円で使うお金は円で持つ

円に戻す時期が近いお金ほど、円高になったときに待つ時間がありません。生活費の不足分や、数年後の自宅の修繕費を外貨で持っていると、円高の時期でも円に替えて使うしかなく、減った金額のまま受け取ることになってしまいます。

為替は、短い期間でも大きく動くものです。日本銀行の統計では、ドル円の月中平均は2024年7月に157.86円でしたが、2か月後の9月には143.31円でした。1ドルあたり約15円の円高です。

そこで、10年以内に円で使う予定のお金は、円の預金や個人向け国債で持っておきましょう。外貨で持つのは、使う予定が10年以上先のお金のうち、円高で一時的に減っても暮らしに響かない部分に限ります。手元に残す現金と運用に回す額を決めるときは、60代の資産運用ポートフォリオの決め方を参考にしてください。

【診断】あなたの外貨は円に戻すときに減らない?

外貨で持っているものと、そのお金を円で使う時期を選ぶだけで、気をつけたいことと、これからやることがわかります。タップで答える1分ほどの診断です。

約1分・タップで答える診断

あなたの外貨、円に戻すときに減らない?

  • 円に戻す時期を決める
  • 外貨を合わせて数える
  • このまま持てる

1問目

Q1

外貨で持っているものをすべて選んでください

外貨預金の利息は円に戻したときの受取額で比べる

外貨預金の金利は、表示の利率ではなく、税金と為替手数料を引いて円に戻したときの受取額で比べましょう。為替が数円動くだけで、1年分の利息がなくなってしまうことがあります。

年3.2%の米ドル定期でも増えるのは約19万円

大和ネクスト銀行の米ドル1年定期預金は、円から預け入れる場合の金利が年3.20%です(2026年9月24日申込分)。1,000万円を預ければ、1年で32万円増えると考える方は多いでしょう。

ところが、実際に円で受け取れる金額はそれより少なくなってしまいます。1,000万円を1ドル160円で米ドルに替えて1年間預け、満期に円へ戻した場合を計算しました。

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1年後の為替円に戻した受取額預けた1,000万円と比べると
170円(10円の円安)約1,083万円約83万円増える
165円(5円の円安)約1,051万円約51万円増える
160円(変わらない)約1,019万円約19万円増える
155円(5円の円高)約987万円約13万円減る
150円(10円の円高)約955万円約45万円減る
145円(15円の円高)約923万円約77万円減る

※ 大和ネクスト銀行の米ドル1年定期(円からの預入、年3.20%・税引前、2026年9月24日申込分)で、1,000万円を1ドル160円で預け入れた場合の試算です。利息の税金は20.315%、為替手数料は同行が示す上限の片道50銭として計算しました。実際の金利・手数料は申込日や金額で変わります。

為替が160円のまま変わらなくても、増えるのは約19万円です。利息に税金がかかり、円を米ドルに替えるときと米ドルを円に戻すときに為替手数料がかかるためです。さらに5円の円高になると、1年分の利息を受け取っても元の1,000万円を下回ってしまいます。2024年7月から9月のような約15円の円高なら、70万円以上減ってしまいます。

\ 円に戻すといくらになるか確かめる /

為替手数料は往復でかかる

為替手数料は、円を外貨に替えるときと、外貨を円に戻すときの両方でかかります。三菱UFJ銀行の米ドルなら、インターネットバンキングで片道25銭、窓口で片道1円です。1万ドル分を窓口で替えて円に戻せば、往復で2万円の手数料がかかってしまいます。

手数料は、為替が動かなくても必ずかかる費用です。通貨によっても変わり、三菱UFJ銀行の窓口では豪ドルが片道2円、英ポンドが片道4円です。

利息には20.315%の税金がかかる

外貨預金の利息には、20.315%の税金がかかります。国内の銀行に預けた外貨預金なら、税金は利息から差し引かれるため、確定申告は必要ありません。

年3.20%の例なら、税金を引いた後の利率は約2.55%です。1,000万円分の米ドルを1年預けても、税引後の利息は約1,589ドル、1ドル160円で円に換算すると約25万円になります。

