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老後資金はいくらあれば足りるのか?老後に必要な資金について徹底解説!

この記事で解決できるお悩み
  • 老後資金がいくら必要かの目安が知りたい
  • 老後に向けての効果的な貯蓄計画を立てたい
  • 安全な老後生活のために資金管理の方法を学びたい

人生100年時代といわれる現在、「長生きのリスクに備えるためには資産運用が重要」といわれることが多くなった。

しかし、資産運用と聞いても「何から始めればいいのか分からない」という人も多いのではないだろうか。

資産運用を検討するうえで、老後の生活に安心して臨むためには、適切な資金計画が不可欠である。

なぜ老後世代に資産運用をおすすめするのか、詳しく知りたい人はこの記事をチェックしてほしい。

そこで本記事では、老後資金がいくらあれば足りるのか、また各ライフステージに応じた効果的な貯蓄・投資戦略を金額別に解説する。

ぜひ参考にして、将来の不安を解消し、安定した老後を迎えるための準備を始めてほしい。

目次

老後の資金はいくら必要なのか?

老後の生活に備え、資金の準備を検討しているという方も多いだろう。

「老後2,000万円問題」などが話題となり、公的年金以外に2,000万円を準備すべきという試算がされていたが、実際どの程度の金額を準備すべきなのだろうか。

必要な金額は個々の状況によって異なるため、自分に必要な金額を事前に把握しておくことが重要だ。

ここでは、必要な老後資金の計算方法や平均的な老後資金、準備をいつから始めるべきかという点を解説していく。

今後の貯蓄・資産運用の計画を立てるためにも、自分自身の老後資金について確認しておこう。

必要な老後資金の計算方法

必要な老後資金は「(毎月の生活費-毎月の収入)×想定している老後の生活期間+生活費以外の支出」で算出される。

自分の老後生活をイメージし、どの程度の老後資金が必要になるのか計算しておこう。

毎月の生活費は食費や住居費、水道光熱費、衣類費などの費用、毎月の収入は公的年金による収入がメインとなる。

公的年金だけで生活費をカバーしきれない場合は「不足分×老後の生活期間」で算出される金額が必要だ。

さらに、子どもが結婚をしたり、住居を購入したりしたときの資金援助や住居のリフォーム、自動車の購入費用なども発生する。

老後の人生設計をあらかじめ立てておき、どの程度の支出が発生するのかを把握しておくことが重要だ。

上記の計算方法を参考にし、自分自身が老後を迎えた後にどの程度の資金が必要となるのかを確認しておこう。

独身者の平均的な老後資金

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身の無職世帯の支出と可処分所得の月額の平均結果が発表されている。

調査結果によると、消費支出が143,139円、非消費支出が12,356円となっており、支出の合計が155,495円だった。

また、可処分所得が122,559円となっているため「155,495円-122,559円=32,936円」が毎月不足する計算となる。

仮に65歳で退職し、「人生100年時代」という言葉の通り100歳まで35年間生きると仮定した場合は「32,936円×12ヶ月×35年=13,833,120円」が必要だ。

さらに、生活費以外の支出としてかかる費用を以下の金額でシミュレーションする。

  • 介護費用
    • 500万円
  • 自身の葬儀費用
    • 100万円

先ほどの生活費と合わせるとおよそ2,000万円となる。独身で老後を迎える場合、少なくとも2,000万円の資金を準備しておく必要があることが分かる。

もちろん老後に趣味を充実させたり、旅行に行ったりしたい場合はより多くの資金がかかる。

2,000万円をひとつの目安としつつ、自身のライフプランに合わせた資金計画を立てていこう。

老後資金が2,000万円の場合について、詳しく知りたい人はこの記事もチェックしてほしい。

夫婦二人暮らしの平均的な老後資金

家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支も発表されている。

調査の結果によると、世帯での消費支出が236,696円、非消費支出が31,812円となっており、合計支出が268,508円だった。

また、可処分所得が214,426円となっているため「268,508円-214,426円=54,082円」が毎月不足する計算となる。

独身者の場合と同様に、65歳で退職して100歳まで35年間生きると仮定した場合は「54,082円×12ヶ月×35年=22,714,440円」が必要だ。

また、夫婦二人暮らしで生活費以外にかかる支出を以下の金額でシミュレーションする。

  • 2人分の介護費用
    • 1,000万円
  • 2人分の葬儀費用
    • 200万円
  • 住宅のリフォーム費用
    • 300万円
  • 子どもへの資金援助費用
    • 200万円

