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【2991】株式会社ランドネット代表取締役 榮章博氏 「不動産仲介業において幅広く物件を扱い、業界トップを目指す」

※本コラムは2023年6月22日に実施したIRインタビューをもとにしております。

不動産仲介業において、ワンルームからファミリータイプまで、対投資家から対エンドユーザーまで、幅広く事業を展開する株式会社ランドネット。

代表取締役の榮章博氏に、事業領域選択の背景や今後の成長戦略についてお伺いしました。

目次

株式会社ランドネットを一言で言うと

不動産流通業をDX化する会社です。

創業と沿革

創業の経緯

元々大手不動産流通会社の方で営業として勤めていました。

私が35歳のときにwindows95が発売され、これを活用することで、より便利にお客様にアプローチできるのではないかと考えました。

具体的には、不動産の所有者にお送りするダイレクトメールを表計算ソフトで作成することで、営業活動をスピーディに行うことが可能になると思っていました。

これらを外注するのではなく、すべて自らの手で構築をしていき、いずれ本業として拡大させたいと思い、当社の創業に至りました。

ターニングポイント

1つ目は、法務局がインターネットに対応し始めたことです。

例えば、昔は青森県の物件を取り扱おうとしたら実際に青森まで足を運んで謄本を取得しなければなりませんでしたが、今ではインターネット経由でどこからでも取得できるようになりました。

このことにより、全国の区分マンションのデータを取得することができ、以後の成長基盤とすることができました。

2つ目に、Googleストリートビューのリリースです。これによって、物件を含めた街並みや周辺環境を、遠隔からでも全て画像で確認できるようになりました。

3つ目は、現代において、不動産をフルリフォーム・フルリノベーションして住みたいという要望が強くなってきていることです。

中古物件取得から、リフォーム、販売までを一貫して行う当社にとっては、価格競争力という面でよい外部環境の変化となりました。

事業内容について

不動産の売買事業と賃貸管理事業の2つです。

1つ目の不動産売買事業ですが、当社が行う売買事業の特徴として、日本全国に対応しているというものがあります。

多くの不動産会社はドミナント戦略をとっていることが多く、特定の地域でしか活動していないことが大半です。

一方、当社は北は札幌から南は石垣島まで、日本全国の物件を取り扱っています。

また、物件の種別を限定していない点も他社にはない特徴と言えるでしょう。ワンルームから戸建て、ファミリーマンションまで幅広く取り扱っております。

当社は買い取り、リフォーム、販売までの全てを賄っているため、お客様に対して安価に物件を提示できます。

この一連の仕組みを当社では“ダイレクト不動産”と呼び、不動産仲介業の理想的な姿としています。

株式会社ランドネット ホームページ より引用

2つ目の賃貸管理事業は、その名の通り投資用不動産として購入していただいた物件の賃貸運営、管理を行う事業です。的確な運営、管理を通じて、安定した家賃収入を得られるように努めています。

当社事業において、創業以来蓄積されてきたデータベースの活用、特に基幹システムの果たす役割は非常に大きなものとなっています。

まずは、業務の効率化です。データベースには過去の売り出し、成約、賃貸の貸出事例等の情報が有機的に連動しています。

この情報を基に、営業担当は適正価格がいくらであるかを迅速に判断することが出来ます。

株式会社ランドネット 2023年7⽉期第3四半期 決算説明会資料 より引用

次に社員の教育における効果です。社員は先ほど申し上げた情報に自席から簡単にアクセスでき、なおかつお客様との過去の様々な交渉の内容やその経緯を全て確認できます。

そのうえでお客様と接するわけですから、成長はより速いのではないかと思います。

株式会社ランドネット 2023年7⽉期第3四半期 決算説明会資料 より引用

さらに、仕入れにおいてもデータベースは大きな役割を果たしています。

一般的に、不動産業はいかに良い物件を安定して仕入れることができるかという点が重要になります。

創業以来蓄積されたデータベースを基盤として、それを基幹システムによって有効活用しています。そして、仕入れた物件をリノベーションして付加価値を与え、他社と比べて有利な条件でローンを組むことができます。