損益が0になる為替を先に計算しておく

外貨預金を始める前に、損も得もしない為替(損益分岐点)を計算しておきましょう。

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計算すること計算のしかた年3.20%の例
満期に受け取る外貨預けた外貨+税金を引いた利息約63,894ドル
損益が0になる為替預けた円 ÷ 満期に受け取る外貨 + 円に戻すときの手数料約157.0円

この例では、1年後に1ドル157.0円より円高になっていると、元の1,000万円を下回ってしまいます。預け入れた160円から、わずか3円の円高です。

損益分岐点がわかっていれば、今の為替と比べるだけで、円に戻すと損をするかどうかを確かめられます。すでに外貨預金を持っている方も、預け入れたときの為替と手数料から計算しておきましょう。

年7%の金利は1か月だけのことがある

銀行の窓口やキャンペーンでは、さらに高い金利を目にすることもあります。三菱UFJ銀行は、円から預け入れる米ドル1か月物の外貨定期預金に年7.0%の金利をつけています(2026年7月1日〜9月30日の受付分)。

ただし、この金利が適用されるのは最初の1か月だけです。満期後に自動で継続すると、そのときの店頭の金利に変わってしまいます。

1,000万円をインターネットバンキングで米ドルに替えて預けた場合、1か月分の利息は税金を引いて約290ドル、1ドル160円で約4.6万円です。一方、円を米ドルに替えて円に戻すまでの為替手数料は、往復で約3.1万円かかります。為替が変わらないまま1か月後に円へ戻すと、増えるのは約1.5万円だけです。0.5円円高になるだけで、元の1,000万円を下回ってしまいます。

「年7%」は1年間続く金利ではありません。高い金利を案内されたら、その金利が何か月続くのか、満期後の金利はいくらかを確かめましょう。

外貨預金と外国債券で違うリスクと守られる範囲

米ドルで持つ方法は外貨預金だけではありません。外国債券や外貨建MMF、海外の資産に投資する投資信託も為替の影響を受けますが、値動き、金融機関が破綻したときの扱い、税金のかかり方が違います。

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商品値動き金融機関が破綻したとき途中で換金するとき為替で得た利益の税金
外貨普通預金為替預金保険の対象外いつでも引き出せる雑所得(総合課税)
外貨定期預金為替預金保険の対象外原則できない雑所得(総合課税)
外国債券(米国債など)為替と、金利による債券の価格証券会社が分別管理。返還できないときは投資者保護基金が1人1,000万円まで補償売れるが、そのときの価格になる譲渡所得(申告分離課税)
外貨建MMF為替と、組み入れた債券などの価格証券会社が分別管理。財産は信託銀行が分けて管理売れる譲渡所得(申告分離課税)
為替ヘッジなしの海外資産の投資信託為替と、株式や債券の価格財産は信託銀行が分けて管理売れるが、そのときの基準価額になる譲渡所得(NISA口座なら非課税)

外貨預金は預金保険の対象外

円の預金は、銀行が破綻しても、1つの金融機関ごとに1人あたり元本1,000万円と破綻日までの利息等が預金保険で守られます。しかし、外貨預金は預金保険の対象外です。銀行が破綻した場合、外貨預金は金融機関の財産の状況に応じた支払いになってしまいます。

外貨定期預金は原則として途中で解約できない

外貨定期預金は、満期まで引き出せないのが原則です。三菱UFJ銀行は、中途解約を銀行が認めた場合でも、利率が外貨普通預金の利率に下がり、手数料がかかって元本を下回ることがあるとしています。急にお金が必要になってもすぐに円にできないため、使う予定のあるお金を外貨定期預金に入れるのはやめておきましょう。

米国債などの外国債券は満期まで持てば額面で戻る

米国債(アメリカの国債)などの外国債券は、満期まで持てば額面の金額が外貨で戻ってきます。満期の日が決まっているため、円で使う時期に合わせて満期を選べます。

一方で、満期の前に売る場合は、そのときの債券の価格での売却です。金利が上がっていれば債券の価格は下がり、為替とは別に損をしてしまうことがあります。満期に戻る金額も外貨なので、円に戻すときに円高なら、受け取る円が減ってしまいます。

外国債券は証券会社で買い、証券会社が自社の財産と分けて管理します(分別管理)。分別管理が適切に行われず返還できなくなった場合は、投資者保護基金が1人1,000万円まで補償します。債券を持つときのリスクは、60代の債券投資のリスクで紹介しています。