上記の費用と生活費を合計するとおよそ4,000万円となる。

夫婦二人で老後を迎える場合は、4,000万円を目安にして費用を準備しよう。

ただし「夫婦で会社員」「どちらか一方が専業主婦(夫)」など、働き方の違いによって老後に受給できる年金額などが異なる。

そしてライフプランによって支出も変わるため、必ずしも4,000万円という金額になるわけではない。

老後の年金受給額やライフプランを踏まえて、必要な老後資金の準備を始めよう。

4,000万円とは大きい数字で実際には、ハードルが高いものだろう

4000万円に届かずとも、夫婦の老後資金が3,000万円でも足りるのか、気になる人はこの記事も読んでほしい。

老後資金の準備はいつから始めるべきか

老後資金の準備については明確にいつから始めるべきというタイミングはなく、なるべく早く始めることをおすすめする。

早ければ早いほど、家計にかかる負担を抑えて老後の資金を準備できるためだ。

先ほど解説した通り、老後資金は独身者で2,000万円、夫婦二人暮らしで4,000万円がひとつの目安となる。

それだけのまとまった金額を準備することを考えると、早めに資産の準備を始めておいた方が良いだろう。

例えば65歳で退職すると考えた場合、50歳から準備を始めると準備期間は15年、30歳からだと35年の期間がある。

単純に2,000万円を貯蓄すると考えた場合、50歳からだと年間約130万円、30歳からだと年間約60万円の貯蓄で準備できる計算となる。

単純に年間あたりの貯蓄額が減るため、家計にかかる負担を抑えられるだろう。

また、貯蓄だけでなく投資を活用しながら準備する場合も早めの準備がおすすめだ。

なぜなら、投資で得た利益を再び投資に回すことで利益が利益を生む「複利効果」の恩恵を活用できるためである。

仮に年利5%が実現できる投資先に100万円を投じた場合、1年目のリターンは「100万円×5%=5万円」だ。

この5万円を100万円に加えて再投資した場合、2年目のリターンは「105万円×5%=52,500円」となり、1年目よりも大きなリターンとなる。

上記のような仕組みで利益を再び投資に回していくことで、利益が利益を生む好循環が生まれる。

運用期間が長くなるほどこの効果は大きくなるため、できるだけ早めに準備することが重要となるのだ。

まとまった老後資金を準備するためにも、時間を味方につけて計画的に資金を準備していこう。

目安よりも少し多めに老後資金の目標を設定し、5000万円の老後資金7000万円の老後資金をどのように準備すべきか、詳しく知りたい人はこの記事も読んでほしい。

老後を考えると「充実した老後生活を送りたい」と考えて、今から大きなお金を準備したいと考える人もいるのではないか。

老後資金として1億円を貯めるため、2億円を老後資金として準備のために必要な運用の知識を習得したい人は、この記事をチェックしてほしい。

老後資金の準備に向けた効果的な計画とは

老後資金を早めに準備するべきと解説してきたが、実際にどういった計画を立てて貯蓄・運用していくと良いのだろうか。

特に「これまで投資をやったことがない」という人にとって、老後に向けて資産を運用していくことに不安を感じている方も多いだろう。

ここでは、資産の管理・運用の重要性や効果的な資産準備のためのポイントについて解説していく。

また、20代〜30代、40代〜50代におすすめの運用法についても紹介していくので、ぜひこちらを参考に老後資金を準備していこう。

自分はいくら必要なの?資産の管理・運用の重要性

老後のために資産を管理・運用していくべき理由として以下の3点が挙げられる。

  • 低金利が続いている
  • インフレのリスクがある
  • 退職金が減少傾向にある

まず、銀行の預金金利が極めて低い状態が続いている点が資産を運用すべき理由として挙げられる。

