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【4255】THECOO株式会社 代表取締役CEO 平良真人氏「世界に目を向け、ファンビジネスの大きな拡大を目指す」

※本コラムは2022年10月12日に実施したIRインタビューをもとにしております。

SNSを介して、誰もがインフルエンサーになれる時代になりました。そのインフルエンサーとファンとのコミュニティをつくり、企業のマーケティングにつなげ、高い成長を実現しているのが、THECOO株式会社です。代表取締役CEOの平良真人氏に、ファンビジネスの未来について伺いました。

目次

THECOO株式会社を一言で言うと

一言で申し上げると「ファンビジネスをテクノロジーで活性化する」ということになりますね。

アーティストやアイドル、俳優、インフルエンサー、YouTuberといった方たちと一緒に仕事をすることが多いので、世間的にはエンタテインメント系の会社として見られる面はあるのですが、どちらかというとファンビジネスの会社として考えていただいた方が正しいかも知れません。

それこそ呑み屋の親父さん、ママさんでも良いのですが、一定のファンが付いていらっしゃる方たちであれば、私たちが運営しているプラットフォームでファンコミュニティ・ファンクラブを簡単に開設でき、そこからインフルエンサーマーケティングなどに繋いでいくことができます。

どんな会社なのか。その肝になる部分は、まさに私たちが掲げているビジョンそのものといって良いでしょう。それは「『できっこない』に挑み続ける」です。

創業の経緯

新卒で伊藤忠商事に入社しました。そこからAOL、ソニー、グーグルというように、いろいろな会社で働きました。いずれも素晴らしい会社ばかりで、働いている人たちは皆、とても優秀な方ばかりでした。

少なくとも、私よりは皆、仕事ができる人たちばかりで、常に私は120%で働かないと、皆に追いついていけない、そんな状況でした。

でも、ふと他の方を個々人で見てみると、全員が全員、100%の能力を発揮して働いているのかというと、決してそうではない姿を目にすることもありました。とはいえ、私が120%を出して何とか追いついているなか、それこそ50%程度の力で同等のパフォーマンスを発揮しているのだから、それはそれで本当に優秀なのだろうと思ったのですが、同時に「これだけ優秀な人たちが、100%の能力を発揮して自由に活躍できるような会社が創れれば、きっと面白いだろうな、とも思いました。

私自身はどうだったのかというと、それでも何とか人並みの給料を得て、それなりにプライベートなども充実させてはいたのですが、それは決して自分の実力が評価された結果ではなくて、単に所属している会社が時流に乗っていて、それなりに儲かっていたから、社員としての配分も大きかった、というだけに過ぎないことに気付いていました。

そういう環境の中で働き続けるのは、何かもったいないような気がしてきました。そのようなことをグーグル時代の部下だった下川弘樹(取締役COO)に言ったら、彼も同じことを考えていて、それなら一緒に辞めて会社を立ち上げようということになり、今に至っているわけです。

ですから、決して壮大な社会課題を解決するために起業した、といったような話は全くありません。会社員として20年くらいを過ごしてきて、何となく煮え切らないものがあって、それが何なのかよく分からなかったけれども、とにかく私をはじめとして、皆が自分の本領を100%発揮して、楽しく働ける場を創りたいと思い、THECOOが出来たのです。

もちろん、会社を創った以上は、ちゃんとお金を稼ぐ必要があります。もともと私と下川は、グーグル時代に中小企業向けの広告である「AdWords」の営業チームを立ち上げ、それをスケールさせてきた経験を持っていましたので、まずはAdWords向けの広告コンサルティングからスタートしました。私が営業で仕事を取ってきて、下川が運用するという役割分担です。

それを半年くらい続けるなかで、グーグルのチームメンバーがジョインしてきました。そのメンバーと営業をしているなかで、ユーチューバーを使ったプロモーションを米国でやって欲しい、と言われました。で、実際にやってみて良い手応えを感じたので、日本でもやってみようということで始めた仕事が、今のインフルエンサー事業の原型です。

事業内容について

大きく2つあって、Fanicon(ファニコン)事業と法人セールス事業です。

【4255】THECOO株式会社 代表取締役CEO 平良真人氏「世界に目を向け、ファンビジネスの大きな拡大を目指す」わたしのIFAコラム
THECOO株式会社 2022.12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

