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【7033】株式会社マネジメントソリューションズ代表取締役社長CEO 高橋信也氏「拡大するPMO市場の成長を独占的ポジションの強化で捉える」

※本コラムは2023年3月22日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社マネジメントソリューションズは、2005年の創業来発注側に立つプロジェクト支援で大企業からの信頼を獲得してきました。

代表取締役社長CEOの高橋信也氏に、独占的なポジションを確立した背景や市場の成長性、今後の拡大戦略を伺いました。

目次

株式会社マネジメントソリューションズを一言で言うと

企業の構造改革を推進するプロジェクトを成功に導く会社です。   

創業の経緯

私は20代の頃、アクセンチュアやアーンスト&ヤングコンサルティングなどの会計事務所に勤め、システム開発やコンサルティングの受注側で働いていました。

その後、ソニーのシステム子会社に転職し、今度は発注側の立場でプロジェクトマネジメントオフィス(PMO※)を経験しました。当時携わったプロジェクトは予算規模が35億円、プロジェクトメンバーが100名、ベンダーが18社という難易度の高いグローバルなシステム案件でした。

  • PMO:プロジェクトマネジメント支援機能として設置される組織。個別プロジェクトの支援から、全社全てのプロジェクトを支援するEPMOも近年普及している。

発注側になった際、18社のベンダーとの利害関係を調整しながらプロジェクトマネジメントを行うことは非常に大変でした。外部からの支援を受けたものの、受注側の立場で提供されるプロジェクトマネジメント支援にはバイアスがかかり、本質的なサポートではないように感じました。

そこで、フリーランスの方に支援を依頼したところ、非常にスムーズに進めることができたのです。この経験から、第三者の立場でプロジェクトマネジメント支援を行う会社には需要があると確信しました。

そんなアイディアを元に、大企業における発注側のニーズに応えられるビジネスを展開すべく、18年前の2005年に当社を創業しました。

まず最初の5年間で、前職までで培った経営手法をもとに、PMOのプロフェッショナル人財を組織化する仕組みを構築しました。

しかし、ブランディングや信用力、知名度、組織体制の弱さからその後の採用には苦戦もいたしました。そこで、特に採用を目的として上場を目指すこと決め、これが会社にとって最大のターニングポイントとなりました。


株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期 第1四半期決算説明資料
 より引用

2018年の上場時には従業員数が150人程度でしたが、現在は1000人近くにまで成長しています。最初の10年間で構築された仕組みが、上場後の大量採用や広告宣伝活動と相まって、会社の大きなターニングポイントを迎える原動力となりました。

私自身の経験をもとに作られた仕組みは、PMOプロフェッショナルを採用し、教育、評価を行うメカニズムによって具体化されています。

事業内容について

大企業向けのプロジェクトマネジメントを中心に、実行支援を行っています。単なるコンサルティングやアドバイスではなく、実際にプロジェクトの問題解決に切り込むのが我々のサービスです。


株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期
1四半期決算説明資料 より引用

当社は発注側の立場に立つPMOの専門企業として、独自のポジションを築いています。このポジショニングこそが、SIerやコンサルファームとは異なる、大きな差別化要因であります。

また、専業企業として、先に申し上げたようなPMOに特化した採用・教育・評価の仕組み、そして経営ノウハウにも強みをもっております。

さらに、18年間にわたって特化した事業展開を行ってきたことで、業界内でのブランド力も高く、先行者利益を享受できているのです。

先行者であるからこその営業メリットも大きく、現在も月に5~10件の問い合わせがホームページ経由で寄せられております。

また、10年以上かけて築いた教育・評価の仕組みが品質の担保となり、事業の強みとして機能しています。この過程では苦労も多々ありましたが、現在その成果を得ているというわけです。


株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期 第1四半期決算説明資料
 より引用

売り上げは、コンサルタントの数、平均単価、稼働率で構成されております。特にプロジェクト単価については、DX化のトレンドなど追い風な事業環境を受け、持続的な上昇を実現しております。

我々は現場のプロジェクトマネジメント支援から、事業部レベルや全社レベルのEPMOまでを幅広くサポートしております。その結果、役員との接点が増え、ブランディングも強化されています。

また、役員層との信頼関係が築かれ、新たな案件も生まれやすくなっています。現場のプロジェクト開発だけにとどまらず、組織マネジメントの成功といった経営層が強い関心を持つ領域への対応力もまた、我々の大きな強みとなっています。

なお、弊社は10月末決算であるため、第1四半期が11月から1月、第2四半期が2月から4月となっておりますが、転職市場が活性化する時期でもあり、第1・第2四半期に集中して人財採用をおこなっております。結果、第3・第4四半期でその成果を回収するため、利益においては下期偏重の傾向があります。

そのため、単純に営業利益を4等分して進捗率を評価するのではなく、加速度的に下期で上昇するという構造をご理解いただきたいと思います。

株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期 第1四半期決算説明資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