外貨建MMFや投資信託も為替で値動きする

外貨建MMFは、外貨建ての短期の債券などで運用する投資信託です。外国債券の利息や満期に戻るお金を外貨建MMFで受け取っておけば、円に替える時期を自分で選べます。

円で買った投資信託でも、海外の株式や債券に投資していれば、為替の影響は避けられません。為替ヘッジ(為替の変動を抑える仕組み)のない投資信託は、円高になれば基準価額が下がってしまいます。NISA口座で持っている全世界株式や米国株式の投資信託も、外貨の資産として数えましょう。

なお、投資信託の財産は信託銀行が管理し、信託銀行自身の財産とは分けて管理することが法律で決められています。販売した銀行や証券会社が破綻しても、投資信託の財産はそのまま残ります。

為替で得た利益にかかる税金は商品によって変わる

外貨預金を円に戻して為替で利益が出た場合、その利益は雑所得として、年金などのほかの所得と合わせて税金を計算します(総合課税)。為替で損をした場合、その損失はほかの雑所得の利益としか相殺できません。外貨のまま持っている間は、為替の利益に税金はかかりません。

これに対し、外国債券や外貨建MMFで為替の利益が出た場合は、売却や償還の利益に含めて20.315%の申告分離課税になります。源泉徴収ありの特定口座で持っていれば、確定申告をしなくても済みます。

年金を受け取っている方は、公的年金等の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は必要ありません。ただし、その場合でも住民税の申告が必要になることがあります。外貨預金の為替の利益が大きくなりそうなときは、税務署に確認しておきましょう。

円で使う時期に合わせて外貨で持つ割合を決める

外貨で持つ割合は、外貨預金の額だけで決めず、投資信託や保険に含まれる外貨まで合わせて数えてから決めましょう。

投資信託やNISAの外貨も合わせて数える

自分が持っている外貨は外貨預金の分だけ、と考える方は少なくありません。夫65歳・妻63歳で金融資産が4,000万円の夫婦を例に、持っている資産を通貨ごとに分けてみます。

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資産円での評価額外貨として数えるか
円の普通預金・定期預金900万円数えない
個人向け国債700万円数えない
国内株式500万円数えない
国内債券の投資信託500万円数えない
米ドル預金300万円数える
米国債200万円数える
全世界株式の投資信託(NISA)600万円数える(為替ヘッジなし)
米ドル建ての保険(解約返戻金)300万円数える
合計4,000万円外貨は1,400万円(約35%)

※ 数値はすべて記入例です。全世界株式の投資信託には日本の株式も一部含まれますが、ここでは全額を外貨として数えました。

この夫婦が外貨と考えていたのが米ドル預金の300万円だけなら、資産の1割にも届きません。ところが、投資信託や保険まで数えると、外貨は1,400万円、資産の約35%になります。この状態でさらに米ドル預金を増やせば、円高になったときに減る金額も大きくなってしまいます。

複数の金融機関に分かれている資産を一覧にするときは、60代の投資信託の見直し方を参考にしてください。なお、外貨建ての保険は、円高になれば円で受け取る保険金などが減るため外貨として数えますが、解約するかどうかは保障の見直しと合わせて考える必要があり、この記事では扱いません。

退職金をこれから外貨にしようと考えているとき

退職金を受け取ったばかりなら、まずは全額を円のまま置いておき、10年以内に円で使うお金を取り分けましょう。外貨にするかどうかを考えるのは、そのあとに残ったお金だけです。

外貨にすると決めた場合も、一度に全額を替えるのは避けましょう。替えた時点の為替で受取額の基準が決まるため、その直後に円高になると、減った分を取り戻すまで長く待つことになってしまいます。何回かに分けて替えれば、替える為替がならされます。退職金をまとめて投資するか分けて投資するか迷うときは、退職金は一括投資か分割かを参考にしてください。

退職金を預けた銀行から、円の定期預金の優遇金利と、外貨預金や投資信託を組み合わせたプランを案内される場合もあるでしょう。その場合は、退職金のセットプランの注意点を確かめてから決めましょう。円のまま置く場合の預け先の選び方は、まとまったお金の預け先で紹介しています。

