MENU

厚生年金には40年以上加入した方が良い? 年金の増え方が変わる理由とは

「厚生年金には40年以上加入した方が良い」

「厚生年金に40年以上加入すると年金の増え方が変わる」

という話を聞いたことがあるだろうか。

この記事では、公的年金の仕組みと、厚生年金が40年を境に増え方が変わる理由を解説する。

資産運用のおすすめの相談先

資産運用  おすすめ!

アドバイザーナビ社が運営する自分に合った資産運用の相談相手を無料で探せるマッチングサービス。

目次

公的年金の仕組み

厚生年金に40年以上加入すると年金の増え方が変わる理由を知るには、公的年金制度のしくみを知っておく必要がある。

公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建てである。

出典:厚生労働省「[年金制度の仕組みと考え方]第3 公的年金制度の体系(被保険者、保険料)

加入する公的年金は以下のように働き方によって異なる。

職業区分加入する公的年金納付方法
・自営業者・フリーランス・学生など第1号被保険者国民年金自分で納付※納付書や口座振替など
・会社員・公務員など第2号被保険者国民年金・厚生年金給与天引き※厚生年金保険料に国民年金分も含まれる
・第2号被保険者に扶養されている配偶者第3号被保険者国民年金納付不要※第2号被保険者全体で負担
出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和7年4月現在)

国民年金と厚生年金の納付や給付の仕組みを詳しく見てみよう。

国民年金

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人が加入する年金である。自営業者やフリーランスの人は、自身で保険料を納付する。

会社員や公務員の人は、厚生年金を納付することで国民年金も納めたことになる。会社員や公務員に扶養されている配偶者は、国民年金に加入しているが保険料の納付は不要である。

受給資格期間が10年以上ある場合、原則65歳から「老齢基礎年金」を受給できる

保険料は全員一律(金額は毎年見直し)で、納付期間に応じて老齢基礎年金の受給額が変わる仕組みだ。令和7年度の保険料は月額17,510円。

受給額は40年(480月)すべて納付した場合、満額で月額69,308円(昭和31年4月2日以後生まれの方)または69,108円(昭和31年4月1日以前生まれの方)だ(令和7年4月分から)。納付期間が40年に満たない場合は、納付月数などに応じて減額される。

なお、保険料の免除・納付猶予・学生納付特例などで保険料を納めていない期間がある場合には、以下の対応で将来の年金額を増やせる。

  • 免除・納付猶予・学生納付特例の承認期間は、前10年以内で追納
  • 任意加入制度を利用して60歳以降も国民年金に加入して保険料を納付(原則60歳以上65歳未満)

ただし、任意加入制度は厚生年金保険・共済組合等の加入者は利用できない

厚生年金

続いて厚生年金の仕組みを解説する。

厚生年金は、会社員や公務員が加入する公的年金である。

1階部分の国民年金に上乗せされる2階部分にあたる年金だ。厚生年金は会社員や公務員の給与から天引きで納付される。

厚生年金を納付することで、1階部分の国民年金も納めたことになる。

厚生年金の保険料は国民年金と違い、標準報酬月額や標準賞与額に応じて決まる報酬比例型だ。保険料率は18.3%で、会社と本人が半分ずつ負担する。標準報酬月額が30万円なら、本人負担(9.15%)は27,450円が目安だ。(標準報酬月額は段階的な等級で決まる)

厚生年金加入者は、65歳から「老齢基礎年金」と、報酬比例部分にあたる「老齢厚生年金」を受給できる。なお、生年月日によっては経過措置として、65歳より前(60〜64歳)から「特別支給の老齢厚生年金」(報酬比例部分など)を受給できる場合がある。

厚生年金は、働き続けている間は60歳以降も加入が続く場合があり、国民年金(満額の基準は40年(480月))より加入期間が長くなることがある。

また、20歳未満で就職した場合でも、厚生年金の加入期間が生じることがある。

加入期間40年で年金の増え方が変わるのは国民年金によるもの

ここからは、厚生年金の加入期間40年で年金の増え方が変わる理由を解説していく。

厚生年金の加入期間40年で年金の増え方が変わる理由

前述のとおり、国民年金(老齢基礎年金)の満額は40年(480月)分を納めた場合を基準としている

一方、厚生年金は60歳以降も加入が続く場合があり、老齢厚生年金(報酬比例部分)は加入期間や報酬に応じて計算される

就職してから厚生年金に加入し続けている人は、国民年金(老齢基礎年金)が満額相当(40年(480月))に達するまでは老齢基礎年金と老齢厚生年金が増えていく。しかし、その後は老齢基礎年金は増えず、老齢厚生年金(報酬比例部分など)のみが増えていく。

これが、厚生年金の加入期間40年で年金の増え方が変わる理由である。

実際には、就職した年齢や、学生時代の国民年金納付状況(追納を含む)によって、加入期間の境い目は変わってくる。

以下3つの具体的なケースで確認していこう。

大卒(学生時代に国民年金を猶予)