これが価格競争力を生み出し、売上の源泉となっています。

皆様からは投資用不動産の会社というイメージを持たれがちですが、実はそうではありません。

創業当初は大手との競合を避けるべく、ワンルームタイプの物件からスタートしました。徐々に会社の規模が大きくなるにつれて、床面積がより広い物件や築浅の物件を扱うようになりました。

今ではファミリータイプに注力しており、今後は戸建てやアパートを扱う準備段階に入ります。 

株式会社ランドネット 2023年7⽉期第3四半期 決算説明会資料 より引用

中長期の戦略イメージとそのための施策

大きく3つあります。

まずは、取り扱い物件の種類を拡大します。区分マンションの取り扱いを築浅ファミリータイプにも拡大し、区分マンションの全てを取り扱います。

また、これ以外にも戸建て、土地、アパートも取り扱い、最終的には一棟のビル、マンションへと拡大します。

株式会社ランドネット 2023年7⽉期第3四半期 決算説明会資料 より引用

次に、個人投資家向けの販売を強化します。自社運営メディア「Redia」を通じた個人投資家へのデジタルマーケティングを推進し、直接販売を拡大する方針です。

株式会社ランドネット 2023年7⽉期第3四半期 決算説明会資料 より引用

さらに、ファミリータイプの販売も強化します。ファミリータイプの取り扱いを拡大し、既存のリフォーム事業のブランド化を推進します。

また、社内モデルルームの設置や施工人員を増加させ、ファミリータイプ案件の販売を強化します。

現在、販売数においては、対エンドユーザーと対投資家の比率が55:45となっています。当社としては双方ともに伸ばしていきたいと考えています。

具体的には、保証を手厚くすることで買いやすさを担保するような仕組みを整えています。

通常、民法上では2年間の契約不適合責任がありますが、当社はそれを3年に延長することに加えて、設備の補償や家賃滞納への補償といった制度も構築しています。これにより、お客様により安心して物件を購入していただけるようにしています。

株式会社ランドネット 2023年7⽉期第3四半期 決算説明会資料 より引用

また、新たな試みとして、資産運用クラウドファンディングに取り組みます。

年間予想配当利回り3%を確保しながら、ファンドとしても総出資額が1000万円以上、最大1億円規模のクラウドファンディングを検討しています。

ファミリータイプの物件を対象として、安定した家賃収入を得るモデルを想定しています。

当社が事業領域とする市場には大手の不動産流通業者が多数いらっしゃいますが、我々にはそこに食い込んでいけるポテンシャルがあると思っています。

当社としては、不動産を不要なところから必要なところへ“動かす”ことで、新たな価値を創出できると考えています。

例えば、5階建てでエレベーターがないビルは日本にたくさんありますが、色々なコンバージョンを行うことで物件を生まれ変わらせることができます。

さらに、当社は全ての不動産を扱う会社になることを目標としています。

特定の地域の物件、特定の種類の物件に限定することなく、日本全国、全種類の物件を取り扱うという目標を持っているのは当社だけでしょう。

ここはオンリーワンなポイントだと思います。

投資家の皆様へメッセージ

何か新しいものが生まれ、それが世に広まったとき、生き残ることができる者はそれを上手く使いこなした者であります。

これから先の不動産業界は、ITやDXの潮流に乗り遅れず、これらの武器を使いこなした企業が生き残るような環境になると見込まれます。

IT・DXを使いこなした面白い会社になれればと思っておりますので、応援していただけますと幸いです。

株式会社ランドネット

本社所在地:東京都豊島区南池袋1-16-15 ダイヤゲート池袋 7階

設立:1999年9月29日

資本金:7億60万6,000円(2023年4月30日時点)

上場市場:東証スタンダード (2021年7月21日上場)

証券コード:2991

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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