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【5028】セカンドサイトアナリティカ株式会社代表取締役社長 高山博和氏 「拡大するAI市場において、データアナリティクス事業で成長する」

※本コラムは2023年5月19日に実施したIRインタビューをもとにしております。

データアナリティクス技術を用いてお客様の課題解決に取り組んでいるセカンドサイトアナリティカ株式会社。

代表取締役社長の高山博和氏に、事業領域選択の背景と、今後の成長戦略についてお伺いしました。

目次

セカンドサイトアナリティカ株式会社を一言で言うと

データアナリティクスの技術を用いてクライアント企業の課題を解決するプロフェッショナル集団です。

創業の経緯

私は学生時代、統計解析・機械学習等の研究を行っており、社会人になってから当社設立までの間は、金融領域のコンサルタントとして様々なお客様の経営改善・業務改善プロジェクトに携わらせて頂きました。

コンサルティング業務に従事していた時、大量のデータを保有しているにも関わらず、それを経営資源として十分に活用できていない企業が多く、「この資源を有効活用することはできないか?」と考えるようになりました。

当時のプロジェクトのスコープ外ではあったのですが、”勝手に”データ分析・機械学習モデルの構築を行い、施策を講じた結果、比較的容易に数億~数十億の利益をクライアントにもたらすことが出来、データの持つポテンシャルや破壊力を肌で感じることが出来ました。

このような体験から、日本の企業に眠っている宝の山(膨大な量のデータ)を活用すればより大きな価値を生み出すことが出来るのではないか、と考えるようになり、当社の設立を決めました。

セカンドサイトアナリティカ株式会社 2023年3月期 通期決算説明資料 より引用

以降、金融はもとより製造や建設等の非金融領域も含め、企業の課題解決に日々取り組んでいます。

当社として重要視しているポイントは、企業のビジネス課題を解決するということです。

高度な技術を持つ技術者ほど複雑なデータ分析・AI技術で課題解決しようとしてしまう傾向がありますが、エクセル等を用いた単純なデータ集計で新たなインサイトが得られ、そこから課題解決をすることが出来るのであればそれで構わないのです。

いかにしてビジネス課題を解決するか、そのためにAIが必要であればAI技術を用いる、さらにAIプロダクトの導入が必要なのであれば導入する、といった形で常にクライアントのビジネス価値を創出することに重きをおいております。

当社の上場は2022年ですが、具体的に上場の検討を開始したのは2018年頃からです。

当社のビジネスモデルで最も重要な資産は人です。人や分析環境への投資が事業拡大の上で必要になり、社会的信用力確保のために上場という手段をとりました。

事業内容について

大きく分けて2つあります。一つがアナリティクスコンサルティング事業、もう一つがAIプロダクト事業になります。

アナリティクスコンサルティング事業は、お客様のデータを用いて課題の抽出・設計等をした後に解決策を提示し、解決に向けて伴走するものです。

ここで用いられるノウハウ・コア技術がいわゆるアナリティクス・AIの技術であり、これらの技術を用いて課題解決に取り組んでおります。

AIプロダクト事業は、アナリティクスコンサルティング事業で得た知見を活用したプロダクトの開発と販売になります。

AIプロダクトも大きく二つにわかれておりまして、一つが「カスタムメイド型AIパッケージ製品」、もう一つが「拡販型AIプロダクト」になります。

前者は、大型かつある程度高価なパッケージ製品で、一定のカスタムを行いつつお客様に導入していくケースが多いです。後者はいわゆるSaaS型と呼ばれるような、お申し込みをしていただければ、ウェブ上で自由に使えるような製品となっております。

