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年金の支払開始年齢は?受給は繰り上げ・繰り下げどちらがおすすめ?

我々の老後生活を支えてくれる役割を果たす年金であるが「いつから受け取るのか」と悩んでしまう人も多いのではないだろうか。基本的には年金受給は65歳と言われているが、年金を早めにもらう「繰り上げ」、遅めにもらう「繰り下げ」など2種類の対応が可能だ。

では「そもそも年金の支払い開始年齢はいつになるのか」さらに「受給年齢と繰り上げと繰り下げどちらの方がおすすめなのか」について本記事ではわかりやすく紹介していく。

年金の支払いと受給に関して、知識としては知っていてもよく理解していない人も多い。この機会に、我が国の年金の支払いタイミングと受給タイミングについて理解し、自分に合った年金の受け取りタイミングを選んでいただきたい。

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目次

年金の支払い開始年齢

まず年金の支払い開始年齢から確認していこう。前提として年金にはほとんどの人が受け取ることになる「国民年金」と、正社員や公務員が受け取ることになる「厚生年金」の2種類が存在している。

支払いに関して、厚生年金加入者は、その保険料内に国民年金も含まれているので両方もらえるようになっている。国民年金の場合、両方はもらえず国民年金1種類のみが年金として受け取れるようになっている。

基本的に年金の支払い開始タイミングと加入上限は以下のように分けられている。

年金の支払い開始タイミングと加入上限

  • 国民年金:20歳以上60歳未満
  • 厚生年金:加入条件を満たしたタイミングから70歳未満

国民年金は日本に住んでいる20歳以上の者が加入対象となるので、支払い開始時期は20歳以上だ。後述するが例外として学生は支払い猶予を持たせられ、支払い開始時期は就職した1年後から開始される。

厚生年金は正社員や公務員など雇用されて働く者のほとんどが加入対象となる。さらに学生でなければ週20時間以上、月8万8,000円以上稼いでいるパートタイマーやアルバイトも加入対象となる。そのため年齢は指定されていないものの、支払い開始タイミングは20歳未満となるケースもある。

国民年金は20歳以上で学生の場合は就職してから、既に20歳未満でも就職していれば厚生年金の支払いが発生すると覚えておこう。

年金の受け取り開始時期

ではそれぞれ年金を支払った後、受け取る時期について確認していく。

基本的に原則65歳から両方とも受け取ることになる。さらに年金の繰り上げを希望すれば、最速で60歳からスタートできる。反対に年金の繰り下げを希望すれば、最長で70歳(2022年12月現在は75歳)まで遅らせることが可能だ。

日本年金機構が発表している基本的な受給開始年齢は国民年金が65歳、厚生年金は男性63歳、女性62歳となっている。これは男性が1957年4月2日から1959年の4月1日生まれ、女性が1960年4月2日から1962年の4月2日生まれまでのケースとなっている。年齢と生年月日に応じて厚生年金のスタートタイミングは前後するので注意をしておこう。 

年金の受取条件

それぞれの年金を受け取れるのは、10年分納付をした者のみに限定される。つまり、両方の保険料支払い期間が10年分に達していれば良いのだ。

国民年金は最長で40年分支払う。厚生年金は20歳で就職した場合に60歳の定年退職まで働き続けた場合は40年、25歳で就職した後60歳まで働き続ければ35年と短くなる。

例えば、高校卒業後に就職をせず5年間アルバイト(月5万円の収入)で生活をしつつ、25歳から定年まで正社員として働いていた(厚生年金に加入していた)場合は、国民年金5年 + 厚生年金&国民年金それぞれ35年 = 45年で受給条件を満たす。

他にも、正社員として5年働き、退職などで収入が激減し国民年金保険料を5年間免除してもらった場合、厚生年金5年 + 免除分5年 = 10年で、こちらも受給条件を満たす。支払った期間、免除期間を合算して10年(120ヶ月)分あれば問題ない。

自分の今まで支払った期間は毎年送られてくる「ねんきん定期便」で確認しておこう。

年金受給開始年齢の変遷

現在は年金受給開始年齢に関して、65歳が一般的となっている。しかし昔はもっと早くから年金を受け取ることができた。

1942年時点、55歳で女性は適用がなく、1944年にやっと女性にも適用された。その後1954年から徐々に支給開始年齢が上がり、現在に至る。

最終的には男性は平均寿命の短い男性は2024年、長い女性は2029年に段階的な引き上げが終了する予定となっている。

将来さらに引き上げられる?