すでに持っている外貨預金が円高で減っているとき

外貨預金を始めたときより円高になっていると、円安に戻るまで待とうと考える方が多いでしょう。しかし、待てるかどうかは、その外貨を円で使う時期によって決まります。

使う予定が遠いお金なら、外貨のまま持ち続けても暮らしに困ることはありません。外貨普通預金や外貨定期預金で利息を受け取りながら、円安に戻るのを待てます。満期になった外貨定期預金を、円に戻さずに別の銀行の同じ通貨の預金に預け替えた場合、元本の為替の利益は所得として計算しなくてよいと国税庁は回答しています。

反対に、数年以内に使う予定の分は、円高で減っていても、使う時期に合わせて少しずつ円に戻しておきましょう。使う直前まで待って一度に円にすると、そのときの為替がさらに円高なら、受取額はもっと減ってしまいます。

減った分を取り戻そうと、円高のうちに外貨を買い増すのはやめておきましょう。外貨の割合がさらに高くなり、もう一段の円高で減る金額が大きくなるためです。

外貨のまま使う予定があるとき

海外旅行が趣味の方や、海外に住む子どもや孫を訪ねる予定がある方は、その費用を外貨のまま使えます。外貨のまま使えば、円に戻す手数料がかからず、円高で減る心配もありません。

外貨で持つのは、使う予定の金額と時期の分だけにしましょう。年に1回、30万円分の米ドルを海外旅行で使うなら、数年分を米ドル預金で持っておく、といった決め方です。

外貨を円に戻す時期は使う予定から逆算して分ける

外貨を円に戻す時期は、為替の予想ではなく、円で使う予定から逆算して決めましょう。使う時期の数年前から、何回かに分けて円に替えていきましょう。

使う時期の数年前から何回かに分けて円に替える

為替がいつ円安のピークになるかは、誰にも予想できません。ピークを待っているうちに使う時期が来てしまえば、そのときの為替で円に替えるしかなくなってしまいます。

たとえば、70歳で使う予定の300万円分を外貨で持っているなら、67歳から69歳までの3年間、毎年100万円分ずつ円に替えましょう。一度に替えるより、受け取る円の金額が為替の動きで大きく変わらずに済みます。

先ほどの夫婦の例で、使う予定から円に替える時期を決めた表が次のとおりです。

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使う時期使う予定金額使うお金円に替える時期
65〜69歳年金で足りない生活費月5万円円の預金替えない(円のまま使う)
70歳自宅の修繕300万円米国債200万円(69歳で満期)と米ドル預金100万円67〜69歳に分けて替える
毎年海外に住む子を訪ねる旅行年30万円分米ドル預金替えない(外貨のまま使う)
75歳以降介護の予備費500万円個人向け国債・円の定期預金替えない(円で持っておく)
75歳以降年金で足りない生活費の補充必要な分全世界株式の投資信託72歳ごろから毎年一部を売る

※ 記入例です。

書き出してみると、外貨のうちどれを、いつ円に戻すかが決まります。円に戻す予定のない外貨なら、為替が動いても慌てて円に替えずに済みます。

米国債は満期を円で使う時期に合わせておく

米国債などの外国債券を買うときは、満期を円で使う時期の少し前に合わせておきましょう。満期が使う時期より後だと途中で売ることになり、為替に加えて債券の価格の変動も受けてしまいます。

満期に戻る外貨は、すぐに円にせず外貨建MMFなどで受け取り、円に替える時期を何回かに分けましょう。どの資産から順に取り崩すかは、NISAと特定口座のどちらから取り崩すかで紹介しています。

外貨で持つ額はIFAと資産全体で決める

外貨で持つ額と円に戻す予定は、預金・債券・投資信託・保険をまとめて見てもらえる資産運用の専門家と決めましょう。

外貨預金だけ見ると投資信託の外貨を見落とす

外貨預金は銀行、米国債や投資信託は証券会社、外貨建ての保険は保険会社と、外貨の資産は預け先が分かれがちです。それぞれの窓口で相談すると、その会社で持っている分だけを見て提案を受けることになり、資産全体の外貨の割合は誰も確かめていない状態になってしまいます。