メガバンクの普通預金の金利が0.001%などとなっており、銀行にお金を預けていてもほとんど増えない。

効率的に準備するためには銀行預金だけでなく、投資を活用して積極的にリターンを狙いに行かなければならないのだ。

また、インフレによる現金の価値減少というリスクもある。

インフレとは、商品やサービスの費用が上昇する傾向のことを指す。インフレが起きると商品・サービスの価格が上がるため、相対的に現金の価値が下がってしまう。

投資を活用して資産を増やし、インフレによる現金の価値減少に対する備えをしておく必要がある。

そして、退職金が減少傾向にある点も老後に向けて資産運用をすべき理由のひとつだ。

厚生労働省中央労働委員会の「賃金事情等総合調査」によると、平成17年の定年退職による平均退職金支給額は21,638千円だったのに対し、令和3年には18,729千円となっている。

従来は、公的年金の不足額を退職金でまかなうことができたが、退職金が減少傾向にある現代では厳しくなってきている。

加えて平均寿命も長期化傾向にあるため、資産を運用して増やす取り組みの重要性が高まっているのだ。

上記のような理由があることを踏まえ、資産を管理・運用していこう。

効果的な資産準備のためのポイント

それでは、いったいどういったポイントに注意して資産を運用していけば良いのだろうか。

さまざまなポイントはあるものの、まずは以下の3点を押さえておくことが重要だ。

  • 時間を味方につける
  • 税制優遇制度を活用する
  • 年齢に合わせた運用戦略を立てる

まず、時間を味方につけた運用計画を立てよう。

前述の通り、資産運用においては時間をかけるほど「複利効果」の恩恵を受けられ、資産を効率的に増やすことが期待できる。

長期目線でじっくり運用することを頭に入れて資産を運用していこう。

また、NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用も重要なポイントとなる。

NISAは年間一定額までの投資で得た利益が非課税になる制度、iDeCoは掛金の所得控除や利益の非課税再投資、受け取り時の控除などの税制優遇を受けながら老後の資産を準備できる制度だ。

いずれも税金の負担を軽減させられる魅力的な制度であるため、活用しない手はない。

NISA・iDeCoを最大限に活用し、効率的に老後資金を準備しよう。

そして、年齢に合わせて戦略を変えていくことも重要なポイントとなる。

老後を迎えるまでの時間に余裕がある20代〜30代と、老後生活が近い40代〜50代では取るべき戦略が異なる。

次に紹介する各年代おすすめの運用ポートフォリオを参考に、自分に合った戦略を立てていこう。

20代〜30代におすすめの運用例

運用ポートフォリオとは、どういった配分で各金融商品に投資を行うかという組み合わせのことを指す。

資産の組み合わせによってリスク・リターンのバランスが変わってくるため、自分のリスク許容度に合わせたポートフォリオの構築が重要だ。

20代〜30代の場合、投資で多少の損失を抱えても老後までに取り返す時間が十分にある。

働いて得た収入で損失を補填したり、一時的な価格の下落を我慢して再び上昇するまで待ったりできる点が若い世代の大きな強みだ。

そのため、ある程度リスクを取ったポートフォリオで運用しても問題ないだろう。

比較的リスクが高く、リターンも期待できる株式を中心としたポートフォリオがおすすめだ。

具体的には「国内株式40%・先進国株式40%・新興国株式20%」といった資産配分が良いだろう。

ただし、株式のみで運用していると比較的リスクが大きいポートフォリオとなってしまうため、低リスク資産の債券を組み込んでも良いだろう。

「国内株式30%・先進国株式30%・新興国株式10%・国内債券20%・外国債券10%」などの資産配分で、リスクを抑えつつリターンを狙いに行くスタイルも戦略としておすすめだ。