Faniconは、会員制ファンコミュニティプラットフォームです。私たちは、一定数のファンを持つ人のことを「アイコン」と称しているのですが、アイコンになるのに、芸能人やミュージシャンである必要はありません。たとえばSNSで数千人のフォロワーがいるようなインフルエンサーであれば、アイコンとしてファンコミュニティをつくることができます。

私たちは、事業を始めた時からロングテール戦略をとってきました。ただ、それはヘッドの部分(ファンベースが大きい方)を一切やらないということではありません。分かりやすい事例を挙げるとYouTubeがそうなのですが、もともと芸能人などの著名人ではない、世間であまり知られていないクリエイターたちが映像をアップして、地道にファン層を作り上げ、今では多くの著名人が自分のチャネルを持つまでになりました。

グーグルがYouTubeを買収したのは、私がグーグルに入社した時なので、ここまで来るのに、かれこれ20年近い年月を要しています。そのくらい長い時間をかけて、愚直にやってきたことが今、花を咲かせているのです。

プラットフォームビジネスは大なり小なり似たところがあります。たとえば楽天も、最初は小さな商店がたくさん出店し、さまざまな仕掛けでユーザー数を増やし、ECプラットフォームとして無視できない存在になったところで、大手が出店するという流れになっています。

ちなみにFaniconに関して申し上げますと、ある程度、ファン数の多い人たちが使いやすい機能を付加するのと同時に、ファンの方々が楽しめるような仕掛けをいろいろ作ったことが、拡大につながったのではないかと考えています。

たとえばファン数が非常に多いアイコンの方たちは、ファンから届くチャットすべてに反応するようなことは、できないと思います。

だとしたら、どのような形でファンとの関係を構築したいのかを、アイコンの方たちからしっかりと伺い、個々人のファンに対するスタンスを理解したうえで、「それならこういう機能を使うといいですよ」ということを、きちんと説明する必要があります。

コンテンツ提供に対してお金をいただかないのも、特徴のひとつです。結果的にコンテンツを提供するケースもあるのですが、基本的にはコミュニティとしての場を提供しており、そこにお金を払っていただくという形をとっています。

もうひとつの柱である法人セールス事業は、運用型広告の代理店事業で、広告主からマージン、フィーをいただいております。私たちがアイコンと称しているインフルエンサーの方を起用したインフルエンサーマーケティングの事業も含んでいます。具体的にはタイアップ動画を制作したり、各種イベントにインフルエンサーをゲストとして招聘したりできますし、インフルエンサーを活用したSNSキャンペーンの企画、SNS広告の運用なども展開しています。2021年度の売上高構成比で申し上げると、Faniconが55%、法人セールス事業が45%になっています。

【4255】THECOO株式会社 代表取締役CEO 平良真人氏「世界に目を向け、ファンビジネスの大きな拡大を目指す」わたしのIFAコラム
THECOO株式会社 2022.12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

現在、ファンクラブの市場規模が1.6兆円と言われているのですが、このうち3分の1が、ファンベースの大きな人たちのファンクラブで、残り3分の2については、もともとは存在していなかった部分です。そこで私たちは圧倒的なシェアを握っていこうと考えています。もちろん、ファンベースの大きな人たちについても、さまざまな仕掛けを考えていきますが、もともとファンコミュニティを持っていなかった3分の2の方たちを対象にするその市場をより大きくしていくことが、私たちの中長期的な成長につながっていくものと考えています。

【4255】THECOO株式会社 代表取締役CEO 平良真人氏「世界に目を向け、ファンビジネスの大きな拡大を目指す」わたしのIFAコラム
THECOO株式会社 2022.12月期 第2四半期 決算説明会資料 より引用

そのための施策としては、たとえばスポーツ選手など熱狂的なファンを抱えているジャンルへ領域を拡大させることや、多言語対応によって海外市場、特に韓国でアイコンやファンベースを増やすことなども考えています。

投資家の皆様へメッセージ

ファンビジネスの領域で、テクノロジーの力を使って出来ていない部分はまだまだたくさんありますし、それは日本だけでも無限にあります。世界に目を向ければ、もっと大きなマーケットが広がっていますから、そこをFaniconを中心にして大きく伸ばしていきたいと思います。

THECOO株式会社

本社所在地:東京都渋谷区神宮前2-34-17

設立:2014年1月20日

資本金:7億55百万円(2022年6月末現在)

上場市場:東証グロース(2021年12月22日上場)

証券コード:4255

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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