PMOは主に欧米で普及が進んでおり、今後アジアを含むグローバル市場においても広がりが見込まれています。

ガートナー社の調査によると、大手コンサルファームのオプションサービスから中小専業企業まで、その形態は様々ですがPMOの外部支援サービスが広く普及していることがわかります。このように市場は拡大しているものの、一方で独占的なプレーヤーはまだ存在せず、細分化が進んでいる状況です。

市場規模については、日本国内でSIビジネスに特化した場合、8〜9兆円程度と言われており、その中でプロジェクトマネジメント工数が10%を占めるとされています。

仮にこのうちの20%が外部化された場合、1800億円程度の需要が考えられます。加えて、弊社が支援しているSIプロジェクトの割合は3割程度となっており、それ以外のプロジェクトの需要を鑑みると、我々が狙う国内市場規模は6000億円程度となると考えられます。

足元で当社PM事業の売上規模は100億円に到達しておりますが、それでも人財不足になるほどの強い需要を感じている状況です。


株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期 第1四半期決算説明資料
 より引用

この成長市場を捉える鍵は、やはり人財の採用と教育です。我々には15年以上PMO事業に特化した採用経験からなる、適性を判断する確かな目利き力があります。

また、教育に関しては社内のプロジェクト経験を言語化し、ナレッジとして体系化している点が強みです。これにより、適切な人財を採用し、社内で育成を行うことができています。

拡大し続ける市場に対応し、独占的なプレーヤーとしての地位をさらに強固にすることが可能となるでしょう。

また、3年前まで営業専門の組織を必要としないほどに需要は上り調子でありましたが、更なる拡大を目指し、営業組織を立ち上げ、現在積極的な営業活動も行っております。

現在も、新規顧客は対前年比で40~50%の水準で増加しております。収益性の高い顧客への切り替えも進めていることもあり、利益水準も増加していく見込みです。


株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期 第1四半期決算説明資料
 より引用

正直なところ、市場と需要の拡大に応じてどれほどのリソースを営業に割くべきか、判断しかねる部分もあります。ですが、経営層への訴求力強化によりブランド力が高まったことで需要も集まり、改めて市場規模の大きさに気づいています。

投資家の皆様には、現段階ではマーケットの成長性や当社のビジネスモデルの独自性を、改めてご認識いただければと思います。

一方、我々は既存顧客からのリピート率も強みとしています。売上の増加分は、新規と既存の顧客でほぼ半分ずつです。

現在百数十社ほどの取引先があり、多くが上場企業またはそのグループ会社です。上場企業だけでも3500社ほどあり、そのうち売上が1000億円以上の会社は約1000社あります。

このような大手企業は時には数百社ものグループ会社を抱えています。まだ我々のお取引先が百数十社しかないことからも、やはり広大なマーケットが存在していることがわかります。


株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期 第1四半期決算説明資料
 より引用

また、役員への訴求を強化し、強固な顧客基盤を築きながら、数年先にはSIerやソリューション力のあるコンサルファームなどのM&Aを検討しています。

市場の開拓と営業・人財のバランスを考慮し、トップラインを伸ばしつつ利益率を高めることで、次のM&Aに手を伸ばす基盤を作ってまいります。

さらにデジタル事業とBP(ビジネスパートナー)事業の連携により事業多角化を図り、既存ビジネスにとどまらない成長を実現していきます。

PMO事業で構築された顧客基盤の中で、DX関連プロジェクトは近年増加傾向にあり、需要を取り込むべく事業を育てて参ります。

当事業は4年前に立ち上げられましたが、すでに10億円規模まで成長しています。一方で、BP事業も含め、まだまだ利益率が低いため、これを改善しつつトップラインを伸ばす戦略としては、同じくM&Aを検討しています。

日本の大企業におけるDX需要は今後5年~10年続くと見込まれておりますし、当領域はPMO事業と異なり先行者利益はありませんので、顧客基盤獲得という観点からも有効な手段であると考えております。

加えて、長期的な視野に立った場合、今後企業自身がPMOを自走するようになると考えており、これに必要なソフトウェアの提供も進めていきます。当戦略は、利益率の高さから5年~10年など長期的な目線でPMO事業の収益性を向上させる効果があると捉えています。


株式会社 マネジメントソリューションズ 2023年10月期 第1四半期決算説明資料
 より引用

投資家の皆様へメッセージ

国内において、特に大企業を中心に構造改革は喫緊の課題であると認識しています。当社はその改革推進のためのプロジェクトを成功させる会社であり、日本をより良くしたいという思いのもと、長期的な戦略に基づいて事業を展開しております。

引き続き独自のポジションや先行性を武器に誠心誠意頑張ってまいりますので、投資家の皆様にもぜひ長期の目線で応援していただけますと嬉しく思います。

株式会社マネジメントソリューションズ

本社所在地:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー29F

設立:2005年7月

資本金:664,789千円(2023年4月アクセス時)

上場市場:東証プライム(2018年7月23日上場)

証券コード:7033

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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