細かい資産配分については個人のリスク許容度と照らし合わせながら検討して行く必要がある。

基本的には株式中心のポートフォリオにしつつ、自身のリスク許容度に応じて債券の比率を調整しよう。

40代〜50代におすすめの運用例

40代〜50代の場合、老後生活を開始するまでの期間が迫っていることに加え、出費が多くなりやすい時期でもある。

子どもの教育費や住宅ローンの繰上げ返済、自分自身の医療費などで支出が増えることも視野に入れなければならない。

そのため、20代〜30代に比べてリスクを抑えた運用ポートフォリオを構築すべきである。

低リスク資産の債券を多めに組み込んだり、株式・債券以外の投資先を組み込んでリスクを分散したりといった工夫が重要だ。

例えば「国内株式20%・外国株式20%・国内債券30%・外国債券15%・REIT(不動産投資信託)15%」といった資産配分が選択肢として挙げられる。

債券の比率を増やしつつ、不動産の運用も取り入れてリスクを分散するポートフォリオだ。

また、金などの資産に投資することも選択肢として頭に入れておこう。

金は「有事の金」とも言われており、金融危機などで株式や債券の価格が下落しているときに価格が上昇しやすいという特徴がある。

万が一のリスクヘッジにもなるため、金への投資もおすすめだ。

40代〜50代についても、細かい資産配分については個々のリスク許容度によって異なる。

基本的な考えとして、高いリターンを狙いに行くスタイルから堅実に運用していくスタイルに戦略を変えていくということを頭に入れておこう。

安全な老後生活にはいくら必要?老後のための資金管理法

ここまで効果的な貯蓄・運用計画について解説してきたが、投資を行う以上は必ずリスクが伴う。

大切な老後資金を守りながら安全に運用していくためにも、リスク管理を徹底することが重要だ。

ここでは、資産運用を始める前に押さえるべきポイントや老後資金を守るためのリスク管理法、老後生活を迎えた後の安全な運用法について解説していく。

自分はいくら運用に回すことができるのか?運用を始める前に押さえるべきポイント

まず、資産運用を始める際には以下の3点を押さえておくことが重要だ。

  • 余剰資金の準備
  • リスク許容度の把握
  • 各資産クラスの特性の理解

株式や債券、投資信託などの金融商品は、銀行預金とは違って日々価格が変動している。

昨日100万円だったものが90万円になっていたり、105万円になっていたりするのだ。

仮に緊急用の資金や生活費を投資に回して資産が減ってしまった場合、生活に支障をきたしてしまう恐れがある。

投資を始める前には、まず「数ヶ月から1年程度の生活費」を貯蓄として確保し、多少損失が発生しても生活に影響が出ない余剰資金で運用を始めるように心掛けよう。

また、自分自身のリスク許容度を把握することも重要となる。

リスク許容度とは、投資対象の価格がマイナスに振れたときにどの程度の損失まで許容できるかといった度合いのことを指す。

自身のリスク許容度を超えるようなリスクが大きい投資を行ってしまうと、想定以上の損失を抱えてしまう危険性がある。

自分がどの程度の損失まで耐えられるかイメージした上で、リスク許容度に合った投資法を選択しよう。

そして、各資産クラスがどういった特性を持っているのかを把握することも重要だ。

資産クラスとは投資対象となる資産の種類のことで、「株式」「債券」「不動産」などの分類を指す。

一般的に株式は価格の変動が大きいため、高いリターンを狙える反面、大きな損失を抱える危険性も大きい。

一方で債券は値動きが比較的小さく、堅実な運用に向いている。

不動産は安定した家賃収入を得やすく、価値が大きく減少しにくいが思うようなタイミングで売却しづらいといった特性がある。

それぞれの資産クラスの特性を理解した上で、自分自身のリスク許容度に合った投資先を選択しよう。

老後資金を守るためのリスク管理法

老後資金を守るためのリスク管理のポイントとして「長期投資」と「分散投資」という2点が挙げられる。

いずれも投資におけるリスクを低減できる方法であるため、実践してみることをおすすめする。

長期投資は、その名の通り長期間にわたって投資を継続する運用スタイルだ。

すでに「複利効果の恩恵を受けやすい」というメリットを解説したが、さらにリターンが安定しやすいという特徴もある。

価格の変動が大きい投資先を選んだ場合、短期間の投資を行うと大きなリターンを得られる可能性がある一方で大きな損失が生じる危険性もある。