記入例の夫婦のように、米ドル預金の300万円だけを見て「まだ外貨は少ない」と考えると、実際には資産の3分の1を超える外貨を、さらに増やすことにもなりかねません。

IFAには円で使う時期と金額を伝える

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、金融商品仲介業者として登録を受け、証券会社と提携して資産運用の相談に応じる専門家です。金融商品仲介業者(IFA以外の業者も含む)は2026年8月末時点で679者が登録されており、そのうち約4割は2社以上の証券会社などと提携しています(金融庁の登録一覧をもとに編集部で集計)。

IFAに相談するときは、今持っている資産の明細と、円で使う予定の時期と金額を伝えましょう。外貨をいくら持ち続け、どれをいつ円に戻すかを、外国債券の満期や投資信託の売り方と合わせて決められます。相談先の選び方は、60代の資産運用の相談先の選び方も参考にしてください。

資産運用ナビでは、金融機関に属さない資産運用アドバイザー(IFA)を無料で探して相談できます。

\ 外貨で持つ額と円に戻す予定を決める /

老後資金と外貨預金についてよくある質問

外貨を増やす時期、税金、保険、ほかの通貨、相続について、よくある質問に答えます。

円安がもっと進みそうなら外貨を増やしたほうがよいですか?

為替の先行きは予想できないため、円安の見通しを理由に外貨を増やすのはやめておきましょう。外貨で持つ額は、円で使う時期から決めるのが基本です。使う予定が10年以上先のお金があり、今の資産の外貨の割合を数えたうえで、まだ増やせる余地がある場合に限って考えましょう。

外貨預金の為替の利益は確定申告が必要ですか?

外貨預金を円に戻して得た為替の利益は雑所得です。年金を受け取っている方は、公的年金等の収入が400万円以下で、為替の利益を含む年金以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は必要ありません。住民税の申告が必要になる場合があるため、お住まいの市区町村や税務署で確かめておきましょう。

外貨建ての保険も外貨として数えるべきですか?

数えましょう。米ドル建ての保険は、受け取る保険金や解約返戻金が外貨で決まるため、円高になれば円で受け取る金額が減ってしまいます。解約するかどうかは保障の見直しと合わせて考える必要があるため、保険会社や保険の専門家に確認してください。

米ドル以外の通貨で持つのはどうですか?

豪ドルや新興国の通貨は、米ドルより金利が高いことがある一方、為替の値動きも大きくなります。三菱UFJ銀行も、新興国の通貨は先進国の通貨に比べて大きなリスクがあるとしています。為替手数料も米ドルより高い通貨が多く、同行の窓口では豪ドルで片道2円です。通貨を増やしても、最後に円で使うことは変わりません。

外貨を持ったまま亡くなった場合はどうなりますか?

外貨預金や外国債券も相続財産になり、亡くなった日に取引していた金融機関の為替相場(外貨を円に替えるときの相場)で円に換算して評価します。家族がどこに何を持っているかわかるよう、資産の一覧を残しておきましょう。相続税の判断は税理士などの専門家に相談してください。相続した投資信託を持ち続けるか売るかは、相続した投資信託を売るか持つかで判断の手順をまとめています。

老後資金を外貨で持つなら円で使う時期から額を決める

老後資金を外貨預金で持つと、円に戻すときの為替と手数料で、受け取る円が減ってしまうことがあります。年3.20%の米ドル1年定期でも、1ドル160円で預ければ、3円の円高で1年分の利息がなくなる計算です。

10年以内に円で使うお金は円で持ち、外貨は使う予定が遠いお金の一部にとどめましょう。外貨の割合は投資信託や保険まで合わせて数え、円に戻す時期は使う予定から逆算して、何回かに分けて決めます。

資産が複数の金融機関に分かれているなら、全体をまとめて見てもらえる専門家と一緒に、外貨で持つ額と円に戻す予定を決めましょう。

\ 資産全体で外貨の割合を見てもらう /

出典

※ 本記事は2026年9月時点の制度にもとづいて作成しています。特定の商品や通貨を勧めるものではありません。

この記事を書いた人

資産運用メディア編集部は、初心者から上級者までが「将来に備える確かな運用判断」を得られるよう、公的統計や最新市場データに加え、自社アンケートを基に中立的な情報を発信しています。記事は資産運用アドバイザーと投資家を結ぶプラットフォーム「資産運用ナビ」を運営するアドバイザーナビ株式会社が監修。おすすめの資産運用やおすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。

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