現在年金の支給開始年齢が引き上げられているが、将来さらに引き上げられる可能性がある。原則65歳であるが、他の先進国の受給開始年齢と比べると日本は早めの設定となっている。

日本年金機構が発表している2022年5月時点では、ドイツは65歳7ヶ月で2029年までに67歳へ引き上げる予定だ。アメリカは66歳であるが、2027年までに67歳へ引き上げる予定となっている。

他にもイギリスは男性は65歳、女性は64歳であるが、ともに2028年に67歳になる予定だ。世界各国でも基本的に67歳から68歳まで引き上げられており、日本も同じ年齢まで上がる可能性は十分考えられる。

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繰り上げ・繰り下げのどちらがおすすめ?

年金を受給するタイミングは60歳から75歳まで、自分で選ぶことができる。

65歳を基準として早めに繰り上げ受給を行う場合は、1ヵ月当たり0.5%ずつ年金額が減り、最大30%減額される。反対に遅めに受け取る繰り下げ受給の場合は、66歳から1ヵ月当たり0.7%ずつ年金額が増え、最大84%増額される。今までは70歳が上限だったため最大42%までしか増額できなかったが、大幅にアップできるようになった。

どちらがおすすめかに関しては、個々人のニーズと言い方は悪いが寿命の長さで変化するという結論になる。それぞれの特徴があるので、自分のライフスタイルに合わせた選択をするのが望ましい。

繰り上げ

繰り上げのポイントは以下の通りだ。

  • 年金額が減額
  • 国民年金に任意加入不可
  • 障害年金、遺族年金が原則受け取れない

年金額が減額する反面、早くもらうことができる。受け取り始めると60歳から65歳まで追加で国民年金保険料を支払い、受給金額を増やす任意加入制度が利用できなくなる。

さらに病気や怪我によって働けなくなったときの障害年金や受給者が早くに亡くなった場合に遺族へ支払われる遺族年金が受け取れなくなる。

繰り上げ受給が通常の受給よりプラスになるのは84歳未満付近となるので、平均寿命85歳以上まで生きた場合は損をしてしまう。

繰り下げ

  • 受給開始前に死亡すると受け取れない
  • 繰り下げ可能条件がある

繰り下げ受給を行うと年金額を増額できる一方、受給開始以前に亡くなると遺族年金などは受け取れない。さらに60歳から65歳までの間に障害年金などを受けとっていると繰り下げ受給自体ができなくなる。

繰り下げ受給の方が通常の受給よりも得になるのは、70歳であれば82歳、75歳からであれば86歳から87歳以上生存した場合にプラスとなる。それぞれの寿命によってどちらがおすすめかは異なる。

ただし、徐々に日本人の平均寿命は伸びているので繰り上げより、通常もしくは繰り下げの方が将来的に受け取れる年金額が多くなると考えられる。「年金を受け取れないままになるのは嫌だ」という方なら繰り上げ、なるべく多く年金を受け取りたい方は通常もしくは繰り下げがぴったりだ。

支払いが厳しい場合は免除制度も活用

年金制度では基本的に毎月保険料を支払う必要がある。もし転職や退職、病気、怪我などで支払いが難しい場合は免除制度も活用しておこう。

  • 保険料免除制度
  • 納付猶予制度
  • 学生納付特例

免除が認められれば、保険料を支払わずとも納付期間としてカウントされる。さらに制度で猶予期間を設けてもらうことで、10年に満たず年金を受け取れないリスクも回避しやすくなる。もし制度を利用して納付期間が10年に満たない場合は、70歳までであれば任意加入して納付月を増やすことも視野にいれておこう。

今回紹介してきたように年金の支払い開始は就職してから、受給は基本的に65歳からとなっている。自分の将来設計を行う上で年金額と受給タイミングはかなり重要な位置づけとなる。支払い開始と受給タイミングについて理解し、将来いつから受け取るかについて考え、その時の生活費などについてシミュレーションしつつ老後生活に備えよう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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