しかし長期間にわたって運用を続けていくと、短期的な値動きで損益が大きく変化することがあっても、長期的には安定したリターンになる可能性が高い。

リスク・リターンを安定化させるためにも、長期間にわたる投資が重要だ。

また、分散投資は値動きの特徴が異なる複数の投資先に資金を投じる運用方法である。

「先進国と新興国」「株式と債券」など、値動きの特徴が異なる投資先に分散させることでリスクを抑える方法だ。

分散投資をしておくと、仮に投資先の1つが暴落してもダメージを受けるのは資産の一部だけで済む。

集中投資をする場合に比べ、受けるダメージを小さく抑えられる。

さらにほかの投資先でリターンを得られれば、損失をカバーできる可能性もある。

大切な老後資金を安全に運用していくためにも、リスク管理として長期投資・分散投資の2つを心掛けながら運用していこう。

老後生活における安全な運用法

ここまで老後に向けた資産準備のポイントや安全な運用法について解説してきたが、実際に老後生活を迎えた後も適切な管理・運用を続けていくことが重要となる。

老後生活における安全な運用のポイントとして以下の2点を押さえておこう。

  • 「増やすこと」よりも「減らさないこと」を意識する
  • インカムゲインを活用する

勤めてきた企業を退職し、老後生活を迎えてからの資産管理・運用においては、極力資産を減らさないことが重要となる。

できるだけリスクを抑えた投資法を選択し、堅実かつ安全な運用を実践していこう。

退職後は主な収入源が公的年金のみになるケースが多く、損失が発生したときに取り返すことが難しい。

リスクを取って資産が減ってしまうと、生活に大きな影響が出てしまう危険性がある。

株式の比率は減らし、債券などの安全性が高い資産を多めにポートフォリオに組み込んで運用していくと良いだろう。

また、運用してきた資産を取り崩すよりも、インカムゲインによる収入を得るスタイルの方が老後生活には向いている。

インカムゲインとは、資産の保有によって得られるリターンのことだ。

安定した配当金をもらえる大型株や利子が得られる債券、家賃収入が入ってくる不動産など、インカムゲインにもさまざまな種類がある。

安定した定期収入が得られる投資法を選択し、公的年金の不足額をカバーする運用スタイルを検討してみよう。

老後資金がいくら必要か、迷ったら誰に相談するべきか?

ここまで、必要な老後資金の計算方法や効果的な運用戦略、おすすめのポートフォリオ、リスク管理法などを紹介してきた。

しかし、本記事で紹介してきた内容を自分ひとりで始めることは容易ではないだろう。

老後の生活費や年金額をもとに必要な金額を計算したり、適切な投資先を見極めたりしながら運用をしていくことは非常にハードルが高い。

そこでおすすめなのが、資産運用相談の専門家であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)への相談だ。

ここでは、専門家に相談する重要性やIFAの役割、おすすめのIFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用方法について解説していく。

専門家への相談の重要性

老後資金について専門家に相談するメリットは「自分に合った運用プラン・金融商品のアドバイスを受けられる」という点だ。

数ある投資の選択肢の中から、自分に合ったものを提案してもらえる点が大きな魅力となっている。

前述した通り、投資を行う際は自分自身のリスク許容度を把握した上で、適切な投資先を選択する必要がある。

しかし、そもそも「自分がどの程度の損失を許容できるのか」「どういった投資先が適切なのか」という点を把握することは投資初心者の方にとってハードルが高い。

さらには自分自身で必要な老後資金を導き出したり、目標金額に到達するための具体的な戦略を立てたりしなければならない。

インターネットやSNS、書籍等で学習していても、自分に最適な運用プランを立てることはなかなか難しいだろう。

資産運用の専門家は、希望のライフプランや想定される年金受給額等をもとに将来必要な老後資金を導き出してくれる。

さらに資産の状況や年収、年齢、リスク許容度を踏まえたベストな運用プランを策定してくれるため、安心して資産運用を始められる。

自分にとって最適な投資法・運用プランを知りたいという方は、一度資産運用の専門家に相談してみると良いだろう。

IFAの役割とメリット

前述の通り、老後資金の準備に関して相談したいのであればIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の活用がおすすめだ。