大卒で22歳から厚生年金に加入したケース

20歳から21歳の学生期間は、国民年金の学生納付特例(納付猶予)を受けていたものとする。本ケースでは、60歳になった時点で厚生年金の加入期間は38年で、学生期間の2年は国民年金保険料の納付がないため老齢基礎年金は満額に届かない。

60歳で退職する場合、国民年金の保険料納付済期間が40年(480月)に達していないので、老齢基礎年金を満額受け取れない。

では、60歳以降も厚生年金に加入して働き続けた場合はどうだろう。62歳まで働くと厚生年金の加入期間が40年となり、老齢厚生年金(報酬比例部分)が2年分増える。老齢基礎年金が満額になるわけではないため、ここでは「満額相当」と表現する。

国民年金は原則20歳以上60歳未満が加入対象である。そのため、60歳以降に厚生年金を納めても、老齢基礎年金の算定対象となる納付済期間は増えないのである。

代わりに、老齢厚生年金には「経過的加算」が含まれることがあり、老齢基礎年金が満額に届かない場合の不足分に相当する額が加算される。

結果として、老齢基礎年金が満額に届かない場合でも、受給額が調整されることがあるというわけだ。

そして、老齢基礎年金が満額相当の水準に達すると、以後は主に報酬比例の老齢厚生年金が増えていくため、62歳までと比べて年金の増加ペースが緩やかになるのである。

大卒(学生時代に国民年金を納付)

学生時代に20歳から国民年金を納めていた人が、大卒で22歳から厚生年金に加入したケース

本ケースでは、60歳になった時点で国民年金の保険料納付済期間は40年(480月)、厚生年金の加入期間は38年となる。

この場合は、60歳で退職しても、国民年金に40年間分の保険料を納めているので、老齢基礎年金は満額受給が可能だ。60歳以降も厚生年金に加入して働く場合には、報酬比例の老齢厚生年金のみが増えていくことになる。

高卒

高卒で18歳から厚生年金に加入しているケース

本ケースでは、60歳になった時点で厚生年金の加入期間は42年になる。国民年金は20歳から加入していることになるため、加入期間は40年だ。

したがって、60歳で退職しても、老齢基礎年金は満額受給できる。

厚生年金に42年間加入しているが、老齢基礎年金が40年分の満額以上に増えることはない。

大卒(学生時代に国民年金を納付)と同じく、60歳以降も厚生年金に加入して働く場合には、報酬比例の老齢厚生年金のみが増えていくことになる。

なお、もし58歳や59歳で退職した場合には、厚生年金の加入期間が40年を超えていても、国民年金は40年に満たないことになる。満額受給のためには60歳までの2年間、国民年金保険料を納める必要がある。

資産運用のおすすめの相談先

資産運用  おすすめ!

アドバイザーナビ社が運営する自分に合った資産運用の相談相手を無料で探せるマッチングサービス。

加入期間が40年に満たないと年金受給額はいくら減る?

令和7年度(令和7年4月分から)の老齢基礎年金の受給額は、満額(昭和31年4月2日以後生まれの方)で年額831,696円(月額69,308円)である。

国民年金・厚生年金を1年間(12か月)納付することで、受給できる老齢基礎年金は、満額年額を40年で割った分だけ増える。令和7年度の満額年額(831,696円)を前提にすると、1年あたり約20,792円(831,696円÷40年)増える目安だ。

上の大卒(学生時代に国民年金を猶予)のように、国民年金の保険料納付済期間が38年相当で退職した場合、2年分が不足する。65歳以降の老齢基礎年金の受給額が、満額と比べて年間約4.2万円少なくなってしまうということだ。

満額(老齢基礎年金)を目指す場合は、学生納付特例などの期間を追納するか、60歳の退職後に国民年金へ任意加入して不足分を補う必要がある。60歳以降も厚生年金に加入して働く場合は、老齢厚生年金(報酬比例部分など)が上積みされる。

健康に働ける場合は、厚生年金に加入し続けることで老齢厚生年金(報酬比例部分)が増えていく。

まとめ

老齢基礎年金を満額受給するには、40年(480月)分の国民年金保険料の納付済期間が必要である。

会社員や公務員の人は、国民年金の加入期間は厚生年金の加入期間とほぼイコールだが、就職した年齢や学生時代の国民年金納付状況によって異なる。

本記事を参考に、ねんきん定期便をチェックして、自身の加入期間を確認してみてはいかがだろうか。

一方で、老後の悩みは多く、手続きやお金の問題など不安なケースは多いと思う。

そんな時は、アドバイザーに相談するのがおすすめだ。プロの視点からお金の疑問を解決してくれるだろう。

少しでも不安やお悩みがある方は、無料相談を申し込んでみてはいかがだろうか。

\ あなたの資産運用を任せるプロを診断 /

参考・出典

執筆者

資産運用ナビ編集部は、アドバイザーナビ株式会社が運営する金融専門ライターチーム。資産運用アドバイザーと投資家をマッチングするプラットフォーム「資産運用ナビ」を通じて、延べ10,000名を超える相談を支援。おすすめの資産運用おすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。