セカンドサイトアナリティカ株式会社 2023年3月期 通期決算説明資料 より引用

中でもAIプロダクト「戦略最適化エンジン」は、金融機関の与信戦略領域においてよく導入されております。

例えば、カードローンの申込審査では、審査のOK/NGはもちろんのこと、審査通過後の与信枠や金利等を様々な観点から判断することが求められます。

従来、与信枠に関しては個々の貸倒リスクのみを判断基準に枠を決めていることが多々ありましたが、これでは達成すべき事業目標・シナリオに沿った審査判断を行うことが出来ません(具体的には、「貸倒率XX%以下」「承認率XX%以上」等の条件満たした上での「収益最大化」「顧客数最大化」等の事業目標を達成することが出来ない)。

この課題を解消するため、「戦略最適化エンジン」では、利用者全体のポートフォリオを、達成したい事業目標や制約条件に沿って最適化したうえで、個々の利用者の利用枠や金利を算出するAIモデルを構築し、利用することができます。

人材について

私はアナリティクスコンサルティングサービスの提供、AIプロダクトの開発・販売の全てにおいて、人材戦略が重要なポイントであると考えています。

メインは採用で人材を賄うことになりますが。当社が求める人材は、現状市場にあまり存在しておりません。

ビジネスコンサルティングに特化した方や、データサイエンスに特化した方はいらっしゃるのですが、当社では双方のスキルを持ちつつ一定のITリテラシーを持った人材を求めており、そうした人材を見つけることは非常に困難です。

そのため、どちらかのスキルを持っている方を採用し、不足している部分を教育で補い、日々の業務を通して「人財」になるまで育てます。

セカンドサイトアナリティカ株式会社 2023年3月期 通期決算説明資料 より引用

中長期の戦略イメージとそのための施策

ストックビジネスの拡大、アナリティクスコンサルティングの領域拡大、アカデミアとの融合の3本柱で考えております。

セカンドサイトアナリティカ株式会社 2023年3月期 通期決算説明資料 より引用

「ストックビジネスの拡大」については、AIプロダクトの拡販を軸に進めております。

大企業に対しては大型の「カスタムメイド型AIパッケージ製品」を、中小企業に対しては小型の「拡販型AIプロダクト」を提供することを考えております。

また、BIツール、クラウドサービスの事業者等と連携し、提携先のプロダクトと当社AIプロダクトをセット販売できる体制を整え、急速な拡大を目指しています。

「アナリティクスコンサルティングの領域拡大」については、特定業種(例えば金融機関)で実績の多い成功プロジェクトの横展開を図りつつ、得られた技術ノウハウを他業種向けにアレンジし、サービスの提供範囲拡大を目指しています。

「アカデミアとの融合」については、大学や公的研究機関等と連携をとることで先進的なAI技術のナレッジを獲得し、スピーディーな実用化を目指すものです。

統計・機械学習のエキスパートを技術顧問として招聘し、基礎研究から社会実装までを高速で実現していきたいと考えております。

当社は中長期的な目線で成長を考えており、今はまだ発展途上の段階にあります。我々が主力としている「お客様のデータを用いて課題解決する領域」にはまだ開拓余地がありますし、規模の拡大も十分に見込めます。

AI市場の規模は2025年には1.9兆円程度になると推計されています。これは非常に大きなマーケットですし、成長率も高いです。

セカンドサイトアナリティカ株式会社 2023年3月期 通期決算説明資料 より引用

もちろんシェアをとることは重要ですが、市場の高成長に追従し、更にはリードすることができれば必然と会社自体も成長することができると考えております。

投資家の皆様へメッセージ

繰り返しになりますが、当社はまだまだ発展途上の段階にあり、技術開発や人材への投資を積極的に行うことで、中長期での持続的な成長を目指しております。

投資家の皆様にも中長期的な目線で当社を見ていただき、応援していただけますと幸いです。

セカンドサイトアナリティカ株式会社

本社所在地:東京都千代田区神田西福田町3番地 RBM神田ビル 6階

設立:2016年6月1日

資本金:322百万円(2023年5月アクセス時)

上場市場:東証グロース (2022年4月4日上場)

証券コード:5028

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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