IFAとは、銀行や証券会社から独立した立場で顧客の資産運用をアドバイスしたり、サポートしたりする専門家である。

IFAは顧客からの相談を受け、希望のライフプランや資産状況などをヒアリングした上で運用プランを作成する。

そして目標リターンを達成するために最適な金融商品を提案・仲介し、顧客の資産運用を成功に導くことが大きな役割だ。

こうしたサポートは証券会社等の金融機関に在籍するアドバイザーからも受けられるが、IFAが大きく違うのは「金融機関から独立している」という点である。

会社の方針や営業ノルマが設定されることがなく、中立な立場から顧客にアドバイスを行える点がIFAの最大の強みだ。

また、IFAには原則として転勤制度がないため、長期的に関係性を築ける点もメリットとして挙げられる。

特に、老後資金の準備は長期間にわたって運用していくことになるため、継続的なサポートが重要となる。

IFAは定期的なフォローにより、顧客のライフステージの変化や投資先の市場環境の変化などに合わせた資産配分の見直しにも対応可能だ。

このように、従来の金融機関に在籍するアドバイザーに比べて寄り添ったサポートをしてくれる点がIFAの大きなメリットとなっている。

相談先としてIFAに魅力を感じる方は、ぜひ一度相談してみてはいかがだろうか。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法

信頼できるIFAをお探しの方は「資産運用ナビ」を活用しよう。

「資産運用ナビ」とは、IFAを探す投資家とアドバイザーをマッチングさせるサービスのことだ。

「資産運用ナビ」では、あなたの資産状況や運用目的、性格などを総合的に診断した上で、全国のアドバイザーから最適な相談先を抽出・紹介している。

たった60秒、希望の条件を入力するだけでIFAを知り尽くした「資産運用ナビ」が最適なアドバイザーを自動で診断する。

また、紹介されたアドバイザーについてはプロフィールを確認した上で面談への申し込みが可能だ。

アドバイザーの経歴や実績、得意分野、メインとしている顧客層などを事前に確認し、納得した上で面談に進める点も安心して利用できる材料のひとつと言えるだろう。

アドバイザーとの面談はWEBにも対応しているため、地方にお住まいの方でも気軽に相談できる。

全国47都道府県各地のアドバイザーがあなたの状況や考えを丁寧にヒアリングし、最適な運用プランを提案する。

さらに、サービスの利用に関して費用がかかるのは金融取引が発生したときのみで、相談料は原則としてかからない。

アドバイザーの提案に納得できるまでじっくり相談できる点も「資産運用ナビ」の大きな魅力だ。

「老後資金の準備を始めたい」「相談先を探している」という方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を活用してアドバイザーを探してみよう。

老後資金がいくら必要かは生活スタイルやライフプランごとにさまざま

老後に必要な資金については、個々の生活スタイルや希望しているライフプランによって異なる。

しかし数千万円というまとまった資金が必要となるケースが多いため、計画的かつ効率的に資産を運用していくことが退職後生活の安心につながる。

老後資金の計画に関して疑問や不安がある場合は、専門家への相談がおすすめだ。

特に、IFAは中立な立場であなたの老後資金準備に最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれる。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、あなたに合った信頼できるIFAを探してみよう。

老後に必要な資金に関するQ&A

老後に必要な資金はどのように計算できますか?

必要な老後資金は「(毎月の生活費-毎月の収入)×想定している老後の生活期間+生活費以外の支出」で算出される。

独身者の場合はおよそ2,000万円、夫婦二人暮らしの場合はおよそ4,000万円がひとつの目安となるため、運用の際は参考にしておこう。

ただし、個々の生活スタイルや希望のライフプランによって必要な老後資金はそれぞれ異なる。

自分の老後に必要な資金を知りたい場合は、IFAなどの資産運用の専門家に相談すると良いだろう。

少ない貯蓄からでも老後資金を準備できますか?

貯蓄が少ない状態でも、時間をかけて資産を運用していけば十分に老後資金を準備できる。

投資で得た利益を再投資することで利益が利益を生む「複利効果」を最大限に活かせる長期投資を活用し、時間をかけて資金を準備していこう。

ただし投資は余剰資金で行うことが原則であるため、数ヶ月から1年程度の生活費が準備できていない場合はまず貯蓄から始めることが重要だ。

老後の資金管理で最も重要なことは何ですか?

老後の資金管理においては「増やすこと」よりも「減らさないこと」を意識することが重要だ。

退職して公的年金が主な収入源となっている老後生活において、抱えた損失をカバーすることは難しい。

積極的にリターンを狙うスタイルではなく、堅実かつ安全な運用で資産を管理していこう。

老後資金を2,000万円を準備するには、いつから運用を始めるべきですか?

資産運用は早くから始めるほど良い。なぜなら投資で得た利益を再び投資に回すことで、利益が利益を生んで効率的に資産が増えていく「複利効果」は、運用期間が長くなるほど威力を発揮するためだ。

少額投資でも時間を味方につけることで複利効果は得られる。

少額でも良いのでなるべく早く運用を始め、老後資金2,000万円をじっくり準備していこう。

3,000万円の老後資金で何年生活できますか?

取り崩す金額や運用リターンによっても異なるが、例えば以下の条件でシミュレーションをしてみよう。

  • 運用資産
    • 3,000万円
  • 毎月の取り崩し額
    • 10万円
  • 運用リターン
    • 3%

上記のパターンで運用した場合、資産はおよそ45年で底を尽きる。

仮に60歳から生活していくと仮定した場合、105歳まで生活していける計算となる。

60代の平均貯蓄額はどれくらいですか?

金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果」では、年齢別の金融資産保有額についてのデータを公表している。

60歳代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)の結果は以下の表の通りだ。

金融資産非保有24.6%
100万円未満6.6%
100〜200万円未満4.6%
200〜300万円未満3.9%
300〜400万円未満3.4%
400〜500万円未満2.0%
500〜700万円未満6.2%
700〜1,000万円未満5.5%
1,000〜1,500万円未満6.8%
1,500〜2,000万円未満5.1%
2,000〜3,000万円未満9.1%
3,000万円以上19.0%
出典:金融広報中央委員会「(参考)家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和5年調査結果」

割合としてもっとも多いのは金融資産非保有の世帯である一方、3,000万円以上の金融資産を有する世帯も多いことが分かる。

公的年金以外に老後資金としてどれくらいの貯蓄を準備するのが理想的ですか?

老後資金として2,000万円ほどの貯蓄がひとつの目安となるだろう。

2,000万円を3%の利回りで運用すると60万円となり、毎月5万円が利益として得られる。

公的年金の不足分を毎月5万円カバーできると考えると、理想的な水準と言える。

しかし今後インフレによって物価が継続的に上昇した場合、現金の価値が相対的に目減りしてしまう。

2,000万円以上の資金が必要となる可能性も十分あるため、計画的に資金を準備していこう。

生活費以外で老後に必要な資金はいくらくらいを想定すれば良いですか?

生活費以外で準備しておくべき老後資金の代表的なものは、死亡後の葬儀代や整理費用である。

およそ100万円ほどの葬儀費用が必要となるため、あらかじめ準備しておくと良いだろう。

また、ケガや病気による医療費がかかったり、体に障害が残ったときに介護費用がかかったりするリスクもある。

さらには住宅の修繕費用などがかかるケースもあるため、生活費以外に500万円ほど準備できていると良いだろう。

老後資金の準備に投資を活用するメリットは何ですか?

投資を活用して老後の資金準備をするメリットは以下の2点だ。

  • 効率良く資産を増やせる
  • インフレ対策となる

低金利が続く日本では、銀行に預けていてもほとんど金利は付かない。

リスクをコントロールして投資を行えば、銀行預金を大きく上回るリターンを期待できる。

効率的に資産が増え、預貯金よりもスムーズに老後資金を準備できるだろう。

また、老後を迎えるまでの間インフレが続いて物価が上昇した場合、現金や預貯金の価値は相対的に下落してしまう。

しかし株式や不動産、金などはインフレ時に価格が上昇する傾向があるため、インフレ対策として有効だ。

物価上昇に付いて行くためにも投資を活用して行く必要がある。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
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・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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